訂正有価証券報告書-第14期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

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2015/02/16 12:12
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1.規模の拡大による収益力の強化
わが国の国民医療費は、高齢化に伴い国民所得の伸び率を上回る伸張を示し、これに対し国策として平成14年医療制度改革が打ち出されました。この改革は医療費削減を主目的とするもので、薬価(医療用医薬品を一般患者に販売する際の公定価格)の引き下げ及び診療報酬の引き下げが実施されており、下げ幅は徐々にゆるやかになる見方もあるものの、価格が上方に改定される可能性は低いといわざるを得ません。当社グループは、これらの医療費削減策への対処を最大の課題の一つと捉えて、いくつかの方策を推進してまいります。
調剤薬局の売上高は、(1)医薬品販売による売上高と、(2)調剤技術に係る調剤報酬売上高で構成されております。以下、それぞれの売上高区分ごとに対処すべき課題を示します。
(1) 医薬品販売に係る対処すべき課題
医薬品の単価は前述のとおり、医療費削減策の影響を受け、年々低減傾向にありますが、医薬品メーカーから医薬品卸業者への販売価格は薬価の引き下げに比例して引き下がるとは限らず、当然のことながら、その先の当社グループを含む調剤薬局への医薬品卸業者からの販売価格についても、国策の薬価改定に必ずしも比例せず、これらの流通価格はあくまで市場原理の働きにより取引当事者双方の協議によって決定されるものであります。
医薬品卸業者との価格交渉は、薬価改定の年ごとに、薬価に対する一括値引率を協議して決定します。その協議の中で、最も影響を与えるのが仕入量と今後の増加見込みであります。当社グループが医薬品販売量を増大させるには、店舗数の拡大が主たる販売量増加策となります。当社グループは、平成15年以降は毎年10店舗以上、新規開局等により純増し、成長拡大を続けております。今後もさらに積極的に事業規模を拡大して行くことが極めて重要な課題であると考えております。また、平成26年度の改定において、本年9月末までに医薬品卸業者との価格交渉を経て妥結する薬価に対する一括値引率について、妥結率が50%以下の場合、調剤基本料の点数が引下げられるため、早期妥結に向けた交渉を実施しております。
(2) 調剤技術料及び薬学管理料に係る調剤報酬売上高の強化策
調剤報酬点数のうちいくつかは、薬剤師の調剤技術、調剤薬局の体制及び患者に対する薬歴管理、薬剤情報提供等によって算定要件に差異が生じます。当社グループにおいてはこれらの調剤技術、体制、薬歴管理及び情報提供等による調剤報酬加算の増減に対処するため、薬剤師の技術向上と、各薬局の体制整備等が課題であると認識しております。当社グループでは薬剤師への教育研修を専門に行う薬事支援部を設置しております。薬事支援部では、新規に開局する薬局店舗について最適な体制を整備するよう開局時に監督し、必要な指導を施しております。
また、薬剤師一人一人の技術やコミュニケーションスキルの向上に向けて、定期的な研修を実施し、技術の獲得と向上に努め、患者に過不足なく適切なサービスを提供し、調剤技術料を算定できるよう心がけていくことが重要な課題と認識し、その対処に注力しております。その内のいくつかとして、取り組んでいる施策を例示いたします。

① 調剤基本料及び基準調剤加算
調剤基本料は、下表のとおり2段階評価から4段階評価へ移行いたします。
平成26年4月改定以前平成26年4月改定
1ヶ月4,000回超の処方実績
かつ1医療機関への集中度70%超
24点1ヶ月4,000回超の処方実績
かつ1医療機関への集中度70%超
25点
上記以外40点1ヶ月2,500回超の処方実績
かつ1医療機関への集中度90%超
25点
1ヶ月2,500回超の処方実績
かつ1医療機関への集中度90%超
かつ24時間開局
41点
上記以外41点

また基準調剤加算についても、24時間調剤体制及び在宅患者対応の項目が追加され、基準調剤体制加算1(10点→12点)、基準調剤体制加算2(30点→36点)へと変更となりました。平成26年度の診療報酬改定は「超少子高齢化社会」の到来に向けた国策であり、当社グループでは、調剤薬局事業を中心とし、介護福祉事業及び医薬品卸事業とのシナジー効果を創出し、医療機関と調剤薬局との連携強化、在宅医療への積極的な取り組みに努め、地域包括ケアシステムに資する医療サービスの提供を実践いたします。
② ジェネリック医薬品(後発医薬品)推進による後発医薬品調剤体制加算
国策である医療費抑制策の一環として、単価がより安価なジェネリック医薬品(後発医薬品)の取扱が強化されており、平成24年度の改正では処方箋を発行する医師側への「一般名処方」に対する加算が導入され、ジェネリック医薬品への促進が強化されております。また、平成26年度の改定では、平成30年3月末までに後発医薬品の数量シェアを60%まで引き上げることを目指した「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を受けて、新指標(後発医薬品に置き換えられる先発医薬品及び後発医薬品をベースとした数量シェア)に基づく2段階評価が実施されます。
平成24年4月改定平成26年4月改定
調剤数量割合20%5点調剤数量割合廃止廃止
30%15点55%18点
35%19点65%22点

ジェネリック医薬品への変更は、多くの場合、薬剤師がその安全性等をわかりやすく説明した上でなければ、患者は安心して変更投薬に同意するものではありません。薬剤師は、ジェネリック医薬品に関する知識を習得する他、安全性情報を収集、蓄積し、患者にわかりやすく説明をする技量を身につけなければなりません。当社グループでは、ジェネリック医薬品推奨に必要な知識の研鑽や、患者との円滑なコミュニケーションを実践できるように定期的な薬剤師研修を実施し、ジェネリック医薬品推奨策に対応しております。
なお、ジェネリック医薬品は、先発品より単価が低く設定されておりますので、徴収する代金は患者への負担を強いる結果にはならず、負担が軽くなるのが実状であります。このジェネリック医薬品の推奨は、我が国の政策としても今後さらに厳格に課されることが予想されております。当社グループでは、そうした政策の変化にも対応し得る技術、体制を整備しておりますが、さらなる強化に取り組んでまいります。
③ 一包化加算
調剤技術料には、「一包化加算」があります。これは、数種類の薬剤を処方する場合で、その服用リズムが、例えば朝と晩、朝と昼と晩等の指示となっている場合に、朝に飲む薬剤、昼に飲む薬剤、夜に飲む薬剤と、服用リズムごとに、別の薬剤をまとめて小さな袋に入れて渡し、飲み忘れ、飲み間違いを防ぐサービスに対する技術料加算であります。このサービスを提供するために、当社グループでは「全自動分包機」の導入を進めております。事前に患者に説明の上、同意を得て一包化調剤をし、さらに待ち時間が長くならないように処理時間の早い分包機を選定し、より良質なサービスの提供に努めてまいります。
④ 薬剤服用歴管理指導料
当社グループでは来局される患者全てに、初回来店時はアレルギーの有無を始めとする基本情報を質問表で取得し、処方された薬剤の飲み方、留意すべき副作用、飲み合わせや生活習慣上の注意点(例えば、食事や飲酒)等十分な説明と指導を行いながら投薬を行っております。これらは、薬剤師一人一人が薬剤とその作用機序・副作用等の知識があるのは当然のことながら、新しく発売される医薬品の情報、既存医薬品の取扱に関する添付文書の変更等、常に注意を払って情報を収集し、研鑽に努めなければなりません。一個人による情報収集には限界がありますが、当社グループは、薬剤に関する薬事的な情報収集と薬剤師への情報提供、指導を適格かつ迅速に行う薬事支援部を設置し、専門的な見地から統一した情報収集及び提供と技術指導を徹底しております。
当社グループでは、その技術にコミュニケーション能力を付加した研修を実施して、より良質なサービスの提供を実施しており、そのサービスの一環として、来局される全患者の服用歴、副作用に関する情報、指導履歴等を電子薬歴システム上で管理しており、同時に、投薬時に処方薬に関する情報を文書にて交付しております。
上記の例にあげた技術料の獲得には、薬剤師の教育体制が非常に重要な課題であります。当社グループは、新卒時の研修に加えて、2年目、3年目研修及び定期的な研修を全薬剤師に実施しております。また、医薬品に関する情報の収集と全職員への迅速な提供、取扱上の留意点等の徹底、調剤過誤防止のための教育、全社での事例共有、法改正や報酬改定による対応策の指導等詳細な薬事的指導は重点施策の一つであり、今後もさらに精度を高めるべく努めてまいります。
なお、収益力強化のためには、新規店舗の出店政策が重要となり、当社グループでは(3)医薬分業による出店、(4)医療モール開発による出店、(5)M&Aによる規模の拡大を柱に取り組んでおります。以下、当社グループが対処すべき課題を示します。
(3) 医薬分業による出店
医薬分業率は平成25年2月実績で国内平均67.9%(日本薬剤師会HPより。以下、分業化の数値は全て同HPより抜粋いたしました。)の現状ですが、当社グループでは医薬分業率の地域差に着目し、地域別の戦略を推進しております。
関西地方と東海地方の一部での分業率は、京都府47.8%、大阪府54.9%、奈良県54.9%、三重県57.7%、愛知県59.0%と未だ低水準であります。平成26年3月末において、当社グループは当該地域において調剤薬局55店舗運営しております。分業型の店舗展開は、院内で調剤・投薬を行っている既存の医療機関(診療所)に医薬分業を提案し、院外化のタイミングを見計らって医療機関から視認性のよい近接地を選定し、出店する形態を「マンツーマン型」と分類しております。
(4) 医療モール開発による出店
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の首都4都県の分業率を見ると、平均で75.6%まで達しており、既存で院内処方をしている医療機関は残り少なくなっており、分業化による出店に魅力的な市場ではなくなりつつあります。そこで、当社グループでは首都圏での店舗展開手法として、医薬分業の推進よりも、「医療モール型」の出店に注力しております。
当社グループでは、開業コンサルティングを特徴的なノウハウとして長年蓄積しており、新規開業を検討中の勤務医の相談に応じるサービスを提供し、既に多数の開業希望医とのネットワークを構築しております。新規開業を検討する医師にとって、自身のクリニック以外に他の診療科のクリニックが複数集中する医療ビル、医療モール構想は、単独で開業するよりも集患力が見込める有効策となります。当社グループが保有する開業希望医ネットワークの中から開業希望地域や診療科目によって複数の候補医に医療モール企画を提案し、組成します。当社グループではこれまでの医療モール開発実績の中から医療ビルの建築を得意とするデベロッパーや内装業者との連携を各地域で対応できる体制が確立されており、企画ごとに最適なデベロッパー等に諮って当社のクリニカル・ソリューション部が中心となって企画を実行します。開業希望医は、開業に際して、行政手続から開業準備に至るまで様々な準備作業を行うこととなりますが、当社が提供する開業支援サービスにより、煩雑な開業準備負担を軽減することが可能となります。
そうして企画した医療モールの中心的な位置に、当社グループが薬局を出店いたします。複数のクリニックを受診することの多い患者にとって、「医療モール型」薬局が服薬履歴を集中して管理することで、薬剤師が各々のクリニックから処方された薬の飲み合わせをチェックしたり、副作用をいち早く発見したり、医師に照会することが可能となります。「医療モール」は、医師にとっても、患者にとっても様々なメリットを享受でき、単独での開業に比べて集患が見込まれます。
当社グループでは、平成26年3月末現在において82店舗の「医療モール型」の出店を展開しております(マンツーマン型169店舗、医療モール型82店舗、門前薬局型36店舗、計287店舗)。
なお、開業希望医に対する開業コンサルティング、アドバイス等については全て無償にて行っております。これは処方元の医療機関と、その処方箋を応需する調剤薬局は経済的な取引等の関係を持ってはならず、患者は自由に薬局を選択し、何らかの誘導等が働かないようにとする健康保険法に基づく保険医療機関及び保険医療養担当規則の精神に則っての方針であります。
(5) M&Aによる規模の拡大
前述の新規出店、医療モール開発により規模を拡大し、成長を続けてきた当社グループではありますが、一方で、M&Aによる調剤薬局店舗の譲受も成長戦略の大きな要であると位置づけております。M&Aによる店舗譲受では、既に安定的に収益を上げている薬局店舗が当社グループに参画するため、新規出店に比べて売上高への貢献がすぐに奏功する利点があります。また、薬剤師が不足しがちな現状の中での新規出店に対し、M&Aは勤務中の職員の雇用を含めて運営を引き受けるため、同時に人材を確保できる利点があります。
医療費削減政策の中、スケールメリットが打ち出せない小規模調剤薬局、あるいは個人経営の調剤薬局では薬価の引き下げに対して、仕入価格の引き下げが追いつかず、薬価差益の圧縮に苦心しているものと推察されます。また、後継者不足の課題を抱えている中小規模の薬局もあります。
当社グループでこれらの小規模から中規模の調剤薬局店舗を譲受けた場合に、それまで獲得していた集患数を維持したまま、仕入価格については、当社グループに包括されるスケールメリットを反映させた条件での値引率を適用することで、直ちに仕入コストが削減されます。管理業務は当社グループでの集中管理に組み込みますので、管理コスト削減効果も顕著に現れます。さらに、店舗譲渡と同時に当社グループに転籍をした薬剤師には特にきめ細かい教育研修を施し、技術を向上させることによって、良質なサービスの提供による技術料の獲得と、薬剤師のモチベーション向上にも奏功いたしますので、地域の医療と雇用の両方を守る全方位的なソリューションとしても、当社グループの拡大を図る重要な施策としても極めて有効な手段と言えます。
このような理由からM&Aは拡大戦略の重要な要素の一つとして積極的に取り組んでおり、今後もあらゆる角度から最適なM&Aを実施して行く方針であります。
2.業務の効率化、標準化及び顧客満足度の向上
平成26年3月末において、アイセイ薬局グループで287店舗の調剤薬局店舗を経営しております。前述のように、調剤薬局事業においては、今後も規模の拡大を積極的に推進してまいります。現場の調剤薬局店舗においては、調剤業務のマニュアル化や調剤の機械化を進め、効率的で安全な店舗運営を実施するとともに、薬事支援部を設置し、内部監査とは別の観点から薬事監査を行い、調剤過誤を未然に防ぐ施策も実施、安心・安全の調剤に取り組んでおります。また、定期的な満足度調査を全店舗で実施し、サービス品質の向上に努め、からだゼミナール、こども薬局、健康チェック&相談会等を実施の上、地域医療のパートナーとして選ばれる薬局として「Smart Pharmacy Project」を実施しております。
3.薬剤師の教育研修と人材(新卒薬剤師)の確保
平成26年3月期、当社グループでは売上高487億円の規模となり、調剤薬局業界で上位を窺う規模となりました。今後も、成長スピードをさらに加速させ、事業規模を拡大していく上で、店舗マネージメント、人材マネージメントに優れたマネージャーの育成が必要不可欠となります。当社では、入社後の薬剤師・医療事務に対して、職歴に応じた研修を定期的に実施しており、高いスキルと知識、コミュニケーション能力等を備えた人材の育成に努めております。また、平成25年4月からは、人材開発部を設置し、薬剤師の採用、教育研修に特化した専門部署を立ち上げ、人材(新卒薬剤師)の確保に向けた施策に注力しております。

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