有価証券報告書-第20期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
1.経営成績等の状況の概要
(1)経営成績の状況
(事業概要)
当社は、主にインターネット上で一般消費者向けに自社オリジナルブランドの健康美容商品等を販売する「EC事業」を展開しております。
①商品戦略
当社は、「びっくりするほど良い商品ができた時にしか発売しない」という方針のもと、顧客ニーズに対して具体的に効果を体感しやすくリピート使用されやすいものだけを商品化しております。購入者による満足度を最も重視しており、独自に設けた750項目の品質チェックをすべて通過したものだけが商品化されるため、実際に発売に至る商品は開発案件のわずか2%に留まりますが、品質を最重要視しており圧倒的な顧客満足を追求しております。
近年、当社商品に対する男性からの需要が高まってきたことを受け、男性の肌質や体質に特化した男性向け商品の開発にも注力しております。男性化粧品市場は約1,200億円規模にまで成長し、さらなる成長が見込まれており(株式会社富士経済「化粧品マーケティング要覧 2020 No.2」2020年3月26日)、こうした市場にアプローチすべく、継続的に男性向け商品の開発にも努めてまいります。
なお、当社は従来「1商品で10億円から20億円の売上高を目指せるニッチマーケット」商品を中心に展開してまいりましたが、現在は「高い利益率を維持したまま1商品で50億円から100億円規模の売上高を目指せるマスマーケット」に向けた商品開発を行っております。
②販売戦略
EC事業においては、採算性を度外視して広告投資を拡大すれば一時的に売上高を伸ばせる側面がありますが、財務基盤を強化しつつ持続的な成長を図るため、当社では売上高以上に利益を重要な業績評価指標としております。
採算性の高い効率的な広告投資を実現するため、受注1件当たりに要する広告宣伝費の指標であるCPO(注1)と、顧客が将来もたらす売上高の予測額であるLTV(注2)との関連性を計算のうえ、必要利益から逆算して受注1件当たりに使用可能な広告宣伝費の上限として上限CPOを厳しく設定しております。また、常時5,000本程度出稿している広告のCPOをデイリーで算出し管理するため、「広告宣伝費を抑えたうえで効率的に新規獲得すること」を目的に独自で開発した「広告最適化のための分析・運用システム」を用いて自社で管理しております。
さらに、売上原価や広告宣伝費だけではなく、人件費等の間接費をABC(注3)により集計したうえで、商品ごとに当社独自の5段階利益を用いて管理しております。これにより、利益率の増減が大きかった際にどの商品のどの段階に要因があったかを適時に判断できる仕組みを構築しております。
以上のように高い品質の商品を徹底した管理のもと販売しており、これに加えて、定期購入型のビジネスモデルを採用しているため、継続的に購入していただけることで安定成長する収益構造を実現しております。
なお、ビジネスモデル・事業概要・今後の展望等については以下の動画からもご確認いただけます。(https://www.kitanotatsujin.com/aboutus/media-performance/)
(サマリー)
当事業年度における実績及び業績予想(計画)比は、下記のとおりです。
当事業年度における国内経済は、政府による緊急事態宣言の解除後、各種政策やワクチン開発の進展等により、経済活動に一部回復の兆しが見られたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念から、依然として不透明な状況でした。
そのような環境下で、売上高は当初発表予想(2020年4月14日)の8,227,826千円を大きく上回る9,270,604千円となりました。これは、新規獲得件数が想定よりも大幅に増加したことによるものです。各段階利益につきましては、計画を大きく上回る規模での広告投資を行ったこと等により、当初発表予想を僅かに上回る着地となりました。また、2021年1月14日に公表いたしましたとおり当初発表予想の売上高を9,100,000千円に増額修正しておりましたが、こちらも上回って着地いたしました。
なお、第4四半期会計期間において、一部商品におけるクリエイティブが功を奏したことで注文が殺到したため、製造が追い付かずご注文からお届けまでに数ヵ月待ちとなっている状況です。この発送遅延により、本来であれば当事業年度に計上されるはずだった売上高及び利益は、翌事業年度以降に上乗せされる見通しです。
(新規獲得件数及び広告投資効率)
新規獲得件数につきましては、2020年3月の最悪期を脱し底打ちしており、2020年5月及び2020年6月の新規獲得件数の大幅な増加は「上限CPOの引き上げ(注4)」施策によるものの、2020年7月以降の投資効率は改善傾向となっております。2020年7月以降の新規獲得件数につきましても堅調に推移しており、第4四半期会計期間は第3四半期会計期間とほぼ同水準の新規獲得件数となっております。
当社は定期購入型のビジネスモデルを採用しており、将来の売上高及び利益をもたらす新規顧客をいかに獲得できるかが事業を展開するうえで重要となります。こうした新規顧客を獲得するための広告宣伝費は、EC事業を手掛ける企業においては先行投資との位置付けであるため、当社でも上限CPOを設定したうえで積極的に広告宣伝費への投資を行っており、当事業年度の広告宣伝費は計画を661,074千円上回る2,681,834千円となりました。
しかし、EC事業の特性上、採算性を度外視し広告投資を拡大すれば一時的に新規獲得件数を増加させ売上高を伸ばせる側面があるため、広告投資効率の指標であるROAS(注5)にも注視が必要となります。
2020年4月から2020年6月においてROASが大きく低下しておりますが、これは「上限CPOの引き上げ」に加え、「獲得が好調だった商品の単価及び施策の特性(注6)」によるものです。「上限CPOの引き上げ」によるROASの低下は計画的な実施であったものの、結果的には広告出稿量と広告宣伝費を要さない注文の相関関係は薄く、「上限CPOの設定が高すぎる状態」のまま広告出稿を行っていたため、上限CPOの算出方法を従前の方法に戻しました。
一方で、「獲得が好調だった商品の単価及び施策の特性」によるROASの低下は一時的なものであり、その後リピート購入されることで想定どおりの利益貢献が見込まれるものです。ROASは「投資した広告宣伝費により新規で獲得した商品売上がいくらであるか」という指標ですが、商品の利益率やリピート率等は考慮されておりません。よって、より正確な投資効率を把握するにはそれらを考慮する必要があり、「投資した広告宣伝費に対して1年後にどれだけの利益が見込まれるのか」という指標である想定1年ROI(注7)が重要となります。当社は、これまでの膨大なデータを基にLTVを正確に算出するスキルを有しており、そこから広告宣伝費に対する想定1年ROIを算出しております。
前頁のグラフは、ROAS及びROASとの比較のために実数を調整した想定1年ROIの推移になります。2020年4月から2020年6月においては大きな乖離が見られますが、これは「獲得が好調だった商品の単価及び施策の特性」によるものであり、ROASの下げ幅よりも想定1年ROIの減少幅は小さく、一時的にROASは低下したもののその後の利益に貢献するものです。
(新規獲得件数増加のための施策)
①アフィリエイト
数事業年度前まで当社の新規獲得方法の柱であったアフィリエイト(注8)の活用に再び注力すべく、アフィリエイト事業者へのアプローチに取り組みました。新規獲得件数増加のため複数の施策を展開しておりますが、当事業年度において最も成果として現れたのが本施策であり、四半期会計期間ごとに右肩上がりで件数を伸ばし、第4四半期会計期間のアフィリエイトによる新規獲得は第1四半期会計期間と比較すると3.8倍にまで増加しております。今後も取り扱う商品数や広告稼働媒体を拡大させ、アフィリエイトの強みや特徴を活かし新規獲得件数の増加を図ってまいります。
②ECモール
Amazonや楽天市場といったECモールにおける販売も強化しており、第4四半期会計期間の新規獲得は第1四半期会計期間と比較すると2.2倍にまで増加しており、従来とは異なるインターネット購買層を順調に獲得しております。なお、Amazonにおいては海外市場を攻略するうえで重要な販売チャネルであると認識しており、今後も継続して国内Amazonの拡大に取り組みつつ、市場規模が格段に大きい米国Amazonへの進出も検討しております。
③インターネット以外の販売チャネル
男性向けファッション誌を含めた雑誌広告や一部地域ではありますが地上波でのテレビ広告等、当社が従来手掛けてきたウェブ広告以外の手法による広告配信にも取り組んでおります。なかでも、BS放送等でのインフォマーシャル広告における新規獲得が好調です。数事業年度前より取り組んでいた施策ではありますが、当社の新規獲得のメインであるインターネットでの獲得とは異なるため、なかなか成果として現れておりませんでした。しかし、継続して取り組んできたことにより、インフォマーシャル広告における制作ノウハウの蓄積や広告配信番組の選定スキルが向上してきたことで、こちらも四半期会計期間ごとに右肩上がりで件数を伸ばし、第4四半期会計期間のインフォマーシャルによる新規獲得は第1四半期会計期間と比較すると8.4倍にまで増加しております。こうしたインターネットでは商品を購入しない層は一定数存在すると認識しており、今後の拡大に向け積極的に取り組んでおります。
なお、当事業年度において、これらの拡大に専門的に取り組むチームを新設したことも獲得件数増加の要因であると考えております。今後もこうしたチームを筆頭に、様々な施策を打ち出し事業拡大を図ります。
(LTV向上施策)
当社はこれまで、新規顧客を獲得し定期顧客数を増加させることで業績を拡大してまいりましたが、当事業年度においてはLTVを向上させる施策にも積極的に取り組みました。
具体的には、クロスセル(注9)やアップセル(注10)を推進した結果、特にクロスセルにおいては当事業年度におけるクロスセル発生率を前事業年度と比較すると1.5%から8.9%にまで向上しており、さらに単月では10%を上回る月もあり、一定の成果が出ております。
また、定期顧客の継続率を高めるための取り組みにも注力しております。解約理由のなかには、使用量や使用頻度等の使用方法を誤っている等、正しい使用方法でないためにご満足いただけていなかったケースが一定数存在しており、こうしたケースについても細やかに対応し、継続して使用することで本来の効果を体感していただけるよう、開発者としての専門知識をベースに社内専門スタッフの知識向上や電話の応対品質向上を図ったうえで、専門の窓口を開設いたしました。このような取り組みにより、解約をご希望されていた顧客の定期コース継続率は、開設前と第4四半期会計期間を比較すると8.0%から18.0%にまで向上しております。今後も、顧客満足度及び定期顧客の継続率向上に努めてまいります。
これらを通じて、一部の商品においてはLTVが10%以上も向上する等成果としても現れております。LTVの向上は上限CPOを高く設定することを可能とし、それにより新規獲得件数が増加することが見込まれるため、今後も積極的に取り組んでまいります。
(海外事業展開)
前事業年度において着実に売上高を拡大した台湾支社につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による消費マインドの冷え込みが日本以上に厳しく、売上高の成長が鈍化しておりますが、台湾支社の売上高が全体に占める割合は低く、当社全体の業績に与える影響は軽微であります。
当事業年度においては、取り扱う商品数の増加、台湾出身の専任担当者の採用及び教育の実施、新規広告媒体の調査等、今後の台湾支社の拡大に向けた体制整備に着手しており、さらに台湾以外のアジア圏への進出につきましても準備を進めております。新型コロナウイルス感染症の拡大状況や収束時期を注視しつつ、海外事業の拡大に向けてさらに注力してまいります。
(M&A)
当社は、経営戦略の一環として積極的なM&Aを通じた収益基盤の多様化及び成長の加速に取り組んでおり、当事業年度においては、以下の企業について子会社化するための株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
①株式会社エフエム・ノースウエーブ
②株式会社ASHIGARU
(注1)CPO
Cost Per Orderの略で、受注1件当たりに要する広告宣伝費の金額。
(注2)LTV
Life Time Valueの略で、顧客がもたらす生涯売上高の金額。
(注3)ABC
Activity Based Costingの略で、活動基準原価計算。間接費を、稼働時間等の基準に基づいて各商品のコストとしてできるだけ正確に配賦することによって、販売活動等のコストを正確に把握する原価計算手法。
(注4)上限CPOの引き上げ
当社はインターネット上の広告経由(広告宣伝費を要する注文)での新規獲得が大半を占めているが、一定数存在する検索エンジン経由やECモール経由等の「広告宣伝費を要さない注文」を、商品認知度の向上すなわち広告出稿量の増加に比例して増加するものと分析し、これらを加味し新しい係数を組み込んだうえで上限CPOを算出した。これにより上限CPOが引き上がったものの、結果的には広告出稿量と「広告宣伝費を要さない注文」の相関関係は薄く、「上限CPOの設定が高すぎる状態」のまま広告出稿を行っていたため、2020年7月より従前の算出方法に戻した。
(注5)ROAS
Return On Advertising Spendの略で、広告出稿に対してどれだけ売上があったか成果を計る広告投資効率の指標。100万円を広告宣伝費に使用し、90万円の売上を上げた場合のROASは0.90。1.00以下の場合、初回購入時の収支はマイナスだが、定期購入の場合は、継続的に購入されることで収支がプラスになる。
(注6)獲得が好調だった商品の単価及び施策の特性
当社が商品ごとに設けている上限CPOは、当該商品のLTVを基に算出される。LTVは商品の特長(アプローチする悩み)によってそれぞれ大きく異なり、また商品単価とLTVは必ずしも相関するわけではなく「商品Aよりも商品Bの方が販売単価は高いが、LTVは商品Aの方が高く商品Bよりも上限CPOを高く設定できる」ケースがある。さらに、LTVの高い商品は新規獲得時において割引等の施策を行っても投資回収が見込めるため、新規獲得件数の増加を目的に積極的に割引施策を打ち出すが、「商品単価は低いが上限CPOを高く設定できる商品」の新規獲得が好調だった場合、新規販売単価は低くなり一時的にROASは低下する。
(注7)想定1年ROI
ROIとは、Return On Investmentの略で、広告出稿に対してどれだけ利益があったか成果を計る広告投資効率の指標。当社では想定1年ROIとして、広告出稿に対して1年後にどれだけ純粗利(1年LTVから商品原価、送料及び決済手数料等の注文連動費を差し引いた当社独自の指標)が得られるかの見込みを図る指標として使用。
(注8)アフィリエイト
ウェブ広告手法の一つであり、媒体主(アフィリエイター)が運営するブログやウェブサイト等の媒体に、広告主の商品やサービスについての広告を掲載し、閲覧者がそのリンクを経由して商品を購入した場合に広告主が媒体主に手数料(報酬)を支払う仕組み。
(注9)クロスセル
現在購入している商品だけではなく、別の商品も購入してもらうためのセールス手法。LTVの向上のほか、顧客にとっては決済手数料や配送コストの節減メリットがある。
(注10)アップセル
現在購入している商品よりも単価の高い商品を購入してもらう、若しくは現在加入している定期コースよりも受け取る商品個数が多い定期コースに移行してもらうためのセールス手法。LTVの向上のほか、顧客にとっては定期コースの割引率が高くなるメリットがある。
(2)財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比べ299,692千円増加し、6,201,843千円となりました。
内訳といたしましては、主に流動資産が5,857,845千円となり、前事業年度末と比べ336,599千円の増加となりました。その主な要因は、たな卸資産が140,829千円、預託金が582,000千円増加した一方で、現金及び預金が475,410千円減少したこと等によるものであります。その他に固定資産が343,997千円となり、前事業年度末と比べ36,907千円の減少となりました。その主な要因は、繰延税金資産が32,997千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債は、前事業年度末と比べ532,275千円減少し、1,022,521千円となりました。
これは主に未払法人税等が511,283千円、未払消費税等が60,756千円減少した一方で、未払金が72,133千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末と比べ831,967千円増加し、5,179,322千円となりました。
これは当期純利益の計上により利益剰余金が1,387,835千円増加した一方で、剰余金の配当により利益剰余金が555,867千円減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ475,410千円減少し、3,612,973千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果増加した資金は、682,347千円(前年同期は2,142,937千円の増加)となりました。この主な要因は、税引前当期純利益2,044,166千円、未払金の増加77,026千円が生じた一方で、売上債権の増加22,476千円、たな卸資産の増加140,829千円、その他の負債の減少98,566千円、法人税等の支払額1,114,188千円が生じたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果減少した資金は、609,819千円(前年同期は100,273千円の減少)となりました。この主な要因は、関係会社株式取得のための預託金の預入による支出582,000千円、有形固定資産の取得による支出11,564千円、無形固定資産の取得による支出15,002千円が生じたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果減少した資金は、555,065千円(前年同期は643,498千円の減少)となりました。この要因は、配当金の支払額555,065千円が生じたことによるものであります。
2.生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当社は商品の仕入を行っておりませんので、記載を省略しております。
(3)受注実績
当社は商品の受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態の分析
当事業年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要(2)財政状態の状況」に記載のとおりです。
(2)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高につきましては、9,270,604千円(前事業年度比822,738千円減)となりました。
これは主に、主力商品の売上高が減少したこと等によるものであります。
(売上原価)
当事業年度における売上原価につきましては、2,249,106千円(前事業年度比199,968千円減)となりました。
これは主に、売上高の減少に伴って、OEM先への外注費が減少したこと等によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費につきましては、4,992,061千円(前事業年度比261,888千円増)となりました。
これは主に、組織体制整備を目的として積極的に人員の増強を図ったことによる人件費の増加、また、その他外注費やマーチャンダイジング費、レンタルシステム費等の増加が生じたこと等によるものであります。
この結果、営業利益は、2,031,091千円(前事業年度比884,237千円減)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当事業年度における営業外収益につきましては、為替差益5,130千円等が発生しており、営業外費用につきましては、その他の営業外費用0千円が発生しております。
この結果、経常利益は2,048,792千円(前事業年度比875,204千円減)となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
当事業年度における特別損失につきましては、固定資産売却損33千円、固定資産除却損4,593千円が発生しております。法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は656,331千円であります。
この結果、当期純利益は1,387,835千円(前事業年度比586,989千円減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資金需要につきましては、さらなる事業拡大に向けて、集客体制の強化や商品開発のための投資を行っていく想定です。これらの資金需要は内部留保で賄うことを原則としながら、中長期における資金需要並びに金利動向等を注視した上で必要に応じて機動的に資金調達を行い、財務の健全性を維持する方針であります。
(4)重要な会計上の見積り及び該当見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りに対する影響につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(1)経営成績の状況
(事業概要)
当社は、主にインターネット上で一般消費者向けに自社オリジナルブランドの健康美容商品等を販売する「EC事業」を展開しております。
①商品戦略
当社は、「びっくりするほど良い商品ができた時にしか発売しない」という方針のもと、顧客ニーズに対して具体的に効果を体感しやすくリピート使用されやすいものだけを商品化しております。購入者による満足度を最も重視しており、独自に設けた750項目の品質チェックをすべて通過したものだけが商品化されるため、実際に発売に至る商品は開発案件のわずか2%に留まりますが、品質を最重要視しており圧倒的な顧客満足を追求しております。
近年、当社商品に対する男性からの需要が高まってきたことを受け、男性の肌質や体質に特化した男性向け商品の開発にも注力しております。男性化粧品市場は約1,200億円規模にまで成長し、さらなる成長が見込まれており(株式会社富士経済「化粧品マーケティング要覧 2020 No.2」2020年3月26日)、こうした市場にアプローチすべく、継続的に男性向け商品の開発にも努めてまいります。
なお、当社は従来「1商品で10億円から20億円の売上高を目指せるニッチマーケット」商品を中心に展開してまいりましたが、現在は「高い利益率を維持したまま1商品で50億円から100億円規模の売上高を目指せるマスマーケット」に向けた商品開発を行っております。
②販売戦略
EC事業においては、採算性を度外視して広告投資を拡大すれば一時的に売上高を伸ばせる側面がありますが、財務基盤を強化しつつ持続的な成長を図るため、当社では売上高以上に利益を重要な業績評価指標としております。
採算性の高い効率的な広告投資を実現するため、受注1件当たりに要する広告宣伝費の指標であるCPO(注1)と、顧客が将来もたらす売上高の予測額であるLTV(注2)との関連性を計算のうえ、必要利益から逆算して受注1件当たりに使用可能な広告宣伝費の上限として上限CPOを厳しく設定しております。また、常時5,000本程度出稿している広告のCPOをデイリーで算出し管理するため、「広告宣伝費を抑えたうえで効率的に新規獲得すること」を目的に独自で開発した「広告最適化のための分析・運用システム」を用いて自社で管理しております。
さらに、売上原価や広告宣伝費だけではなく、人件費等の間接費をABC(注3)により集計したうえで、商品ごとに当社独自の5段階利益を用いて管理しております。これにより、利益率の増減が大きかった際にどの商品のどの段階に要因があったかを適時に判断できる仕組みを構築しております。
以上のように高い品質の商品を徹底した管理のもと販売しており、これに加えて、定期購入型のビジネスモデルを採用しているため、継続的に購入していただけることで安定成長する収益構造を実現しております。
なお、ビジネスモデル・事業概要・今後の展望等については以下の動画からもご確認いただけます。(https://www.kitanotatsujin.com/aboutus/media-performance/)
(サマリー)
当事業年度における実績及び業績予想(計画)比は、下記のとおりです。
| 2021年2月期 | 2020年2月期 | |||||
| 当初業績予想 (計画) | 実績 | 当初業績予想 (計画)比 | ||||
| 売上高 | (千円) | 8,227,826 | 9,270,604 | 1,042,778 | 10,093,343 | |
| 売上総利益 | (千円) | 6,133,267 | 7,023,152 | 889,885 | 7,645,502 | |
| 販売管理費 | (千円) | 4,126,567 | 4,992,061 | 865,493 | 4,730,173 | |
| 広告宣伝費 | (千円) | 2,020,759 | 2,681,834 | 661,074 | 2,748,221 | |
| 営業利益 | (千円) | 2,006,699 | 2,031,091 | 24,391 | 2,915,329 | |
| 経常利益 | (千円) | 2,007,067 | 2,048,792 | 41,725 | 2,923,996 | |
| 当期純利益 | (千円) | 1,357,781 | 1,387,835 | 30,053 | 1,974,824 | |
当事業年度における国内経済は、政府による緊急事態宣言の解除後、各種政策やワクチン開発の進展等により、経済活動に一部回復の兆しが見られたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念から、依然として不透明な状況でした。
そのような環境下で、売上高は当初発表予想(2020年4月14日)の8,227,826千円を大きく上回る9,270,604千円となりました。これは、新規獲得件数が想定よりも大幅に増加したことによるものです。各段階利益につきましては、計画を大きく上回る規模での広告投資を行ったこと等により、当初発表予想を僅かに上回る着地となりました。また、2021年1月14日に公表いたしましたとおり当初発表予想の売上高を9,100,000千円に増額修正しておりましたが、こちらも上回って着地いたしました。
なお、第4四半期会計期間において、一部商品におけるクリエイティブが功を奏したことで注文が殺到したため、製造が追い付かずご注文からお届けまでに数ヵ月待ちとなっている状況です。この発送遅延により、本来であれば当事業年度に計上されるはずだった売上高及び利益は、翌事業年度以降に上乗せされる見通しです。
(新規獲得件数及び広告投資効率)
新規獲得件数につきましては、2020年3月の最悪期を脱し底打ちしており、2020年5月及び2020年6月の新規獲得件数の大幅な増加は「上限CPOの引き上げ(注4)」施策によるものの、2020年7月以降の投資効率は改善傾向となっております。2020年7月以降の新規獲得件数につきましても堅調に推移しており、第4四半期会計期間は第3四半期会計期間とほぼ同水準の新規獲得件数となっております。当社は定期購入型のビジネスモデルを採用しており、将来の売上高及び利益をもたらす新規顧客をいかに獲得できるかが事業を展開するうえで重要となります。こうした新規顧客を獲得するための広告宣伝費は、EC事業を手掛ける企業においては先行投資との位置付けであるため、当社でも上限CPOを設定したうえで積極的に広告宣伝費への投資を行っており、当事業年度の広告宣伝費は計画を661,074千円上回る2,681,834千円となりました。
| 月次 | 2020年 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 2021年 1月 | 2月 |
| 広告宣伝費 (百万円) | 158 | 204 | 261 | 309 | 240 | 182 | 235 | 219 | 213 | 226 | 229 | 202 |
| ROAS | 0.98 | 0.74 | 0.76 | 0.75 | 0.91 | 1.00 | 0.87 | 0.99 | 0.90 | 0.86 | 0.88 | 0.86 |
しかし、EC事業の特性上、採算性を度外視し広告投資を拡大すれば一時的に新規獲得件数を増加させ売上高を伸ばせる側面があるため、広告投資効率の指標であるROAS(注5)にも注視が必要となります。
2020年4月から2020年6月においてROASが大きく低下しておりますが、これは「上限CPOの引き上げ」に加え、「獲得が好調だった商品の単価及び施策の特性(注6)」によるものです。「上限CPOの引き上げ」によるROASの低下は計画的な実施であったものの、結果的には広告出稿量と広告宣伝費を要さない注文の相関関係は薄く、「上限CPOの設定が高すぎる状態」のまま広告出稿を行っていたため、上限CPOの算出方法を従前の方法に戻しました。
一方で、「獲得が好調だった商品の単価及び施策の特性」によるROASの低下は一時的なものであり、その後リピート購入されることで想定どおりの利益貢献が見込まれるものです。ROASは「投資した広告宣伝費により新規で獲得した商品売上がいくらであるか」という指標ですが、商品の利益率やリピート率等は考慮されておりません。よって、より正確な投資効率を把握するにはそれらを考慮する必要があり、「投資した広告宣伝費に対して1年後にどれだけの利益が見込まれるのか」という指標である想定1年ROI(注7)が重要となります。当社は、これまでの膨大なデータを基にLTVを正確に算出するスキルを有しており、そこから広告宣伝費に対する想定1年ROIを算出しております。
前頁のグラフは、ROAS及びROASとの比較のために実数を調整した想定1年ROIの推移になります。2020年4月から2020年6月においては大きな乖離が見られますが、これは「獲得が好調だった商品の単価及び施策の特性」によるものであり、ROASの下げ幅よりも想定1年ROIの減少幅は小さく、一時的にROASは低下したもののその後の利益に貢献するものです。
(新規獲得件数増加のための施策)
①アフィリエイト
数事業年度前まで当社の新規獲得方法の柱であったアフィリエイト(注8)の活用に再び注力すべく、アフィリエイト事業者へのアプローチに取り組みました。新規獲得件数増加のため複数の施策を展開しておりますが、当事業年度において最も成果として現れたのが本施策であり、四半期会計期間ごとに右肩上がりで件数を伸ばし、第4四半期会計期間のアフィリエイトによる新規獲得は第1四半期会計期間と比較すると3.8倍にまで増加しております。今後も取り扱う商品数や広告稼働媒体を拡大させ、アフィリエイトの強みや特徴を活かし新規獲得件数の増加を図ってまいります。
②ECモール
Amazonや楽天市場といったECモールにおける販売も強化しており、第4四半期会計期間の新規獲得は第1四半期会計期間と比較すると2.2倍にまで増加しており、従来とは異なるインターネット購買層を順調に獲得しております。なお、Amazonにおいては海外市場を攻略するうえで重要な販売チャネルであると認識しており、今後も継続して国内Amazonの拡大に取り組みつつ、市場規模が格段に大きい米国Amazonへの進出も検討しております。
③インターネット以外の販売チャネル
男性向けファッション誌を含めた雑誌広告や一部地域ではありますが地上波でのテレビ広告等、当社が従来手掛けてきたウェブ広告以外の手法による広告配信にも取り組んでおります。なかでも、BS放送等でのインフォマーシャル広告における新規獲得が好調です。数事業年度前より取り組んでいた施策ではありますが、当社の新規獲得のメインであるインターネットでの獲得とは異なるため、なかなか成果として現れておりませんでした。しかし、継続して取り組んできたことにより、インフォマーシャル広告における制作ノウハウの蓄積や広告配信番組の選定スキルが向上してきたことで、こちらも四半期会計期間ごとに右肩上がりで件数を伸ばし、第4四半期会計期間のインフォマーシャルによる新規獲得は第1四半期会計期間と比較すると8.4倍にまで増加しております。こうしたインターネットでは商品を購入しない層は一定数存在すると認識しており、今後の拡大に向け積極的に取り組んでおります。
なお、当事業年度において、これらの拡大に専門的に取り組むチームを新設したことも獲得件数増加の要因であると考えております。今後もこうしたチームを筆頭に、様々な施策を打ち出し事業拡大を図ります。
(LTV向上施策)
当社はこれまで、新規顧客を獲得し定期顧客数を増加させることで業績を拡大してまいりましたが、当事業年度においてはLTVを向上させる施策にも積極的に取り組みました。
具体的には、クロスセル(注9)やアップセル(注10)を推進した結果、特にクロスセルにおいては当事業年度におけるクロスセル発生率を前事業年度と比較すると1.5%から8.9%にまで向上しており、さらに単月では10%を上回る月もあり、一定の成果が出ております。
また、定期顧客の継続率を高めるための取り組みにも注力しております。解約理由のなかには、使用量や使用頻度等の使用方法を誤っている等、正しい使用方法でないためにご満足いただけていなかったケースが一定数存在しており、こうしたケースについても細やかに対応し、継続して使用することで本来の効果を体感していただけるよう、開発者としての専門知識をベースに社内専門スタッフの知識向上や電話の応対品質向上を図ったうえで、専門の窓口を開設いたしました。このような取り組みにより、解約をご希望されていた顧客の定期コース継続率は、開設前と第4四半期会計期間を比較すると8.0%から18.0%にまで向上しております。今後も、顧客満足度及び定期顧客の継続率向上に努めてまいります。
これらを通じて、一部の商品においてはLTVが10%以上も向上する等成果としても現れております。LTVの向上は上限CPOを高く設定することを可能とし、それにより新規獲得件数が増加することが見込まれるため、今後も積極的に取り組んでまいります。
(海外事業展開)
前事業年度において着実に売上高を拡大した台湾支社につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による消費マインドの冷え込みが日本以上に厳しく、売上高の成長が鈍化しておりますが、台湾支社の売上高が全体に占める割合は低く、当社全体の業績に与える影響は軽微であります。
当事業年度においては、取り扱う商品数の増加、台湾出身の専任担当者の採用及び教育の実施、新規広告媒体の調査等、今後の台湾支社の拡大に向けた体制整備に着手しており、さらに台湾以外のアジア圏への進出につきましても準備を進めております。新型コロナウイルス感染症の拡大状況や収束時期を注視しつつ、海外事業の拡大に向けてさらに注力してまいります。
(M&A)
当社は、経営戦略の一環として積極的なM&Aを通じた収益基盤の多様化及び成長の加速に取り組んでおり、当事業年度においては、以下の企業について子会社化するための株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
①株式会社エフエム・ノースウエーブ
| 事業概要 | 北海道を放送地域対象とするFMのラジオ局であり、ラジオによる基幹放送及び広告放送、放送番組の制作並びに販売事業等を展開。 |
| 株式取得の目的 | 同社が有している音声コンテンツの制作ノウハウと当社が有しているマーケティングノウハウ及び広告運用ノウハウの相互活用等を通じて、「デジタル音声広告(デジタルオーディオアド)」の攻略に取り組む。 |
| 背景 | デジタル音声広告の市場規模は、2020年の16億円から2025年には420億円にまで拡大すると予想されており(株式会社デジタルインファクト「デジタル音声広告市場規模推計・予測 2019年―2025年」2020年3月30日)、当社としても今後のさらなる成長のためにはインターネット購買層以外の新規獲得も重要であると判断したため。 |
| 今後の事業戦略 | 企業ブランド醸成を目的としたラジオ番組の制作や放送による広報活動、当社の想定顧客層に向けた通販ラジオ番組の制作、北海道民なら誰でも知っている同社の知名度及びブランド力を活かした他事業への展開等 |
| 株式譲渡実行日 | 2021年3月31日 |
②株式会社ASHIGARU
| 事業概要 | 自社オリジナルヘアアイロン「SALONMOON」を各種ECモールにて販売。創業わずか2年で累計販売台数15万台の大ヒットを記録しているほか、主要ECモールの口コミでも高評価を獲得。 |
| 株式取得の目的 | 同社が有している美容家電ジャンルの商品開発及びECモールでの販売ノウハウに当社の経営リソースを投入することで、SALONMOONシリーズの販売拡大、美容家電ジャンルの新規開拓により、さらなる事業拡大を図る。 |
| 背景 | Amazon等のECモールは今後も成長の余地が大きく、また、近年の美容ニーズの多様化に伴うホームエステ(エステサロンや美容室での美容施術効果を家庭でも得られるよう行うセルフケア)の普及により、美容家電市場は拡大を続けているため、今後のさらなる事業拡大のためには、ECモールの販路拡大及び美容家電等の新たなジャンルの商品開発が重要であると判断したため。 |
| 今後の事業戦略 | SALONMOONシリーズの販売拡大、当社商品のAmazonでの販売拡大、当社商品と親和性のある美容家電商品の開発等 |
| 株式譲渡実行日 | 2021年5月31日(予定) |
(注1)CPO
Cost Per Orderの略で、受注1件当たりに要する広告宣伝費の金額。
(注2)LTV
Life Time Valueの略で、顧客がもたらす生涯売上高の金額。
(注3)ABC
Activity Based Costingの略で、活動基準原価計算。間接費を、稼働時間等の基準に基づいて各商品のコストとしてできるだけ正確に配賦することによって、販売活動等のコストを正確に把握する原価計算手法。
(注4)上限CPOの引き上げ
当社はインターネット上の広告経由(広告宣伝費を要する注文)での新規獲得が大半を占めているが、一定数存在する検索エンジン経由やECモール経由等の「広告宣伝費を要さない注文」を、商品認知度の向上すなわち広告出稿量の増加に比例して増加するものと分析し、これらを加味し新しい係数を組み込んだうえで上限CPOを算出した。これにより上限CPOが引き上がったものの、結果的には広告出稿量と「広告宣伝費を要さない注文」の相関関係は薄く、「上限CPOの設定が高すぎる状態」のまま広告出稿を行っていたため、2020年7月より従前の算出方法に戻した。
(注5)ROAS
Return On Advertising Spendの略で、広告出稿に対してどれだけ売上があったか成果を計る広告投資効率の指標。100万円を広告宣伝費に使用し、90万円の売上を上げた場合のROASは0.90。1.00以下の場合、初回購入時の収支はマイナスだが、定期購入の場合は、継続的に購入されることで収支がプラスになる。
(注6)獲得が好調だった商品の単価及び施策の特性
当社が商品ごとに設けている上限CPOは、当該商品のLTVを基に算出される。LTVは商品の特長(アプローチする悩み)によってそれぞれ大きく異なり、また商品単価とLTVは必ずしも相関するわけではなく「商品Aよりも商品Bの方が販売単価は高いが、LTVは商品Aの方が高く商品Bよりも上限CPOを高く設定できる」ケースがある。さらに、LTVの高い商品は新規獲得時において割引等の施策を行っても投資回収が見込めるため、新規獲得件数の増加を目的に積極的に割引施策を打ち出すが、「商品単価は低いが上限CPOを高く設定できる商品」の新規獲得が好調だった場合、新規販売単価は低くなり一時的にROASは低下する。
(注7)想定1年ROI
ROIとは、Return On Investmentの略で、広告出稿に対してどれだけ利益があったか成果を計る広告投資効率の指標。当社では想定1年ROIとして、広告出稿に対して1年後にどれだけ純粗利(1年LTVから商品原価、送料及び決済手数料等の注文連動費を差し引いた当社独自の指標)が得られるかの見込みを図る指標として使用。
(注8)アフィリエイト
ウェブ広告手法の一つであり、媒体主(アフィリエイター)が運営するブログやウェブサイト等の媒体に、広告主の商品やサービスについての広告を掲載し、閲覧者がそのリンクを経由して商品を購入した場合に広告主が媒体主に手数料(報酬)を支払う仕組み。
(注9)クロスセル
現在購入している商品だけではなく、別の商品も購入してもらうためのセールス手法。LTVの向上のほか、顧客にとっては決済手数料や配送コストの節減メリットがある。
(注10)アップセル
現在購入している商品よりも単価の高い商品を購入してもらう、若しくは現在加入している定期コースよりも受け取る商品個数が多い定期コースに移行してもらうためのセールス手法。LTVの向上のほか、顧客にとっては定期コースの割引率が高くなるメリットがある。
(2)財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比べ299,692千円増加し、6,201,843千円となりました。
内訳といたしましては、主に流動資産が5,857,845千円となり、前事業年度末と比べ336,599千円の増加となりました。その主な要因は、たな卸資産が140,829千円、預託金が582,000千円増加した一方で、現金及び預金が475,410千円減少したこと等によるものであります。その他に固定資産が343,997千円となり、前事業年度末と比べ36,907千円の減少となりました。その主な要因は、繰延税金資産が32,997千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債は、前事業年度末と比べ532,275千円減少し、1,022,521千円となりました。
これは主に未払法人税等が511,283千円、未払消費税等が60,756千円減少した一方で、未払金が72,133千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末と比べ831,967千円増加し、5,179,322千円となりました。
これは当期純利益の計上により利益剰余金が1,387,835千円増加した一方で、剰余金の配当により利益剰余金が555,867千円減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ475,410千円減少し、3,612,973千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果増加した資金は、682,347千円(前年同期は2,142,937千円の増加)となりました。この主な要因は、税引前当期純利益2,044,166千円、未払金の増加77,026千円が生じた一方で、売上債権の増加22,476千円、たな卸資産の増加140,829千円、その他の負債の減少98,566千円、法人税等の支払額1,114,188千円が生じたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果減少した資金は、609,819千円(前年同期は100,273千円の減少)となりました。この主な要因は、関係会社株式取得のための預託金の預入による支出582,000千円、有形固定資産の取得による支出11,564千円、無形固定資産の取得による支出15,002千円が生じたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果減少した資金は、555,065千円(前年同期は643,498千円の減少)となりました。この要因は、配当金の支払額555,065千円が生じたことによるものであります。
2.生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
| 事業部門別 | 当事業年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) | 前年同期比(%) |
| EC事業 (千円) | 2,472,585 | 94.4 |
| 合計(千円) | 2,472,585 | 94.4 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当社は商品の仕入を行っておりませんので、記載を省略しております。
(3)受注実績
当社は商品の受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
| 事業部門別 | 当事業年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) | 前年同期比(%) |
| EC事業 (千円) | 9,270,604 | 91.8 |
| 合計(千円) | 9,270,604 | 91.8 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態の分析
当事業年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要(2)財政状態の状況」に記載のとおりです。
(2)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高につきましては、9,270,604千円(前事業年度比822,738千円減)となりました。
これは主に、主力商品の売上高が減少したこと等によるものであります。
(売上原価)
当事業年度における売上原価につきましては、2,249,106千円(前事業年度比199,968千円減)となりました。
これは主に、売上高の減少に伴って、OEM先への外注費が減少したこと等によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費につきましては、4,992,061千円(前事業年度比261,888千円増)となりました。
これは主に、組織体制整備を目的として積極的に人員の増強を図ったことによる人件費の増加、また、その他外注費やマーチャンダイジング費、レンタルシステム費等の増加が生じたこと等によるものであります。
この結果、営業利益は、2,031,091千円(前事業年度比884,237千円減)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当事業年度における営業外収益につきましては、為替差益5,130千円等が発生しており、営業外費用につきましては、その他の営業外費用0千円が発生しております。
この結果、経常利益は2,048,792千円(前事業年度比875,204千円減)となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
当事業年度における特別損失につきましては、固定資産売却損33千円、固定資産除却損4,593千円が発生しております。法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は656,331千円であります。
この結果、当期純利益は1,387,835千円(前事業年度比586,989千円減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資金需要につきましては、さらなる事業拡大に向けて、集客体制の強化や商品開発のための投資を行っていく想定です。これらの資金需要は内部留保で賄うことを原則としながら、中長期における資金需要並びに金利動向等を注視した上で必要に応じて機動的に資金調達を行い、財務の健全性を維持する方針であります。
(4)重要な会計上の見積り及び該当見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りに対する影響につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。