有価証券報告書-第23期(2024/01/01-2024/12/31)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて223百万円増加し、2,275百万円となりました。これは現金及び預金が256百万円増加したこと等によるものです。
流動資産は2,072百万円となりました。主な内容は、現金及び預金1,977百万円であります。固定資産は202百万円で、主な内容は建物及び構築物120百万円、長期前払費用46百万円及び投資有価証券31百万円等であります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べて21百万円減少し、105百万円となりました。これは資産除去債務の減少22百万円、繰延税金負債の減少4百万円、未払金の減少1百万円、未払法人税等の増加6百万円によるものであります。
流動負債は105百万円となりました。主な内容は未払金89百万円、未払法人税等14百万円であります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて245百万円増加し、2,169百万円となりました。
これは親会社株主に帰属する当期純損失806百万円により利益剰余金のマイナスが806百万円拡大したこと、第28回及び第29回新株予約権の行使に伴い、資本金及び資本剰余金がそれぞれ533百万円ずつ増加したこと等によるものであります。また、2024年3月28日開催の第22期定時株主総会において、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分に関する議案が承認可決され、その後、債権者保護手続きが実施され特に異議が生じなかったため、資本金及び資本準備金の額の減少に関する効力が2024年5月8日付で生じました。その結果、資本金及び資本準備金がそれぞれ800百万円、135百万円減少しており、その合計額935百万円を繰越利益剰余金に振り替えることにより欠損てん補を行いましたが、これによる純資産に与える影響はありません。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の90.6%から92.9%となりました。
② 経営成績の状況
当連結累計期間の売上高は257百万円(前年同期は29百万円)、研究開発費用とその他経費を合わせた販売費及び一般管理費は1,050百万円(前年同期は960百万円)を計上しました。営業損失は793百万円(前年同期は933百万円)、営業外収益として、中小企業庁事業再構築補助金52百万円等を計上、営業外費用として、行使価額修正条項付第28回及び新株予約権及び第29回新株予約権の発行、オーストラリア子会社の設立に係る営業外支払手数料11百万円、為替差損1百万円、株式交付費2百万円等を含め15百万円を計上し、経常損失は755百万円(前年同期は930百万円)となりました。特別利益として、新株予約権戻入益20百万円、特別損失として投資有価証券評価損68百万円、法人税等4百万円の計上によって親会社株主に帰属する当期純損失は806百万円(前年同期は932万円)となりました。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ256百万円増加し、1,977百万円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは、803百万円(前連結会計年度は913百万円の支出)となりました。これは税金等調整前当期純損失が802百万円となったこと、減価償却費が38百万円になったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは3百万円(前連結会計年度は0.7百万円の支出)となりました。これは主に資産除去債務の履行による支出2百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得したキャッシュ・フローは1,066百万円(前連結会計年度は1,639百万円の収入)となりました。これは取締役(取締役である監査等委員を除く)、取締役(監査等委員)、子会社取締役及び従業員を対象とする第30回新株予約権(有償)及び行使価額修正条項付第28回及び第29回新株予約権の発行による収入1百万円、行使価額修正条項付第28回及び第29回新株予約権の行使による収入1,064百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループの製品は、すべて製造委託しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
| 事業の名称 | 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) |
| 医薬事業(製品売上高) | 325 | 7.0 | ― | ― |
| 合計 | 325 | 7.0 | ― | ― |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
| 事業の名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 医薬事業(製品売上高) | 325 | 4.5 |
| 医薬事業(研究開発等収入) | 257,590 | 1,154.0 |
| 合計 | 257,915 | 873.3 |
(注) 1. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社マリーヌ | 7,213 | 24.4 | 325 | 0.1 |
| Alto Neuroscience, Inc. | 22,321 | 75.6 | 257,590 | 99.9 |
2. 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これはAlto Neuroscience, Inc.の契約に基づいて開発進捗に伴うマイルストン収入を獲得したためであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価や引当金の計上であり、これらの見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
創薬パイプライン型ベンチャーである当社グループにおいては、創薬パイプラインの開発を一歩一歩進めて開発アセットの価値を高めていくことが、当社企業価値を最大化する唯一の道筋と考えています。
最後の一歩での足踏みとなっていますが、今度こそ、当社グループにとって初の米国向け医薬品の承認取得~上市を実現できると期待しています。
臨床第1相反復PK試験(P1b)は成功裡に完了しており、当社自身で臨床第2相試験(痙性麻痺患者を対象とした最長4週間の用量増加試験)を実施すべく準備を進めてきました。治験薬製造技術移転等の準備が整いましたので、2025年下半期に臨床第2相試験を開始する計画です。
チザニジン経口剤は、米国において年間約10億錠、1日3回服用なので約3.3億日分が処方されており(2017-2021年、出所:IQVIA)、MRX-4TZTの販売ピーク時において、チザニジン経口剤の9-30%が1日1回貼付の副作用が少ないMRX-4TZTに置き換わると想定すると年間3,000万枚-1億枚、ピーク時の販売価格を1枚10 USドルと想定すると、ピーク時の売上高は300-1,000 million USドル(約450-1,500億円)に達する計算になります。ブロックバスターになり得る、MRX-4TZTのポテンシャルに期待しています。
当社とAltoとの提携下で製剤開発されたAlto-101経皮製剤を用いた臨床第1相試験において、Alto-101経皮製剤は十分な量の薬物を体内に到達させた上でPDE4阻害剤を経口投与した際によく見られる副作用を低減させることが示されました。この試験結果に基づいて、2024年2QにAltoから開発マイルストン金を受領しました。2024年6月に、Altoが統合失調症患者に対する臨床第2相試験を開始しており、2025年下半期に結果速報を得ることが計画されています。
<マイクロニードルアレイ(MN)>当社では、自己投与可能なワクチンMN製剤が、パンデミック発生時の医療体制堅持や医療インフラ未整備地域での公衆衛生向上に貢献できるものと確信しており、実用化に向けた研究開発に取り組んでいます。量産化に向けた技術開発と並行して、モデル動物を用いたフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら事業提携を模索しています。
「MRX-5LBT “Lydolyte”」の新薬承認取得、「MRX-4TZT」のP2試験成功、その他のパイプライン・基盤技術についての開発進展・事業提携が、引き続き重要な経営課題であります。医薬品の開発にはリスクがつきものですが、日の丸創薬ベンチャー発ブロックバスターの創出に向けて、メドレックスは進取果敢に挑み続けます。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
未だ主要パイプラインが臨床開発段階にある創薬パイプライン型ベンチャーの当社グループとして、最重要視している財務指標は現有資金です。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,977百万円であり、当面の開発及び運転資金相当と考えています。今後も、提携済みパイプラインからのマイルストン収入や新たな事業提携による契約一時金収入等の事業収益と、適時適切な財務活動/増資による資金調達を組み合わせて、開発資金の確保と中長期的企業価値の最大化を追求してまいります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。