有価証券報告書-第20期(2023/04/01-2024/03/31)
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方
当社は、株主、顧客、取引先、提携先及び従業員等のステークホルダーから期待される継続的な成長、企業価値の増大、高付加価値の商品の提供、経営の安定化を実現するためには、コーポレート・ガバナンス体制をより強固にすることが必要不可欠であると認識しております。
具体的には、法令・定款等に準じて業務執行及び意思決定プロセスにおける有効性、効率性、緻密性及び牽制性の確保、不正・誤謬の防止及び遵法性の確保等に尽力する方針であります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は変化の激しい業界に属していることから、取締役会につきましては、業界や社内の状況に精通した社内取締役2名を中心とし、そこに、豊富な経営管理経験を有し、客観的・専門的見地からの助言が期待できる社外取締役4名を加え構成されております。これにより、迅速かつ的確で効率的な意思決定と、それに対する幅広い視野と客観性、公正性を併せ持った実効性の高い監督が実現できると考え、現在の体制を採用しております。
また、当社では社外取締役4名からなる監査等委員会による監査体制が経営監視に有効であると判断し、監査等委員会設置会社制度を採用しております。会社法第383条に基づき取締役会には監査等委員3名が出席しており、取締役の業務執行に関する監督を行うとともに適宜、提言及び助言などを行い、透明性のある公正な経営体制及び効果的にガバナンスが機能するよう努めております。
イ.取締役会
当社は、事業環境の急速な変化に迅速に対応するため、毎月1回の定例取締役会及び、必要に応じて臨時取締役会を開催しており、経営の基本方針や法令で定められた経営に関する重要事項を決定しております。取締役会では、各取締役の担当する業務の状況や利益計画の進捗状況等を含む取締役の業務執行状況の報告を詳細に行うことで、取締役間での相互牽制及び情報共有に努めております。取締役会は6名で構成されており、そのうち4名は業務執行に携わらない社外取締役であります。取締役会の議長は美藤宏一郎が務めており、その他の構成員は取締役藤池季樹、社外取締役後藤豊、社外取締役(監査等委員)永田友純、社外取締役(監査等委員)沖一雄および社外取締役(監査等委員)キャスリン H. コネリーであります。各社外取締役は、経営管理の経験や、管理体制に係る知見、大学経営における経験や研究に関する高度な専門知識、およびダイバーシティ推進、ならびにグローバルな観点から、意思決定機関の運営に関する具体的な意見具申を行っており、経営監視機能の充実も図られております。
ロ.監査等委員会
当社の監査等委員会は監査等委員3名(全員が社外取締役)で構成されており、原則として毎月1回の定例開催に加え、必要に応じ随時開催することとしております。監査等委員はその経験や知識に基づき独立の立場から監査業務を遂行し、監査等委員会において監査の結果その他重要事項について議論しております。なお、監査等委員会の議長は社外取締役(常勤監査等委員)キャスリン H. コネリーが務めており、他の構成員は社外取締役(監査等委員)永田友純、および社外取締役(監査等委員)沖一雄であります。
取締役会、監査等委員会、任意設置の委員会の構成員及び議長は以下のとおりであります。
◎は議長、〇は出席者を示しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムの整備の状況
当社は、適切かつ効率的な業務運営を遂行するためには、有効な内部統制システムを継続的に整備・構築し、運用していくことが不可欠であると認識し、会社法第362条第4項第6号及び会社法施行規則第100条に基づき、2009年12月16日及び2016年6月29日開催の取締役会決議により、以下のとおり内部統制システムの整備に関する基本方針を定め、業務の有効性、効率性及び適正性を確保する体制の整備・運用をしております。
<内部統制システム構築の基本方針>1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)取締役は経営理念を率先垂範し、従業員への周知徹底、教育啓蒙を継続し、法令の遵守及び社会的要請への対応を最優先とする企業風土を醸成する。
(2)コンプライアンスに関する社内規程等に従い、担当責任部門は当社内の意思決定プロセス及び業務執行において、全社を横断する調査、監督指導を行う。
(3)取締役の職務執行状況は、監査に関する規程及び監査計画に基づき監査等委員の監査を受け、監査等委員は監査等委員でない取締役に対し、必要に応じて改善を助言又は勧告する。
(4)取締役が他の取締役の法令・定款違反行為を発見した場合には、直ちに取締役会に報告する。
(5)社長直属部門として内部監査業務を選任所管する部門(以下、「内部監査室」という。)を設けており、年度監査計画に基づいて選任担当者が監査を実施し、被監査部門に対する問題点の指摘、業務改善の提案、確認を行ない、その実現の支援を行うと同時に、内部監査の内容は、社長以下関係役員及び監査等委員である取締役にも報告され、経営力の強化を図る。
(6)事業毎に必要に応じて法律・会計等の外部の専門家を起用し、法令・定款違反行為を未然に防止する。
(7)金融商品取引法及びその他の法令への適合を含め、「法律、社会規範、社内ルール等の遵守」、「業務の有効性と効率性の向上」、「財務報告の信頼性の確保」、「資産の保全」を目的として、内部統制の仕組みを整備、構築し、業務の改善に努める。
(8)会社情報の開示については、情報収集、開示資料の作成、開示手順、開示責任者等を定め、開示の正確性、適時性及び網羅性を確保する。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1)取締役の職務の執行に係る情報及び文書の取扱いは、法令及び社内規程等に定めるところにより、適切かつ検索性の高い状態で記録・保存・管理され、必要に応じて運用状況の検証、各規程等の見直し等を行う。
(2)機密性の高い情報はもとより、情報全般について、社内規程等に基づき、保存・管理する部門、責任者、取扱い者を明確にし、適切に管理する。
(3)情報セキュリティに関する基本方針、細則等を決定し、情報セキュリティに関する社内周知徹底を図る。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)リスク管理に関する規程・マニュアル等を制定及び改定し、当社の事業活動において想定される各種リスクに対応する組織及び責任者を定め、適切に評価・管理体制を構築する。
(2)不測の事態が生じた場合には、対策チーム等を設置し、情報開示を含む迅速な対応を行い、損害の拡大を防止する体制を整える。
(3)リスクマネジメントを担当する部門を明確にし、事業活動における各種リスクに対する予防・軽減体制の強化を図る。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)経営理念を機軸として、内外の環境を考慮し策定される中期経営計画に基づき、年度計画及び業務目標を明確にし、各業務を執行する。
(2)執行監督責任の明確化を目的として、取締役には社外取締役を含むものとする。
(3)社内規程等に基づき、各業務執行における責任者及びその権限等のルールを定め、効率的に職務の執行が行われる体制をとる。
5.当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1) 子会社における業務執行の状況を把握し、業務の適正性の確保、リスク管理の徹底を図るため、当社取締役、監査等委員である取締役及び従業員が、必要に応じて各子会社の取締役及び監査等委員である取締役または監査役を兼任するとともに、重要な事項については、事前に当社取締役会において協議する。
(2) 子会社管理に関する規程、マニュアル等を整備し、子会社における法令遵守及びコンプライアンスの徹底を図るための指導、支援を実施する。また、内部監査室は、子会社に対する内部監査を実施し、子会社の内部統制の整備に資する。
(3) 当社が策定した経営方針・事業計画を子会社にも周知徹底するとともに、当社の取締役会への報告体制を確立することにより、子会社に対する当社の経営管理体制を整備する。
(4) 子会社の事業戦略、事業計画等の重要事項の決定は、当社の事前承認事項とする。
6.監査等委員がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
(1)当社の内部監査室が、監査等委員である取締役の求めに応じて監査等委員の職務を補助する。
(2)監査等委員である取締役が補助者の採用を希望する場合は、取締役会で意見交換を行い決定する。
7.前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項
(1)監査等委員である取締役より監査等委員を補助することの要請を受けた内部監査部門の従業員は、その要請に関して、取締役及び上長等の指揮・命令を受けないものとする。
8.取締役及び使用人が監査等委員である取締役に報告をするための体制その他の監査等委員である取締役への報告に関する体制
(1)監査等委員会委員長は、取締役会の他、重要な意思決定プロセス及び業務の執行の状況を把握するため、重要な会議に出席するとともに、主要な決裁を求める書面その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、必要に応じて取締役及び従業員にその説明を求める。
(2)取締役及び従業員は、監査等委員である取締役の求めに応じて速やかに業務執行状況を報告する。
(3)取締役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは直ちに監査等委員である取締役に報告する。
9.その他の監査等委員である取締役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査等委員には法令に従い監査等委員である社外取締役を含み、公正かつ透明性を担保する。
(2)監査等委員である取締役、会計監査人及び内部監査部門は意見交換の場を持ち、相互の連携を図る。
(3)代表取締役と監査等委員である取締役は、相互の意思疎通を図るために定期的な会合をもつ。
(4)当社監査等委員である取締役が独自に意見形成するため、会社と顧問契約を締結していない弁護士等、外部の専門家に相談ができる体制を確保する。
10.反社会的勢力を排除するための体制
(1)市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で臨むとともに、一切の関係を遮断する。
(2)当社は、「反社会的勢力および団体の排除に関するポリシー」により、「市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決します。」と宣言するとともに、反社会的勢力の排除に関する対応部署を設置し、反社会的勢力及び団体との関係を遮断するための取組支援、社内体制の整備、研修活動の実施、対応マニュアルの整備、外部専門機関との連携等を行っております。
ロ.コンプライアンス体制
当社は、企業の社会的責任を深く自覚し、日常の業務遂行において関係法令並びに社会規範を遵守し、社会倫理に適合した行動を実践することを目的とし、コンプライアンス規程を制定し、当社のコンプライアンスの方針、体制、運営方法などを定め、四半期に1度コンプライアンス委員会を開催しております。コンプライアンス委員会は、代表取締役を委員長とし、各取締役及び内部監査室長で構成され、コンプライアンスに係る取組の推進やコンプライアンスに関する研修等を実施しております。
ハ.リスク管理体制
法令順守に関するリスク管理としては、法令等の施行に合わせて適時規程を制定・改定し、対象リスクの定義、担当部署及び管理手法を明確にしております。また、重要な契約・業務については、適宜、外部の弁護士、司法書士及び社会保険労務士等から指導・助言を受けております。加えて、リスクの防止及びリスクが発生した際の会社損失の最小化を図ることを目的とし、リスク管理規程を制定しております。
当社では、コンテンツ事業、EC事業電子チケット事業及びその他事業から構成される事業を展開しており、管理すべきリスクも事業ごとに異なっております。このような状況において、顕在化したリスクに常時対処するだけでなく、潜在化するリスクを早期に発見できるようなリスク管理体制を充実・強化することは経営上の課題であると認識しております。
ニ.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
また、当社の子会社の業務の適正を確保するため、社内規則により、各当社子会社の主管組織、当社子会社の管理に関する責任と権限、管理の方法等を定めております。各当社子会社は、事業や、業績及び財務状況その他の重要な情報について、当社に対して事前または事後の説明及び報告が行われるよう、社内規則を整備しており、当社では、当該規則に従った指導及び管理を行っております。
当社の機関の体系図は、以下のとおりであります。

ホ.取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨を定款に定めております。
ヘ.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することのできる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議をもって行う旨を定款で定めております。
また、取締役の選任については、累積投票によらない旨を定款で定めております。
ト.株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とし、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が参加し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
チ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものであります。
リ.株主総会決議事項のうち、取締役会で決議することができる事項
①.取締役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮することができるよう、会社法第426条第1項の規定により取締役会の決議をもって、取締役(取締役であった者を含む。)の当社に対する会社法第423条第1項の損害賠償責任を、法令が定める範囲で免除することができる旨を定款に定めております。
②.中間配当の決定
当社は、機動的な株主への利益還元を実施できる体制の確保のため、取締役会の決議によって、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(中間配当)が行える旨を定款に定めております。
ヌ.株式会社の支配に関する基本方針について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針については、定めておりません。
ル.取締役会、監査等委員会、指名・報酬委員会及びサステナビリティ委員会の活動状況
①取締役会の活動状況
当事業年度の活動状況は以下のとおりです。
(注)1.2023年4月から2024年3月までに開催された取締役会は21回であり、
2. 社外取締役織原新一氏は、2023年6月29日開催の第19期定時株主総会終結の時をもって退任して
おりますので、退任前の出席状況を記載しております。
2024年度は、取締役会において、以下の点について、重点的に審議を行いました。
〇取締役会のあり方
取締役会では、取締役会のあり方について議論し、以下を確認しました。
当社の取締役会は、子会社の業務執行について大幅な権限委譲を行うと共に、モニタリング機能をさらに強化することで、取締役会によるリスク管理と、子会社の迅速な意思決定を促していきます。特に、経営資源や戦略の実行が子会社経営陣により適切に行われていることを実効的に監督しております。また、リスク管理を始めとした内部統制の整備が取締役会の責務であることを認識し、これらの体制を適切に構築・運用していきます。
これを踏まえ、以下の内容についても審議しました。
・取締役会付議基準の改定
・全子会社に関する当期事業計画の進捗と課題のモニタリング
・取締役会メンバーに求める知識・経験・能力等の議論
〇M&A戦略
事業環境・競合状況を踏まえた経営戦略と事業変革の方向性を示した上で、事業ポートフォリオ強化を図るためにM&Aにより獲得すべき領域と要素、想定規模等について議論しました。今後も、戦略の有効性と計画の進捗について、引き続き確認していきます。
〇サステナビリティ(気候変動リスク・人権等)
気候変動リスクや生物多様性等、ESGの主要課題について最新動向ならびに当社グループの取組みについて報告を受け、推進状況を確認しております。また、ESGが当社グループの成長戦略や収益性に反映される必要があること等を議論いたしました。今後も、サステナビリティの課題について、引き続き確認してまいります。
②指名・報酬委員会の活動状況
指名・報酬委員会は、独立した客観的な視点を取り入れるため、主に社外取締役で構成し、議長は互選により独立社外取締役を選出しております。本委員会は、取締役の新任及び再任の際に、その適正性につき、事前に審査を行い、取締役会に意見をするものです。なお、社長は、議長の指名により委員会に出席し、審査のために必要かつ充分な検討資料を各委員に提出し、また、候補者と各委員が接する機会を設ける等の配慮を行うことで審査の充実を図っております。
また、取締役の報酬水準についての検討を行い、取締役の報酬等の額の妥当性及びその決定プロセスの透明性を客観的な視点から審査しております。
当事業年度の活動状況は以下のとおりです。
〇主な審議内容
2024年3月度は、取締役会のあり方や方向性と、それを踏まえた取締役会の構成等について議論するとともに、社長の人材要件を確認し、その要件に基づき候補者を選定したうえで、スキルマトリックスを活用し育成計画の妥当性について審議しました。また、2025年3月以降の取締役・監査等委員の体制について、候補者の略歴、選定理由等を参照しながら審議を行いました。
当社は、株主、顧客、取引先、提携先及び従業員等のステークホルダーから期待される継続的な成長、企業価値の増大、高付加価値の商品の提供、経営の安定化を実現するためには、コーポレート・ガバナンス体制をより強固にすることが必要不可欠であると認識しております。
具体的には、法令・定款等に準じて業務執行及び意思決定プロセスにおける有効性、効率性、緻密性及び牽制性の確保、不正・誤謬の防止及び遵法性の確保等に尽力する方針であります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は変化の激しい業界に属していることから、取締役会につきましては、業界や社内の状況に精通した社内取締役2名を中心とし、そこに、豊富な経営管理経験を有し、客観的・専門的見地からの助言が期待できる社外取締役4名を加え構成されております。これにより、迅速かつ的確で効率的な意思決定と、それに対する幅広い視野と客観性、公正性を併せ持った実効性の高い監督が実現できると考え、現在の体制を採用しております。
また、当社では社外取締役4名からなる監査等委員会による監査体制が経営監視に有効であると判断し、監査等委員会設置会社制度を採用しております。会社法第383条に基づき取締役会には監査等委員3名が出席しており、取締役の業務執行に関する監督を行うとともに適宜、提言及び助言などを行い、透明性のある公正な経営体制及び効果的にガバナンスが機能するよう努めております。
イ.取締役会
当社は、事業環境の急速な変化に迅速に対応するため、毎月1回の定例取締役会及び、必要に応じて臨時取締役会を開催しており、経営の基本方針や法令で定められた経営に関する重要事項を決定しております。取締役会では、各取締役の担当する業務の状況や利益計画の進捗状況等を含む取締役の業務執行状況の報告を詳細に行うことで、取締役間での相互牽制及び情報共有に努めております。取締役会は6名で構成されており、そのうち4名は業務執行に携わらない社外取締役であります。取締役会の議長は美藤宏一郎が務めており、その他の構成員は取締役藤池季樹、社外取締役後藤豊、社外取締役(監査等委員)永田友純、社外取締役(監査等委員)沖一雄および社外取締役(監査等委員)キャスリン H. コネリーであります。各社外取締役は、経営管理の経験や、管理体制に係る知見、大学経営における経験や研究に関する高度な専門知識、およびダイバーシティ推進、ならびにグローバルな観点から、意思決定機関の運営に関する具体的な意見具申を行っており、経営監視機能の充実も図られております。
ロ.監査等委員会
当社の監査等委員会は監査等委員3名(全員が社外取締役)で構成されており、原則として毎月1回の定例開催に加え、必要に応じ随時開催することとしております。監査等委員はその経験や知識に基づき独立の立場から監査業務を遂行し、監査等委員会において監査の結果その他重要事項について議論しております。なお、監査等委員会の議長は社外取締役(常勤監査等委員)キャスリン H. コネリーが務めており、他の構成員は社外取締役(監査等委員)永田友純、および社外取締役(監査等委員)沖一雄であります。
取締役会、監査等委員会、任意設置の委員会の構成員及び議長は以下のとおりであります。
地位 | 氏 名 | 取締役会 | 監査等委員会 | 指名・報酬委員会 | サステナ ビリティ委員会 |
代表取締役 | 美藤 宏一郎 | ◎ | 〇 | ||
取締役 | 藤池 季樹 | 〇 | 〇 | ||
社外取締役 | 後藤 豊 | 〇 | 〇 | 〇 | |
社外取締役 | キャスリンH.コネリー | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 |
社外取締役 | 永田 友純 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 |
社外取締役 | 沖 一雄 | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ |
◎は議長、〇は出席者を示しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムの整備の状況
当社は、適切かつ効率的な業務運営を遂行するためには、有効な内部統制システムを継続的に整備・構築し、運用していくことが不可欠であると認識し、会社法第362条第4項第6号及び会社法施行規則第100条に基づき、2009年12月16日及び2016年6月29日開催の取締役会決議により、以下のとおり内部統制システムの整備に関する基本方針を定め、業務の有効性、効率性及び適正性を確保する体制の整備・運用をしております。
<内部統制システム構築の基本方針>1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)取締役は経営理念を率先垂範し、従業員への周知徹底、教育啓蒙を継続し、法令の遵守及び社会的要請への対応を最優先とする企業風土を醸成する。
(2)コンプライアンスに関する社内規程等に従い、担当責任部門は当社内の意思決定プロセス及び業務執行において、全社を横断する調査、監督指導を行う。
(3)取締役の職務執行状況は、監査に関する規程及び監査計画に基づき監査等委員の監査を受け、監査等委員は監査等委員でない取締役に対し、必要に応じて改善を助言又は勧告する。
(4)取締役が他の取締役の法令・定款違反行為を発見した場合には、直ちに取締役会に報告する。
(5)社長直属部門として内部監査業務を選任所管する部門(以下、「内部監査室」という。)を設けており、年度監査計画に基づいて選任担当者が監査を実施し、被監査部門に対する問題点の指摘、業務改善の提案、確認を行ない、その実現の支援を行うと同時に、内部監査の内容は、社長以下関係役員及び監査等委員である取締役にも報告され、経営力の強化を図る。
(6)事業毎に必要に応じて法律・会計等の外部の専門家を起用し、法令・定款違反行為を未然に防止する。
(7)金融商品取引法及びその他の法令への適合を含め、「法律、社会規範、社内ルール等の遵守」、「業務の有効性と効率性の向上」、「財務報告の信頼性の確保」、「資産の保全」を目的として、内部統制の仕組みを整備、構築し、業務の改善に努める。
(8)会社情報の開示については、情報収集、開示資料の作成、開示手順、開示責任者等を定め、開示の正確性、適時性及び網羅性を確保する。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1)取締役の職務の執行に係る情報及び文書の取扱いは、法令及び社内規程等に定めるところにより、適切かつ検索性の高い状態で記録・保存・管理され、必要に応じて運用状況の検証、各規程等の見直し等を行う。
(2)機密性の高い情報はもとより、情報全般について、社内規程等に基づき、保存・管理する部門、責任者、取扱い者を明確にし、適切に管理する。
(3)情報セキュリティに関する基本方針、細則等を決定し、情報セキュリティに関する社内周知徹底を図る。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)リスク管理に関する規程・マニュアル等を制定及び改定し、当社の事業活動において想定される各種リスクに対応する組織及び責任者を定め、適切に評価・管理体制を構築する。
(2)不測の事態が生じた場合には、対策チーム等を設置し、情報開示を含む迅速な対応を行い、損害の拡大を防止する体制を整える。
(3)リスクマネジメントを担当する部門を明確にし、事業活動における各種リスクに対する予防・軽減体制の強化を図る。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)経営理念を機軸として、内外の環境を考慮し策定される中期経営計画に基づき、年度計画及び業務目標を明確にし、各業務を執行する。
(2)執行監督責任の明確化を目的として、取締役には社外取締役を含むものとする。
(3)社内規程等に基づき、各業務執行における責任者及びその権限等のルールを定め、効率的に職務の執行が行われる体制をとる。
5.当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1) 子会社における業務執行の状況を把握し、業務の適正性の確保、リスク管理の徹底を図るため、当社取締役、監査等委員である取締役及び従業員が、必要に応じて各子会社の取締役及び監査等委員である取締役または監査役を兼任するとともに、重要な事項については、事前に当社取締役会において協議する。
(2) 子会社管理に関する規程、マニュアル等を整備し、子会社における法令遵守及びコンプライアンスの徹底を図るための指導、支援を実施する。また、内部監査室は、子会社に対する内部監査を実施し、子会社の内部統制の整備に資する。
(3) 当社が策定した経営方針・事業計画を子会社にも周知徹底するとともに、当社の取締役会への報告体制を確立することにより、子会社に対する当社の経営管理体制を整備する。
(4) 子会社の事業戦略、事業計画等の重要事項の決定は、当社の事前承認事項とする。
6.監査等委員がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
(1)当社の内部監査室が、監査等委員である取締役の求めに応じて監査等委員の職務を補助する。
(2)監査等委員である取締役が補助者の採用を希望する場合は、取締役会で意見交換を行い決定する。
7.前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項
(1)監査等委員である取締役より監査等委員を補助することの要請を受けた内部監査部門の従業員は、その要請に関して、取締役及び上長等の指揮・命令を受けないものとする。
8.取締役及び使用人が監査等委員である取締役に報告をするための体制その他の監査等委員である取締役への報告に関する体制
(1)監査等委員会委員長は、取締役会の他、重要な意思決定プロセス及び業務の執行の状況を把握するため、重要な会議に出席するとともに、主要な決裁を求める書面その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、必要に応じて取締役及び従業員にその説明を求める。
(2)取締役及び従業員は、監査等委員である取締役の求めに応じて速やかに業務執行状況を報告する。
(3)取締役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは直ちに監査等委員である取締役に報告する。
9.その他の監査等委員である取締役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査等委員には法令に従い監査等委員である社外取締役を含み、公正かつ透明性を担保する。
(2)監査等委員である取締役、会計監査人及び内部監査部門は意見交換の場を持ち、相互の連携を図る。
(3)代表取締役と監査等委員である取締役は、相互の意思疎通を図るために定期的な会合をもつ。
(4)当社監査等委員である取締役が独自に意見形成するため、会社と顧問契約を締結していない弁護士等、外部の専門家に相談ができる体制を確保する。
10.反社会的勢力を排除するための体制
(1)市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で臨むとともに、一切の関係を遮断する。
(2)当社は、「反社会的勢力および団体の排除に関するポリシー」により、「市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決します。」と宣言するとともに、反社会的勢力の排除に関する対応部署を設置し、反社会的勢力及び団体との関係を遮断するための取組支援、社内体制の整備、研修活動の実施、対応マニュアルの整備、外部専門機関との連携等を行っております。
ロ.コンプライアンス体制
当社は、企業の社会的責任を深く自覚し、日常の業務遂行において関係法令並びに社会規範を遵守し、社会倫理に適合した行動を実践することを目的とし、コンプライアンス規程を制定し、当社のコンプライアンスの方針、体制、運営方法などを定め、四半期に1度コンプライアンス委員会を開催しております。コンプライアンス委員会は、代表取締役を委員長とし、各取締役及び内部監査室長で構成され、コンプライアンスに係る取組の推進やコンプライアンスに関する研修等を実施しております。
ハ.リスク管理体制
法令順守に関するリスク管理としては、法令等の施行に合わせて適時規程を制定・改定し、対象リスクの定義、担当部署及び管理手法を明確にしております。また、重要な契約・業務については、適宜、外部の弁護士、司法書士及び社会保険労務士等から指導・助言を受けております。加えて、リスクの防止及びリスクが発生した際の会社損失の最小化を図ることを目的とし、リスク管理規程を制定しております。
当社では、コンテンツ事業、EC事業電子チケット事業及びその他事業から構成される事業を展開しており、管理すべきリスクも事業ごとに異なっております。このような状況において、顕在化したリスクに常時対処するだけでなく、潜在化するリスクを早期に発見できるようなリスク管理体制を充実・強化することは経営上の課題であると認識しております。
ニ.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
また、当社の子会社の業務の適正を確保するため、社内規則により、各当社子会社の主管組織、当社子会社の管理に関する責任と権限、管理の方法等を定めております。各当社子会社は、事業や、業績及び財務状況その他の重要な情報について、当社に対して事前または事後の説明及び報告が行われるよう、社内規則を整備しており、当社では、当該規則に従った指導及び管理を行っております。
当社の機関の体系図は、以下のとおりであります。

ホ.取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨を定款に定めております。
ヘ.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することのできる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議をもって行う旨を定款で定めております。
また、取締役の選任については、累積投票によらない旨を定款で定めております。
ト.株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とし、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が参加し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
チ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものであります。
リ.株主総会決議事項のうち、取締役会で決議することができる事項
①.取締役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮することができるよう、会社法第426条第1項の規定により取締役会の決議をもって、取締役(取締役であった者を含む。)の当社に対する会社法第423条第1項の損害賠償責任を、法令が定める範囲で免除することができる旨を定款に定めております。
②.中間配当の決定
当社は、機動的な株主への利益還元を実施できる体制の確保のため、取締役会の決議によって、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(中間配当)が行える旨を定款に定めております。
ヌ.株式会社の支配に関する基本方針について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針については、定めておりません。
ル.取締役会、監査等委員会、指名・報酬委員会及びサステナビリティ委員会の活動状況
①取締役会の活動状況
当事業年度の活動状況は以下のとおりです。
地位 | 氏名 | 出席状況 |
代表取締役 | 美藤宏一郎 | 100%(21/21回) |
取締役 | 藤池 季樹 | 100%(21/21回) |
社外取締役 | 後藤 豊 | 100%(21/21回) |
社外取締役 | 織原 新一 | 100%(5/5回) |
社外取締役 | キャスリンH.コネリー | 100%(21/21回) |
社外取締役 | 富澤 一誠 | 100%(21/21回) |
社外取締役 | 沖 一雄 | 100%(21/21回) |
(注)1.2023年4月から2024年3月までに開催された取締役会は21回であり、
2. 社外取締役織原新一氏は、2023年6月29日開催の第19期定時株主総会終結の時をもって退任して
おりますので、退任前の出席状況を記載しております。
2024年度は、取締役会において、以下の点について、重点的に審議を行いました。
〇取締役会のあり方
取締役会では、取締役会のあり方について議論し、以下を確認しました。
当社の取締役会は、子会社の業務執行について大幅な権限委譲を行うと共に、モニタリング機能をさらに強化することで、取締役会によるリスク管理と、子会社の迅速な意思決定を促していきます。特に、経営資源や戦略の実行が子会社経営陣により適切に行われていることを実効的に監督しております。また、リスク管理を始めとした内部統制の整備が取締役会の責務であることを認識し、これらの体制を適切に構築・運用していきます。
これを踏まえ、以下の内容についても審議しました。
・取締役会付議基準の改定
・全子会社に関する当期事業計画の進捗と課題のモニタリング
・取締役会メンバーに求める知識・経験・能力等の議論
〇M&A戦略
事業環境・競合状況を踏まえた経営戦略と事業変革の方向性を示した上で、事業ポートフォリオ強化を図るためにM&Aにより獲得すべき領域と要素、想定規模等について議論しました。今後も、戦略の有効性と計画の進捗について、引き続き確認していきます。
〇サステナビリティ(気候変動リスク・人権等)
気候変動リスクや生物多様性等、ESGの主要課題について最新動向ならびに当社グループの取組みについて報告を受け、推進状況を確認しております。また、ESGが当社グループの成長戦略や収益性に反映される必要があること等を議論いたしました。今後も、サステナビリティの課題について、引き続き確認してまいります。
②指名・報酬委員会の活動状況
指名・報酬委員会は、独立した客観的な視点を取り入れるため、主に社外取締役で構成し、議長は互選により独立社外取締役を選出しております。本委員会は、取締役の新任及び再任の際に、その適正性につき、事前に審査を行い、取締役会に意見をするものです。なお、社長は、議長の指名により委員会に出席し、審査のために必要かつ充分な検討資料を各委員に提出し、また、候補者と各委員が接する機会を設ける等の配慮を行うことで審査の充実を図っております。
また、取締役の報酬水準についての検討を行い、取締役の報酬等の額の妥当性及びその決定プロセスの透明性を客観的な視点から審査しております。
当事業年度の活動状況は以下のとおりです。
地位 | 氏名 | 出席状況 |
社外取締役 | 後藤 豊 | 100%(4/4回) |
社外取締役 | 織原 新一 | 100%(1/1回) |
社外取締役 | キャスリンH.コネリー | 100%(4/4回) |
社外取締役 | 富澤 一誠 | 100%(4/4回) |
社外取締役 | 沖 一雄 | 100%(4/4回) |
〇主な審議内容
2024年3月度は、取締役会のあり方や方向性と、それを踏まえた取締役会の構成等について議論するとともに、社長の人材要件を確認し、その要件に基づき候補者を選定したうえで、スキルマトリックスを活用し育成計画の妥当性について審議しました。また、2025年3月以降の取締役・監査等委員の体制について、候補者の略歴、選定理由等を参照しながら審議を行いました。