訂正有価証券報告書-第11期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、㈱テレビ東京による地上波放送事業を中核として、BS放送(㈱BSテレビ東京)、CS放送(AT-X)、そしてインターネットによる配信事業を総合的に運用してコンテンツの制作とメディアビジネス展開の戦略機能を担う認定放送持株会社です
番組やコンテンツの視聴方法は、テレビでなくパソコン、スマートフォンなど多くのデバイス(端末)へと急速に広がっています。こうした中、テレビ東京グループは、あらゆるコンテンツを地上波、BS、配信など様々なメディアを通して提供して、その価値を最大化させることを目指すため、昨年秋に「全コンテンツ・全配信」の経営方針を決めました。放送分野で培ってきた独自色のあるコンテンツ作りに磨きをかけながらメディア環境の変化に迅速に対応して構造改革をすすめてまいります。
(2) 経営環境
2020年の日本の広告費は、電通によりますと11.2%減の6兆1,594億円と9年ぶりに前年を下回りました。テレビ広告(地上波・衛星メディア関連の合計)はコロナ禍に加え、「テレビからネットへの広告シフト」という構造問題もあり、2020年は1兆6,559億円と前年より11.0%減少しました。一方、ネット広告は2019年にテレビ広告を抜き、さらに2020年も前年比5.9%増の2兆2,290億円となりその差は広がっており、テレビ広告は今後も厳しい状況が想定されます。
(3) 目標とする経営指標
当社グループの2021年3月期の連結での売上高営業利益率は3.8%です。経営環境の変化に柔軟かつ積極的に対応して、永続的な収益性向上を実現して、中長期の経営指標としては、早い段階での5%達成を目指しております。中期経営計画では連結営業利益を21年度は55億円、22年度は75億円と過去最高に引き上げ、23年度は88億円へと伸ばしていく方針です。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
地上波放送事業を中核として、BS放送、CS放送、配信事業を一体的に運用し、様々なデバイスでコンテンツを提供し、また、下記の経営戦略を着実に実施することで、放送と配信との相乗効果によりコンテンツの価値を高めてまいります。
① 配信事業の拡大
「全コンテンツ・全配信」方針のもと、配信分野での収益を最大化するために、4月に2つの局を新設しました。1つは㈱テレビ東京の配信関連部門を統合した「配信ビジネス局」です。SVOD(定額制動画配信)とAVOD(広告付動画配信)の事業について一体的に戦略を立案するとともに、配信のために必要な権利処理や収益管理などの実務を一括して効率化します。もう一つの「総合マーケティング局」は、放送からのデータ、AVOD、SVODなど配信からのデータをできる限り活用して、番組・コンテンツ制作に生かし、放送と配信双方の営業強化につなげます。
2021年度からは番組制作費とは別に、配信向けオリジナルのコンテンツをつくるための予算も用意し、配信コンテンツを強化していきます。配信事業の強化は、コンテンツの認知度を高めることにつながり、番組の視聴率向上やスポンサーの獲得にもつながると考えており、配信と放送の相乗効果によって収益力を高めます。
② アニメビジネス販路拡大と多角化
アニメ事業はテレビ東京グループの収益の大きな柱の1つです。2020年度は過去最高の売り上げを更新しましたが、2021年度以降も引き続き収益拡大を目指します。国内では放送枠・番組数を増やすとともに、アニメの商品化ビジネスやゲーム市場の新たな開拓も進めます。
一方、海外では中国における作品制作を目的とした現地法人を設立しており、現地で共同のオリジナル作品の供給と商品化ビジネスなどによる市場拡大を目指します。また欧米や東南アジア、中東、中南米などでも販売を伸ばす方針です。
テレビ東京グループは、中期経営計画で「配信とアニメ」を当社グループの成長のエンジンと位置付けて、粗利益を21年度からの3年間で50%増やす計画を決めました。
③ イベント事業の拡大
池袋を舞台に仮想空間も組み合わせた事業「池袋ミラーワールドプロジェクト」や「Mixalive TOKYO(ミクサライブ東京)」を発信拠点としたオンラインイベントをコンテンツの新機軸として展開して、新たな収益源に育ててまいります。
コロナ禍で大型のリアルイベントが難しい状況ですが、中堅・若手にも活躍の場を与え、クリエイターとして育成していきます。恒例となっているeスポーツ事業も一段と強化するほか、新しいジャンルのイベントの開発にも挑みます。
④ 放送事業の収益力強化について
放送広告収入はテレビ東京グループの最大の収益の柱です。厳しい環境下ながら、今後も継続して安定的な収益源としていく必要があると考えます。
広告主や視聴者のニーズを的確に捉えるために、4月に㈱テレビ東京に「総合マーケティング局」を新設しました。放送、配信、営業、イベントなどに分かれていたマーケティング部門を一体化して、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を駆使して番組の収益性を高めるとともに、配信やイベントなどのコンテンツが生み出す収益も最大化してまいります。
⑤ 成長のための投資戦略
テレビ東京グループが新たな分野の収益を強固なものとしていくためにはデジタル投資が不可欠と考えており、基幹システムの刷新などDXを積極的に進める方針です。
リモートワークによる業務効率の向上に寄与するシステムの開発も推進しております。次世代のメディアとして必要とされる5G関連の研究開発やデータビジネスの強化など、開発の優先順位を決めて実行してまいります。
アニメや通信販売、コンテンツ制作をはじめ、グループの成長力強化に資するような企業との資本提携やM&Aも検討したいと考えます。
(5) 会社が対処すべき課題
① コーポレート・ガバナンス強化
コーポレートガバナンス(企業統治)の強化は社会の要請であり、テレビ東京グループにとっても重要な課題だと考えております。独立社外取締役を2名増やし、取締役の3分の1を独立社外取締役にする取締役改革方針を株主総会で決めました。今後もさらにガバナンス強化に向けて取り組んでまいります。
② 気候変動リスクへの対応
世界的な課題となっている気候変動リスクへの対応はメディアグループとしても、企業としても重要な課題の1つとなっております。テレビ東京グループではSDGs(持続可能な開発目標)に本格的に取り組むため、4月に社内横断プロジェクトチームを発足させました。
第一弾として神谷町のスタジオ照明設備にリモートで遠隔操作できるLEDを導入しました。今後もLED照明への切り替えをすすめて、3年間でCO2排出量を約415トン削減する方針です。3月には国連が報道機関に協力を呼び掛ける「SDGメディア・コンパクト」に署名し、加盟しました。放送や配信、イベントなどを通じてSDGsの取り組みを強化するほか、設備の見直しや業務改善によるCO2削減を全社的に推進してまいります。
一方、大災害を含む気候変動リスクに対応できるよう、BCP(事業継続計画)体制を全社ベースでつくっています。緊急時にも業務を継続的に続けられるよう技術革新も見据えながら、BCP体制の見直しも常日頃から進めていきたいと考えます。
③ 新型コロナウイルス感染拡大への対応
新型コロナウイルス感染拡大への対応策として、制作や営業、管理部門など各部署の実情を踏まえてBCP体制をつくり、運用しております。感染拡大を防ぐために、人との接触を最大限抑制してコンテンツを制作する方針を徹底し、例えば報道番組はスタジオに無人カメラを導入したほか、出演者のマスク装着、飛沫防止のアクリル板の設置など適宜工夫して番組を放送しています。
いつでも出社率を20%~30%台に抑えられるよう社内の業務を見直し続けるとともに、今後も必要に応じてBCP体制をさらに徹底させるため、DX化やAIも積極的に活用し、社員の働き方を変革してまいります。
④ 人材の多様化への対応
㈱テレビ東京の女性社員比率は2021年3月末時点で25.7%ですが、直近3年間の新卒採用における女性比率は平均47%と高い水準を維持しています。今後も女性社員の採用に積極的に取り組んでまいります。女性管理職の比率も20年度末の19.8%から23年度には20%台半ばにすることを目指します。
外国籍をもつ社員は2021年4月現在で8名ですが、今後も事業展開に合わせて採用増に取り組んでまいります。
さらにコンテンツ制作力を一層強化するため、デジタル人材など即戦力となる社員を中途採用して外部の知見と経験を取り込み、組織の活性化を促すとともに高齢化を含めた年齢構成のゆがみも是正してまいります。
⑤ 東京オリンピック・パラリンピックなどへの対応
東京オリンピック・パラリンピックの開催については運営のあり方などを含めて現時点では不透明な面が多々あります。また2022年2月に予定されている北京オリンピックの動向、および極東をめぐる国際情勢の変化はテレビ東京グループにとっても潜在的なリスクだと認識しております。これらの動向がテレビ東京グループの業績に大きな影響を与えないよう、様々な対応策を機動的に実行する準備に全力を挙げます。
国内外でのサービスの調達・提供をめぐって人権に対する意識を高めるよう社会的要請があり、テレビ東京グループとしても要請に沿うよう努力を続けていきます。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、㈱テレビ東京による地上波放送事業を中核として、BS放送(㈱BSテレビ東京)、CS放送(AT-X)、そしてインターネットによる配信事業を総合的に運用してコンテンツの制作とメディアビジネス展開の戦略機能を担う認定放送持株会社です
番組やコンテンツの視聴方法は、テレビでなくパソコン、スマートフォンなど多くのデバイス(端末)へと急速に広がっています。こうした中、テレビ東京グループは、あらゆるコンテンツを地上波、BS、配信など様々なメディアを通して提供して、その価値を最大化させることを目指すため、昨年秋に「全コンテンツ・全配信」の経営方針を決めました。放送分野で培ってきた独自色のあるコンテンツ作りに磨きをかけながらメディア環境の変化に迅速に対応して構造改革をすすめてまいります。
(2) 経営環境
2020年の日本の広告費は、電通によりますと11.2%減の6兆1,594億円と9年ぶりに前年を下回りました。テレビ広告(地上波・衛星メディア関連の合計)はコロナ禍に加え、「テレビからネットへの広告シフト」という構造問題もあり、2020年は1兆6,559億円と前年より11.0%減少しました。一方、ネット広告は2019年にテレビ広告を抜き、さらに2020年も前年比5.9%増の2兆2,290億円となりその差は広がっており、テレビ広告は今後も厳しい状況が想定されます。
(3) 目標とする経営指標
当社グループの2021年3月期の連結での売上高営業利益率は3.8%です。経営環境の変化に柔軟かつ積極的に対応して、永続的な収益性向上を実現して、中長期の経営指標としては、早い段階での5%達成を目指しております。中期経営計画では連結営業利益を21年度は55億円、22年度は75億円と過去最高に引き上げ、23年度は88億円へと伸ばしていく方針です。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
地上波放送事業を中核として、BS放送、CS放送、配信事業を一体的に運用し、様々なデバイスでコンテンツを提供し、また、下記の経営戦略を着実に実施することで、放送と配信との相乗効果によりコンテンツの価値を高めてまいります。
① 配信事業の拡大
「全コンテンツ・全配信」方針のもと、配信分野での収益を最大化するために、4月に2つの局を新設しました。1つは㈱テレビ東京の配信関連部門を統合した「配信ビジネス局」です。SVOD(定額制動画配信)とAVOD(広告付動画配信)の事業について一体的に戦略を立案するとともに、配信のために必要な権利処理や収益管理などの実務を一括して効率化します。もう一つの「総合マーケティング局」は、放送からのデータ、AVOD、SVODなど配信からのデータをできる限り活用して、番組・コンテンツ制作に生かし、放送と配信双方の営業強化につなげます。
2021年度からは番組制作費とは別に、配信向けオリジナルのコンテンツをつくるための予算も用意し、配信コンテンツを強化していきます。配信事業の強化は、コンテンツの認知度を高めることにつながり、番組の視聴率向上やスポンサーの獲得にもつながると考えており、配信と放送の相乗効果によって収益力を高めます。
② アニメビジネス販路拡大と多角化
アニメ事業はテレビ東京グループの収益の大きな柱の1つです。2020年度は過去最高の売り上げを更新しましたが、2021年度以降も引き続き収益拡大を目指します。国内では放送枠・番組数を増やすとともに、アニメの商品化ビジネスやゲーム市場の新たな開拓も進めます。
一方、海外では中国における作品制作を目的とした現地法人を設立しており、現地で共同のオリジナル作品の供給と商品化ビジネスなどによる市場拡大を目指します。また欧米や東南アジア、中東、中南米などでも販売を伸ばす方針です。
テレビ東京グループは、中期経営計画で「配信とアニメ」を当社グループの成長のエンジンと位置付けて、粗利益を21年度からの3年間で50%増やす計画を決めました。
③ イベント事業の拡大
池袋を舞台に仮想空間も組み合わせた事業「池袋ミラーワールドプロジェクト」や「Mixalive TOKYO(ミクサライブ東京)」を発信拠点としたオンラインイベントをコンテンツの新機軸として展開して、新たな収益源に育ててまいります。
コロナ禍で大型のリアルイベントが難しい状況ですが、中堅・若手にも活躍の場を与え、クリエイターとして育成していきます。恒例となっているeスポーツ事業も一段と強化するほか、新しいジャンルのイベントの開発にも挑みます。
④ 放送事業の収益力強化について
放送広告収入はテレビ東京グループの最大の収益の柱です。厳しい環境下ながら、今後も継続して安定的な収益源としていく必要があると考えます。
広告主や視聴者のニーズを的確に捉えるために、4月に㈱テレビ東京に「総合マーケティング局」を新設しました。放送、配信、営業、イベントなどに分かれていたマーケティング部門を一体化して、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を駆使して番組の収益性を高めるとともに、配信やイベントなどのコンテンツが生み出す収益も最大化してまいります。
⑤ 成長のための投資戦略
テレビ東京グループが新たな分野の収益を強固なものとしていくためにはデジタル投資が不可欠と考えており、基幹システムの刷新などDXを積極的に進める方針です。
リモートワークによる業務効率の向上に寄与するシステムの開発も推進しております。次世代のメディアとして必要とされる5G関連の研究開発やデータビジネスの強化など、開発の優先順位を決めて実行してまいります。
アニメや通信販売、コンテンツ制作をはじめ、グループの成長力強化に資するような企業との資本提携やM&Aも検討したいと考えます。
(5) 会社が対処すべき課題
① コーポレート・ガバナンス強化
コーポレートガバナンス(企業統治)の強化は社会の要請であり、テレビ東京グループにとっても重要な課題だと考えております。独立社外取締役を2名増やし、取締役の3分の1を独立社外取締役にする取締役改革方針を株主総会で決めました。今後もさらにガバナンス強化に向けて取り組んでまいります。
② 気候変動リスクへの対応
世界的な課題となっている気候変動リスクへの対応はメディアグループとしても、企業としても重要な課題の1つとなっております。テレビ東京グループではSDGs(持続可能な開発目標)に本格的に取り組むため、4月に社内横断プロジェクトチームを発足させました。
第一弾として神谷町のスタジオ照明設備にリモートで遠隔操作できるLEDを導入しました。今後もLED照明への切り替えをすすめて、3年間でCO2排出量を約415トン削減する方針です。3月には国連が報道機関に協力を呼び掛ける「SDGメディア・コンパクト」に署名し、加盟しました。放送や配信、イベントなどを通じてSDGsの取り組みを強化するほか、設備の見直しや業務改善によるCO2削減を全社的に推進してまいります。
一方、大災害を含む気候変動リスクに対応できるよう、BCP(事業継続計画)体制を全社ベースでつくっています。緊急時にも業務を継続的に続けられるよう技術革新も見据えながら、BCP体制の見直しも常日頃から進めていきたいと考えます。
③ 新型コロナウイルス感染拡大への対応
新型コロナウイルス感染拡大への対応策として、制作や営業、管理部門など各部署の実情を踏まえてBCP体制をつくり、運用しております。感染拡大を防ぐために、人との接触を最大限抑制してコンテンツを制作する方針を徹底し、例えば報道番組はスタジオに無人カメラを導入したほか、出演者のマスク装着、飛沫防止のアクリル板の設置など適宜工夫して番組を放送しています。
いつでも出社率を20%~30%台に抑えられるよう社内の業務を見直し続けるとともに、今後も必要に応じてBCP体制をさらに徹底させるため、DX化やAIも積極的に活用し、社員の働き方を変革してまいります。
④ 人材の多様化への対応
㈱テレビ東京の女性社員比率は2021年3月末時点で25.7%ですが、直近3年間の新卒採用における女性比率は平均47%と高い水準を維持しています。今後も女性社員の採用に積極的に取り組んでまいります。女性管理職の比率も20年度末の19.8%から23年度には20%台半ばにすることを目指します。
外国籍をもつ社員は2021年4月現在で8名ですが、今後も事業展開に合わせて採用増に取り組んでまいります。
さらにコンテンツ制作力を一層強化するため、デジタル人材など即戦力となる社員を中途採用して外部の知見と経験を取り込み、組織の活性化を促すとともに高齢化を含めた年齢構成のゆがみも是正してまいります。
⑤ 東京オリンピック・パラリンピックなどへの対応
東京オリンピック・パラリンピックの開催については運営のあり方などを含めて現時点では不透明な面が多々あります。また2022年2月に予定されている北京オリンピックの動向、および極東をめぐる国際情勢の変化はテレビ東京グループにとっても潜在的なリスクだと認識しております。これらの動向がテレビ東京グループの業績に大きな影響を与えないよう、様々な対応策を機動的に実行する準備に全力を挙げます。
国内外でのサービスの調達・提供をめぐって人権に対する意識を高めるよう社会的要請があり、テレビ東京グループとしても要請に沿うよう努力を続けていきます。