有価証券報告書-第17期(2022/01/01-2022/12/31)
有報資料
(1) 経営方針
当社グループでは、「医療のあり方や患者さんの人生に変革をもたらす次世代医薬品の創出」をグループ全体のミッションとして掲げております。当社の独自技術である世界最先端の創薬プラットフォームシステムPDPS(Peptide Discovery Platform System)を基盤に、革新的医薬品の研究開発を先導するとともに、放射性医薬品領域におけるPDRファーマの有する専門性を融合することで人々の健康と医療の発展に貢献し、全世界の病気で苦しんでいる方に「ありがとう」と言ってもらえる仕事に取り組んでまいります。
(2) 経営戦略等
創薬開発事業における当社独自のPDPSを活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発契約、②PDPS技術ライセンス、③戦略的提携/自社創薬の拡充を進めてまいりました。現在は、非臨床ステージにおける自社ケイパビリティ拡張によって、自社パイプラインの開発を加速させるとともに、より一層、パートナー企業の多様なニーズに応えることができる体制を構築しております。また、医薬品やPDC領域での有望な自社独自ターゲットを含めて、自社の強みを活かせる領域において戦略的、選択的に面の拡大を進めてまいります。特殊環状ペプチドの可能性については、従来の医薬品や診断薬の領域のみならず、広くヘルスケア領域全般で期待が寄せられており、当社ビジネスモデルとフィットの観点から優先順位を付けつつ、その可能性を最大化してまいります。
放射性医薬品事業については、PDRファーマにて放射性医薬品の研究・開発・製造・販売を行っております。ペプチドリームとPDRファーマの技術、ノウハウ及び提携ネットワーク等を融合し、RI-PDC(ペプチド-放射性核種複合体)を含む新たな放射性医薬品の創出、海外からの有望な放射性医薬品の導入等を進め、放射性医薬品事業の拡大を図っております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、収益性の向上を目指しており、経営指標として売上収益、Core営業利益及びCore営業利益率を重視しております。2023年12月期は売上収益30,000百万円、Core営業利益6,700百万円、売上収益Core営業利益率22.3%を目標としております。
(4) 会社の対処すべき課題
1. 創薬開発事業
当社グループの創薬開発事業においては、①創薬開発パイプラインのステージアップ及び臨床開発入り、②PDCプログラム及びMPCプログラムのさらなる拡大、の2つを戦略フォーカスとしております。
当社は創薬開発に注力しており、前臨床・臨床パイプラインを拡充することが当社の価値向上に重要であると考えております。現在、当社では4件の臨床プログラムが進行しております。2022年4月には、Bristol Myers Squibb(BMS社)との間で進めている次世代PD-L1阻害剤の第1相試験が新たに開始いたしました。当プログラムは、両社が進めているPD-L1のイメージング剤(RI-PDC)と同時に開発が実施されております。BHV-1100(CD38-ARMTM)では、Biohaven社と共同で現在多発性骨髄腫の患者を対象に第1a/1b相臨床試験を実施しております。また、2022年8月には、2022年2月に開始した新型コロナウイルス感染症治療薬候補であるPA-001プログラムでは、国内での臨床研究において安全性・薬物動態に関する良好な結果が確認されております。臨床プログラムをさらに拡大するためには、当社の前臨床段階のパイプラインから新たな臨床/開発候補化合物を選定することが重要と考えております。2022年5月にAmolyt社は成長ホルモン受容体拮抗薬のプログラムの開発候補化合物について研究成果を発表しました。Amolyt社は当プログラムの2023年上期中の臨床入りを計画しております。2022年12月に当社はRayzeBio社と共同開発を行っているRI-PDCプログラムの1つにおいて開発候補化合物を選定したことを発表いたしました。今後、当プログラムの臨床開発を進めていく計画です。また、リード化合物-GLP安全性試験ステージのプログラム数が対前年同期比で7個増加し、現在25個のプログラムが進められております。これらのプログラムの中から新たな臨床候補化合物の選定を進めていきたいと考えております。また今後は、新たなプログラム数の拡大は最小限としつつ、研究後期プログラムのステージアップ加速にリソースを重点的に配分していくことを計画しております。
前臨床段階パイプラインの臨床入りを加速していくことに加え、PDCプログラム及びMPCプログラムを自社開発及び提携を通じて推進していくことも重要と考えております。全世界的に当該領域への関心が高まっていることから、この戦略フォーカスにより当社のさらなる成長が見込めると考えております。2022年12月には、新たに2つのPDCプログラムの共同研究及びライセンス契約締結を発表いたしました。これまでの核酸PDCやRI-PDCに加えて、新たに細胞傷害性ペイロードとの組み合わせによるPDCプログラムを開始し、PDCアプローチの幅が着々と拡大しつつあります。これらの提携は、短期的な企業価値向上に資するとともに中長期的な成長にも貢献するものと期待しております。さらに、放射性医薬品事業とのシナジーを最大化するため、当社は複数のRI-PDCプログラムの前臨床試験を実施し、早期の臨床入りに向けた取り組みを進めております。
当社の創薬開発事業では、下表の中期目標達成に向けて各種取組みを進めております。これらの目標達成に向けて、当社は前臨床プログラムを拡大し推進するための継続的な取組みとリソース投入を行っております。戦略的提携パートナーや共同研究開発パートナーとの連携により臨床入りを加速するとともに、当社のプログラムに関心を持つパートナー候補先との新たな提携を構築してまいります。また、こうした取組みを支える高い専門性をもつ人財についても積極的な採用を継続してまいります。当社は、こうした取組みを通じて「Drug Discovery Powerhouse」としての立ち位置を強固なものとし、グローバルな創薬エコシステムの中心的ハブであり続けることが重要と考えております。
※1 PDRファーマのパイプラインは含みません
※2 治療薬以外の製品、及び診断薬は含みません
また、今後の5年間で「Drug Discovery Powerhouse」としての基盤をしっかりと確立していくため、以下の5つの重点目標に向けた取組みを推進してまいります。
①ペプチド創薬におけるエコシステム&パートナーネットワークの発展拡大をリードし、その中心的ハブとしての当社の役割を継続的に拡大
②「世界で最も広く活用される創薬基盤技術」として、当社独自のペプチド創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)のライセンス先を継続的に拡大
③安全安心でかつ多様性を尊重し合う職場環境の中、すべての社員が新たなチャレンジへの機会を与えられ、その能力を最大限発揮できる「最高の場」を実現
④機動性の高い経営体制を推進するとともに、規範遵守や執行の監督機能とのバランス、及び社内外ステークホルダーとの継続的対話による透明性の高い経営を実現
⑤社会全体の持続的成長に向けて事業活動の効率化を促進し、水や廃棄物の環境負荷を最小化するとともに、2026年までに自社事業活動の「カーボンニュートラル」を実現
2. 放射性医薬品事業
当社グループの放射性医薬品事業においては、①既存製品の価値最大化、②今後成長が期待される中枢神経領域での事業拡大、③がん領域を中心に中長期的な成長を牽引する新たな放射性治療薬の開発、の3つを戦略フォーカスとしております。
既存のSPECT製品では、効能追加や剤形追加、及び診断支援ソフトウェアの機能強化等による価値最大化を進めてまいります。2022年11月には、Lilly社との間でアルツハイマー型認知症のPET診断薬であるflortaucipir(18F)に関する日本における共同開発契約の締結を発表いたしました。既存の脳内アミロイドβプラーク可視化を行うPET診断薬であるアミヴィッド®静注に加えて、脳内の異常蓄積タウタンパク質による神経原線維変化(NFTs)を可視化するPET診断薬であるflortaucipir(18F)は、アルツハイマー領域のPET診断の2大分野とも言われており、両製品を有することで、認知症の恐れがある患者さんの病態把握に有用な情報を患者さんならびに医療関係者に提供することが可能となります。また、放射性医薬品事業において今後中枢神経領域での事業範囲を拡大していく上でも重要な布石になるものと考えております。
中長期では、がん領域を中心とする新たな放射性治療薬の開発が成長を牽引していくものと考えております。当社グループは、日本国内で放射性医薬品を開発・製造・販売するためのインフラや専門性、新規の放射性治療薬を創製・開発する技術や専門性、さらにこれまでに構築してきた強力なグローバルネットワークを活用し、継続的に開発パイプラインや製品ポートフォリオを拡大していくビジネスモデルを構築しております。これまでは、放射性医薬品市場は製品間の差別化要素が大きくないとされる診断薬が市場の多くを占めていたこともあり、同質製品間でのシェア争奪競争が中心でした。新たな放射性医薬品の時代に入り、特に治療薬を中心に有効性等の製品力による市場競争が中心になってくるものと考えております。当社グループは、革新的治療薬・診断薬の開発を積極的に進めていくことで、当該分野における医療の進歩に大きく貢献し、国内放射性医薬品No.1企業を目指してまいります。

当該事業は、2022年3月にPDRファーマが当社グループに参画する以前は継続的に赤字が続いていたこともあり、初年度となる2022年12月期では、継続赤字からの脱却と成長性の高いビジネスモデルへの転換を戦略フォーカスとして実行してまいりました。次の5年間は「投資期」と位置づけ、既存製品の価値最大化やPET新製品による一次成長を実現するとともに、収益増分は中長期的な成長最大化に向けて治療薬開発や設備/人財などへの再投資に回していくことが重要と考えております。また6年目以降は「収穫期」と位置づけ、治療薬新製品による二次成長とともに、当社グループの独自性でもあるパイプライン拡充モデルによるシナジーの本格的な具現化を進めていきたいと考えております。

当社グループ全体の中長期プランでは、短期的には300億円の連結売上収益を達成し、中長期的には1,000億円規模のグループ売上収益を目指してまいります。現行の経営体制に移行した2018年度以降、当初の4年間は共同研究開発プログラム数の拡大を軸に、安定的な成長を実現しながらも100億円超の売上収益の達成に必要な足場づくりを着々と進めてまいりました。今後は、化合物のライセンス収入や研究後期プログラムの進捗に伴う臨床/承認マイルストーン収入、売上ロイヤルティなど、創薬開発パイプラインからのより直接的な収益貢献によって成長を加速していくことが重要と考えております。また、当社がこれまで注力してきたPDCプログラムに関して、放射性医薬品事業(PDRファーマ)とのシナジー最大化も重要な成長の柱になっていくものと考えております。

当社グループでは、「医療のあり方や患者さんの人生に変革をもたらす次世代医薬品の創出」をグループ全体のミッションとして掲げております。当社の独自技術である世界最先端の創薬プラットフォームシステムPDPS(Peptide Discovery Platform System)を基盤に、革新的医薬品の研究開発を先導するとともに、放射性医薬品領域におけるPDRファーマの有する専門性を融合することで人々の健康と医療の発展に貢献し、全世界の病気で苦しんでいる方に「ありがとう」と言ってもらえる仕事に取り組んでまいります。
(2) 経営戦略等
創薬開発事業における当社独自のPDPSを活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発契約、②PDPS技術ライセンス、③戦略的提携/自社創薬の拡充を進めてまいりました。現在は、非臨床ステージにおける自社ケイパビリティ拡張によって、自社パイプラインの開発を加速させるとともに、より一層、パートナー企業の多様なニーズに応えることができる体制を構築しております。また、医薬品やPDC領域での有望な自社独自ターゲットを含めて、自社の強みを活かせる領域において戦略的、選択的に面の拡大を進めてまいります。特殊環状ペプチドの可能性については、従来の医薬品や診断薬の領域のみならず、広くヘルスケア領域全般で期待が寄せられており、当社ビジネスモデルとフィットの観点から優先順位を付けつつ、その可能性を最大化してまいります。
放射性医薬品事業については、PDRファーマにて放射性医薬品の研究・開発・製造・販売を行っております。ペプチドリームとPDRファーマの技術、ノウハウ及び提携ネットワーク等を融合し、RI-PDC(ペプチド-放射性核種複合体)を含む新たな放射性医薬品の創出、海外からの有望な放射性医薬品の導入等を進め、放射性医薬品事業の拡大を図っております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、収益性の向上を目指しており、経営指標として売上収益、Core営業利益及びCore営業利益率を重視しております。2023年12月期は売上収益30,000百万円、Core営業利益6,700百万円、売上収益Core営業利益率22.3%を目標としております。
(4) 会社の対処すべき課題
1. 創薬開発事業
当社グループの創薬開発事業においては、①創薬開発パイプラインのステージアップ及び臨床開発入り、②PDCプログラム及びMPCプログラムのさらなる拡大、の2つを戦略フォーカスとしております。
当社は創薬開発に注力しており、前臨床・臨床パイプラインを拡充することが当社の価値向上に重要であると考えております。現在、当社では4件の臨床プログラムが進行しております。2022年4月には、Bristol Myers Squibb(BMS社)との間で進めている次世代PD-L1阻害剤の第1相試験が新たに開始いたしました。当プログラムは、両社が進めているPD-L1のイメージング剤(RI-PDC)と同時に開発が実施されております。BHV-1100(CD38-ARMTM)では、Biohaven社と共同で現在多発性骨髄腫の患者を対象に第1a/1b相臨床試験を実施しております。また、2022年8月には、2022年2月に開始した新型コロナウイルス感染症治療薬候補であるPA-001プログラムでは、国内での臨床研究において安全性・薬物動態に関する良好な結果が確認されております。臨床プログラムをさらに拡大するためには、当社の前臨床段階のパイプラインから新たな臨床/開発候補化合物を選定することが重要と考えております。2022年5月にAmolyt社は成長ホルモン受容体拮抗薬のプログラムの開発候補化合物について研究成果を発表しました。Amolyt社は当プログラムの2023年上期中の臨床入りを計画しております。2022年12月に当社はRayzeBio社と共同開発を行っているRI-PDCプログラムの1つにおいて開発候補化合物を選定したことを発表いたしました。今後、当プログラムの臨床開発を進めていく計画です。また、リード化合物-GLP安全性試験ステージのプログラム数が対前年同期比で7個増加し、現在25個のプログラムが進められております。これらのプログラムの中から新たな臨床候補化合物の選定を進めていきたいと考えております。また今後は、新たなプログラム数の拡大は最小限としつつ、研究後期プログラムのステージアップ加速にリソースを重点的に配分していくことを計画しております。
前臨床段階パイプラインの臨床入りを加速していくことに加え、PDCプログラム及びMPCプログラムを自社開発及び提携を通じて推進していくことも重要と考えております。全世界的に当該領域への関心が高まっていることから、この戦略フォーカスにより当社のさらなる成長が見込めると考えております。2022年12月には、新たに2つのPDCプログラムの共同研究及びライセンス契約締結を発表いたしました。これまでの核酸PDCやRI-PDCに加えて、新たに細胞傷害性ペイロードとの組み合わせによるPDCプログラムを開始し、PDCアプローチの幅が着々と拡大しつつあります。これらの提携は、短期的な企業価値向上に資するとともに中長期的な成長にも貢献するものと期待しております。さらに、放射性医薬品事業とのシナジーを最大化するため、当社は複数のRI-PDCプログラムの前臨床試験を実施し、早期の臨床入りに向けた取り組みを進めております。
当社の創薬開発事業では、下表の中期目標達成に向けて各種取組みを進めております。これらの目標達成に向けて、当社は前臨床プログラムを拡大し推進するための継続的な取組みとリソース投入を行っております。戦略的提携パートナーや共同研究開発パートナーとの連携により臨床入りを加速するとともに、当社のプログラムに関心を持つパートナー候補先との新たな提携を構築してまいります。また、こうした取組みを支える高い専門性をもつ人財についても積極的な採用を継続してまいります。当社は、こうした取組みを通じて「Drug Discovery Powerhouse」としての立ち位置を強固なものとし、グローバルな創薬エコシステムの中心的ハブであり続けることが重要と考えております。
| 創薬開発事業における中期目標(2026年12月期末)※1 | 2022年12月末時点 | |
| (1)治療薬の上市品数※2 | 4件以上 | 0件 |
| (2)臨床開発プログラム数 | 32件以上 | 4件 |
| (3)創薬研究プログラム数 | 160件以上 | 122件 |
| (4)2026年12月期末時点の人員数 | 220名以上 | 203名 |
| (5)「Drug Discovery Powerhouse」としての基盤確立 | ||
※1 PDRファーマのパイプラインは含みません
※2 治療薬以外の製品、及び診断薬は含みません
また、今後の5年間で「Drug Discovery Powerhouse」としての基盤をしっかりと確立していくため、以下の5つの重点目標に向けた取組みを推進してまいります。
①ペプチド創薬におけるエコシステム&パートナーネットワークの発展拡大をリードし、その中心的ハブとしての当社の役割を継続的に拡大
②「世界で最も広く活用される創薬基盤技術」として、当社独自のペプチド創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)のライセンス先を継続的に拡大
③安全安心でかつ多様性を尊重し合う職場環境の中、すべての社員が新たなチャレンジへの機会を与えられ、その能力を最大限発揮できる「最高の場」を実現
④機動性の高い経営体制を推進するとともに、規範遵守や執行の監督機能とのバランス、及び社内外ステークホルダーとの継続的対話による透明性の高い経営を実現
⑤社会全体の持続的成長に向けて事業活動の効率化を促進し、水や廃棄物の環境負荷を最小化するとともに、2026年までに自社事業活動の「カーボンニュートラル」を実現
2. 放射性医薬品事業
当社グループの放射性医薬品事業においては、①既存製品の価値最大化、②今後成長が期待される中枢神経領域での事業拡大、③がん領域を中心に中長期的な成長を牽引する新たな放射性治療薬の開発、の3つを戦略フォーカスとしております。
既存のSPECT製品では、効能追加や剤形追加、及び診断支援ソフトウェアの機能強化等による価値最大化を進めてまいります。2022年11月には、Lilly社との間でアルツハイマー型認知症のPET診断薬であるflortaucipir(18F)に関する日本における共同開発契約の締結を発表いたしました。既存の脳内アミロイドβプラーク可視化を行うPET診断薬であるアミヴィッド®静注に加えて、脳内の異常蓄積タウタンパク質による神経原線維変化(NFTs)を可視化するPET診断薬であるflortaucipir(18F)は、アルツハイマー領域のPET診断の2大分野とも言われており、両製品を有することで、認知症の恐れがある患者さんの病態把握に有用な情報を患者さんならびに医療関係者に提供することが可能となります。また、放射性医薬品事業において今後中枢神経領域での事業範囲を拡大していく上でも重要な布石になるものと考えております。
中長期では、がん領域を中心とする新たな放射性治療薬の開発が成長を牽引していくものと考えております。当社グループは、日本国内で放射性医薬品を開発・製造・販売するためのインフラや専門性、新規の放射性治療薬を創製・開発する技術や専門性、さらにこれまでに構築してきた強力なグローバルネットワークを活用し、継続的に開発パイプラインや製品ポートフォリオを拡大していくビジネスモデルを構築しております。これまでは、放射性医薬品市場は製品間の差別化要素が大きくないとされる診断薬が市場の多くを占めていたこともあり、同質製品間でのシェア争奪競争が中心でした。新たな放射性医薬品の時代に入り、特に治療薬を中心に有効性等の製品力による市場競争が中心になってくるものと考えております。当社グループは、革新的治療薬・診断薬の開発を積極的に進めていくことで、当該分野における医療の進歩に大きく貢献し、国内放射性医薬品No.1企業を目指してまいります。

当該事業は、2022年3月にPDRファーマが当社グループに参画する以前は継続的に赤字が続いていたこともあり、初年度となる2022年12月期では、継続赤字からの脱却と成長性の高いビジネスモデルへの転換を戦略フォーカスとして実行してまいりました。次の5年間は「投資期」と位置づけ、既存製品の価値最大化やPET新製品による一次成長を実現するとともに、収益増分は中長期的な成長最大化に向けて治療薬開発や設備/人財などへの再投資に回していくことが重要と考えております。また6年目以降は「収穫期」と位置づけ、治療薬新製品による二次成長とともに、当社グループの独自性でもあるパイプライン拡充モデルによるシナジーの本格的な具現化を進めていきたいと考えております。

当社グループ全体の中長期プランでは、短期的には300億円の連結売上収益を達成し、中長期的には1,000億円規模のグループ売上収益を目指してまいります。現行の経営体制に移行した2018年度以降、当初の4年間は共同研究開発プログラム数の拡大を軸に、安定的な成長を実現しながらも100億円超の売上収益の達成に必要な足場づくりを着々と進めてまいりました。今後は、化合物のライセンス収入や研究後期プログラムの進捗に伴う臨床/承認マイルストーン収入、売上ロイヤルティなど、創薬開発パイプラインからのより直接的な収益貢献によって成長を加速していくことが重要と考えております。また、当社がこれまで注力してきたPDCプログラムに関して、放射性医薬品事業(PDRファーマ)とのシナジー最大化も重要な成長の柱になっていくものと考えております。
