四半期報告書-第19期第1四半期(令和2年1月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/05/14 15:01
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【項目】
34項目
本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結期間において、当社グループでは独自の経皮製剤技術であるILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)やNCTS®(Nano-sized Colloid Transdermal System)、並びにマイクロニードルアレイ技術を用いて、低分子から高分子に至る様々な有効成分の経皮吸収性を飛躍的に向上させることにより、新しい付加価値を持った医薬品を開発することを事業の中核に据え、「CPN-101(MRX-4TZT):痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)」「MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)」「MRX-9FLT:中枢性鎮痛貼付剤(フェンタニルテープ剤)」「MRX-1OXT:中枢性鎮痛貼付剤(オキシコドンテープ剤)」「MRX-7MLL:アルツハイマー治療薬(メマンチン含有貼付剤)」の自社起源パイプラインについて、製品化に向けた開発を推し進めてきました。また、後続パイプラインの研究開発及び提携候補先との契約交渉を行うなど、事業の拡大を図ってきました。
当社グループの主要パイプラインの開発進捗状況は、以下のとおりです。

<開発コード CPN-101(MRX-4TZT):痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)>ILTS®を用いて中枢性筋弛緩薬であるチザニジンのテープ型貼付剤を製剤開発したものです。2017年4月に、インドの製薬会社 Cipla Ltd.(インド マハーラーシュトラ州ムンバイ、CEO:Umang Vohra、以下「Cipla」という。)の米国100%子会社であるCipla USA Inc.(米国デラウエア州ウィルミントン、CEO:Nikhil Lalwani)との間で、CPN-101(MRX-4TZT)に関する世界的な開発・販売ライセンス契約(ただし、東アジアを除く)を締結しました。その後、Ciplaグループ内の再編により、契約相手先はCipla Technologies, LLC(米国カリフォルニア州サンディエゴ、CEO:Chandru Chawla、以下「Cipla Tech」という)に変更となっております。筋弛緩薬の経皮製剤が存在しない中、経皮製剤化することにより経口剤と比較して、有効血中濃度の持続性、眠気や口渇等の副作用の低減等の利点が期待されます。
2019年9月に臨床第I相反復PK(Pharmacokinetics)試験(P1b)において、事前に規定していた基準を満たした結果を得ました。この試験成功により、Cipla Techと締結している開発・販売ライセンス契約に基づいて、開発マイルストン100万米ドルを受領しました。今後の開発については、Cipla Techが主体となり臨床第Ⅱ相試験を準備中です。
<開発コード MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)>ILTS®を用いた新規のリドカインテープ剤であり、帯状疱疹後の神経疼痛を適応症としているリドカインパップ剤Lidoderm®の市場をターゲットとして、第一に米国で開発を進めている製品です。
2018年6月に先行指標品であるLidoderm®との検証的な比較臨床試験において、505b2開発過程の中で最も重要な指標であるLidoderm®との生物学的同等性を示す結果を得ました。2019年7月に貼付力評価試験において、新薬承認申請(NDA:New Drug Application)に必要な要件を満たし、先行指標品であるLidoderm®と比較して優れた貼付力を示す結果を得ました。2019年12月に皮膚刺激性試験において、連続貼付時の皮膚安全性を確認し、統計学的有意差をもってMRX-5LBTがLidoderm®より皮膚刺激が少ないことも確認されました。2020年1月に運動(12時間の貼付中にバイク運動を30分x4回実施)による影響を観察する臨床試験を実施し、MRX-5LBTは発汗を伴う運動時においても十分な貼付力を示し、運動時においてもLidoderm®と比べて優れた貼付力を保持することが示されました。これらの結果を合わせて考えると、MRX-5LBTは、先行指標品であるLidoderm®より「皮膚刺激性が少なく」「貼付力に優れ」「運動時においても貼付力を保持できる」より良い製品として市場浸透することが期待されます。
2020年2月に、米国規制当局であるアメリカ食品医薬品局(FDA : Food and Drug Administration)からNDAまでに要求されている臨床試験が全て完了しました。また、2020年4月に、株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(愛知県名古屋市、代表取締役社長 日高有一、D. Western Therapeutics Institute、以下「DWTI」という)と米国における共同開発契約を締結しました。この契約の目的は、DWTIが培ってきた医薬品開発に関する知見や経験をMRX-5LBTの開発・事業化に活かすとともに、当社グループの短期的な財務基盤を強化することにあります。今後はDWTIと共同でNDAに向けた準備を進め、予定通り2020年に新薬承認申請(NDA)する計画であり、2021年に承認取得を見込んでいます。米国におけるリドカイン貼付剤市場は、2018年において505億円(468 million USドル)と推計されています(出所:IQVIA)。
<開発コード MRX-9FLT:中枢性鎮痛貼付剤(フェンタニルテープ剤)>フェンタニルは、オピオイドの一種で、医療用麻薬に指定されており、米国においては重度の急性疼痛、慢性疼痛及び癌性疼痛に貼付剤としても広く使用されています。フェンタニル貼付剤においては、患者の使用後の貼付剤を幼児・小児が誤って噛んだり貼付したりすることで死亡する誤用事故が報告されており、米国で社会的な問題となっています。
当社グループではオピオイド貼付剤における誤用事故の抑制・防止を目的とした独自技術を開発しており、2019年5月に、その技術を適用したフェンタニルテープ剤についてFDAと面談会議を実施しました。その結果、幼児・小児の誤用事故防止機能を持った貼付剤の開発は重要で価値のあるゴールであることを、FDAとともに確認することができました。2020年3月末に、FDAに治験許可申請(IND:Investigational New Drug application)を提出しました。現在市販されているフェンタニル貼付剤によって引き起こされている誤用事故を減滅させることを目指して、MRX-9FLTの臨床開発を進めてまいります。米国におけるフェンタニル貼付剤市場は、2018年において340億円と推計されており(data source:IQVIA)、誤用事故防止という高付加価値化により、現市場の置き換えと市場拡大を企図しています。
<開発コード MRX-1OXT:中枢性鎮痛貼付剤(オキシコドンテープ剤)>ILTS®によって、経皮難吸収性の中枢性鎮痛薬であるオキシコドンの経皮浸透度を飛躍的に高めたテープ型貼付剤です。オピオイド貼付剤における乱用及び誤用の抑制・防止を目的として開発した当社独自の新たな経皮吸収型製剤技術AMRTS®(Abuse and Misuse Resistant Transdermal System)を用いたMRX-1OXTについて、2018年2月に、単回PK試験(P1a)においてMRX-1OXTは疼痛治療に十分な血中薬物濃度を実現できる可能性が高いことが示されました。P1a終了後は、製剤の粘着性等の改良を進めてきました。
米国では、オキシコドンを始めとする強い鎮痛作用を有するオピオイド鎮痛剤が大きな市場(2016年 約7,500億円、出所:FDA 2018年3月1日付“FDA Analysis of Long-Term Trends in Prescription Opioid Analgesic Products: Quantity, Sales, and Price Trends”より推計)を形成しています。その一方で、オピオイド鎮痛剤の乱用から2014年には200万人が薬物依存に陥り、オピオイド鎮痛剤の過量摂取により1999年から2015年にかけて18万人以上が死亡する等、オピオイドの乱用及び誤用事故が大きな社会問題となっており、トランプ米大統領がオピオイド乱用の蔓延について「公衆衛生の非常事態」を宣言するなど、米国政府・規制当局は重点的にその対策に取り組んでいます。そういった状況の下、オピオイド乱用について製薬会社に対する巨額訴訟が相次ぎ、2019年9月にはオキシコドン経口剤の最大手の製造販売元であったパーデュー・ファーマ社が補償負担に耐えかねて経営破綻に追い込まれる事態となる等、オピオイド系新薬についての製薬会社の開発・導入意欲は大きく減退しています。
当社では、AMRTS®を用いたMRX-1OXTはより安全で安定した疼痛管理をもたらすものと期待していますが、上記の導出環境の悪化を踏まえ、MRX-1OXTについては新薬承認取得しないと提携・事業化することは困難であるとの判断に至りました。そして、同じオピオイド貼付剤として、MRX-1OXTと比べて市場ポテンシャルは劣るものの、新薬承認取得可能性が高く、新薬承認取得までの開発費も少額と見込まれる、MRX-9FLTの開発を優先する方針としています。
<開発コード MRX-7MLL:アルツハイマー治療薬(メマンチン含有貼付剤)>当社では、ILTS®とは別に、薬物をナノコロイド化することにより経皮吸収性を飛躍的に向上させる独自の経皮製剤技術NCTS®を用いた経皮吸収型医薬品の研究開発にも取り組んでいます。MRX-7MLLは、NCTS®を用いてアルツハイマー治療薬であるメマンチンを含有した貼付剤を製剤開発したものです。2018年12月に、治験前相談(pre IND meeting)に対する回答を米国規制当局であるFDAより入手し、当社グループが示した非臨床試験内容で第1相臨床試験を開始するのに十分であることが確認されました。また、新薬承認取得に向けて、メマンチン経口剤との生物学的同等性を示すことができれば、MRX-7MLLの有効性を示す臨床試験(第2相臨床試験、第3相臨床試験)は必要ではないことも確認されました。これにより、早期の新薬承認申請(NDA)が可能になったと考えています。
米国での臨床試験を実施するための非臨床試験が完了し、現在、商業生産までを見越した製造委託先を選定中です。治験薬製造が完了次第、治験許可申請(IND)をFDAに提出予定です。
2017年において米国アルツハイマー治療薬市場は約1,500億円であり、そのうちメマンチン経口剤が約750億円を占めています(出所:Datamonitor Healthcare by Informa PLC)。1日1回の経口剤に対して、アルツハイマー患者さん及びケアに当たるご家族や医療従事者が投薬状況を目視確認できる、3日に1回あるいは1週間に1回の貼付剤という選択肢を提供することにより、アルツハイマー患者さん及びケアに当たるご家族や医療従事者のQOL(quality of life)及びコンプライアンスの向上(飲み忘れ等の防止)に貢献したいと考えています。
<マイクロニードルアレイ>マイクロニードルアレイ(Micro Needle array、以下「MN」という)とは、生体分解性樹脂等から成る数百μmの微小針の集合体で、当社開発品は生け花に用いる剣山を数百μmレベルに縮小したような形状です。MNは、注射しか投与手段のないワクチンや核酸医薬・タンパク医薬等の無痛経皮自己投与を可能にし、またワクチンや免疫性疾患においては従来の注射剤と比べて高い免疫効果が期待される、有望な投与デバイスとして注目されています。
資金不足のため計画を中断していたMN治験薬工場について、2019年度の売上収入を充当して整備を進め、2020年4月に稼働開始しました。臨床試験等においてヒトに投与できるGMP(Good Manufacturing Practice)規格品を製造できる体制が整っています。現在、量産化に向けた技術開発と並行して、国内外の複数の製薬会社・ワクチンベンチャー等とフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら、事業提携を模索しています。
当社グループでは、自己接種可能なワクチンMN製剤が、パンデミック発生時の医療体制堅持や医療インフラ未整備地域での公衆衛生向上に貢献できるものと確信しており、実用化に向けた研究開発に取り組んでいます。
上述した開発候補品以外にも、製薬会社等と共同で、あるいは当社グループ独自で医薬品等の製剤開発を進めています。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高はなく(前年同期は18百万円)、研究開発費用とその他経費を合わせた販売費及び一般管理費は305百万円(前年同期は495百万円)を計上しました。営業損失は305百万円(前年同期は479百万円)、営業外収益に受取賃貸料1百万円等、営業外費用に主に第15回新株予約権の発行に係る株式交付費等1百万円により経常損失は307百万円(前年同期は484百万円)、特別利益として経済産業省の「2019年度中小企業等外国出願略支援事業」助成金収入2百万円、新株予約権の消滅に伴う戻入益3百万円により親会社株主に帰属する四半期純損失は302百万円(前年同期は467百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3百万円減少し、2,044百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純損失302百万円を計上したものの、第15回新株予約権の権利行使による払込み352百万円等により現金及び預金が54百万円増加したこと、および 未収入金が27百万円減少したこと、前渡金が13百万円減少したこと等によるものであります。
流動資産は1,504百万円となりました。主な内容は、現金及び預金1,465百万円等であります。固定資産は539百万円で、主な内容は建物及び構築物169百万円、機械装置及び運搬具23百万円、工具、器具及び備品13百万円、建設仮勘定257百万円等であります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べて51百万円減少し、75百万円となりました。これは主に未払金の減少28百万円、未払法人税等の減少20百万円等によるものであります。
流動負債は64百万円となりました。主な内容は未払金46百万円、未払法人税等17百万円等であります。固定負債は10百万円となりました。主な内容は資産除去債務9百万円等であります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて47百万円増加し、1,968百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失302百万円により利益剰余金のマイナスが302百万円拡大し、第15回新株予約権の権利行使により資本金、資本剰余金がそれぞれ176百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の91.4%から94.1%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は232万円であります。
(5) 主要な設備
該当はありません。
(6) 継続企業の前提に関する重要な事象を解消するための対応策
当社グループには、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が当第1四半期連結累計期間において存在していると判断しておりますが、2013年2月13日の東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う資金調達及び上場以降適時に実施してまいりました資金調達により、研究開発活動を展開するための資金は確保できており、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識しております。また、提携済みパイプラインからのマイルストン収入や新たな事業提携による契約一時金収入等の事業収益と、適時適切な財務活動による資金調達を組み合わせて、事業基盤並びに財務基盤の強化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。

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