有価証券報告書-第75期(2023/04/01-2024/03/31)
②人的資本における現在地と課題
2030ビジョンの実現およびサステナビリティ経営の実現に向けて、組織・人事における課題と打ち手の検討および人財戦略の構築を進めています。
イ.メンバーシップサーベイの結果から見える課題
2019年3月期より「カルビーグループメンバーシップサーベイ」を実施し、各組織のエンゲージメントの状態を把握しています。役職者同士の対話を通して組織ごとの課題を捉え、改善に向けた具体的な施策を実施しています。
注視している「全員活躍状態にある社員の割合」(注)は45%(前年比+5%)でした。
(注)「会社の成長への貢献意欲」と「仕事での能力発揮」の設問に対し、いずれも「高い」と回答した割合
<コア6項目の状況>メンバーシップサーベイにおいて、以下の項目をコア6項目として課題分析をしています。
・他の項目と比べて低位にあるものの、「役割以上の貢献の動機づけ」のスコアは改善傾向にあります。2020年3月期から役職者とメンバーの1on1を推進してきたことが寄与していると評価しています。
・「カルビーで働くことの誇り」は、コア6項目の中で最も低位であり、前期よりも低下しています。社長・経営陣と社員の対話を通して、企業理念・存在意義および未来に向けたビジョンを浸透させ、引き上げを図っていきます。

※「1:ほとんどあてはまらない」~「5:非常にあてはまる」の5点満点の回答スコアの平均値
ロ.経営との対話で見えてきた課題
役付役員全員が参加する月1回の「人財育成会議」において、人財戦略および次世代リーダーのサクセションプランをテーマとして対話を重ねています。対話の中で「将来の企業価値向上を妨げる可能性のある課題」というテーマから①安定・安住からの脱却/変革への挑戦、②自らの枠を超え、自ら踏み出す社員の増加、③企業価値を高めるコア人財の充足、の3点を重点課題と特定しました。
(a)安定・安住からの脱却/変革への挑戦
過去の成功体験に捉われ、失敗を恐れ、リスクテイクを避ける傾向があり、新しい発想や価値が生まれにくいという課題があります。人財の流動性が乏しいことに加え、年功的な評価・報酬制度により、現状を変えなくても一定の昇給が保証されることも、現状に甘んじやすい体質の一因です。
(b)自らの枠を超え、自ら踏み出す社員の増加
過去の経験や自らの枠組に囚われずに発想することは、組織を超えた連携や個人の創造性向上に繋がります。コンフォートゾーンを抜け出す社員を増やすために、キャリア自律や成長を促すマネジメント力、反対意見や新しい発想が受け入れられる心理的安全な職場風土、社内外を含めて組織の外に目を向ける機会の提供が不可欠です。
(c)企業価値を高めるコア人財の充足
未来に向けて必要なポジションおよびそれをリードする人財の質と量を明らかにし、意図的・計画的に人財の獲得・育成を進めることは将来の価値創造に向けて、重要な課題と捉えています。
③人的資本を通じた価値創造ストーリー

3つの重点課題を解決するための、具体的な施策方針は以下の4つです。これらの施策を通して「共創による新しい価値創造」「貢献意欲・成長実感の向上」、そして「継続的に成長する強い企業・経営」を実現していきます。
(a)失敗を恐れず、誰もが挑戦できる組織風土
多様な経験・考え方を持つ社員を増やし、活かす上で心理的安全性の高い職場づくり、その中でも特に「新奇歓迎」の風土の醸成が社員の挑戦を後押しする重要なポイントです。
(b)多様な貢献と挑戦を促す評価・報酬
従来の評価制度では結果のみにフォーカスがあたり、成功が保証されていないことへの挑戦を促しにくい仕組みでした。評価制度を改定することで、貢献と挑戦への意識を高めます。
(c)個の可能性を広げるキャリア自律
社員一人ひとりに対し、主体的にキャリアを掴み、自己成長する意欲と行動を促します。キャリア自律が進むことで挑戦が生まれる土壌が醸成され、働きがいも大きく高まると考えています。
(d)未来を創るコア人財の育成
将来の経営を担う経営人財、デジタル技術を活用して価値創造ができるDX人財、カルビーのDNAと知見を活かして海外で活躍できるグローバル人財、これら3つの戦略人財の育成が重要です。
④健やかな心と体づくりの推進
「人々の健やかなくらしに貢献する」という企業理念を掲げる企業として、社員の健やかな心と体づくりをこれまでも、これからも大切にし、働きやすく安全・安心な職場づくりを推進していきます。
⑤施策方針における指標/目標および取り組み内容について
(注)選択型育成プログラム受講者数はカルビー国内グループを対象、その他指標は提出会社を対象
※対象は年俸者を除く社員
2030ビジョンの実現およびサステナビリティ経営の実現に向けて、組織・人事における課題と打ち手の検討および人財戦略の構築を進めています。
イ.メンバーシップサーベイの結果から見える課題
2019年3月期より「カルビーグループメンバーシップサーベイ」を実施し、各組織のエンゲージメントの状態を把握しています。役職者同士の対話を通して組織ごとの課題を捉え、改善に向けた具体的な施策を実施しています。
注視している「全員活躍状態にある社員の割合」(注)は45%(前年比+5%)でした。
(注)「会社の成長への貢献意欲」と「仕事での能力発揮」の設問に対し、いずれも「高い」と回答した割合
<コア6項目の状況>メンバーシップサーベイにおいて、以下の項目をコア6項目として課題分析をしています。
・他の項目と比べて低位にあるものの、「役割以上の貢献の動機づけ」のスコアは改善傾向にあります。2020年3月期から役職者とメンバーの1on1を推進してきたことが寄与していると評価しています。
・「カルビーで働くことの誇り」は、コア6項目の中で最も低位であり、前期よりも低下しています。社長・経営陣と社員の対話を通して、企業理念・存在意義および未来に向けたビジョンを浸透させ、引き上げを図っていきます。

※「1:ほとんどあてはまらない」~「5:非常にあてはまる」の5点満点の回答スコアの平均値
ロ.経営との対話で見えてきた課題
役付役員全員が参加する月1回の「人財育成会議」において、人財戦略および次世代リーダーのサクセションプランをテーマとして対話を重ねています。対話の中で「将来の企業価値向上を妨げる可能性のある課題」というテーマから①安定・安住からの脱却/変革への挑戦、②自らの枠を超え、自ら踏み出す社員の増加、③企業価値を高めるコア人財の充足、の3点を重点課題と特定しました。
(a)安定・安住からの脱却/変革への挑戦
過去の成功体験に捉われ、失敗を恐れ、リスクテイクを避ける傾向があり、新しい発想や価値が生まれにくいという課題があります。人財の流動性が乏しいことに加え、年功的な評価・報酬制度により、現状を変えなくても一定の昇給が保証されることも、現状に甘んじやすい体質の一因です。
(b)自らの枠を超え、自ら踏み出す社員の増加
過去の経験や自らの枠組に囚われずに発想することは、組織を超えた連携や個人の創造性向上に繋がります。コンフォートゾーンを抜け出す社員を増やすために、キャリア自律や成長を促すマネジメント力、反対意見や新しい発想が受け入れられる心理的安全な職場風土、社内外を含めて組織の外に目を向ける機会の提供が不可欠です。
(c)企業価値を高めるコア人財の充足
未来に向けて必要なポジションおよびそれをリードする人財の質と量を明らかにし、意図的・計画的に人財の獲得・育成を進めることは将来の価値創造に向けて、重要な課題と捉えています。
③人的資本を通じた価値創造ストーリー

3つの重点課題を解決するための、具体的な施策方針は以下の4つです。これらの施策を通して「共創による新しい価値創造」「貢献意欲・成長実感の向上」、そして「継続的に成長する強い企業・経営」を実現していきます。
(a)失敗を恐れず、誰もが挑戦できる組織風土
多様な経験・考え方を持つ社員を増やし、活かす上で心理的安全性の高い職場づくり、その中でも特に「新奇歓迎」の風土の醸成が社員の挑戦を後押しする重要なポイントです。
(b)多様な貢献と挑戦を促す評価・報酬
従来の評価制度では結果のみにフォーカスがあたり、成功が保証されていないことへの挑戦を促しにくい仕組みでした。評価制度を改定することで、貢献と挑戦への意識を高めます。
(c)個の可能性を広げるキャリア自律
社員一人ひとりに対し、主体的にキャリアを掴み、自己成長する意欲と行動を促します。キャリア自律が進むことで挑戦が生まれる土壌が醸成され、働きがいも大きく高まると考えています。
(d)未来を創るコア人財の育成
将来の経営を担う経営人財、デジタル技術を活用して価値創造ができるDX人財、カルビーのDNAと知見を活かして海外で活躍できるグローバル人財、これら3つの戦略人財の育成が重要です。
④健やかな心と体づくりの推進
「人々の健やかなくらしに貢献する」という企業理念を掲げる企業として、社員の健やかな心と体づくりをこれまでも、これからも大切にし、働きやすく安全・安心な職場づくりを推進していきます。
⑤施策方針における指標/目標および取り組み内容について
施策方針 | 指標/目標(2024年3月期実績) | 取り組み内容(2024年3月期実績) |
失敗を恐れず、誰もが挑戦できる組織風土 | ◆メンバーシップサーベイ:心理的安全性 3.50(3.48) ◆女性管理職比率 30%超(22.6%) | ・社員と経営層と直接対話する「車座ミーティング」の実施(62回実施、参加人数1,645人) ・Innovation & Beyond Awardの実施(社員提案制度) ・心理的安全性の定着推進 ・女性リーダーシッププログラムの実施 |
多様な貢献と挑戦を促す評価・報酬 | ◆メンバーシップサーベイ:全員活躍状態 60%(45%) | ・人事ポリシーの策定 ・人事制度・評価制度の改定検討開始 ・制度運用を含めた役職者支援 |
個の可能性を広げるキャリア自律 | ◆メンバーシップサーベイ:キャリア自律 3.50(3.19) ◆選択型育成プログラムの受講者数 1,000人(781人) | ・「キャリア探究ノート」による上司との対話の奨励 ・キャリアエール(社内公募)の拡大(対象ポジション48件、エントリー数34人) ・副業の解禁(62人) ・社外留職の拡大 ・ビジネスリテラシー獲得のための育成プログラム拡大 |
未来を創るコア人財の育成 | ◆重要戦略ポジション候補者の充足度 500%(800%) ◆グローバルでの貢献意欲のある社員率 30%(24%) ◆DXアカデミーのべ受講者数1,800人(1,719人) | ・人財育成会議におけるサクセションプランの策定・推進 ・次世代リーダーの育成体系の構築およびプログラムの開発・実施 ・グローバルタレントマネジメントの構築 ・グローバル人財交流の促進 ・DXアカデミーの設立 |
健やかな心と体づくりの推進 | ◆平均有給休暇取得率 80% (84.9%) ◆所定外労働時間 15時間/月(17.2時間/月(※)) ◆総合検診受診率100%(100%) | ・有給休暇取得状況の月次確認と取得計画の策定 ・健康診断、人間ドックの受診勧奨 ・体調不良者、休復職者の早期発見・対応と継続的な医療職による面談を実施 |
(注)選択型育成プログラム受講者数はカルビー国内グループを対象、その他指標は提出会社を対象
※対象は年俸者を除く社員