有価証券報告書-第84期(2025/06/01-2026/05/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱めの動きもみられますが、雇用・所得環境の改善を背景に、全体としては緩やかに回復しております。海外経済においても、各国の通商政策等の影響を受けて一部弱含む動きがみられるものの、総じてみれば緩やかな成長が続いております。企業収益は、製造業において関税による下押しの影響がみられる一方で、全体としては高水準を維持しており、これを背景に設備投資も緩やかに増加しました。また、個人消費は物価上昇の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移しております。他方、今年に入り開始された中東地域での紛争は、一旦は停戦が成立したものの、紛争に起因する原油やナフサ等の供給ショックによる経済的悪影響も表れ始めており、先行きについては予断を許さない局面にあります。
医薬品業界におきましては、2024年9月の社会保障審議会医療保険部会において、「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」が策定され、「主目標:医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上」(旧ロードマップから継続)、「副次目標:後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上」が掲げられております。さらに、社会保障制度改革の一環として制度見直しが進められており、2026年6月からは長期収載品に係る「選定療養制度」が拡大され、また同年10月以降に新規収載されるオーソライズド・ジェネリック(AG)には先発品と同額の薬価が適用されます。加えて一部のOTC類似薬については、2027年3月より患者負担が新たに導入される予定です。
一方、後発医薬品を中心とする供給不安は長期化しており、過当競争状態の是正、過度な低価格競争からの脱却、規模の経済が生かせる企業規模へ再編していくための環境整備など、多くの課題を抱えております。こうした状況を踏まえ、国は後発医薬品業界の安定供給体制の強化に向けて「後発医薬品製造基盤整備基金」の創設を進めており、今後は品質確保や安定供給を担う企業への支援が本格化することが期待されております。
このような状況において、当社グループでは、中期経営計画「Daito Transformation Plan 2027」のもと、患者様及び医療関係者様の皆様への高品質な医薬品の安定供給に努めて参りました。
売上高の販売品目ごとの業績は次の通りであります。
原薬では、抗アレルギー剤原薬は増加しましたが、止血剤・抗凝固薬原薬が減少し、売上高は22,482百万円(前期比1.7%減)となりました。
製剤では、ジェネリック及び受託製造(医療用)の製品が堅調に推移したことから、売上高は27,984百万円(前期比1.4%増)となりました。
健康食品他につきましては、売上高は184百万円(前期比3.0%増)となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は50,650百万円(前期比0.0%増)となりました。支払手数料の増加により販管費は増加したものの、棚卸資産の評価減の大幅な改善、スマートスペンディングによるコスト管理の徹底により売上原価が減少したことから、営業利益は3,637百万円(前期比38.8%増)、経常利益3,812百万円(前期比40.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,161百万円(前期比65.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,253百万円の減少となり、954百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は9,377百万円(前期比3,480百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,065百万円、減価償却費4,387百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4,388百万円(前期比2,976百万円の減少)となりました。これは主に、生産設備の拡充に伴う有形固定資産の取得による支出3,818百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6,289百万円(前年同期は1,002百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出3,099百万円、自己株式の取得による支出1,631百万円、配当金の支払額1,119百万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの生産実績を記載しております。
2.金額は販売価格によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの商品仕入実績を記載しております。
2.金額は実際仕入額によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの受注実績を記載しております。
また、当社は製剤の一部について受注生産を行っているため、その分の金額を記載しております。
2.金額は販売価格によっております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、前連結会計年度において東和薬品株式会社への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、相手先別の情報の記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、原薬が弱含んだものの、製剤はGx製品及び受託製造(医療用)が増加し、売上高は50,650百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、減価償却費の増加、中東情勢の緊迫化や円安等による原材料費の高騰、人的資本への投資等あるも、長期滞留在庫の削減による在庫評価減の解消、スマートスペンディングの徹底により、40,753百万円となりました。
この結果、売上総利益は9,897百万円となり、前連結会計年度に比べ1,259百万円増加しました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,260百万円となり、前連結会計年度に比べ、242百万円増加しました。開発品目の計画変更等により研究開発費は減少しましたが、データ分析の強化やコスト構造改革費、資産譲渡を受けた品目の販売手数料の増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は3,637百万円となり、前連結会計年度に比べ1,017百万円増加しました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、為替差益102百万円、持分法適用会社の投資利益87百万円などにより424百万円となり、前連結会計年度に比べ178百万円増加しました。営業外費用は雑損失の増加などにより249百万円となり、前連結会計年度に比べ89百万円増加しました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は3,812百万円となり、前連結会計年度に比べ1,106百万円増加しました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は569百万円となり、前連結会計年度に比べ69百万円減少しました。これは主に、投資有価証券売却益が減少したことによるものであります。特別損失は316百万円となり、前連結会計年度に比べ68百万円減少しました。これは固定資産除却損が減少したことによるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,161百万円となり、前連結会計年度に比べ1,253百万円の増加となりました。
b.財政状態の分析
<資産、負債及び純資産の状況>当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,713百万円減少し、73,291百万円となりました。これは主に、電子記録債権の減少1,391百万円、現金及び預金の減少1,253百万円、仕掛品の減少1,023百万円等があったことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末より5,584百万円減少し、20,352百万円となりました。これは主に、長期借入金の減少2,815百万円、未払金の減少1,672百万円及び電子記録債務の減少1,397百万円等があったことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末より870百万円増加し、52,938百万円となりました。これは主に、退職給付に係る調整累計額の増加210百万円等があったことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度より5.5ポイント上昇し、72.2%となったほか、自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度より2.3ポイント上昇し、6.0%となっております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
国のジェネリック医薬品使用促進策が進められ、ジェネリック医薬品の普及が拡大する一方、2021年度から2年に1度の薬価改定に加え、中間年においても改定を行う毎年薬価改定が実施されており、今後、医薬品業界の事業環境は厳しいものとなることが予想されます。
当社グループにおいて、医薬品の製造設備に関する設備投資を実施した際には、原薬及び製剤の本格的な製造に至るまでに試作期間等を含めたバリデーションのための期間が必要となります。バリデーションとは、医薬品の製造、設備及び工程において、品質特性に適合する製品が生産されることを保証し、文章化することを言います。当社グループの場合は本格的な製造を開始するまでには設備の竣工後、半年から1年程度のバリデーション期間を要することが一般的になっております。
なお、減価償却費の計上はバリデーションの開始時期から行うため、売上高の計上よりも減価償却費の計上が先行することとなります。そのため、バリデーションは連結損益計算書において損益の悪化要因として影響することが見込まれます。
d.資本の財源及び資金の流動性についての情報
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料購入費用及び製造費用、商品仕入費用、研究開発費、生産能力強化のための設備投資費用等であります。
これら資金需要への対応は、主に自己資金及び金融機関からの借入による資金調達を基本としております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、9,296百万円であります。また、複数の金融機関との間で合計17,500百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高:-百万円、借入未実行残高:17,500百万円)
なお、2024年7月に発表した中期経営計画「DTP2027」では、高品質な医薬品の安定供給体制の維持と持続的な成長に必要な投資を確保しつつ、安定的且つ積極的は株主還元を実施することを資本配分方針としており、その内訳は経常投資:約55億円、成長への投資:約195億円+α、株主還元:50億円以上としております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱めの動きもみられますが、雇用・所得環境の改善を背景に、全体としては緩やかに回復しております。海外経済においても、各国の通商政策等の影響を受けて一部弱含む動きがみられるものの、総じてみれば緩やかな成長が続いております。企業収益は、製造業において関税による下押しの影響がみられる一方で、全体としては高水準を維持しており、これを背景に設備投資も緩やかに増加しました。また、個人消費は物価上昇の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移しております。他方、今年に入り開始された中東地域での紛争は、一旦は停戦が成立したものの、紛争に起因する原油やナフサ等の供給ショックによる経済的悪影響も表れ始めており、先行きについては予断を許さない局面にあります。
医薬品業界におきましては、2024年9月の社会保障審議会医療保険部会において、「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」が策定され、「主目標:医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上」(旧ロードマップから継続)、「副次目標:後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上」が掲げられております。さらに、社会保障制度改革の一環として制度見直しが進められており、2026年6月からは長期収載品に係る「選定療養制度」が拡大され、また同年10月以降に新規収載されるオーソライズド・ジェネリック(AG)には先発品と同額の薬価が適用されます。加えて一部のOTC類似薬については、2027年3月より患者負担が新たに導入される予定です。
一方、後発医薬品を中心とする供給不安は長期化しており、過当競争状態の是正、過度な低価格競争からの脱却、規模の経済が生かせる企業規模へ再編していくための環境整備など、多くの課題を抱えております。こうした状況を踏まえ、国は後発医薬品業界の安定供給体制の強化に向けて「後発医薬品製造基盤整備基金」の創設を進めており、今後は品質確保や安定供給を担う企業への支援が本格化することが期待されております。
このような状況において、当社グループでは、中期経営計画「Daito Transformation Plan 2027」のもと、患者様及び医療関係者様の皆様への高品質な医薬品の安定供給に努めて参りました。
売上高の販売品目ごとの業績は次の通りであります。
原薬では、抗アレルギー剤原薬は増加しましたが、止血剤・抗凝固薬原薬が減少し、売上高は22,482百万円(前期比1.7%減)となりました。
製剤では、ジェネリック及び受託製造(医療用)の製品が堅調に推移したことから、売上高は27,984百万円(前期比1.4%増)となりました。
健康食品他につきましては、売上高は184百万円(前期比3.0%増)となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は50,650百万円(前期比0.0%増)となりました。支払手数料の増加により販管費は増加したものの、棚卸資産の評価減の大幅な改善、スマートスペンディングによるコスト管理の徹底により売上原価が減少したことから、営業利益は3,637百万円(前期比38.8%増)、経常利益3,812百万円(前期比40.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,161百万円(前期比65.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,253百万円の減少となり、954百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は9,377百万円(前期比3,480百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,065百万円、減価償却費4,387百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4,388百万円(前期比2,976百万円の減少)となりました。これは主に、生産設備の拡充に伴う有形固定資産の取得による支出3,818百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6,289百万円(前年同期は1,002百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出3,099百万円、自己株式の取得による支出1,631百万円、配当金の支払額1,119百万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2025年6月1日 至 2026年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 原薬(百万円) | 20,511 | 98.3 |
| 製剤(百万円) | 24,494 | 102.4 |
| 健康食品他(百万円) | - | - |
| 合計(百万円) | 45,006 | 100.5 |
(注) 1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの生産実績を記載しております。
2.金額は販売価格によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2025年6月1日 至 2026年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 原薬(百万円) | 1,632 | 85.7 |
| 製剤(百万円) | 3,160 | 118.9 |
| 健康食品他(百万円) | 123 | 112.4 |
| 合計(百万円) | 4,916 | 105.2 |
(注) 1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの商品仕入実績を記載しております。
2.金額は実際仕入額によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2025年6月1日 至 2026年5月31日) | |||
| 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
| 製剤 | 23,549 | 96.7 | 4,895 | 83.8 |
(注) 1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの受注実績を記載しております。
また、当社は製剤の一部について受注生産を行っているため、その分の金額を記載しております。
2.金額は販売価格によっております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2025年6月1日 至 2026年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 原薬(百万円) | 22,482 | 98.3 |
| 製剤(百万円) | 27,984 | 101.4 |
| 健康食品他(百万円) | 184 | 103.0 |
| 合計(百万円) | 50,650 | 100.0 |
(注) 1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、前連結会計年度において東和薬品株式会社への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、相手先別の情報の記載を省略しております。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年6月1日 至 2026年5月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社フェルゼンファーマ | 5,225 | 10.3 | 5,597 | 11.1 |
| 東和薬品株式会社 | - | - | 5,075 | 10.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、原薬が弱含んだものの、製剤はGx製品及び受託製造(医療用)が増加し、売上高は50,650百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、減価償却費の増加、中東情勢の緊迫化や円安等による原材料費の高騰、人的資本への投資等あるも、長期滞留在庫の削減による在庫評価減の解消、スマートスペンディングの徹底により、40,753百万円となりました。
この結果、売上総利益は9,897百万円となり、前連結会計年度に比べ1,259百万円増加しました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,260百万円となり、前連結会計年度に比べ、242百万円増加しました。開発品目の計画変更等により研究開発費は減少しましたが、データ分析の強化やコスト構造改革費、資産譲渡を受けた品目の販売手数料の増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は3,637百万円となり、前連結会計年度に比べ1,017百万円増加しました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、為替差益102百万円、持分法適用会社の投資利益87百万円などにより424百万円となり、前連結会計年度に比べ178百万円増加しました。営業外費用は雑損失の増加などにより249百万円となり、前連結会計年度に比べ89百万円増加しました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は3,812百万円となり、前連結会計年度に比べ1,106百万円増加しました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は569百万円となり、前連結会計年度に比べ69百万円減少しました。これは主に、投資有価証券売却益が減少したことによるものであります。特別損失は316百万円となり、前連結会計年度に比べ68百万円減少しました。これは固定資産除却損が減少したことによるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,161百万円となり、前連結会計年度に比べ1,253百万円の増加となりました。
b.財政状態の分析
<資産、負債及び純資産の状況>当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,713百万円減少し、73,291百万円となりました。これは主に、電子記録債権の減少1,391百万円、現金及び預金の減少1,253百万円、仕掛品の減少1,023百万円等があったことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末より5,584百万円減少し、20,352百万円となりました。これは主に、長期借入金の減少2,815百万円、未払金の減少1,672百万円及び電子記録債務の減少1,397百万円等があったことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末より870百万円増加し、52,938百万円となりました。これは主に、退職給付に係る調整累計額の増加210百万円等があったことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度より5.5ポイント上昇し、72.2%となったほか、自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度より2.3ポイント上昇し、6.0%となっております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
国のジェネリック医薬品使用促進策が進められ、ジェネリック医薬品の普及が拡大する一方、2021年度から2年に1度の薬価改定に加え、中間年においても改定を行う毎年薬価改定が実施されており、今後、医薬品業界の事業環境は厳しいものとなることが予想されます。
当社グループにおいて、医薬品の製造設備に関する設備投資を実施した際には、原薬及び製剤の本格的な製造に至るまでに試作期間等を含めたバリデーションのための期間が必要となります。バリデーションとは、医薬品の製造、設備及び工程において、品質特性に適合する製品が生産されることを保証し、文章化することを言います。当社グループの場合は本格的な製造を開始するまでには設備の竣工後、半年から1年程度のバリデーション期間を要することが一般的になっております。
なお、減価償却費の計上はバリデーションの開始時期から行うため、売上高の計上よりも減価償却費の計上が先行することとなります。そのため、バリデーションは連結損益計算書において損益の悪化要因として影響することが見込まれます。
d.資本の財源及び資金の流動性についての情報
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料購入費用及び製造費用、商品仕入費用、研究開発費、生産能力強化のための設備投資費用等であります。
これら資金需要への対応は、主に自己資金及び金融機関からの借入による資金調達を基本としております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、9,296百万円であります。また、複数の金融機関との間で合計17,500百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高:-百万円、借入未実行残高:17,500百万円)
なお、2024年7月に発表した中期経営計画「DTP2027」では、高品質な医薬品の安定供給体制の維持と持続的な成長に必要な投資を確保しつつ、安定的且つ積極的は株主還元を実施することを資本配分方針としており、その内訳は経常投資:約55億円、成長への投資:約195億円+α、株主還元:50億円以上としております。