訂正有価証券報告書-第19期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて249百万円増加し、2,297百万円となりました。これは主に現金及び預金が401百万円増加したこと、前渡金が16百万円減少したこと,建物及び構築物が131百万円増加したこと及び建設仮勘定が257百万円減少したこと等によるものであります。
流動資産は1,886百万円となりました。主な内容は、現金及び預金1,812百万円等であります。固定資産は410百万円で、主な内容は建物及び構築物304百万円、長期前払費用42百万円、差入保証金38百万円等であります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べて23百万円増加し、149百万円となりました。これは主に短期借入金の増加50百万円、未払金の減少35百万円、資産除去債務の増加12百万円等によるものであります。
流動負債は122百万円となりました。主な内容は短期借入金50百万円、未払金38百万円、未払法人税等32百万円等であります。固定負債は27百万円となりました。主な内容は資産除去債務21百万円、繰延税金負債5百万円であります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて226百万円増加し、2,147百万円となりました。これは主に第三者割当による新株発行、第15回新株予約権(行使価額修正条項付)及び行使価額修正条項付第17回新株予約権(行使指定条項付)の権利行使による新株発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ671百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純損失1,114百万円の計上に伴い利益剰余金のマイナスが1,114百万円拡大したこと等によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度の91.4%から変更がありませんでした。
② 経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は115百万円(前連結会計年度は169百万円)、研究開発費用とその他経費を合わせた販売費及び一般管理費は1,241百万円(前連結会計年度は1,792百万円)を計上しました。営業損失は1,130百万円(前連結会計年度は1,627百万円の損失)、営業外収益に受取賃貸料1百万円等、営業外費用に在外子会社の財務諸表項目の換算により生じた為替差損3百万円、第三者割当による新株発行、第15回新株予約権及び第17回新株予約権の行使による新株発行に係る発行手数料14百万円、株式交付費5百万円等により経常損失は1,152百万円(前連結会計年度は1,633百万円の損失)、特別利益として、持分法適用関連会社であった株式会社ケイ・エム トランスダームに対する貸付金返済に伴う貸倒引当金戻入額34百万円、経済産業省の「2019年度中小企業等外国出願支援事業」助成金収入2百万円、第9回新株予約権及び退職した従業員に係る新株予約権失効による新株予約権戻入益8百万円により、親会社株主に帰属する当期純損失は1,114百万円(前連結会計年度は1,616百万円の損失)となりました。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ401百万円増加し、1,812百万円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは、985百万円(前連結会計年度は1,546百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失が1,106百万円となったこと、減価償却費が55百万円になったこと、貸倒引当金戻入額が34百万円になったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは5百万円(前連結会計年度は252百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出39百万円、長期貸付金の回収による収入34百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得したキャッシュ・フローは1,393百万円(前連結会計年度は1,414百万円の収入)となりました。これは,主に短期借入れによる収入50百万円、第三者割当による株式発行による収入200百万円、新株予約権の発行による収入6百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,137百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループの製品は、すべて製造委託しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
| 事業の名称 | 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) |
| 医薬事業(製品売上高) | 6,126 | 25.2 | 7,493 | 45.5 |
| 合計 | 6,126 | 25.2 | 7,493 | 45.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
| 事業の名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 医薬事業(製品売上高) | 15,092 | 64.8 |
| 医薬事業(研究開発等収入) | 100,000 | 68.2 |
| 合計 | 115,092 | 67.8 |
(注) 1. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | ― | ― | 100,000 | 86.9 |
| Cipla Technologies, LLC | 122,781 | 72.3 | ― | ― |
| 第一三共株式会社 | 23,780 | 14.0 | ― | ― |
| 日本新薬株式会社 | 23,299 | 13.7 | ― | ― |
| 帝國製薬株式会社 | ― | ― | 15,092 | 13.1 |
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価や引当金の計上であり、これらの見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
創薬パイプライン型ベンチャーである当社グループにおいては、創薬パイプラインの製品化に向けた開発の進展、開発アセットの価値向上こそが、当社グループの企業価値向上に最も大きく寄与する最重要の経営課題であり経営指標であると認識しています。
最も開発が進んでいる「MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)”Lydolyte”」について、2020年8月にFDAに新薬承認申請して10月に受理されるという大きな進展がありました。標準的な事例からの推測として、2021年後半の審査完了・承認取得、2022年の上市を見込んでいます。また、共同開発契約を締結した株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所から、事業化進捗一時金(マイルストン収入)を受領しました。
「MRX-9FLT:中枢性鎮痛貼付剤(フェンタニルテープ剤)」についても開発が着実に進展し、2020年9月に最初の臨床試験結果を得ました。臨床試験により、MRX-9FLTが参照製品Duragesic®と同様の血中濃度推移を示すことが確認できました。また、in vitro(実験室レベル)や動物実験で確認してきた誤用事故防止機能についても、ヒトでの有用性を予備的に確認することができました。FDAとも協議しながら引き続き開発を進めてまいります。
また、無痛の自己接種が可能で従来の接種方法と比べて高い免疫応答が期待できる、ワクチン等の投与デバイスであるマイクロニードルについて、世界でまだ数ヶ所しかない医療用医薬品/ワクチン用途の治験薬工場を2020年4月より稼働させました。国内外の複数の製薬会社・ワクチンベンチャー等とフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら、事業提携を模索しています。
一方、計画どおりに進めることができなかった事案もあります。
「CPN-101(MRX-4TZT):痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)」について、COVID-19の全世界的な感染拡大の影響等により、2020年には臨床第Ⅱ相試験を開始するに至りませんでした。現在、臨床第Ⅱ相試験の準備を進めるのと並行して、ライセンス先であるCiplaとの間で今後の開発の進め方について協議しています。
「MRX-7MLL:アルツハイマー治療薬(メマンチン貼付剤)」について、非臨床試験は完了したものの、COVID-19の全世界的な感染拡大の影響等により、製造委託先の選定・技術移管に想定以上に時間を要しており、2020年には臨床試験を開始するに至りませんでした。治験薬製造が完了次第、治験許可申請(IND)をFDAに提出したいと考えています。
繰り返しになりますが、創薬パイプライン型ベンチャーである当社グループにおいては、創薬パイプラインの開発を一歩一歩進めて開発アセットの価値を高めていくことが、当社企業価値を最大化する唯一の道筋と考えています。医薬品の開発にはリスクがつきものですが、今後も開発パイプライン群のポートフォリオ構成に留意しつつ、早期の製品化に向けて積極的に開発を進めるとともに、製薬会社等との事業提携を模索してまいります。
未だ主要パイプラインが臨床開発段階にある創薬パイプライン型ベンチャーの当社グループとして、最重要視している財務指標は現有資金です。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,812百万円であり、当面の開発及び運転資金相当と考えています。今後も、提携済みパイプラインからのマイルストン収入や新たな事業提携による契約一時金収入等の事業収益と、適時適切な財務活動による資金調達を組み合わせて、開発資金の確保と中長期的企業価値の最大化を追求してまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、研究開発資金及び運転資金であります。
これらの資金は基本的に自己資金によっておりますが、必要に応じて増資や新株予約権の発行により資金を調達することとしております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。