有価証券報告書-第52期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 16:48
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【項目】
152項目
⑩ 株式会社の支配に関する基本方針
(1) 基本方針の内容の概要
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株券等の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株券等に対する大規模買付行為等であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。
しかしながら、株券等の大規模買付行為等の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株券等の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株券等の大規模買付行為等の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者等の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者等との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社株券等の大規模買付行為等を行う者が、当社の企業価値の源泉を理解した上で、それを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模買付行為等に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
(2) 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
イ.長期ビジョン「Vision60」
当社グループは、創業者精神である「チャレンジ」「創意工夫」「自由闊達」を受け継ぐパンチスピリットと、パーパスである「ものづくりによる信頼、真摯な技術、自由な創造力で、次世代の豊かな未来をカタチづくる」を価値創造の原点として、創業50周年を機に、今後10年先を見据えた長期ビジョン「Vision60」を策定しております。
「Vision60」では、急速に進展するデジタル化やAIの進化、労働人口の減少、グローバルな生産構造の変化、環境・社会課題への要請の高まりなど、当社を取り巻く事業環境の中長期的な変化を踏まえ、「脱・金型部品依存」を掲げております。
これは金型部品事業を縮小することを意味するものではなく、同事業を引き続き事業基盤としつつ、FA事業や新事業など金型部品以外の領域を育成し、事業ポートフォリオの多角化を進めることで、より安定的かつ持続的な成長を実現することを目的としたものです。
当社グループは、この「Vision60」を軸として、今後10年間で3つの中期経営計画を順次遂行し、継続的な企業価値向上を図ってまいります。
当社は、精密金型部品事業を中核にグローバル展開を進め、安定した事業基盤を構築してきた一方、資本効率や収益性の面では、なお改善の余地があるとの認識のもと、企業価値の持続的向上に向け、事業構造そのものを進化させる必要性を強く認識しております。こうした課題認識のもと、当社は2026年5月13日に中期経営計画「バリュークリエーション28」(以下「VC28」といいます。)を公表しました。「VC28」では、以下の基本方針に基づいた施策を通じて、収益性・資本効率の改善と、持続的な成長投資を両立させ、PBR1倍超を見据えた企業価値向上を目指しており、「VC28」の最終年度(2029年3月期)において、連結売上高500億円、営業利益34億円、営業利益率6.8%、ROE8.0%以上、ROIC10.0%以上の経営目標を掲げております。
・既存事業(金型部品事業)における特注品特化と生産性向上による安定したキャッシュ総出力の強化
・自動化・省力化ニーズを背景としたFA事業の育成・拡大による第2の収益性の確立
・R&D及び新規事業への取組みを通じた中長期的成長機会の創出
・DX推進による業務効率化と固定費構造改革
・ROICを中核指標とした資本効率を重視する経営の徹底
その上で、「Vision60」において当社グループが2034年に目指す姿は、パーパスとパンチスピリットを実践する中で具現化し、事業構造・組織・経営基盤のすべてにおいて進化した企業グループとなっている状態です。
具体的には、金型部品事業では、資本業務提携の効果最大化や営業・製造の更なる連携を通じて、高付加価値な特注品を中心に安定した収益力を維持・向上させることを目指します。一方で、FA事業及び新事業においては、M&AやR&Dを積極的に活用し、金型部品事業で培った技術力・生産力・顧客基盤を応用することで、新たな成長エンジンの確立を図ります。
また、「Vision60」に基づく当社グループの成長戦略は、「重点経営課題への対応」と「経営基盤の強化」を両輪として展開されます。
重点経営課題としては、高スピードで進む技術革新への対応、労働人口減少や国内市場の成長鈍化への対応、さらには国際社会情勢や環境意識の変化への対応が挙げられます。これらに対し、当社グループは、既存事業の枠組みにとらわれないR&Dの強化、FA事業の拡大による自動化・省力化需要への対応、新業種・新地域の開拓、ならびにM&Aやスタートアップ企業との連携等による事業領域の拡張を進めてまいります。
経営基盤の強化においては、金型部品事業を基盤とした収益性の改善、グローバルでの生産・販売体制の最適化、人財育成・技能継承を含む人的資本経営の推進、サステナビリティ及びガバナンス体制の強化を重視しております。特に、パンチスピリットを体現する人財の育成と、挑戦を後押しする組織風土の醸成は、「Vision60」達成に不可欠な経営基盤であると位置付けております。
当社グループは、このような中期経営計画に基づく一連の取組みを着実に実行することにより、環境変化に左右されにくい持続的な企業価値創造を実現し、ひいては株主共同の利益の確保・向上を図ってまいります。
ロ.コーポレート・ガバナンス強化による取組み
当社は、法令を遵守し誠実に社会的責任を果たすとともに、経営の健全性及び透明性を高め、株主や顧客をはじめとするすべてのステークホルダーにとっての利益を守り、当社の持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの基本方針として、(i)株主の権利・平等性の確保、(ii)株主を含む全ステークスホルダーとの適切な共働、(iii)適切な情報開示による透明性の確保、(iv)取締役会による業務執行の監督、及び(v)株主との建設的な対話を定めております。
その上で、上記基本方針を実践するためには、コーポレート・ガバナンスの確立が最重要課題と認識し、指名・報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価、執行役員制度の強化、取締役会議長の社外取締役への変更、譲渡制限付株式報酬の導入をはじめとした役員報酬制度の整備等、コーポレート・ガバナンスの強化に取組んでおり、取締役会の監督機能を一層強化するため、2021年6月23日開催の第47回定時株主総会の決議に基づき、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しております。
これらの施策に加え、当社は、経営環境の変化や資本市場からの要請を踏まえ、取締役会の構成や運営、役員選解任の在り方等について定期的な検証と見直しを行い、ガバナンス体制の実効性向上に継続的に取組んでおります。
ハ.株主との建設的な対話に関する方針
当社は、株主・投資家の皆様との建設的な対話をより一層強化することを目的として、株主・投資家の皆様と平等かつ公正な対話を行っております。当社は、こうした建設的な対話を実現するため、IR専任部署を設置するとともに、決算説明会や会社説明会の開催に加え、IRイベントへの積極的な参加、国内外の投資家の皆様との個別ミーティングやスモールミーティングの実施を通じて、コミュニケーションの一層の充実に継続的に取り組んでおります。今後も、このような取り組みを通じて、株主・投資家の皆様との対話の質の向上を図り、建設的な対話を継続してまいります。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
当社は、2020年4月10日開催の取締役会において、当社株券等の大規模買付行為等に関する対応策(買収防衛策)を導入し、2023年6月22日開催の当社第49回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき継続いたしました。その後、2026年5月13日開催の当社取締役会において、現プランの一部を改訂した上で更新することを決議しております(継続後の買収への対応方針を、以下「本プラン」といいます)。
イ.本プランの目的
当社は、上記1.のとおり、買付者等に対して、場合によっては何らかの措置を講ずる必要が生じ得るものと考えておりますが、上場会社である以上、買付者等に対して株式を売却するか否かの判断や、買付者等に対して会社の経営を委ねることの是非に関する最終的な判断は、基本的には、個々の株主の皆様のご意思に委ねられるべきものであると考えております。
しかしながら、当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株券の大規模買付行為等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する当社株券等の大規模買付行為等を抑止するために、当社株券等に対する大規模買付行為等が行われる際に当該大規模買付行為等を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって、大規模買付行為等を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株券等の大規模買付行為等を行おうとする者に対して、警告を行うこと等を目的としております。
なお、本プランによる買収への対応方針の継続決定に当たり、当社は、経済産業省に設置された企業価値研究会が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の内容、同研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」、経済産業省が2023年8月31日に公表した「企業買収における行動指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」並びに東京証券取引所が2015年6月1日に導入し、2018年6月1日及び2021年6月11日にそれぞれ改訂された「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」等の買収への対応方針に関する議論を踏まえつつ、透明性・流通市場への影響等も含め総合的に検討し、その結果として、本プランにより買収への対応方針を継続することが最善の選択であるとの判断に至ったものです。
加えて、当社は時価総額が比較的小さいことから、大規模買付行為等に該当する基準を20%のままとした場合、当社株券等の買集めが短期間で進行する可能性があり、買集めが短期間で進行した場合、株主の皆様が十分な情報と時間をもって判断できる環境を確保できないおそれがあります。
本プランは、こうした変化を踏まえ、社会・経済情勢の変化や買収への対応方針を巡る様々な動向や議論の進展等を考慮し、企業価値及び株主共同の利益を守る観点から、より早い段階で買付者等による買集めの目的等を精査することを可能とすることを目的としています。
ロ.本プランの概要
本プランは、当社株券等の大規模買付行為等を行おうとする者が現れた際に、買付者等に事前の情報提供を求める等、上記目的を実現するために必要な手続を定めています。また、買付者等は、本プランに係る手続が開始された場合には、当社取締役会又は株主総会において本プランの発動をしない旨の決議がなされるまでの間、買収を実行してはならないものとされています。
買付者等が本プランにおいて定められた手続に従わない場合や当社株券等の大規模買付行為等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プラン所定の発動要件を満たす場合には、当社は、買付者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項等が付された新株予約権を、その時点の当社を除く全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てる等の対抗措置をとることができるものとします。
本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買収者等以外の株主に当社株式が交付された場合には、買付者等の有する当社の議決権割合は希釈化される可能性があります。当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の当社取締役会の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、当社経営陣からの独立性を有する当社社外取締役又は社外の有識者等の中の3名以上から構成される独立委員会の客観的な判断を経ることとしています。
また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には、株主総会を招集し、株主の意思を確認することがあります。
更に、こうした手続の過程については、株主への情報開示を通じてその透明性を確保することとしています。
なお、本プランの有効期間は2029年3月31日に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとします。ただし、その有効期間の満了前であっても、当社株主総会又は取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従い廃止されるものとします。
(4) 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社の中長期的経営計画の取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上するための具体的取組みとして策定されたものであり、1.の基本方針に沿うものです。
また、本プランは当社株券等に関する買付等が行われた際に、当社の企業価値・株主共同の利益を確保することを目的としており1.の基本方針に沿うものです。
特に本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則を充足しています。
また、本プランは、東京証券取引所が2015年6月1日に導入し、2018年6月1日及び2021年6月11日にそれぞれ改訂された「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」及び経済産業省が2023年8月31日付けで公表した「企業買収における行動指針―企業価値の向上と株主利益の確保に向けて」の定めを勘案したものとなっております。その結果として、本プランを継続することが最善の選択であるとの判断に至ったものです。加えて、本プランが株主総会において株主のご承認を得られなかった場合には、本プランは2026年6月開催の定時株主総会の終結時をもって失効されること、一定の場合に本プランの発動の是非について、株主意思確認総会において株主の意思を確認する仕組みが設けられていること等、株主の意思を重視するものとなっております。
また、これらに加え、当社経営陣から独立性を有する当社社外取締役又は社外の有識者等から構成される独立委員会による勧告を必ず経ることとされていること、独立委員会の判断が当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するようになされることを確保するために、当社の費用で外部専門家の助言を受けることができるものとされていること、本プランの発動に関して客観的な要件が設定されていること等により、その判断の公正性・客観性が担保されております。
したがって、本プランは当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
本プランの詳細につきましては、当社ウェブサイト(https://www.punch.co.jp/news/upload/20260513_ir_news_5.pdf)をご覧ください。

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