有価証券報告書-第5期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 14:59
【資料】
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【項目】
106項目

対処すべき課題

医薬品業界をとりまく事業環境は更なる高齢化の進行、競争の激化及び市場構造の変化等の影響を受け、一段と厳しい状況が続くことが予想されます。当社グループはそのような状況の中で、事業基盤の強化と経営の効率化を進め、業績の向上に努めてまいります。
セルフメディケーション事業(OTC医薬品及び健康関連商品事業)におきましては、製品開発面では生活者の健康意識の高まりや変化に対応した新しい領域・新しいコンセプトの商品開発にも積極的に取り組んでまいります。
販売面では「リポビタンシリーズ」、「パブロンシリーズ」、「リアップシリーズ」などこれまで築き上げてきた主力製品のブランド価値をより一層高め、さらには新たなブランド育成にも努力してまいります。また、マーケティングと営業活動の連動性を一段と強化して需要を創造する活動を行い、さらに通信販売等の新しいチャネルの拡充を図り生活者との直接のコミュニケーションにも注力してまいります。
医薬事業(医療用医薬品及び同関連事業)におきましては、新薬創製のレギュレーションが厳しくなり、医療費の適正化が進むなかで、オリジナリティの高い新薬の研究開発に一層注力するとともに、国内外の企業からの有望な新薬候補物質の積極的な導入や共同開発を進め、パイプラインの強化に努めております。
また、販売子会社の大正富山医薬品株式会社では、きめ細かい情報提供を確実に行うことにより、平成26年度に発売した2型糖尿病治療剤「ルセフィ」や平成27年度に発売した経皮吸収型鎮痛消炎剤「ロコア」等の新薬の売上最大化に努めてまいります。
薬剤開発の進捗状況は、あらまし次のとおりであります。
変形性関節症の鎮痛・消炎を適応症とした経皮吸収型鎮痛消炎剤「TT-063」(製品名「ロコア」)は平成27年9月に製造販売承認を取得し、平成28年1月に発売いたしました。また、平成28年1月には骨粗鬆症治療剤「CT-064(経口)」(製品名「ボンビバ錠」)を大正製薬株式会社の共同開発先である中外製薬株式会社が製造販売承認を取得いたしました。平成27年6月には、関節リウマチを予定適応症とする抗TNFα抗体「TS-152」に関する開発及び販売に関する契約をアブリンクス社と締結いたしました。
従いまして、パイプラインは以下のとおりとなります。
承認取得段階には「CT-064(経口)」(製品名「ボンビバ錠」)があります。
臨床試験第2相には、中枢性過眠症を予定適応症とする「TS-091」及び関節リウマチを予定適応症とする抗TNFα抗体「TS-152」があります。
海外では、平成21年度のアジアOTC医薬品事業への本格的な参入以来、インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシアなど、東南アジアを中心としたOTC医薬品事業の拡大に努めるとともに、ドリンク剤事業の収益強化にも取り組んでおります。今後は、各国での薬事行政対応や新製品開発の強化、現地スタッフの活用など、更なる経営基盤の強化に努めるとともに、買収したブランドの相乗効果の創出に取り組み、引き続き東南アジアを中心とした成長性の高い地域において、より一層の拡大を目指してまいります。
医薬品業界をとりまく事業環境は厳しさを増しておりますが、当社グループは環境の変化に機敏に対応するため、グループ経営管理体制の更なる強化に努め、グループ全体の総合力の向上を図る所存でございます。