有価証券報告書-第10期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/22 13:25
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
経営環境及び課題への取組み
経営の基本方針である各事業の収益の極大化を図るため、それぞれの事業体が直面する事業環境に適応して、選択と集中を進め、業績を向上させていくことが当社の最大の課題である。その解決のためには、各事業に最適なビジネスモデルを構築し洗練していける体制面の強化、独立採算による責任と権限の明確化、意思決定の迅速化、事業特性に応じたリスク管理強化等が必要となる。これを実現するために、当社グループでは事業ごとに分社化することが最適であると考え、2012年1月に持株会社体制に移行した。持株会社体制により各事業会社をグループ全体の観点から統括し、グループ戦略を策定して資源配分を最適化する機能と、経営管理の均質化を含めたガバナンスを事業会社全てに徹底する体制の構築を目指すと共に、各事業会社は各事業に最適なビジネスモデルを構築・洗練し、独立採算で事業を行うことにより、連結経営のレベルアップを図り、社会や市場の変化に迅速に対応できる企業グループ体制の確立を目指した。
コーポレートガバナンスについては、グループガバナンスの一層の充実に努めると同時に、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することで企業価値の向上を図った。当社は、意思決定の迅速化と業務執行に対する取締役会の監督機能の強化を図るため、2018年6月22日開催の第7期定時株主総会をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行した。また、当社は従前より取締役の人事や報酬に関し、独立社外取締役から適切な関与と助言を得ていたが、更に客観性・透明性を向上させ、経営陣に対する監督機能の一層の強化を図るため、取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬委員会を2018年2月1日付で設置した。
一方、当社グループでは祖業である造船事業を「コアビジネス」とし、M&T事業を「第二のコアビジネス」として位置付け、事業の多角化に取り組んできた。
2020年度の造船事業における活動としては、新造船では、NOx排出3次規制やH-CSR(新共通構造規則)の新規則を適用し燃費性能を向上させた新82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアーと新64千重量トン型ウルトラマックス・バルクキャリアーに加え、幅広・浅喫水で大容量化を図った新規制適用の41千重量トン型ハンディサイズ・バルクキャリアーを開発し、営業を展開してきた。また、フェリーや特殊船、作業船など一般商船以外にも商品を拡げることで、建造メニューの多角化にも取り組んでおり、船価低迷が続く新造船を補完すべく事業拡大に取り組んでいるマリン(改修船)での受注活動及び操業量確保、ガスタンク(舶用LPGタンク等製造)については、組織強化の上従来の大阪製造所(大阪府大阪市)に加えて水島製造所(岡山県倉敷市)にもタンク生産設備を増設した。
M&T事業については、2018年4月2日に陸上事業とレジャー事業を営む子会社をM&Tグループ(Machinery & Technology Group)として再編し、これを統括・支援する「サノヤスMTG㈱」を設立して強化を図ってきたが、M&Tグループの各事業会社の技術開発、新製品開発、IT・システム導入を含む生産・販売・管理等の支援体制を更に強化・拡充するため、2020年4月1日付で組織変更を実施した。まず、「業務推進支援センター」を新設し、「企画部」「システム企画部」「ものづくり推進部」「IT化推進部」を統括しながら相互連携を深め、より幅と深みを持った現場力強化、収益体質強化の取り組みを推進するとともに、「ものづくり推進部」傘下にはグループ全体の品質保証・品質管理を統括する「品質保証室」、各事業会社の技術・設計部門の業務効率化やグループ横断的に取り組むべき技術開発を担う「開発支援室」を新設した。
一方、事業会社においては、2019年4月に、ともに産業機械製造とメンテナンス等のサービスを主業とするサノヤス・エンジニアリング㈱と㈱大鋳の2社統合を実施したが、2020年4月には、さらに建設工事用エレベーターの販売・レンタルを主業とするサノヤス建機㈱を追加統合して、経営効率化や人財最適配置、既存工場共同利用等によるシナジー追求に基づいて事業構造の強化・拡充を進めた。また、IoT等の情報システム技術を活用した生産性向上や業務効率化の加速を目的として、ソフトウェア開発及び計算・情報処理業務受託を営む㈱サノテックに所属するシステムエンジニアを当社グループ各社に再配置するとともに、同社と商社業等を営むサノヤス・ビジネスパートナー㈱の事業の整理と両社の統合を実施した。なお、事業の整理・統合の結果、統合後の㈱サノテックの事業の大部分が造船及び周辺業界向けとなったことから、グループ組織構造の適正化と更なる効率化を図るため、会社分割の手続きにより2020年1月に同社の株式と経営管理業務をサノヤスMTG㈱からサノヤス造船㈱に移管した。
一方、Sanoyas Rides Australia Pty Ltdについては、2021年1月31日付で世界各地において観覧車建設及び運営事業を手がけるROBUグループ(所在地:スイス)に保有する全株式を譲渡した。加えて、サノヤス造船㈱傘下で食品タンク等の製造・販売を行っていたプラント事業部を2021年1月4日付でサノヤスMTG㈱内に移管し、2021年4月1日付でみづほ工業㈱と合併した。
このように、従来から標榜してきた「二つのコアビジネス」体制ではあるが、今般、経営環境の変化を踏まえて、その体制を大きく見直し、造船事業を外して従来のM&T事業主体とする事業ポートフォリオとした。その背景としては、造船事業においては中国や韓国勢との競争に晒され、“船腹及び建造設備の過剰”という構造が依然として継続していた。バルクキャリアーの海運市況は、世界経済の先行き不透明感もあり回復の兆しはいまだなく、新造船価の低迷が継続している中、国内外で造船事業の統合・再編の動きが表面化してきた。加えて、新型コロナウィルス感染拡大禍の影響による世界的な経済停滞・物流低迷の打撃ももろに受けることとなった。このような状況下、造船事業を行うサノヤス造船㈱について、上述の事業環境や造船所として単独で存続していく為に必要な規模・体力面について熟考した結果、グループに複数の造船所を有し多様な船種のラインナップを揃え、同じ瀬戸内に本拠を持ち資本力もある専業の造船所として㈱新来島どっくとの組み合わせが浮上し、2021年2月28日付で当該事業譲渡を行い同社グループ傘下に入る形で事業の継続を図ることとした。
2020年度の当社グループは、新型コロナウイルス感染症の国内及び海外における感染拡大による先行き不透明な状況で推移したが、前記の経営改革により本年3月以降は、造船事業を持たない持株会社の下に、M&T事業という従来の「第二のコアビジネス」を主体とする8事業会社を擁する体制に一新するとともに、グループ内の各社が相互に協働・補完しながら、一つの塊のように結集してグループとしての成長・発展を目指すこととした。
<事業会社一覧>
事業会社主要営業品目
サノヤス・エンジニアリング㈱工事用エレベータの製造・販売・レンタル
機械式駐車装置の製造・販売・メンテナンス
ショットブラストマシンの製造販売
サノヤス精密工業㈱半導体産業向け等、精密機械部品の加工
特殊車両用機械部品の製造
みづほ工業㈱化粧品・医療品の真空乳化装置等の製造・販売
工場排水処理装置の製造・販売
各種タンク・鋼構造物の設計・施工
美之賀机械(无錫)有限公司
山田工業㈱空調・給排水・衛生設備の設計・施工
医療廃棄物滅菌破砕装置の販売
ハピネスデンキ㈱高層ビル向け等動力制御盤・配電盤の製造・販売
サノヤス・ライド㈱遊園地遊戯機械の製造・販売・運営
遊園地・遊園地施設の運営管理受託
サノヤス・ライドサービス㈱

具体的には、2021年3月25日の取締役会において2022年3月期を初年度とする4ヵ年の「中期経営計画2021」を決定した。これは、新たな成長軌道を展望した経営戦略を打ち出すことによりグループの一層の結集を図るものであり、従来以上に総合力発揮に重心を移すことにより、それぞれの事業領域においてニッチトップを目指すという、より高い目標を掲げて力強く再出発する内容となっている。そのために、「技術オリエンティッド」(=技術を経営の中核に据え、製品・ものづくりを鍛える)、「ハイサイクル経営」(=経営サイクルや情報・意思伝達が高速で回転する経営管理を実現する)をメインコンセプトとして、4年後には「連結売上300億円、経常利益率6%、ROE10%」を達成目標としている。

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