有価証券報告書-第14期(平成28年11月1日-平成29年10月31日)

【提出】
2018/01/30 15:05
【資料】
PDFをみる
【項目】
98項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、中国経済の減速や英国のEU離脱決定、米国新政権による政策実行の遅れ等先行き懸念材料が残る中、米国やドイツ経済の堅調な推移や中国以外の新興国経済の持ち直しにより、緩やかな回復が続きました。また、わが国経済も、世界経済の回復に伴う輸出の増加や企業収益の改善を背景に、緩やかに成長いたしました。
当社グループの主要な事業領域であるスマートフォン市場では、デュアルカメラや高画素フロントカメラ、大型有機ELディスプレイや虹彩認証等、新デバイス・新機能の搭載モデルが各社より相次いで発売され、話題を集めましたが、昨年より続く需要低迷が影響し、販売台数は伸び悩みました。一方、当社グループの新たな事業領域と位置付けている人工知能(AI)を活用した関連産業の市場は、金融、製造、情報通信から社会インフラへと活発に広がりをみせました。
このような状況の中、当社グループのカメラデバイス事業においては、スマートフォン市場での更なるシェアアップを目指し、新興スマートフォンメーカー等への営業活動を積極的に進めました。一方、ネットワークサービス事業においては、新サービスの提供や顧客・市場開拓のため、他社との業務提携等にも精力的に取り組み、売上成長に努めました。また、当社グループは、魅力的かつ技術優位性の高い製品開発や将来を見据えた基礎技術研究、新規事業立ち上げのための市場調査活動にも注力してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,357,655千円(前連結会計年度比10.0%増)、営業利益809,235千円(前連結会計年度比1.9%減)、経常利益839,054千円(前連結会計年度比11.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は630,268千円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①カメラデバイス事業
「カメラデバイス事業」は、スマートフォンを中心として車載、監視カメラ、業務・産業機器等への組込み向け製品のライセンス、開発及びサポート等を行っております。
当事業においては、スマートフォン向けロイヤリティ収入が韓国で減少したものの、中国での成長と北米での回復がこれを補完し、また、車載向け開発収入が年間を通じて継続的に売上計上できたこと等により、売上高は前年同期比6.5%増の1,946,259千円となりました。営業利益は、主に売上高の増加により、前年同期比5.6%増の1,306,528千円となりました。
第13期連結会計年度
(自 平成27年11月1日
至 平成28年10月31日)
第14期連結会計年度
(自 平成28年11月1日
至 平成29年10月31日)
前年同期比
増減率
売上高(千円)1,827,6191,946,2596.5%
セグメント利益(千円)1,237,8011,306,5285.6%

②ネットワークサービス事業
「ネットワークサービス事業」は、画像処理技術やディープラーニングを中心とした画像認識技術を用いたシステムのクラウドサービス事業者等へのライセンス、開発及びサポート等を行っております。
当事業においては、顧客開拓が一段と進み、クラウドサービス事業者や放送事業者から、電子機器メーカー、医療関連事業者等へと顧客の幅に広がりをみせました。当期は、前期の開発案件がロイヤリティ収入へと切り替わった他、開発案件が増加し、売上高は、前年同期比30.3%増の411,395千円と大幅に増加いたしました。営業利益は、主に売上高の増加により、前年同期比21.6%増の159,090千円となりました。
第13期連結会計年度
(自 平成27年11月1日
至 平成28年10月31日)
第14期連結会計年度
(自 平成28年11月1日
至 平成29年10月31日)
前年同期比
増減率
売上高(千円)315,756411,39530.3%
セグメント利益(千円)130,780159,09021.6%

(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,789,503千円(前連結会計年度末比689,408千円増)となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、692,215千円(前連結会計年度は298,486千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を839,054千円、減価償却費を58,746千円計上したこと、前受金の増加額17,049千円となった一方で、売上債権の増加額34,245千円、未払金の減少額5,684千円、法人税等の支払額179,116千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、89,550千円(前連結会計年度は114,333千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出額49,631千円、無形固定資産の取得による支出額30,501千円、敷金及び保証金の差入による支出額15,588千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、66,378千円(前連結会計年度は907,295千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24,648千円、自己株式の処分による収入89,065千円があったこと等によるものであります。