有価証券報告書-第16期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、山海嘉之が創出したサイバニクス技術を駆使して、社会が直面する様々な課題を解決するため、革新技術(イノベーション技術)の創出と基礎的研究開発から社会実装までを一貫した事業スキームとして事業展開します。即ち、革新技術の創生と新産業(サイバニクス産業)創出による市場開拓、これらの挑戦を通じた人材育成の3本柱を上向きにスパイラルを描くように同時展開する未来開拓型企業を目指しています。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、研究開発型企業として革新的製品の研究開発や臨床・実証研究及び各種認証取得を推進し、その製品の上市やサービス展開によって収益を確保することにより、持続的な成長を図ってまいります。
当社グループでは、経営上の重要な非財務指標として、HAL®等の稼働台数を活用しています。
当社グループの主たる収益源は、HAL®等のレンタル・保守に係る売上であり、レンタル・保守契約に係る売上は、レンタル期間にわたり収益が計上されるため、翌会計年度以降にわたる継続的な収益計上が見込まれます。
当社グループは、現在の業績や将来の見通しを把握することを目的として、HAL®等の稼働台数を取締役会へ報告しています。
最近5年間のHAL®等の稼働台数の推移は、本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④ 経営上の重要な非財務指標」に記載のとおりです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、IoH/IoT(ヒトとモノのインターネット)、ロボット、AIによるサイバニクス技術で医療、福祉、生活、職場、生産を繋ぎ、社会が直面する課題解決を実現する「サイバニクス産業」という人・ロボット・情報系が複合融合した新産業の創出を事業としています。当社グループは、「サイバニクス産業」の創出の加速に向けて、研究・製品開発、事業推進並びに事業連携を同時並行で進めていますが、対処すべき課題は、次のように考えています。
① 新型コロナウィルス感染症の影響に対する新たな取り組み
新型コロナウィルス感染症の影響により人々の行動や生活様式がパラダイムシフト的に変化する中にあって、当社グループのサイバニクス技術は、コロナ問題の社会課題の解決に有用な技術であり、すでに様々なソリューションを提供しています。当社グループは、現在、感染リスクの高い医療現場でも遠隔からサポートできるサイバニック・デバイス(医療分野)、外出自粛の環境下におけるフレイル・ロコモ予防のための個人向けの在宅プログラム(福祉分野)、空港や駅などの交通インフラにおいて世界最先端の自律走行技術を搭載した除菌消毒作業ロボット(生活・職場分野)など、様々な分野において当社のサイバニクス技術を投入しています。当社グループは、新型コロナウィルス感染症の感染拡大収束後においても、革新的サイバニクス技術を駆使して、「人」+「サイバーフィジカル空間」が融合した未来社会「Society5.0/5.1」の実現をより一層加速してまいります。
② 革新技術・新産業創出のための研究・製品開発
当社グループが目指す「サイバニクス産業」の創出のためには、IoH/IoT(ヒトとモノのインターネット)、ロボット、AIによるサイバニクス技術で、社会が直面する課題解決を実現するための継続的な研究開発・製品開発が必要となります。当社の先端技術の独自性と優位性は、人の内的情報(脳神経情報・生理情報など)に加えて、人の外的情報(行動情報・生活情報など)や環境情報をスーパーコンピュータで一体的に繋げる点にあります。当社グループは、国内外の大学・研究機関、医療機関、行政機関、企業等と連携し、引き続き、最先端サイバニクス技術を駆使したサイバニックシステム(サイバニックデバイス、サイバニックインタフェースなど)の研究開発・製品開発、さらにサイバニックシステムから得られるIoH/IoTビッグデータの集積・解析・AI処理を実現する統合サイバニックシステムの構築を推進してまいります。

③ サイバニクス治療の臨床試験の推進
HAL®を利用した脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進するサイバニクス治療のグローバルな標準治療化のために、各種臨床試験を通じてサイバニクス治療の有効性と安全性を確認しています。日本においては、2015年11月にHAL®医療用下肢タイプが8つの神経・筋難病疾患に対して「新医療機器」として製造販売承認を取得していますが、市販後の使用成績調査を継続しています(2020年度中に終了予定)。また、脳卒中については、HAL®医療用下肢タイプ(単脚モデル)を用いて、医療機器承認のための医師主導治験が2016年9月より進行しており、2020年12月に終了する予定です。当社グループは、国内外での適用疾患の拡大や他のタイプのHAL®(単関節タイプや腰タイプ)の医療機器化に向けて、国内外の主要な医療機関との連携を強化して、各種臨床試験を推進してまいります。

④ グローバルでの医療機器承認の取得
HAL®のグローバル展開に向けては、世界各国における医療機器の承認取得が必要となります。HAL®「下肢タイプ」は、2017年12月の米国食品医薬品局(FDA)による医療機器承認を契機に、APAC(アジア太平洋)の主要国を中心に医療機器化を推進しており、2019年10月以降、マレーシア、タイ、インドネシアで医療機器承認を取得しており、台湾やシンガポールやトルコでは医療機器承認のための審査が進行中です。また、HAL®「単関節タイプ」は、2019年10月に、第三者認証機関であるTÜV Rheinlandより医療機器の認証(欧州医療機器指令への適合に対する認証)を取得し、米国やAPACの主要国でも医療機器化の準備を進めています。さらに、HAL®「腰タイプ」については、2019年11月に、台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)への医療機器登録を完了し、欧米の他に、APACの主要国(タイ、マレーシア、インドネシアなど)でも必要な許認可取得の準備を進めています。
⑤ 世界各国での保険適用
HAL®のグローバルでの普及拡大を進めるためには、各国における公的及び民間保険の適用が必要となります。日本では、HAL®医療用下肢タイプ(両脚モデル)について、8つ神経・筋難病疾患に対して2016年9月から公的医療保険による治療が開始されており、脳卒中その他の疾患への適用拡大に向け、治験や臨床試験が進んでいます。また、並行して民間保険会社とも連携し、医療保険及び介護保険(大同生命)や損害保険(AIG、損保ジャパン)への適用や付帯が始まっています。米国では、民間保険の適用に向けて、Mayo Clinicなど臨床研究面でのパートナー医療機関との連携を進めています。欧州では、EU最大の医療機器市場であるドイツにおいて、HAL®医療用下肢タイプによる治療費の全額が公的労災保険に収載されていますが、公的医療保険の適用を目指し、各種手続きを進めています。また、ドイツやポーランドでは、脊髄損傷患者に対して大手民間保険会社による保険適用が開始されていますが、引き続き各国の民間保険会社との協議を進めてまいります。
⑥ 自立支援のための個人向けサービス強化
現在、日本は超高齢社会となり、65歳以上の高齢者が2018年10月1日現在約3,558万人(総人口の28.1%)、介護保険制度における要介護者又は要支援者は2016年度末で約618.7万人(※)となっており、年々増加傾向にあります。当社グループは、主に高齢者の要介護度の改善や重度化防止及び加齢による身体機能が低下するフレイルの予防や自立維持に向けて、歩行機能向上の促進を目的とする「下肢タイプ」、肘・膝の関節運動に対応した「単関節タイプ」、体幹・下肢機能向上の促進を目的とする「腰タイプ」など様々な種類のHAL®自立支援用を展開しています。HAL®を使用した脳・神経・筋系の機能改善を促す「Neuro HALFIT」プログラムを提供するロボケアセンターの拠点拡大に加えて、2020年4月より開始した、自宅で「Neuro HALFIT」ができる新たな個人向けサービスの更なる充実を図ることにより、個人の方に対して、日常的に脳神経・筋系の機能の向上を促し、自立度を高め、要介護予防をサポートする取り組みを進めてまいります。
⑦ 事業推進体制の強化及び人材の育成
当社グループは、「サイバニクス産業」の創出を推進する経営・営業・研究開発・生産体制の強化及び次世代の人材育成を進める必要があります。「サイバニクス産業」創出の担い手である当社グループの社員には、出口指向の発想力、自分の責任領域にこだわらない適応性・柔軟性、そして目標達成の観点から必要とあれば、たとえ異分野であってもその専門家となって推進する突出した能力が求められています。当社グループは、今後の事業拡大に合わせて、十分な体制を維持・強化すべく、多種多様な分野において優れた知見と才能を持つ人材を集積し、研究開発から社会実装までを機能横断の全社視点でグローバルに一貫して推進する体制とすることにより、人材の育成を図ってまいります。
※ 出典 内閣府「令和元年版 高齢社会白書」
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、山海嘉之が創出したサイバニクス技術を駆使して、社会が直面する様々な課題を解決するため、革新技術(イノベーション技術)の創出と基礎的研究開発から社会実装までを一貫した事業スキームとして事業展開します。即ち、革新技術の創生と新産業(サイバニクス産業)創出による市場開拓、これらの挑戦を通じた人材育成の3本柱を上向きにスパイラルを描くように同時展開する未来開拓型企業を目指しています。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、研究開発型企業として革新的製品の研究開発や臨床・実証研究及び各種認証取得を推進し、その製品の上市やサービス展開によって収益を確保することにより、持続的な成長を図ってまいります。
当社グループでは、経営上の重要な非財務指標として、HAL®等の稼働台数を活用しています。
当社グループの主たる収益源は、HAL®等のレンタル・保守に係る売上であり、レンタル・保守契約に係る売上は、レンタル期間にわたり収益が計上されるため、翌会計年度以降にわたる継続的な収益計上が見込まれます。
当社グループは、現在の業績や将来の見通しを把握することを目的として、HAL®等の稼働台数を取締役会へ報告しています。
最近5年間のHAL®等の稼働台数の推移は、本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④ 経営上の重要な非財務指標」に記載のとおりです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、IoH/IoT(ヒトとモノのインターネット)、ロボット、AIによるサイバニクス技術で医療、福祉、生活、職場、生産を繋ぎ、社会が直面する課題解決を実現する「サイバニクス産業」という人・ロボット・情報系が複合融合した新産業の創出を事業としています。当社グループは、「サイバニクス産業」の創出の加速に向けて、研究・製品開発、事業推進並びに事業連携を同時並行で進めていますが、対処すべき課題は、次のように考えています。
① 新型コロナウィルス感染症の影響に対する新たな取り組み
新型コロナウィルス感染症の影響により人々の行動や生活様式がパラダイムシフト的に変化する中にあって、当社グループのサイバニクス技術は、コロナ問題の社会課題の解決に有用な技術であり、すでに様々なソリューションを提供しています。当社グループは、現在、感染リスクの高い医療現場でも遠隔からサポートできるサイバニック・デバイス(医療分野)、外出自粛の環境下におけるフレイル・ロコモ予防のための個人向けの在宅プログラム(福祉分野)、空港や駅などの交通インフラにおいて世界最先端の自律走行技術を搭載した除菌消毒作業ロボット(生活・職場分野)など、様々な分野において当社のサイバニクス技術を投入しています。当社グループは、新型コロナウィルス感染症の感染拡大収束後においても、革新的サイバニクス技術を駆使して、「人」+「サイバーフィジカル空間」が融合した未来社会「Society5.0/5.1」の実現をより一層加速してまいります。
② 革新技術・新産業創出のための研究・製品開発
当社グループが目指す「サイバニクス産業」の創出のためには、IoH/IoT(ヒトとモノのインターネット)、ロボット、AIによるサイバニクス技術で、社会が直面する課題解決を実現するための継続的な研究開発・製品開発が必要となります。当社の先端技術の独自性と優位性は、人の内的情報(脳神経情報・生理情報など)に加えて、人の外的情報(行動情報・生活情報など)や環境情報をスーパーコンピュータで一体的に繋げる点にあります。当社グループは、国内外の大学・研究機関、医療機関、行政機関、企業等と連携し、引き続き、最先端サイバニクス技術を駆使したサイバニックシステム(サイバニックデバイス、サイバニックインタフェースなど)の研究開発・製品開発、さらにサイバニックシステムから得られるIoH/IoTビッグデータの集積・解析・AI処理を実現する統合サイバニックシステムの構築を推進してまいります。

③ サイバニクス治療の臨床試験の推進
HAL®を利用した脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進するサイバニクス治療のグローバルな標準治療化のために、各種臨床試験を通じてサイバニクス治療の有効性と安全性を確認しています。日本においては、2015年11月にHAL®医療用下肢タイプが8つの神経・筋難病疾患に対して「新医療機器」として製造販売承認を取得していますが、市販後の使用成績調査を継続しています(2020年度中に終了予定)。また、脳卒中については、HAL®医療用下肢タイプ(単脚モデル)を用いて、医療機器承認のための医師主導治験が2016年9月より進行しており、2020年12月に終了する予定です。当社グループは、国内外での適用疾患の拡大や他のタイプのHAL®(単関節タイプや腰タイプ)の医療機器化に向けて、国内外の主要な医療機関との連携を強化して、各種臨床試験を推進してまいります。

④ グローバルでの医療機器承認の取得
HAL®のグローバル展開に向けては、世界各国における医療機器の承認取得が必要となります。HAL®「下肢タイプ」は、2017年12月の米国食品医薬品局(FDA)による医療機器承認を契機に、APAC(アジア太平洋)の主要国を中心に医療機器化を推進しており、2019年10月以降、マレーシア、タイ、インドネシアで医療機器承認を取得しており、台湾やシンガポールやトルコでは医療機器承認のための審査が進行中です。また、HAL®「単関節タイプ」は、2019年10月に、第三者認証機関であるTÜV Rheinlandより医療機器の認証(欧州医療機器指令への適合に対する認証)を取得し、米国やAPACの主要国でも医療機器化の準備を進めています。さらに、HAL®「腰タイプ」については、2019年11月に、台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)への医療機器登録を完了し、欧米の他に、APACの主要国(タイ、マレーシア、インドネシアなど)でも必要な許認可取得の準備を進めています。
⑤ 世界各国での保険適用
HAL®のグローバルでの普及拡大を進めるためには、各国における公的及び民間保険の適用が必要となります。日本では、HAL®医療用下肢タイプ(両脚モデル)について、8つ神経・筋難病疾患に対して2016年9月から公的医療保険による治療が開始されており、脳卒中その他の疾患への適用拡大に向け、治験や臨床試験が進んでいます。また、並行して民間保険会社とも連携し、医療保険及び介護保険(大同生命)や損害保険(AIG、損保ジャパン)への適用や付帯が始まっています。米国では、民間保険の適用に向けて、Mayo Clinicなど臨床研究面でのパートナー医療機関との連携を進めています。欧州では、EU最大の医療機器市場であるドイツにおいて、HAL®医療用下肢タイプによる治療費の全額が公的労災保険に収載されていますが、公的医療保険の適用を目指し、各種手続きを進めています。また、ドイツやポーランドでは、脊髄損傷患者に対して大手民間保険会社による保険適用が開始されていますが、引き続き各国の民間保険会社との協議を進めてまいります。
⑥ 自立支援のための個人向けサービス強化
現在、日本は超高齢社会となり、65歳以上の高齢者が2018年10月1日現在約3,558万人(総人口の28.1%)、介護保険制度における要介護者又は要支援者は2016年度末で約618.7万人(※)となっており、年々増加傾向にあります。当社グループは、主に高齢者の要介護度の改善や重度化防止及び加齢による身体機能が低下するフレイルの予防や自立維持に向けて、歩行機能向上の促進を目的とする「下肢タイプ」、肘・膝の関節運動に対応した「単関節タイプ」、体幹・下肢機能向上の促進を目的とする「腰タイプ」など様々な種類のHAL®自立支援用を展開しています。HAL®を使用した脳・神経・筋系の機能改善を促す「Neuro HALFIT」プログラムを提供するロボケアセンターの拠点拡大に加えて、2020年4月より開始した、自宅で「Neuro HALFIT」ができる新たな個人向けサービスの更なる充実を図ることにより、個人の方に対して、日常的に脳神経・筋系の機能の向上を促し、自立度を高め、要介護予防をサポートする取り組みを進めてまいります。
⑦ 事業推進体制の強化及び人材の育成
当社グループは、「サイバニクス産業」の創出を推進する経営・営業・研究開発・生産体制の強化及び次世代の人材育成を進める必要があります。「サイバニクス産業」創出の担い手である当社グループの社員には、出口指向の発想力、自分の責任領域にこだわらない適応性・柔軟性、そして目標達成の観点から必要とあれば、たとえ異分野であってもその専門家となって推進する突出した能力が求められています。当社グループは、今後の事業拡大に合わせて、十分な体制を維持・強化すべく、多種多様な分野において優れた知見と才能を持つ人材を集積し、研究開発から社会実装までを機能横断の全社視点でグローバルに一貫して推進する体制とすることにより、人材の育成を図ってまいります。
※ 出典 内閣府「令和元年版 高齢社会白書」