訂正有価証券報告書-第21期(2022/01/01-2022/12/31)

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2023/04/04 14:42
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有報資料

本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、社会の課題と向き合い持続可能な賃貸経営を追求することを“住む論理”と定義し、「住む論理の追求」をパーパスとして掲げ、主要な事業である賃貸経営代行事業を行っております。今後も「オーナーの資産価値の最大化」を実現すべく、新たなサービス、商品、事業を開発し、事業規模の拡大、さらには、企業価値の向上を目指してまいります。
0102010_001.jpg(2) 中長期的な経営戦略
当社グループは、創業以来「オーナー資産の最大化」を経営におけるミッションとして位置づけ、その実現へ向け一括借上事業を中心に、事業活動に取り組んでまいりました。その結果、オーナーから運用を委託されている運用戸数は当連結会計年度末時点において106,704戸と、賃貸住宅業界において一定のポジションを確立できたものと考えています。
そして、今後の持続的な企業価値向上に向けて、2030年末までに25万戸超を運用し賃貸住宅マーケットの一角に加わることをビジョンとし、その実現並びに2030年以降の更なる成長を<短期~中期><長期><2030年以降>の3つのフェーズに分けて考えています。
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<短期~中期 (2021年~2025年)>新型コロナウイルス感染拡大の影響は、ワクチン接種の普及やウイルス変異による重症化リスクの減少等により、社会経済活動の更なる正常化が見込まれるものの、建材・資材価格高騰などの影響を受け、景気の先行きに関しては予断を許さぬ状況となっています。
当社グループが安定的に運用戸数を増やし、持続的な成長を実現するために、リフォーム事業や法人需要の取込など賃貸経営に関するサービスを拡充することで、管理業務委託先であるパートナーや金融機関との連携強化に取り組んでまいります。また、販管費率を下げ、オーナーへ良い条件でのサブリースを提案できることは競争力効果に繋がることから、既存データベースをはじめとした基幹システムの全面刷新へ大きく舵を切りました。
短期~中期は2021年~2025年を想定しており、この期間の取組や数値目標に関しては中期経営計画「JPMC2025」において公表しております。数値目標に関しては「(3)目標とする経営指標」に記載のとおりです。
<長期 (2026年~2030年)>長期:収益構造の多様化に注力 2030年までに運用戸数25万戸
運用戸数の拡大により16万戸超の巨大な経済圏の確立による収益構造の多様化を目指してまいります。具体的には下記のような取組を目指していきたいと考えています。
・入居者向けサービスをサブスクリプション型のビジネスモデルにより提供
16万戸超の巨大な家賃収納プラットフォームを活かし付帯商品をワンビリングで提供可能となる強みを活かし、様々な付帯サービスをサブスクリプションで提供することを考えております。付帯サービスとは入居者に対して快適な住生活サービスの提供、例えばコンシェルジュサービスを入口とし、家事代行サービス、配送サービスといったサービス提供が考えられます。
・賃貸住宅オーナーや業界へワンストップサービスを展開
賃貸住宅オーナー、入居者、業界など巨大な経済圏を形成しており、さまざまなサービスの展開が考えられます。賃貸住宅オーナーに対しては賃貸住宅経営からのより一層の手離れを実現するサービス、例えば税務相談や法律相談、会計アウトソーシングといったサービスなどが考えられます。また、業界に対しては労働力不足の解消やその補完サービス、例えば契約書自動出力やコールセンターサービスなどの展開が考えられます。
また、2030年までに運用戸数25万戸を実現し、賃貸住宅業界の主要プレイヤーの一角に加わることを当社のビジョンとしております。
<2030年以降>次なる成長時期と位置づけ、25万戸超の巨大な家賃収納プラットフォームやPropTech(※)によるビッグデータを活用した新たな事業領域への展開を目指していきたいと考えています。
※PropTech:Property Management Technologyの略。当社グループではAIとICTの融合により賃貸住宅業界の課題を解決する技術と定義しています。
(3) 目標とする経営指標
当社グループでは運用戸数の増加による事業基盤の拡大、資本効率を重視しています。そのため「運用戸数」「新規申込戸数」「売上高」「ROE」「配当性向」の5つの指標を重要な経営指標としています。
「運用戸数」 :事業規模を示す指標。2025年までに16万戸、2030年までに25万戸を目標としています。
「新規申込戸数」:新たに運用を受託した戸数。運用戸数拡大へ向けての成長見通しを示す指標。
運用戸数の目標の達成に向け、2025年までの5カ年累計110,000戸、2030年までの5カ年累計154,000戸を目標としています。
「売上高」 :運用戸数拡大による安定収入の拡大を目指しております。2025年に770億円、2030年に1,110億円を目標としています。
「ROE」 :20%以上を目標水準としています。持続的に資本コストを上回ることが重要であると考えています。
「配当性向」 :40%以上を目標水準としています。
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(4) 経営環境
賃貸住宅業界においては、新設住宅着工戸数(貸家)が2年連続の増加となりました(※)。賃貸マンションの供給過多に起因する空室率の高さが社会問題化する中で、これまでマーケットの成長を牽引してきた賃貸住宅メーカーによる建築に依拠したビジネスモデルの成長ポテンシャルは限定的であり、今後は既存の物件の収益性をいかに高めていくかという点が社会的なテーマになると考えております。
また、労働人口の減少という社会問題が顕在化する中、新型コロナウイルス感染症拡大が収束した後には外国人労働者の受入れが加速していくことが予想されます。今後増加する外国人労働者へ住まいを提供することは、当社グループの収益性を高めるだけでなく、社会問題の解決へも寄与するものと考えており、当社グループはこのような社会情勢の変化を的確に捉え、新たな社会的価値を創出することで持続的な成長を実現していきたいと考えております。
※国土交通省が発表した建築着工統計調査報告によると、2022年の新設住宅着工戸数(貸家)は345,080戸と2年連続の増加となっている。
(5) 優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題
中期経営計画「JPMC2025」の3年目となる2023年12月期は、新型コロナウイルスの影響については、ワクチン接種の普及やウイルス変異による重症化リスクの減少等により縮小が期待され、社会経済活動の更なる正常化が見込まれるものの、物価上昇や建材価格高騰などの影響を受け、景気の先行きについては予断を許さぬ状況となっています。
このような事業環境下において、当社グループは以下の事項を重要課題として捉え、その対応に引き続き取り組んでまいります。
① 持続的な成長のための事業基盤の強化
先行き不透明な環境下においても持続的な成長を継続していくためには、運用物件数の増加と幅広い借上ニーズへの対応により、ストックビジネスを極めて行くことが最優先課題であります。そのためには、パートナー企業や金融機関とのさらなる連携の強化を図ることに加え、リフォーム事業や法人需要の取り込みなど賃貸経営に関するサービスを拡充し、顧客ニーズを先取りした事業の拡大に努めてまいります。また、新型コロナウイルスの影響の縮小を想定した営業スタイルの見直しや、人員の増強などに取り組み、事業推進体制の強化に努めてまいる所存です。
② 効率性の追求
当社は、業界の中でも一定の収益性の高さを実現できていると考えておりますが、持続的な成長を遂げていくためには、効率性をさらに追求し、利益体質を強化していく必要があります。
その実現のために、社内スローガンとして「効率性の徹底追求~Efficiency is vital for us」を設定し、PropTechカンパニーとしてデータベースの再構築や、基幹システムの一新も含めた社内システムの整備に着手するとともに、その前提となる業務プロセスを根本的に見直し、より高い業務効率を目指してまいります。また、賃貸経営を取り巻く滞納保証、リフォーム、高齢者向け住宅、保険事業などを手がけるグループ会社間のシナジーを最大化し、競争力のさらなる向上を目指してまいります。
③ ESG経営の推進
当社は、ESGのマテリアリティを特定し、それぞれを実現することで達成させるSDGsや気候変動への対応目標を設定し、その達成に向けて取り組みを進めております。
まず、既存物件をリノベーションした上で当社が借上げを行う「スーパーリユース」や「ふるさぽルネサンス」の各事業などは、先進的な取り組みとして高い評価を受けており、これらについて今後も積極的に事業展開を行ってまいります。
また、当社の営業代理店かつ管理業務委託先であるパートナー企業への委託をはじめ、ソーシャルローンを活用し地方公共団体とも連携して物件への入居者数の増加を通じ、地方創生への貢献に向けて取り組んでおります。
加えて、取締役の過半数を社外取締役とすることにより、企業経営の健全性や透明性の確保によるコーポレートガバナンスの強化を実現するとともに、女性の働きやすい労働環境づくりや積極的な障がい者雇用をはじめ、ダイバーシティ経営への取り組みも進めております。今後も多様な人材が活躍し、当社グループの企業価値向上へ寄与するよう、取り組みを進めてまいります。
(TCFDの枠組みに基づく開示)
当社グループのパーパスである「住む論理の追求」とは、社会課題と向き合い、持続可能な賃貸経営を追求することを意味しております。スクラップ&ビルドを繰り返すのではなく、オーナーの所有する既存の物件をリユースすることがサステナビリティの実現に寄与するものと考えております。また、その前提として気候変動が引き起こす自然災害を最小限の被害にとどまらせることもサステナビリティの実現に向けて重要となってきます。
当社グループは、2020年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の最終報告書(TCFD提言)に賛同しました。また、2022年10月、代表取締役社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、優先して取り組む重要課題(以下「マテリアリティ」という。)を特定しております。
当社グループのマテリアリティ
マテリアリティ概要詳細
1.リユースエコノミーの推進持続可能な賃貸経営を実現することでリユースエコノミーを推進する既存物件の借上げ(不要な新築を抑制)により、当社の運用戸数を拡大。当社の成長とともに、サステナビリティの実現、CO2排出の抑制に貢献する。
リニューアル、リフォーム、リノベーションにより入居者ニーズに合った住居を提供することが可能となり、当社のパーパスである「住む論理の追求」を果たすべく、社会課題(空室率)の解決に寄与する。
2.人口動態の変化への機動的な適応中高年齢層の人口・世帯増による、賃貸住宅におけるニーズの変化に合わせた住居を提供する1.高齢化社会に対応する快適な住環境の提供
(課題及び対応)
①高齢者向け住宅の不足
建設もしくはコンバージョンにより既存物件を再生し高齢者向け住宅の供給を促進
②入居ハードルの高さ
費用負担が少ない高齢者向け住宅の提供
2.中高年単身向けの住宅ニーズに適応した住居の提供
リニューアル・リフォーム・リノベーションにより、入居者ニーズに合った物件へ適合していく。
入居困難者へ住宅を提供し、多様な人材が活躍できる社会をつくることに貢献する4つの入居困難者への住宅提供
①高齢者
②外国人
③ペット可
④職業・収入不安定者
3.多様な人材の活躍労働人口の減少によって引き起こされる社会課題を多様な個性をもった人材がその能力を発揮できる環境を提供し続けることで持続的な成長を目指す1.当社における課題
ダイバーシティの観点から、女性や外国人などの多様な人材が能力を発揮できる環境を提供する。
2.社会における課題
多様な人材、特に入居困難者への住居提供を通じて、より多くの人が活躍できる社会の実現に貢献する。
4.脱炭素社会の実現リユースエコノミーの推進により、脱炭素社会を目指すことに寄与する1.入居者ニーズに合わせたリユースの推進
既存物件の再生や再活用を積極的に推進し、スクラップ&ビルドのサイクルを伸ばすことで、不要な新築物件の建築を抑制しCO2排出を削減する。
2.高齢者施設への創エネルギーシステム設置を推進
環境の影響に左右されづらい安心・安全な施設の提供を目指し、創エネルギーの使用により脱炭素に貢献する。
5.地方創生地方における課題を住環境に着目して解決を目指す社会課題としての労働人口の減少に対して、外国人就労者へ快適な住環境を提供する。
6.安心・安全・快適な住宅の提供借上げ時及び定期的な建物診断を無償で実施する欠陥が見つかった場合は、オーナー承諾の上で必要に合わせた修復工事(防水工事、外壁工事、雨漏り工事等)を行い、安心かつ安全な住居の提供を行う。

(1) ガバナンス
当社グループではサステナビリティ経営を推進するにあたって、グループCEOである代表取締役社長執行役員が委員長として中心になって「サステナビリティ委員会」において環境課題について協議し対応方針を明確にしたうえで、全社グループへ共有を図っております。協議された内容等については適宜取締役会にて報告を行っております。
(2) リスク管理
当社グループではリスクを全社的に管理することの重要性を認識しており、経営戦略と連動した、重大なリスクへ対応するための必要な措置を講じております。戦略的なリスクマネジメントを推進することで、結果としてリスク管理の強化につながり、グループの価値を高めることに寄与しているものと考えております。
サステナビリティ委員会は、グループ全体のリスクとして認識されたマテリアリティについて、グループ全体の対応策を策定するとともに、リスクへの対応状況を適宜モニタリングしております。
当社グループの気候関連のリスクと機会は、シナリオ分析により評価しています。気候変動に関するリスクは重大なリスクの一つと位置付けており、物理的リスク、法規制・市場等の移行リスクについて、公表されている報告書等をもとに影響度の評価を行っております。サステナビリティ委員会の検討・対応内容は、年に1回以上取締役会に報告しております。
(3) 戦略
当社グループでは気候変動に伴う様々なリスクと機会について、その重要性に応じて短期・中期・長期に分類して特定しております。(表A)リスクと機会の特定においてはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表している2100年までの世界平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるための温室効果ガス排出量の削減目標とするシナリオと、現状の石油・石炭(資源)に依存した経済活動を継続し、気候変動に対して必要な施策や追加の対策が何も講じられない場合の4℃以上気温が上昇するシナリオをもとに、2050年度にネットゼロを目標としてScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指します。
(表A) 気候変動リスク・機会の特定と発現時期
気候変動リスク・機会の
種類
JPMCグループの気候関連リスク・機会の概要リスク
発現時期
リスク移行リスク政策規制・気候変動規制への対応による事業コストの増加
(カーボンプライシング、炭素税等の導入によるコストの増加)
中・長期
技術・市場・再生可能エネルギーや脱炭素エネルギー等への対応による機器・設備の導入コストの増加
・再生可能エネルギー(自然由来、バイオマス等)や省エネルギー、脱炭素エネルギー(水素等)の活用によるコストの増加
・燃料代の高騰による営業活動に係るコストの増加
短~長期
評判・環境課題に対する対応の遅れによるレピュテーションの低下
・投資家からの環境情報開示要求への対応不備によるレピュテーションの低下
・ステークホルダーからのレピュテーション低下による新規獲得件数の低下や、新規採用及び従業員エンゲージメントへの悪影響
短・中期
物理リスク急性・気候変動に起因する自然災害による収益の減少
・自然災害による被害に対する支払保険金の増加
短・中期
慢性・平均気温上昇に起因する熱中症等による死亡リスクの増加中・長期
機会資源効率・既存物件の借上げ促進による無駄な新築賃貸物件の建築抑制短~長期
エネルギー源・再生可能エネルギーの供給増によるコスト低下
・創エネルギー機器の供給増による調達コストの低下
・省エネ・熱効率の高いシステムの供給の増加
短~長期
製品及び
サービス、市場
・不要な新築物件を建てずに、既存物件のリユースを促進することで温室効果ガスの排出抑制に寄与する
・既存物件の再生需要の高まりによる、当社スーパーリユースのニーズの増加
(※スーパーリユースとは、リニューアル・リフォーム・リノベーションにより既存物件の躯体を活かして再生し、快適な住居をリユースすること)
・新築に拘らない世代の増加
・高い空室率
中・長期

(表B)1.5℃・2℃シナリオ:リスクと機会における対応と財務影響
分類対応財務影響
リスク移行リスク・事業所や当社関連物件における送電元の電力会社とプランの見直し(再生可能エネルギーの導入)やや大きい
・創エネルギー設備・システムの設置非常に大きい
・情勢に合わせたハイブリッド車両から電気自動車への切り替えやや大きい
・積極的な気候変動対策に対する進捗や目標の開示軽微
物理リスク・当社所有物件への火災保険付保
・高齢者向け住宅におけるZEH推進非常に大きい

4℃シナリオ : 移行リスク・物理リスクにおける対応と財務影響
分類対応財務影響
リスク物理リスク・熱効率の高い空調システムの導入推進非常に大きい
・断熱効果の高い窓ガラスの採用
・高い断熱効果のある断熱材の採用
非常に大きい
・創エネルギーシステム・設備の導入非常に大きい
・高齢者向け住宅におけるZEH推進非常に大きい

(4) 指標と目標
2022年度を基準年としグループ全体で2030年度に50%削減、2050年度にカーボンゼロを目指します。
2022年度実績(基準年)2030年度目標2050年度目標
排出量(tCO2)2022年度比
Scope1116.13△50%(※)ゼロ
Scope2335.59
Scope3算定中--

※Scope1・2合わせた排出量の削減

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