有価証券報告書-第17期(平成29年3月1日-平成30年2月28日)

【提出】
2018/05/30 15:30
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【項目】
73項目

業績等の概要

(1)業績
当社は、「『おもしろい』をカタチにして世の中をカイテキにする達人集団。」という経営理念のもと、顧客満足を徹底的に追及して自社開発した健康美容商品を、主にインターネットを通じて一般消費者に販売する事業を展開しております。
当社の主軸である国内Eコマース市場につきましては、スマートフォンの普及などの理由により着実に成長を続けており、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)の2017年度における市場規模は18兆円(2016年度における市場規模の16.6兆円から8.4%増加)であり、2023年度には25.9兆円まで成長するという予測もされております(株式会社野村総合研究所「2023年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望」2017年11月29日)。
このような環境のもと当社は、前事業年度から引き続き当事業年度においても集客部門の人員を大幅に増員し、集客体制をより強化し、広告の自社運用化を促進いたしました。
広告の展開手法に関しては、シナリオマーケティングの導入が大きな成果をあげております。ユーザーの状況、競合の状況、自社商品の強みなどを従来の広告代理店ではカバーしきれないレベルで細かく分析した上で商品のコンセプトや訴求を設定し、そのコンセプトに基づいて原稿から商品同封物までをシナリオに沿った統一性のあるものにすることで、これまで以上にブレのない広告を展開することが可能となりました。また、シナリオマーケティングをWeb広告の配信設定においてもいち早く導入することによって、きめ細かなターゲッティングを実施し、狙ったユーザーのみへの広告配信を可能としました。
そのほかにも、引き続き各ネットメディアの活用に向けて積極的に取り組んでおり、新たなネット広告媒体と次々と契約を行うとともに、各大手ネット広告メディアとは取引額が大きくなったことからメディア内部に「北の達人」担当を設置していただくなど、より深い関係を構築することで一般他社よりも有利な広告運用をできる環境を整えてまいりました。
その結果、新規獲得能力の大幅な増強と効率性の向上の両立を実現し、広告宣伝費への大規模な追加先行投資を実施したとしても利益を十分に生み出せる体制を確立するに至っております。今後も、当社にしかできない広告展開を実施していくことにより、高収益な事業展開を目指してまいります。
なお、上記のほかに「美しく健康的な爪へと導く爪専用ジェル『クリアネイルショット』」のイメージキャラクターとして、俳優、演出家、司会者、タレントなどマルチにご活躍をされております坂上忍さんを起用し、2018年1月19日より各種広告物の展開を開始いたしました。坂上忍さんは、幅広い世代、性別を問わず高い発信力と影響力をお持ちであり、抜群の知名度で『クリアネイルショット』のターゲット層を拡大し、商品のよさをより多くのお客様に伝えていただけると考えての起用になります。
上記のような取り組みの結果、当事業年度の売上高は前事業年度比で196%まで伸び、また、利益面においても、経常利益・当期純利益ともに前事業年度比で260%を超えるなど、大きく成長することができました。
当社は十分に検討を重ねたうえで業績予想を実施しておりましたが、これら新規獲得能力の大幅な増強と効率性の向上のスピードは当社の想定を大きく上回っており、その結果、当事業年度は、2017年7月14日、2017年10月13日、2018年1月12日と3度の業績予想の上方修正を実施しております。
商品部門につきましても、前事業年度まで強化を図ってきておりました新商品開発体制・リリース体制が、軌道に乗ったことによって、安定して多数の新商品開発・リリースの準備を同時に進めることが可能になっております。
当事業年度における新商品としましては、まず、2017年7月24日に「ピーリング効果により、キレイで艶めく手へと導く、ハンドピーリングジェル『ルミナピール』」を発売開始いたしました。
続いて、2017年10月5日には「塗って1分でシワが伸びて若見え肌へと導く速攻型シワ対策美容ジェル『リンキーフラット』」、更に同月31日に「理想のまぶたを「すぐに」「ずっと」手にできる、上まぶた専用美容ジェル『リッドキララ』」を発売開始いたしました。
2018年に入ってからは2月22日に「新発想のHMB配合プロテイン『BUILD MAKE 24-ビルドメイク 24』」を、同月27日に「蓄積された紫外線ダメージをダイレクトに集中ケアする、「貼る」ピンポイント型アプローチシートの『RESHINE PATCH-リシャインパッチ』」を発売開始いたしました。
既存商品につきましては、国際品評会「モンドセレクション2018」におきまして、当社が出展した全ての商品が各賞を受賞いたしました。まず、『カイテキオリゴ』が7年連続、『みんなの肌潤糖アトケアタイプ』が6年連続、『みんなの肌潤糖クリアタイプ』が4年連続で最高金賞を受賞いたしました。また、『二十年ほいっぷ』が6年連続、『アイキララ』が3年連続、『ヒアロディープパッチ』が2年連続で金賞を受賞したほか、『リンキーフラット』及び『ビルドメイク24』の2商品が金賞を初受賞いたしました。このうち、『みんなの肌潤糖アトケアタイプ』、『二十年ほいっぷ』、『アイキララ』は、3年連続毎に金賞以上を受賞した製品に贈られる「インターナショナル・ハイクオリティー・トロフィー」をあわせて受賞いたしました。この他にも、『クリアフットヴェール』、『メイミーホワイト60』、『ルミナピール』、『リッドキララ』の4商品が銀賞を受賞しております。
更に、当社は、消費者の「自主的かつ合理的な商品選択の機会の確保」を促すために、事業者の責任において健康の維持及び増進に役立つことを表示する「機能性表示食品」制度(消費者庁HPより引用)の活用に向けて取り組んでおりますが、この度、「低分子化ライチポリフェノール」配合のサプリメント『紅珠漢(こうじゅかん)』が「機能性表示食品」として消費者庁に受理されました(届出表示:本品には低分子化ライチポリフェノールが含まれます。低分子化ライチポリフェノールは運動で生じる身体的な疲労感を軽減する機能があることが報告されています。運動による身体的な疲労を自覚している方に適した食品です。)。
なお、商品の知的財産権に関連して、当社は、「競合・模倣対策室」を新たに設置して、当社及び他社の知的財産権を尊重し、公正な競争環境において事業活動を推進しております。
同対策室設置後の第一弾の活動として、当社は、株式会社はぐくみプラス(以下、「はぐくみプラス社」)を被告として、はぐくみプラス社による品質誤認表示・信用毀損行為の差止め、品質誤認表示の抹消、虚偽の事実を記載した文書の回収、及び13億7千944万円の損害賠償のうち一部である1億円の支払いなどを求め、2018年2月7日に、東京地方裁判所に訴訟を提起いたしました。
当社は、本件の訴状において、はぐくみプラス社が販売している「はぐくみオリゴ」のオリゴ糖純度を100%と表示する行為が品質誤認表示に該当し、また、当社が販売している『カイテキオリゴ』について、はぐくみプラス社が「カイテキオリゴはオリゴ糖100%じゃない、はぐくみオリゴはその点良品で100%」などの虚偽の事実を述べる行為が信用毀損行為に該当するなどと主張し、不正競争防止法に基づいて、それらの行為の差止め及び損害賠償などを求めております。
今後も、同対策室を中心として、当社の知的財産権の侵害、又は公正な競争環境を害する行為に対しては、必要に応じて法的処置を含む適切な対応を行ってまいります。今後の業績に与える影響は現時点では軽微であると認識しておりますが、業績への影響が見込まれる場合には速やかに情報開示をいたします。
一方で、外部からの評価という面では、東洋経済ONLINEが2017年6月12日に発表した「経常利益がケタ違いに伸びるトップ100社」において、当社が23位にランクインしたほか、株式会社みんかぶが運営する個人投資家向け株式情報サイト「株探」において、「製品・サービスの販売拡大もしくは買収や提携などにより、高成長に向けて動き始めた可能性が高い銘柄47社(2017年6月15日現在)」のうちの1社として、当社が掲載されるなど、引き続き高い評価をいただいております。
また、日本取引所グループがホームページで公開している、東京証券取引所に上場する企業の創業者や経営者の人柄や魅力にフォーカスしたインタビュー「創」において、当社代表取締役社長木下勝寿が掲載されました。
更には日本経済新聞においても、独自商品を強みとする中堅のネット通販企業として当社が掲載されました(2017年9月9日付全国版 投資情報面)。
2017年12月4日には、アナリスト向けの決算説明会及び会社説明会を実施し、多くの証券アナリストの方々に参加していただき、好評を博しました。
株式市場における評価につきましても、当社株式における2017年末の株価が2016年末の株価と比較し約11.6倍にまで急騰し、2017年株価上昇率ランキングにおいて全上場銘柄中(新規上場銘柄、地方銘柄、外国銘柄を除く)第1位となりました。
なお、当社の株価について、当事業年度における最高値である2018年1月22日の終値と、当社が札幌証券取引所アンビシャス市場に上場いたしました2012年5月29日の初値(株価はいずれも株式分割調整後)を比較いたしますと、199倍を超えるまでに成長することが出来ました。
2018年1月中旬には、初めて時価総額1,000億円超えを達成し、また、株主数でも当事業年度末時点で3万人を超えるまでに増加いたしました。
このような外部からの高い評価に応えるべく、当社は、企業、個人ともに様々な活動を通じて、より一層、地域や社会への貢献に取り組んでまいりたいと考えております。その一環として、当社代表取締役社長木下勝寿は、2016年に発生した台風10号の影響により甚大な農業被害を被った北海道芽室町に対し、「甜菜農業の復興」を願い寄付を行いました。このたび、その取り組みが認められ、紺綬褒章を受章いたしました。紺綬褒章は、公益のために私財を寄付し、功績が顕著な個人または法人・団体に対し、日本国政府より授与されるものです。
コーポレートガバナンスの体制につきましては、当社が株式上場準備中であった約9年前から、社外監査役(常勤)として当社を支え続けていただいた布田三宥氏が、前事業年度における定時株主総会終結の時をもって退任されました。後任の社外監査役(常勤)には、北海道財務局函館財務事務所長や証券会員制法人札幌証券取引所専務理事を歴任した定登氏が就任いたしました。
経営基盤の面では、優秀な人材の確保、社員の士気向上、長期勤続の促進を図るため、2018年4月より新卒初任給について現行の月額25万円から月額34万円へ36.0%引上げたほか、総合職社員を対象に平均21.2%のベースアップ(平均約86万円の年収アップ)を実施いたしました(業務職(いわゆる一般職)のベースアップは2017年4月実施済み。平均29.2%)。なお、引上げ後の当社の新卒初任給は、東洋経済オンラインが発表した初任給ランキングにおいて全国3位にあたるとされています(朝日新聞デジタル 2018年3月31日付記事より)。
また、投資単位当たりの金額を引き下げ、当社株式の流動性の向上及び投資家層の拡大を図ることを目的として、2017年4月1日付及び2017年11月6日付でそれぞれ普通株式1株につき2株の株式分割を実施してまいりました。更に、当事業年度3度目となる普通株式1株につき3株の株式分割を2018年2月15日付で実施いたしました。
そのほか、株主優待制度につきまして、改めて当社の商品の魅力をより多くの株主の皆様にご理解いただきたく、従来の『CARE NANO PACK -ケアナノパック-』の進呈から、当社の主力商品『カイテキオリゴ』(150g、約1ヶ月分、定価:3,065円税込)の進呈に変更いたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は5,292,463千円(前事業年度比96.2%増)となりました。営業利益は1,403,881千円(前事業年度比159.0%増)、経常利益は1,403,984千円(前事業年度比160.7%増)、当期純利益は948,370千円(前事業年度比165.9%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ751,553千円増加し、2,508,142千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果増加した資金は、1,035,771千円(前事業年度比398,228千円増)となりました。この主な要因は、税引前当期純利益1,402,457千円、減価償却費12,342千円、販売促進引当金の増加37,532千円、株主優待引当金の増加14,441千円、仕入債務の増加24,943千円、未払金の増加114,320千円が生じた一方で、売上債権の増加170,543千円、たな卸資産の増加223,114千円、法人税等の支払額206,027千円が生じたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果減少した資金は、2,730千円(前年同期は12,348千円の減少)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出1,216千円、無形固定資産の取得による支出1,380千円が生じたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果減少した資金は、281,423千円(前年同期は199,504千円の増加)となりました。この要因は、長期借入金の返済による支出133,356千円、配当金の支払額148,067千円が生じたことによるものであります。