有価証券報告書-第9期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/26 15:48
【資料】
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【項目】
117項目

研究開発活動

当社グループでは、「ビューティケア事業」及び「その他」に属する医薬品事業において、研究開発活動を行っております。
両事業とも、当社のグループ理念である「世界中の人々に笑顔と感動をお届けしたい」に基づき、これを実現するために、技術面で応えることを研究開発方針としております。
化粧品研究開発は、当社グループとして美白及びアンチエイジングの領域における素材開発に特に力を入れており、その活動は、IFSCC(国際化粧品技術者会連盟)を始めとする各種学会において、研究発表をしております。IFSCCでは、平成26年10月開催のパリ大会を含む過去5回の大会において、最優秀賞を受賞しております。医薬品研究開発は、化粧品の研究開発で培った皮膚特性研究及び外用製剤研究の成果を有効活用するため、対象を皮膚科領域に絞り、その領域での新薬開発と、創造性の高い研究者の育成を目的としております。
その結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は 3,476百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動は、以下のとおりであります。
1.ビューティケア事業
主たる化粧品研究開発は、ポーラ化成工業株式会社の研究開発部門にて実施しております。研究開発にあたっては、「理想の肌の実現に向け、体の内外から理想肌を追求」し、化粧品と健康食品の素材・製剤化研究を行っております。
①化粧品では、肌に直接働きかける効果と、心・身体により良い影響を与える効果の両面からアプローチしております。皮膚科学研究、基礎研究、安全性研究に加えて、心と肌の関連性など、心理的・生理的効果を研究する美容科学研究を取り入れております。
②健康食品では、内外美容などの美肌研究に加えて、東洋医学の考えに基づいた研究開発を推進しており、「気・血・水」理論に着目し、素材研究に注力しております。
研究及び開発体制(組織)は、研究開発部門の中の「研究企画部」が中心となって、各部が連携を取りながらスピードと効率性を持った研究開発を行っております。研究開発テーマ毎に組織を編成し、研究企画部、開発研究部、肌科学研究部、品質研究部、製品開発部で構成されております(平成26年12月31日現在)。開発研究部はスキンケア品及びメイクアップ品に関する新しい原料基材・特殊成分・剤型の開発及びお客さまのニーズに迅速に応える短期的な製品開発に、肌科学研究部は基礎研究の視点による有効素材の開発及び健康食品の素材研究に、品質研究部は安全性、安定性の設計および評価を通じた品質確保に、製品開発部は容器包装材料の設計・実用化にそれぞれ取組んでおります。
中・長期の基盤研究テーマは、代表取締役社長、研究担当役員、各部長が出席する研究部長会議で進捗管理を行っており、短期の製品開発テーマは、開発のタイミングやスピーディーな対応が重要であり、開発研究部が主体となってグループ各社関係会社と連携を密にとりながら進めております。
また、Jurliqueブランド製品に関しましては、Jurlique International Pty. Ltd.のサウスオーストラリア州マウントバーカーで研究開発を行っております。研究開発にあたっては、「農園から生まれる化粧品」に重点を置き、スキンケア効能と生命力にあふれる成分を、自社農園にてバイオダイナミック無農薬有機農法で育てた植物と融合させることで、もっともピュアでパワフルな化粧品の開発を行っております。
新素材あるいは新処方といった研究成果は、新製品の開発に、都度活用されております。当連結会計年度における研究開発費の金額は、3,041百万円であります。
2.その他(医薬品事業)
医薬品研究開発は、株式会社ポーラファルマの研究開発部門にて実施しております。皮膚関連領域における研究成果及び外用製剤技術の応用による、皮膚疾患に対する医療用外用医薬品の開発を目指しております。
①皮膚真菌症治療薬として開発・上市した外用抗真菌剤ルリコンの爪白癬治療用外用薬開発
②自社品の価値最大化に向けた適応拡大開発や、製剤技術を活用した新規剤形開発
③創薬研究として、皮膚関連の独自の疾患モデルやスクリーニング系の構築と、構造活性相関などの技術を活用した候補化合物の設計及び探索
研究及び開発体制(組織)としては、「医薬研究所」が主体となり、スピードと効率性を持った研究開発を行っております。研究開発部門は、主に医薬品の非臨床試験を担当する研究開発室と製剤開発室、臨床試験を担当する臨床開発室で構成されております(平成26年12月31日現在)。研究開発室は、非臨床試験に関わる承認申請用データの取得、申請用資料の作成を課題として薬効薬理評価、安全性評価、動態評価、に取組んでおります。製剤開発室は非臨床試験及び品質試験に関わる承認申請用データの取得、申請用資料の作成を課題として規格・試験方法、安定性試験、製剤化に取組んでおります。臨床開発室は臨床試験に関わる申請データの取得、申請資料の作成を課題として臨床試験の計画立案、実施、統計解析、報告書作成に取組んでおります。
平成17年には外用抗真菌剤であるルリコンを、続いて平成19年には更年期障害治療薬であるディビゲルを、それぞれ新薬として上市することができ、平成25年にはルリコンの剤形を追加することができました。また、現在開発中のテーマについても、それぞれの開発のステージアップを推し進めております。当連結会計年度における研究開発費の金額は、434百万円であります。