有価証券報告書-第15期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
経営環境及び課題への取組み
(1)経営方針
①グループ理念
当社グループは1911年に造船業を祖業として創業しましたが、創業以来、技術力に立脚したものづくりの会社として歴史を歩んできました。当社グループでは祖業である造船事業を「コアビジネス」、非造船事業を「第二のコアビジネス」として位置付け、事業の多角化に取り組んできました。2021年2月28日付で祖業である造船事業を㈱新来島どっくに譲渡しましたが、事業譲渡後も「確かな技術にまごころこめて ~人と技術を磨き、新たな顧客価値を創出する~」というグループ理念については、グループの従業員が最も大切にする基本的な考え方として不変のものとしています。このグループ理念を従業員一人ひとりが実践することで、事業を通じて社会課題を解決し「サステナブルな社会の実現」に貢献するとともに持続的な企業価値向上を目指します。
②グループビジョン
当社グループは2024年3月29日に「中期経営計画<'24-'26>」を対外公表しましたが、当該計画を策定するにあたり造船事業譲渡後の新生サノヤス10周年に当たる2030年度に当社グループが目指す姿を明確化し、グループビジョンとして策定しました。
③行動原則
グループビジョンを実現するために組織で大切にするべき価値観や行動を5つの行動原則として定め、グループの従業員全員で共有し、日々の事業活動の指針としています。

(2)サノヤスグループの思い
当社グループは持株会社であるサノヤスホールディングス㈱の傘下に、事業活動を行う12社の事業会社と技術集団であるサノヤステクノサポート㈱で構成されており、多様な事業を営んでいます。当社グループが目指すところは、事業を通して社会課題を解決し、人々のくらしを支え、全ての人々の”喜び”と”満足”を実現する企業でありたいということです。サノヤスホールディングス㈱とサノヤステクノサポート㈱はグループ共通のプラットフォームとして事業会社をサポートし、各事業会社はそれぞれの事業に専念できる体制を構築しています。当社グループの柱である各事業会社では次の5つを基本方針としてソリューションの強化とイノベーションに挑戦し、お取引先やパートナー企業と協働し、社会に役立つ商品とサービスを生み出していきます。
① 本業のものづくりとサービスに専念し、お客様に信頼される会社を目指す
② ユニークな製品を適正価格で提供し、収益力の強化に努める
③ DXにより仕事を効率化し、常に生産性を向上させる
④ R&Dを通じて、新製品・新規事業を次々と創出する
⑤ 人財教育と互いの切磋琢磨により、強い人財を育成する

(3)新生サノヤス10周年(2030年度)に向けて
①基本方針
サノヤスグループは多様な事業を展開しており、それぞれの事業によって解決できる又は解決したい社会課題も多種多様なものがあり、以下に図示するような社会課題を中心に解決を図っていきたいと考えています。社会インフラの老朽化に対してはサノヤス・エンテック㈱で空調や給排水等の配管の老朽化への対応としてリニューアル部隊を新設し、取り組みを進めてまいります。水資源の確保に対しては、みづほ工業㈱が手掛ける水処理事業を強化し、用水から排水までを一気通貫でエンジニアリングを行い、貴重な水資源の有効活用に貢献します。少子高齢化による労働力不足に対してはみづほ工業㈱やサノヤス・エンジニアリング㈱で生産工程の自動化や省人化を実現する新製品の開発を行い、製造現場に提供してまいります。また、データ流通基盤の強化に対しては、昨今急増し、重要な社会インフラとなっているデータセンター向けに松栄電機㈱・ハピネスデンキ㈱の配電盤や分電盤を供給してまいります。
このように当社グループの各事業会社はBtoB企業としてお客様にソリューションを提供することで、お客様と共に社会やくらしに役立ち、支えとなることで全ての人々の“喜び”と“満足”を実現したいと考えています。
それを実現するための重点施策は、a.ソリューションの強化、b.イノベーションへの挑戦、c.ESG経営の進化・深化の3つです。加えてこれらの重点施策を滞りなく実行できるよう事業基盤の強化を進めてまいります。

②重点施策
a.ソリューションの強化
・当社グループ内に既に事業基盤があり、かつ将来にわたってマーケットが拡大していくことが予想される分野として産業インフラ関連分野と環境分野を注力分野に選定し、積極投資を行い基幹事業へ育成します。
・国内では新しい市場領域への進出や東南アジアを中心とする海外マーケットの拡大を図ります。
・既存事業とシナジーが見込まれる企業のみならず、当社グループの経営リソースでマネジメント可能な新しい事業領域のM&Aについても検討してまいります。
b.イノベーションへの挑戦
・技術集団であるサノヤステクノサポート㈱をハブとして産学連携や他の企業とのコラボレーションを積極的に行い、新たなビジネス創出を図ります。
・顧客ニーズや社会的要請を起点とし、事業会社とサノヤステクノサポート㈱が協働し、問題解決に資する新製品や新サービスを創出します。
・ITや先進技術を積極的に活用することにより、生産性の向上や新しいビジネスモデルの構築を図ります。
c.ESG経営の進化・深化
・引き続き、地球温暖化対策への取り組みと人的資本経営の充実を柱としています。
d.事業基盤の強化
・収益力の向上を図るため、当社グループで最も大切なものづくり力強化に向けて、設計能力のレベルアップや原価低減推進等を進めます。
・R&D機能を強化するため、各事業会社がそれぞれ行っている新製品や新サービスの開発に加え、サノヤステクノサポート㈱が一体となって開発の方向性を定め、要素技術の開発、コラボレーション先の探索などを行います。また、2024年4月1日付けで全社横断的な活動として、イノベーション推進委員会を設置し、イノベーション推進活動の加速を図ってまいりました。この委員会活動については2年間の活動を経て、一定の成果が得られたことから2026年4月よりサノヤステクノサポート㈱及び各事業会社の組織活動として進めるべく機能移管を行いました。
・企業体質の強化では、DX活用による能動的営業活動の実行やマネジメント研修の充実によるマネジメントスキルの向上等、企業体力の底上げを地道に行っていきます。

(4)中期経営計画<'24-'26>①位置づけ・骨子
2024年3月29日に公表した「中期経営計画<'24-'26>」は、新生サノヤス10周年(2030年度)に向けての前半の3年間と位置づけ、さらなる技術進化とポートフォリオ経営深化でグループ各社の基盤強化と連携強化の期間としています。前半の3年間で構築した高収益基盤をもとに後半の4年間で成長トレンドを実現する計画としています。

また、新生サノヤス10周年に向けた3つの重点施策に対して、5つの取り組みと合わせ事業基盤の強化を進めることとしています。5つの取り組みでは、(1)注力分野と位置付けた産業インフラ関連・環境分野への資金投入、M&A投資、人的投資を積極化、(2)既存事業では新商品開発や差別化戦略の推進、メンテ・サービス事業の強化、(3)新マーケットの開発や海外展開等、新規事業分野への進出、(4)カーボンニュートラル実現に向けた取組みの推進、(5)人財確保に向けた体制強化や働き甲斐の向上に向けた人事制度改革等、人的資本経営の推進を行ってまいります。

②進捗状況
a.注力分野の成長ドライブ
産業インフラ分野では、国内で活況を呈しているデータセンターの新築案件に対応するため、松栄電機グループの人員増強を図り生産能力を増強するとともに、新たにISO9001の認証を取得、これらの体制強化の下、大型案件の受注を獲得することが出来ました。加えて、ハピネスデンキ㈱とのグループ内コラボレーションを進めることで、当社グループ全体で対応能力を賄うとともに、2025年7月1日付けで各種装置の制御盤製造を行っている㈱ヤマガタ共同をM&Aにより子会社化いたしました。これにより生産能力の拡大が図られ、旺盛な引き合いに対応すべく受注活動を加速してまいります。
環境関連ソリューション分野においては、みづほ工業㈱において人員増強を図るとともに営業活動を強化することで、2年連続で計画を上回る売上高を達成しました。中国に拠点を設ける美之賀機械(無錫)有限公司では、中国の景気悪化の長期化の影響を受け、売上高では苦戦していますが、既存顧客向けの保守事業を中心に利益を確保するとともに新たな顧客開拓を積極的に進めています。
b.既存事業の強化
みづほ工業㈱では真空乳化攪拌装置事業の拡大に向けて2024年度に新製品として開発した、試験用新モデル2機種「PVQ-N(ネクスト)」、「LR-P2」の販売を開始しました。これらの販売に合わせ顧客向けに攪拌技術セミナーを複数開催し、顧客との接点を増やすとともに、2026年1月には化粧品開発展にみづほ工業㈱としては初めて出展し、製品の認知度向上を積極的に図っております。
また、サノヤス・ライド㈱では、開発人員の増強を継続的に実施しており、2024年10月に完工したよみうりランド様の新観覧車「Sky-Go-LAND」に引き続き、東武動物公園様にはドイツの遊園地機械メーカーZIERER社が開発した最新アトラクション「ドリフター」を日本で初めて導入・設置し、2026年3月にオープンいたしました。加えて大型遊戯機械としてグリーンランド様に大型コースター「ハイブリッドコースター海神~WADATSUMI~」を2028年3月に導入することが決定いたしました。引き続き遊戯機械の開発・製造・施工及び海外遊戯機械の導入を図ってまいります。
メンテ・サービス領域については、サノヤス・エンジニアリング㈱の機械式駐車場事業において、工程管理の強化、補修部品のメンテナンスサイクルの見直し等を進めることで、2年連続で計画を上回る売上高を達成しました。加えて差別化を図るための新製品開発に取り組んでいます。

※(左)グリーンランド様大型コースター「ハイブリッドコースター海神~WADATSUMI~」(イメージ図)
※(右)みづほ工業新製品 試験用真空乳化攪拌装置「PVQ-N」
c.新規事業分野への進出
2024年4月1日付で社内にイノベーション推進委員会を設置し、当社グループ傘下の各事業会社からメンバーを選定の上、新規事業創出の検討を進めてまいりました。出てきたアイデアについては具現化に向けた取組み・試作品の開発のフェーズに進んでいます。委員会活動については2年間の活動の結果、イノベーションに対する技術者のマインドの変革も見られてきたことから2026年3月末で委員会を発展的に解消し、それぞれの事業会社にて新製品・サービスの開発を進めてまいります。加えてサノヤステクノサポート㈱にて、既存事業領域とは異なる新製品・サービスの開発や各事業会社のイノベーション推進の相談窓口を行うこととし、2026年4月1日付けで、新たに「イノベーション推進部」を設置し、活動の加速を図ってまいります。
新たなマーケットの開拓に向けては、サノヤス精密工業㈱において、積極的な営業活動を推進し、新たな顧客の開拓を進めています。難切削材の切削加工や顧客の新製品用の部品製作に柔軟に対応することで、新たな顧客・製品の受注実績も上がってきており、顧客の間口拡大と事業成長に向け、活動を加速してまいります。サノヤス・エンテック㈱においては、現場代理人の増強と育成を積極的に行っており、リニューアル案件や新たな分野の案件獲得ができました。今後も活動を継続し、事業成長を図ってまいります。
また、新たな事業領域の獲得ということでは、2025年6月2日付で㈱小寺電子製作所をM&Aにより子会社化いたしました。㈱小寺電子製作所は1973年(昭和48年)の創業以来、全自動電線切断皮剥装置・全自動圧着機等のワイヤーハーネス加工機のメーカーとして、国内で高いシェアを誇っております。主力商品である全自動電線切断皮剥装置の「キャスティング」は国内でトップシェアを誇っており、ものづくり企業として技術に立脚した事業を行っており、当社グループの理念とも合致する企業であると評価しています。子会社化後も新製品の販売や海外販路の開拓を積極的に進めており、当社グループの事業成長の一翼を担ってまいります。
d.カーボンニュートラル実現に向けた取組み推進
詳細は、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
e.人的資本経営の充実
詳細は、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
f.収益力アップに向けた事業基盤の強化
営業力の強化については、みづほ工業㈱において進めている自社攪拌技術セミナーを継続実施しており、参加者である顧客のご意見も反映しながら内容の充実を図っております。また、全社でDXの推進を進めました。全社統一のコミュニケーションツールとして新たにMicrosoft365を導入するとともに、SharePointを利用した社内向けの情報共有ツールを構築することで、社内での情報共有が効率化され、営業活動のみならず業務推進の生産性向上が進みました。さらに、各事業会社の事業形態に応じて、SFAやプロジェクト管理システム導入の検討を進めており、事業活動の効率化により収益力アップに努めてまいります。
また、従業員が安全・安心に勤務でき、業務効率向上につなげるべく、拠点整備に対する投資も行っております。サノヤス精密工業㈱においては、建屋が老朽化していたドライブシャフト生産工場の建替えに着手し、2027年3月に完工予定です。これにより、既存加工工程の作業環境改善につながると共に、新たな加工設備導入スペースも確保されることから、事業拡大に繋げてまいります。加えてハピネスデンキ㈱の中国支店も自社保有の建屋が老朽化していたことから建替えに着手しており、2027年4月完工予定です。引き続き収益力アップにつながる投資を積極的に進めてまいります。
(5)経営指標の進捗
「中期経営計画<'24-'26>」では、新生サノヤス10周年の2030年度の目標を、売上高500億円、営業利益25億円、営業利益率5.0%、ROE10%以上とし、中期経営計画の最終年度に当たる2026年度計画は売上高300億円、営業利益10億円、営業利益率3.3%、ROE6%以上としております。

これに対し、中期経営計画1年目の2024年度は、建設需要が引き続き堅調に推移したことや、コロナ禍における部品納期の長納期化の影響が緩和したこと等により、概ね全ての事業会社において売上高、営業利益が計画を上回り、売上高250億円、営業利益10.6億円、営業利益率4.3%、ROE11.7%(当連結会計年度末の自己資本を基に算出)と大幅な過達での着地となりました。中期経営計画2年目の2025年度も、建設需要が引き続き堅調に推移したことにより建設業向けセグメントが好調であったものの、一部事業会社では大型案件の工期ズレが発生したことで売上高は計画の270億円を下回り、268億円での着地となりました。一方で営業利益については、前述した各種取り組みが奏功した結果も含め計画の8億円を大幅に上回る16.7億円、営業利益率6.2%での着地、ROEは11.5%となりました。2025年度スタート時点では将来への人的資本投資の一環として従業員の賃上げ5%を盛り込み、前年対比で減益計画としておりましたが、労務費のアップ分を通常の事業収益にて吸収するだけでなく、前年対比も上回る営業利益を達成することが出来ました。経営指標の詳細については、4 「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(6)企業価値向上への取り組みの進捗
当社グループは資本コストや株価を意識した経営の実現にも積極的に取り組んでおります。中期経営計画の期間中にPBRを1倍以上にすることを目標とし、資本収益性向上に取組んでおりますが、中期経営計画2年目の結果は、2026年3月31日時点の当社株価340円、PBRは0.93倍(発行済株式総数から自己株式を控除せず算出)となっており、着実に進展をしております。
また、管理職従業員の経営参画意識の醸成を目的に2025年度より導入しました従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度につきましては、2026年度も同様に運用してまいります。引き続き中期経営計画の諸施策を着実に実行し、ステークホルダーの皆さまに成長性をお示ししていくことでPBR1倍以上を実現したいと考えています。
経営環境及び課題への取組み
(1)経営方針
①グループ理念
当社グループは1911年に造船業を祖業として創業しましたが、創業以来、技術力に立脚したものづくりの会社として歴史を歩んできました。当社グループでは祖業である造船事業を「コアビジネス」、非造船事業を「第二のコアビジネス」として位置付け、事業の多角化に取り組んできました。2021年2月28日付で祖業である造船事業を㈱新来島どっくに譲渡しましたが、事業譲渡後も「確かな技術にまごころこめて ~人と技術を磨き、新たな顧客価値を創出する~」というグループ理念については、グループの従業員が最も大切にする基本的な考え方として不変のものとしています。このグループ理念を従業員一人ひとりが実践することで、事業を通じて社会課題を解決し「サステナブルな社会の実現」に貢献するとともに持続的な企業価値向上を目指します。
②グループビジョン
当社グループは2024年3月29日に「中期経営計画<'24-'26>」を対外公表しましたが、当該計画を策定するにあたり造船事業譲渡後の新生サノヤス10周年に当たる2030年度に当社グループが目指す姿を明確化し、グループビジョンとして策定しました。
③行動原則
グループビジョンを実現するために組織で大切にするべき価値観や行動を5つの行動原則として定め、グループの従業員全員で共有し、日々の事業活動の指針としています。

(2)サノヤスグループの思い
当社グループは持株会社であるサノヤスホールディングス㈱の傘下に、事業活動を行う12社の事業会社と技術集団であるサノヤステクノサポート㈱で構成されており、多様な事業を営んでいます。当社グループが目指すところは、事業を通して社会課題を解決し、人々のくらしを支え、全ての人々の”喜び”と”満足”を実現する企業でありたいということです。サノヤスホールディングス㈱とサノヤステクノサポート㈱はグループ共通のプラットフォームとして事業会社をサポートし、各事業会社はそれぞれの事業に専念できる体制を構築しています。当社グループの柱である各事業会社では次の5つを基本方針としてソリューションの強化とイノベーションに挑戦し、お取引先やパートナー企業と協働し、社会に役立つ商品とサービスを生み出していきます。
① 本業のものづくりとサービスに専念し、お客様に信頼される会社を目指す
② ユニークな製品を適正価格で提供し、収益力の強化に努める
③ DXにより仕事を効率化し、常に生産性を向上させる
④ R&Dを通じて、新製品・新規事業を次々と創出する
⑤ 人財教育と互いの切磋琢磨により、強い人財を育成する

(3)新生サノヤス10周年(2030年度)に向けて
①基本方針
サノヤスグループは多様な事業を展開しており、それぞれの事業によって解決できる又は解決したい社会課題も多種多様なものがあり、以下に図示するような社会課題を中心に解決を図っていきたいと考えています。社会インフラの老朽化に対してはサノヤス・エンテック㈱で空調や給排水等の配管の老朽化への対応としてリニューアル部隊を新設し、取り組みを進めてまいります。水資源の確保に対しては、みづほ工業㈱が手掛ける水処理事業を強化し、用水から排水までを一気通貫でエンジニアリングを行い、貴重な水資源の有効活用に貢献します。少子高齢化による労働力不足に対してはみづほ工業㈱やサノヤス・エンジニアリング㈱で生産工程の自動化や省人化を実現する新製品の開発を行い、製造現場に提供してまいります。また、データ流通基盤の強化に対しては、昨今急増し、重要な社会インフラとなっているデータセンター向けに松栄電機㈱・ハピネスデンキ㈱の配電盤や分電盤を供給してまいります。
このように当社グループの各事業会社はBtoB企業としてお客様にソリューションを提供することで、お客様と共に社会やくらしに役立ち、支えとなることで全ての人々の“喜び”と“満足”を実現したいと考えています。
それを実現するための重点施策は、a.ソリューションの強化、b.イノベーションへの挑戦、c.ESG経営の進化・深化の3つです。加えてこれらの重点施策を滞りなく実行できるよう事業基盤の強化を進めてまいります。

②重点施策
a.ソリューションの強化
・当社グループ内に既に事業基盤があり、かつ将来にわたってマーケットが拡大していくことが予想される分野として産業インフラ関連分野と環境分野を注力分野に選定し、積極投資を行い基幹事業へ育成します。
・国内では新しい市場領域への進出や東南アジアを中心とする海外マーケットの拡大を図ります。
・既存事業とシナジーが見込まれる企業のみならず、当社グループの経営リソースでマネジメント可能な新しい事業領域のM&Aについても検討してまいります。
b.イノベーションへの挑戦
・技術集団であるサノヤステクノサポート㈱をハブとして産学連携や他の企業とのコラボレーションを積極的に行い、新たなビジネス創出を図ります。
・顧客ニーズや社会的要請を起点とし、事業会社とサノヤステクノサポート㈱が協働し、問題解決に資する新製品や新サービスを創出します。
・ITや先進技術を積極的に活用することにより、生産性の向上や新しいビジネスモデルの構築を図ります。
c.ESG経営の進化・深化
・引き続き、地球温暖化対策への取り組みと人的資本経営の充実を柱としています。
d.事業基盤の強化
・収益力の向上を図るため、当社グループで最も大切なものづくり力強化に向けて、設計能力のレベルアップや原価低減推進等を進めます。
・R&D機能を強化するため、各事業会社がそれぞれ行っている新製品や新サービスの開発に加え、サノヤステクノサポート㈱が一体となって開発の方向性を定め、要素技術の開発、コラボレーション先の探索などを行います。また、2024年4月1日付けで全社横断的な活動として、イノベーション推進委員会を設置し、イノベーション推進活動の加速を図ってまいりました。この委員会活動については2年間の活動を経て、一定の成果が得られたことから2026年4月よりサノヤステクノサポート㈱及び各事業会社の組織活動として進めるべく機能移管を行いました。
・企業体質の強化では、DX活用による能動的営業活動の実行やマネジメント研修の充実によるマネジメントスキルの向上等、企業体力の底上げを地道に行っていきます。

(4)中期経営計画<'24-'26>①位置づけ・骨子
2024年3月29日に公表した「中期経営計画<'24-'26>」は、新生サノヤス10周年(2030年度)に向けての前半の3年間と位置づけ、さらなる技術進化とポートフォリオ経営深化でグループ各社の基盤強化と連携強化の期間としています。前半の3年間で構築した高収益基盤をもとに後半の4年間で成長トレンドを実現する計画としています。

また、新生サノヤス10周年に向けた3つの重点施策に対して、5つの取り組みと合わせ事業基盤の強化を進めることとしています。5つの取り組みでは、(1)注力分野と位置付けた産業インフラ関連・環境分野への資金投入、M&A投資、人的投資を積極化、(2)既存事業では新商品開発や差別化戦略の推進、メンテ・サービス事業の強化、(3)新マーケットの開発や海外展開等、新規事業分野への進出、(4)カーボンニュートラル実現に向けた取組みの推進、(5)人財確保に向けた体制強化や働き甲斐の向上に向けた人事制度改革等、人的資本経営の推進を行ってまいります。

②進捗状況
a.注力分野の成長ドライブ
産業インフラ分野では、国内で活況を呈しているデータセンターの新築案件に対応するため、松栄電機グループの人員増強を図り生産能力を増強するとともに、新たにISO9001の認証を取得、これらの体制強化の下、大型案件の受注を獲得することが出来ました。加えて、ハピネスデンキ㈱とのグループ内コラボレーションを進めることで、当社グループ全体で対応能力を賄うとともに、2025年7月1日付けで各種装置の制御盤製造を行っている㈱ヤマガタ共同をM&Aにより子会社化いたしました。これにより生産能力の拡大が図られ、旺盛な引き合いに対応すべく受注活動を加速してまいります。
環境関連ソリューション分野においては、みづほ工業㈱において人員増強を図るとともに営業活動を強化することで、2年連続で計画を上回る売上高を達成しました。中国に拠点を設ける美之賀機械(無錫)有限公司では、中国の景気悪化の長期化の影響を受け、売上高では苦戦していますが、既存顧客向けの保守事業を中心に利益を確保するとともに新たな顧客開拓を積極的に進めています。
b.既存事業の強化
みづほ工業㈱では真空乳化攪拌装置事業の拡大に向けて2024年度に新製品として開発した、試験用新モデル2機種「PVQ-N(ネクスト)」、「LR-P2」の販売を開始しました。これらの販売に合わせ顧客向けに攪拌技術セミナーを複数開催し、顧客との接点を増やすとともに、2026年1月には化粧品開発展にみづほ工業㈱としては初めて出展し、製品の認知度向上を積極的に図っております。
また、サノヤス・ライド㈱では、開発人員の増強を継続的に実施しており、2024年10月に完工したよみうりランド様の新観覧車「Sky-Go-LAND」に引き続き、東武動物公園様にはドイツの遊園地機械メーカーZIERER社が開発した最新アトラクション「ドリフター」を日本で初めて導入・設置し、2026年3月にオープンいたしました。加えて大型遊戯機械としてグリーンランド様に大型コースター「ハイブリッドコースター海神~WADATSUMI~」を2028年3月に導入することが決定いたしました。引き続き遊戯機械の開発・製造・施工及び海外遊戯機械の導入を図ってまいります。
メンテ・サービス領域については、サノヤス・エンジニアリング㈱の機械式駐車場事業において、工程管理の強化、補修部品のメンテナンスサイクルの見直し等を進めることで、2年連続で計画を上回る売上高を達成しました。加えて差別化を図るための新製品開発に取り組んでいます。

※(左)グリーンランド様大型コースター「ハイブリッドコースター海神~WADATSUMI~」(イメージ図)
※(右)みづほ工業新製品 試験用真空乳化攪拌装置「PVQ-N」
c.新規事業分野への進出
2024年4月1日付で社内にイノベーション推進委員会を設置し、当社グループ傘下の各事業会社からメンバーを選定の上、新規事業創出の検討を進めてまいりました。出てきたアイデアについては具現化に向けた取組み・試作品の開発のフェーズに進んでいます。委員会活動については2年間の活動の結果、イノベーションに対する技術者のマインドの変革も見られてきたことから2026年3月末で委員会を発展的に解消し、それぞれの事業会社にて新製品・サービスの開発を進めてまいります。加えてサノヤステクノサポート㈱にて、既存事業領域とは異なる新製品・サービスの開発や各事業会社のイノベーション推進の相談窓口を行うこととし、2026年4月1日付けで、新たに「イノベーション推進部」を設置し、活動の加速を図ってまいります。
新たなマーケットの開拓に向けては、サノヤス精密工業㈱において、積極的な営業活動を推進し、新たな顧客の開拓を進めています。難切削材の切削加工や顧客の新製品用の部品製作に柔軟に対応することで、新たな顧客・製品の受注実績も上がってきており、顧客の間口拡大と事業成長に向け、活動を加速してまいります。サノヤス・エンテック㈱においては、現場代理人の増強と育成を積極的に行っており、リニューアル案件や新たな分野の案件獲得ができました。今後も活動を継続し、事業成長を図ってまいります。
また、新たな事業領域の獲得ということでは、2025年6月2日付で㈱小寺電子製作所をM&Aにより子会社化いたしました。㈱小寺電子製作所は1973年(昭和48年)の創業以来、全自動電線切断皮剥装置・全自動圧着機等のワイヤーハーネス加工機のメーカーとして、国内で高いシェアを誇っております。主力商品である全自動電線切断皮剥装置の「キャスティング」は国内でトップシェアを誇っており、ものづくり企業として技術に立脚した事業を行っており、当社グループの理念とも合致する企業であると評価しています。子会社化後も新製品の販売や海外販路の開拓を積極的に進めており、当社グループの事業成長の一翼を担ってまいります。
d.カーボンニュートラル実現に向けた取組み推進
詳細は、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
e.人的資本経営の充実
詳細は、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
f.収益力アップに向けた事業基盤の強化
営業力の強化については、みづほ工業㈱において進めている自社攪拌技術セミナーを継続実施しており、参加者である顧客のご意見も反映しながら内容の充実を図っております。また、全社でDXの推進を進めました。全社統一のコミュニケーションツールとして新たにMicrosoft365を導入するとともに、SharePointを利用した社内向けの情報共有ツールを構築することで、社内での情報共有が効率化され、営業活動のみならず業務推進の生産性向上が進みました。さらに、各事業会社の事業形態に応じて、SFAやプロジェクト管理システム導入の検討を進めており、事業活動の効率化により収益力アップに努めてまいります。
また、従業員が安全・安心に勤務でき、業務効率向上につなげるべく、拠点整備に対する投資も行っております。サノヤス精密工業㈱においては、建屋が老朽化していたドライブシャフト生産工場の建替えに着手し、2027年3月に完工予定です。これにより、既存加工工程の作業環境改善につながると共に、新たな加工設備導入スペースも確保されることから、事業拡大に繋げてまいります。加えてハピネスデンキ㈱の中国支店も自社保有の建屋が老朽化していたことから建替えに着手しており、2027年4月完工予定です。引き続き収益力アップにつながる投資を積極的に進めてまいります。
(5)経営指標の進捗
「中期経営計画<'24-'26>」では、新生サノヤス10周年の2030年度の目標を、売上高500億円、営業利益25億円、営業利益率5.0%、ROE10%以上とし、中期経営計画の最終年度に当たる2026年度計画は売上高300億円、営業利益10億円、営業利益率3.3%、ROE6%以上としております。

これに対し、中期経営計画1年目の2024年度は、建設需要が引き続き堅調に推移したことや、コロナ禍における部品納期の長納期化の影響が緩和したこと等により、概ね全ての事業会社において売上高、営業利益が計画を上回り、売上高250億円、営業利益10.6億円、営業利益率4.3%、ROE11.7%(当連結会計年度末の自己資本を基に算出)と大幅な過達での着地となりました。中期経営計画2年目の2025年度も、建設需要が引き続き堅調に推移したことにより建設業向けセグメントが好調であったものの、一部事業会社では大型案件の工期ズレが発生したことで売上高は計画の270億円を下回り、268億円での着地となりました。一方で営業利益については、前述した各種取り組みが奏功した結果も含め計画の8億円を大幅に上回る16.7億円、営業利益率6.2%での着地、ROEは11.5%となりました。2025年度スタート時点では将来への人的資本投資の一環として従業員の賃上げ5%を盛り込み、前年対比で減益計画としておりましたが、労務費のアップ分を通常の事業収益にて吸収するだけでなく、前年対比も上回る営業利益を達成することが出来ました。経営指標の詳細については、4 「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(6)企業価値向上への取り組みの進捗
当社グループは資本コストや株価を意識した経営の実現にも積極的に取り組んでおります。中期経営計画の期間中にPBRを1倍以上にすることを目標とし、資本収益性向上に取組んでおりますが、中期経営計画2年目の結果は、2026年3月31日時点の当社株価340円、PBRは0.93倍(発行済株式総数から自己株式を控除せず算出)となっており、着実に進展をしております。
また、管理職従業員の経営参画意識の醸成を目的に2025年度より導入しました従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度につきましては、2026年度も同様に運用してまいります。引き続き中期経営計画の諸施策を着実に実行し、ステークホルダーの皆さまに成長性をお示ししていくことでPBR1倍以上を実現したいと考えています。