有価証券報告書-第7期(平成29年4月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/26 11:47
【資料】
PDFをみる
【項目】
115項目

業績等の概要

(1) 業績
当社は、平成29年6月25日開催の第6期定時株主総会において「定款一部変更の件」が承認されたことを受けて、第7期(平成29年12月期)より決算期(事業年度の末日)を3月31日から12月31日に変更いたしました。
決算期変更の経過期間となる当連結会計年度は、平成29年4月1日から平成29年12月31日までの9か月決算となります。このため、経営成績の概況については、当連結会計年度と前年同一期間(平成28年4月1日から平成28年12月31日まで)との比較により記載しております。
当連結会計年度における日本経済は、企業収益の改善に加えて、設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られ、緩やかな回復基調が継続しました。
国内株式市場の動向については、北朝鮮を巡る地政学リスクや米政権のロシア疑惑などに揺れる局面もあったものの、世界的な景気回復や企業業績への拡大期待などを背景に堅調に推移し、日経平均株価は前連結会計年度末の18,909円26銭から20%上昇し、22,764円94銭で当連結会計年度末の取引を終えました。こうした市況を受けて、個人投資家の株式等委託売買代金は前年同一期間と比較して14%増加しました。
外国為替市場においては、ドル円相場は一時107円台まで下落する場面がありましたが、概ね108円~114円のレンジで推移し、当連結会計年度末は1ドル=112円台で取引を終えました。総じてボラティリティの低い相場展開となったことから、国内店頭FXの取引金額は前年同一期間比17%の減少となりました。
また、金融を取り巻く事業環境においては、金融とITの融合による新しい金融サービスの創出に向けて法制度等の環境整備が進み、フィンテック活用の動きがさらに加速しました。
このような外部環境の中、当社グループは「強いものをより強くする」の方針のもと、国内においてはビッグデータの活用により主力事業である国内店頭FXの収益性の向上を図るとともに、仮想通貨売買サービスを提供するGMOコイン株式会社を連結子会社化し、これまでFX事業で培ってきたノウハウ・技術を活用することで新しい事業領域の拡大に努めました。なお、GMOコイン株式会社は改正資金決済法に規定される仮想通貨交換業者としての登録を受けております。また、海外事業においては、これまで開業準備を進めてきたタイ王国においてインターネット証券事業を開始いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は21,657百万円(前年同一期間比5.1%増)、純営業収益は19,819百万円(同1.3%増)、営業利益は7,462百万円(同3.3%減)、経常利益は7,349百万円(同3.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,141百万円(同2.8%減)となりました。
当連結会計年度における、主な収益、費用、利益の状況は次のとおりです。
なお、当社は、当連結会計年度より表示方法の変更を行っており、前当連結会計年度につきましても当該表示方法の変更を反映した組替後の数値、前年同一期間比増減額及び増減率を記載しております。
(単位:百万円)
前年同一期間
(参考値)
当連結会計年度増減額増減率
営業収益20,61621,6571,0415.1%
受入手数料2,5842,350△233△9.1%
トレーディング損益15,74815,469△278△1.8%
金融収益2,1963,01281537.1%
その他の営業収益2926△2△9.7%
その他の売上高577977401,293.5%
金融費用1,0011,21521421.4%
売上原価416225801,397.2%
純営業収益19,57319,8192451.3%
販売費及び一般管理費11,86012,3574964.2%
営業利益7,7137,462△250△3.3%
経常利益7,6227,349△273△3.6%
親会社株主に帰属する当期純利益5,2875,141△146△2.8%

[参考]営業収益内訳(商品別) (単位:百万円)
前年同一期間
(参考値)
当連結会計年度増減額増減率
株式・ETF等※11,4071,493866.2%
先物・オプション226178△47△21.1%
取引所FX541386△154△28.5%
通貨関連店頭デリバティブ15,02813,903△1,124△7.5%
CFD※21,109957△151△13.7%
金融収益2,1963,01281537.1%
仮想通貨-875875-
その他107848741688.8%

※1 株式・ETF等の取引に係る委託手数料及びその他の受入手数料、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘 等の取扱手数料、投資信託に係るその他の受入手数料が含まれています。
※2 CFDには、一部海外子会社の店頭FXに係る収益が含まれています。
(受入手数料)
前年同一期間と比較して、株価指数先物及びオプション取引及び取引所FX取引の取引数量が減少したことにより、委託手数料は1,902百万円(前年同一期間比7.1%減)となりました。また、その他受入手数料は431百万円(同19.4%減)となりました。これらの結果、受入手数料は2,350百万円(同9.1%減)となりました。
(トレーディング損益)
仮想通貨取引に係る収益が増加した一方、店頭FX等の店頭デリバティブ取引に係る収益が減少し、トレーディング損益は15,469百万円(前年同一期間比1.8%減)となりました。
(金融収支)
株式信用取引における平均建玉残高の増加や貸株関連収益の増加を受けて、金融収益は3,012百万円(前年同一期間比37.1%増)、金融費用は1,215百万円(同21.4%増)、差し引きした金融収支は1,796百万円(同50.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
取引関係費は5,327百万円(前年同一期間比6.0%増)、人件費は2,221百万円(同5.1%増)、器具・備品費の増加により不動産関係費は1,864百万円(同1.8%増)、事務委託費の増加により事務費は1,733百万円(同6.9%増)となりました。これらの結果、販売費及び一般管理費は12,357百万円(同4.2%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は8百万円(前年同一期間比19.9%減)となりました。また、持分法による投資損失の計上等により営業外費用は121百万円(同19.8%増)となりました。
(特別利益)
金融商品取引責任準備金戻入及びGMOコイン株式会社の株式追加取得に伴う段階取得に係る差益を計上したことにより、特別利益は639百万円(前年同一期間比101.2%増)となりました。
(特別損失)
投資有価証券評価損の計上により、特別損失は197百万円(前年同一期間比1,373.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動による収入が14,588百万円、投資活動による収入が1,549百万円、財務活動による支出が22,794百万円となった結果、当連結会計年度末には35,520百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、14,588百万円のプラスとなりました。これは主に、預託金の増加による支出26,344百万円、信用取引資産の増加による支出13,572百万円、信用取引負債の減少による支出7,992百万円があった一方で、有価証券担保借入金の増加による収入18,998百万円、預り金の増加による収入17,805百万円、受入保証金の増加による収入28,478百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,549百万円のプラスとなりました。これは主に、定期預金の預入による支出2,474百万円、有形固定資産の取得による支出176百万円、無形固定資産の取得による支出458百万円、投資有価証券の取得による支出287百万円があった一方で、定期預金の払戻による収入4,197百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入751百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、22,794百万円のマイナスとなりました。これは主に、短期借入金の純減少による支出19,600百万円、配当金の支払による支出2,266百万円があったことによるものです。