有価証券報告書-第19期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/28 14:46
【資料】
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【項目】
120項目
(2) 戦略
当社の事業は、カメラ、時計、筆記具、自転車という、時代や国境を超えた価値を持つ新品と中古品を、インターネットというフィールドの利便性を最大限に活かし、適正価格で取引いただくビジネスです。価値ある中古品がお客様のお手元に届けされることは、中古品の廃棄や新商品の製造と比較して、環境負荷が格段に軽減されることとなります。当社はこの「モノ」の価値を見極め、買取・販売することで、循環型社会に大きく貢献するプロセスを「リバリュー」と呼び、サステナビリティ戦略として最重要視しております。
循環型社会に向けた「リバリュー」の入口は、商品が新品として販売される時であり、当社はお買い求めいただいた商品のお買い替え時に、再び当社をご利用いただけるよう、お客様にご納得いただきやすい買取価格をAIにより算出している他、総合補償システムの「安心サービス」や、フォトシェアリングサイト「EVERYBODY×PHOTOGRAPHER.com」をはじめとした、商品のある生活を充実させるサービスの展開を行っております。
その上で、お客様にご愛用品の下取で、魅力ある下取価格とサービスを提供することで、ひとりでも多くのお客様を循環型社会における消費スタイルへ誘導していくことが「リバリュー」の行き着くところと考えております。
この考え方のもと、当社は2023年6月に、サステナビリティ戦略として以下の3点を推進することを決定し、当事業年度においても様々な施策を実施しました。
① 循環型社会の拡大に貢献するビジネスの拡大
当社の事業拡大そのものが、循環型社会の拡大に直結しているとの考えのもと、中長期の事業計画に高くコミットメントいたします。
新品の販売に始まり、下取を経て中古品を流通させる「リバリュー」の一層の促進によって、
・ 中古品の廃棄や新製品の製造と比較し、環境負荷が一段と小さいお買い物手法の提供
・ メンテナンス技術の向上、アフターサービスや補償サービスの拡充で、中古品の価値を高め、製品寿命を延ばすことに貢献
・ 中古品の購入をインターネット等で訴求することで、循環型社会の啓蒙に貢献
などの効果が生まれるため、これをサステナビリティ戦略として推進します。
あわせて、事業計画の策定や新規事業の検討においては、対象とする商品・サービスが「リバリュー」を通じてサステナビリティな社会形成に貢献するものであるかを、検討に含むこととしております。
② 直接・間接的な温室効果ガス排出量・廃棄物の削減
当社のEC事業はその特性上、製造工程を有さず、調達、梱包、出荷物流における環境負荷の低減が、サステナビリティ戦略上、特に重要となってまいります。当社ではまず、自社内プロセスにおける温室効果ガス排出量・廃棄物の削減に、精力的に取り組み、実質的な排出量ゼロ(ネットゼロ)を期限付き目標に基づき達成することとしております。既に環境への配慮として、梱包資材をFSC認証の商品パック、段ボールパッケージや、バイオマスマーク認定のビニール手提げ袋、ポリエチレン袋、梱包テープ等への切り替え、電力消費量削減を目指した設備交換等を進めておりますが、ネットゼロの実現に向けた一段と本質的な施策を、今後は検討してまいります。
当事業年度においては、排出量削減の対策として、全店舗・全拠点分の年間電力使用量に相当するトラッキング付FIT非化石証書を購入し、Scope2までの温室効果ガス排出量を実質的にゼロとしました。トラッキング付非化石証書活用による再エネ電力は、「地球温暖化対策推進法」(温対法) に基づき、電気の使用に伴う排出量をゼロとして算定することが可能となるほか、RE100、CDP、SBT4といった様々な国際的なイニシアティブにも適応可能となります。
更に当社では、Scope3の算定にも取り組み、サプライチェーン全体での排出量を把握しており、今後は2030年に向けた中長期的な排出量削減目標についても策定してまいります。

③ サステナビリティ情報の積極開示と、イニシアティブ等への参画および署名
当社は気候変動問題をサステナビリティ経営上の重要課題であると捉え、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。このような認識のもと、当社はサステナビリティ社会の実現に向け、積極的な情報開示を行ってまいります。あわせて、当社の経営理念、ビジョン、事業内容、行動規範等と、共通する価値観のもとにあるイニシアティブ等へは、積極的に参画、署名等を行います。
この一環として当社は、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)の質問書に対する回答を通じた情報開示を実施しております。また、2023年4月には経済産業省・環境省・金融庁が主導するTCFDコンソーシアムにも参加し、気候変動に関するリスクが事業や経営成績に与える影響・対応策について、TCFDの提言に基づき分析を行い、開示を行っております。
ESGに関する外部評価として、CDP2023気候変動質問書に回答して気候変動の分野で「C」の評価となりました。ESG経営にもとづいた課題の抽出と施策の実施につなげます。
環境問題以外のサステナビリティ課題に対しては、これまでも「一般社団法人障がい者自立推進機構」による「パラリンアート」のオフィシャルパートナー、写真・映像に係わる文化や芸術振興を目的とし「東京都写真美術館」の支援会員等を通じて、サステナビリティな社会の実現に貢献する取組を推進しておりますが、2023年5月には「国連グローバル・コンパクト」に署名、参加承認され、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗の防止の4分野10原則を、サステナビリティ戦略に組み込むことといたしました。これにより当社は、環境に加え、人権、不当労働排除、腐敗防止に関する取組や開示を包括的に推進することとなります。
(3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社は経営理念で「企業は社員と社会に対し、夢を与え続け」ることを存在価値としつつ、「やる気こそ会社発展の原動力」と掲げております。この考えのもと当社では、中長期目標の実現に向けたビジョンとして「4つのシンカ」と「バリューチェーン・シナリオプランニング」を掲げております。
この2つのビジョンは、従業員エンゲージメント強化を進めることで、「ムダ・ムリ」をなくしたスリムな経営と、社員の成長とともに会社の成長を目指すというものです。2つのビジョンをすべての取組と行動目標に紐づけることで、経営理念に基づいた事業発展を目指しております。
「4つのシンカ」では、①最新のテクノロジーによるサービスの拡充を追求する「進む価値」の“シンカ”、②顧客のロイヤルカスタマー化のためのスタッフの専門性向上及びECサイトの質の向上を追求する「知識を深める価値」の“シンカ”、③ブランディング確立のための品揃え、お客様本位の対応、アフターサービス向上等を追求する「真実の価値」の“シンカ”、④新たな取り組みのために常に想像力を培い、チャレンジすることを追求する「新しい価値」の“シンカ”を掲げております。この4つのシンカは、ひとつに偏ることなく枝葉を伸ばし、しっかりと根をはっていくことで大樹となるものと考えており、すべての従業員が高い価値提供を行えるようになることで、事業を発展させ続けるものというビジョンを掲げております。
「バリューチェーン・シナリオプランニング」は、サプライチェーンの有事対応を想定したソリューションに由来する考え方です。当社ではこの元来の概念を昇華させ、「Digital(省人化による原資の分配)、Agility(ジョブローテーション、スキルアップ)、Resilience(メイン事業の柔軟な投資)、Solidity(オペレーションの標準化、重複業務の削減)」の4要素を、ビジネス変革の原動力になるものとして掲げております。
「4つのシンカ」と「バリューチェーン・シナリオプランニング」が、人的資本の領域で徹底されると、当社はビジネス変革にて、①それぞれの領域での「仕組み化」が徹底される、②従業員ひとりひとりの対応領域が極限まで拡大される、③ビジネスが機動的、かつしなやかさを持つものとなる、という効果が期待できます。
これにより、当社は最小限の従業員数でビジネスを推進でき、ECビジネスモデルの特徴である「売上高拡大に固定費増加を伴わないため利益拡大しやすい」という財務的価値の獲得にもつながるものであるため、当社はこの2つのビジョンの追求を、人的資本経営の根幹と位置付けております。この人的資本への投資を通じて、1人当たりの売上高、利益を増加させつつ、1人当たりの報酬額増加も目指すサイクルを回し、ヒトと事業のバランスの取れた発展を目指してまいります。

このビジョンを達成するため、当社では、以下の4点を推進いたします。
① 経営戦略と人材戦略の連動強化
「4つのシンカ」、「バリューチェーン・シナリオプランニング」という2つのビジョンを、全役員・全従業員のすべての取組と行動目標に紐づけます。半期に1度、全従業員が、すべての取組・行動目標が、経営戦略、事業戦略に沿っているかを振り返ることで、戦略の浸透を徹底させます。
理念・ビジョンへの共感は「4つのシンカ」、「バリューチェーン・シナリオプランニング」を強化することで推進できると考えており、経営理念に基づいた「実績に対し、適切な利益配分がされなくてはならない」を徹底します。
② 人材の採用と育成
前例のない物事(新価)や仕組み化(進価)への挑戦には、小売、EC業界の専門性を高めることと合わせ、組織としての変化対応力、変化創造力を高めることが重要であると考えております。当社の向き合うEC業界は、VUCA時代において特に変化の速い業界であり、ひとりひとりの人材においても、未経験業務に対する「伸びしろの高さ」を求めております。
したがって、当社の定める変化対応・創造力の基準を満たしていれば、配属先の予定業務における知識、スキル、経験の要件を満たしていない場合でも、積極的なポテンシャル採用を行っております。また、キャリアチェンジを促進する制度によって、従業員の変化対応・変化創造力を積極的に高めることを目指しております。
③ 多様性の向上
当社は、多様性を通じた新事業・新価値創造を目指すべく、性別を限定しない平等な組織構築、グローバル人材の採用に対して、目標値を定めております(デモグラフィック・ダイバーシティ)。この一環として当社は「国連グローバル・コンパクト」への加盟を行っており、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗の防止に関わる10の原則に賛同し、その実現を図ることで、多様な人材が価値創造を行う環境を整える取組を行っております。また、上述「2.人材の採用と育成」の観点と合わせ、保有スキルの多様化(タスク・ダイバーシティ)を推進し、従業員の多様性を価値創造の根源と考えております。
④ 働き方改革
従業員の働き方改革を一層進めます。20時以降の残業を原則禁止し、業務上やむを得ない事由がある場合においても、担当取締役の決裁を必要とすることで、優先度に基づく業務の取捨選択を徹底し、生産性の高い働き方を推進しつつ、多様性の維持向上にも貢献します。

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