有価証券報告書-第13期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 15:32
【資料】
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【項目】
107項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、山海嘉之が創出したサイバニクス技術を駆使して、社会が直面する様々な課題を解決するため、革新技術(イノベーション技術)の創出と基礎的研究開発から社会実装までを一貫した事業スキームとして事業展開します。即ち、革新技術の研究開発と新産業創出による市場開拓、これらの挑戦を通じた人材育成の3本柱を上向きにスパイラルを描くように同時展開する未来開拓型企業を目指しています。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、研究開発型企業として革新的製品の研究開発や臨床・実証研究及び各種認証取得を推進し、その製品の上市やサービス展開によって収益を確保することにより、持続的な成長を図ってまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
「テクノロジーは人や社会の役に立ってこそ意味がある」との理念のもと、HAL®に代表される「メイドインジャパンの最先端ロボット医療機器/最先端人支援機器/最先端医療機器」の研究開発・社会実装及び当該技術を核とした世界規模でのサービス産業を創出し、ひいては健康長寿社会及び重介護ゼロ®社会を実現する人支援産業 (ロボット・ヘルスケア産業を含む)のリーディング企業として市場開拓・国際事業展開を行います。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、人・ロボット(機械)・情報系を融合複合した新しい研究領域であるサイバニクス技術を活用した革新的サイバニックシステム(サイバニックデバイス、サイバニックインタフェースなど)により、社会が直面する様々な課題を解決することを目指し、研究開発から社会実装に至るまで一貫して推進しています。医療、福祉、生活(職場環境を含む)分野を対象として、人とロボット系と情報系を機能的に繋ぎ、物理的・情報的・生理的インタラクションを実現し、人や社会の役に立つ製品・サービスを開発・提供することを事業の目的としております。サイバニクス技術を駆使して開発したロボットスーツHAL®は、世界で初めてサイボーグ型ロボットとして実用化に成功しておりますが、HAL®をはじめとするサイバニックシステムを世界規模での社会貢献に役立てるための当社グループの課題は、次のように考えております。
① 革新技術・新産業創出のための研究開発活動
当社グループの研究開発活動は、「チャレンジ(挑戦)」「イノベーション(革新)」「グローバル」の3つのキーワードを柱とし、超高齢化社会を支えるイノベーション企業として「革新技術の創出」「新産業創出」を含む「社会実装」を実現し事業推進するための研究開発を複眼的に行っています。
当社グループは、国内の大学・研究機関、病院、行政機関、企業等と連携し、引き続き、最先端サイバニクス技術を駆使したサイバニックシステム(サイバニックデバイス、サイバニックインタフェースなど)の研究開発・製品開発および医薬品や再生医療との複合療法などの研究開発を推進してまいります。
② 目的指向の事業推進を基軸とした人材育成
当社グループは、日本発の革新技術をグローバルに展開して新産業を創出するために、「目的指向の事業推進」を基軸としています。その担い手である当社グループの社員には、「出口指向の発想力」、自分の責任領域にこだわらない適応性・柔軟性、そして目標達成の観点から必要とあれば、たとえ異分野であってもその専門家となって推進する突出した能力が求められています。当社グループは、多種多様な分野において優れた知見と才能を持つ人材を集積し、研究開発から社会実装までをグローバルに一貫して推進する体制とすることにより、目的指向で事業を推進する人材の育成を図ってまいります。
③ EU主要各国での各種保険の収載
医療用HAL®(下肢タイプ)は、2013年6月にロボット治療機器として、EU市場へ医療機器を輸出するために必要なMDD(欧州医療機器指令)について、第三者認証機関であるTÜV Rheinlandより適合認証を取得しております。これにより、医療用HAL®(下肢タイプ)は、CEマーキングを表示することによって、EUの国別の規制を受けることなく、世界の医療機器市場の31%(※1)を占めるEU域内で自由に流通・販売させることができます。現在、EU最大の医療機器市場であるドイツにおいて、医療用HAL®(下肢タイプ)を活用したサイバニクス治療の治療費の全額が、公的労災保険に収載されており、さらに公的医療保険にも2015年10月に申請し、医療機器としてのロボットスーツHAL®の新市場が開拓される過程にあります。
EUにおいて医療用HAL®を活用したサイバニクス治療を、世界標準の医療として普及させるためには、EUの主要な国々における公的医療保険制度や民間医療保険において保険収載され、かつ、適切な保険点数を獲得する必要があります。当社グループは、スウェーデンのカロリンスカ研究所(ダンドリード病院)とドイツのベルクマンスハイル大学病院においてHAL®の臨床試験を継続するとともに、EUの主要な国々での各種保険の早期かつ好条件での収載に向けて取り組んでまいります。
④ 米国での医療機器販売許可取得
当社グループがHAL®を世界の医療機器市場の39%(※1)を占める米国内で流通させるためには、医療機器としてFDA(米国食品医薬品局)の販売許可を取得する必要があり、2014年11月よりFDAに対する申請手続きを進めております。当社グループは、医療用HAL®の革新性に関して、他に類のない新しいロボット治療機器であることを識別可能な形式での承認に向け、FDAと協議を行なっており、米国における各種保険適用等、承認取得後の事業展開を見据え、引き続き戦略的に推進してまいります。
⑤ 日本国内でのサイバニクス治療の適用拡大
世界の医療機器市場の9%(※1)を占める日本国内においては、医療用HAL®(両脚モデル)について、2015年11月25日に神経・筋難病疾患に対する「新医療機器」として厚生労働省より日本における製造販売承認を取得し、2016年9月からロボット治療として世界で初めて公的医療保険による治療が開始されております。当社グループは、引き続き、神経・筋難病疾患に対する中核医療拠点の形成を進めるとともに、サイバニクス治療の適用拡大に向けて脳卒中や脊髄疾患など他の疾患での臨床試験や治験を加速してまいります。脳卒中については、医療用HAL®(単脚モデル)を用いて、医療機器承認のための医師主導治験が2016年9月30日より開始されております。
⑥ 介護福祉ロボット事業の推進
現在、日本は超高齢化社会となり、65歳以上の高齢者が2015年10月1日現在約3,392万人(総人口の26.7%)、介護保険制度における要介護者または要支援者は2013年度末で約569.1万人(※2)となっており、年々増加傾向にあります。また、介護従事者は、2025年には、約250万人が必要とされると予測され(※3)、介護離職ゼロに向けた取り組みが喫緊の課題となっております。
当社グループは、引き続き、介護が必要な方の体に装着して立ち座りや歩行など自立を支援する福祉用の新バージョン開発や、介助者の腰の負担を軽減する介護支援用(腰タイプ)の更なる高機能化を進めてまいります。
⑦ 製品ラインナップの早期拡充
当社グループは「Society 5.0」及び「重介護ゼロ®社会」の実現を目指して、1)患者の身体機能改善・機能再生を目的とした医療用、2)高齢者や体に障がいのある方の自立動作支援を目的とした福祉用、3)介護や工場での重作業の負荷軽減を目的とした介護支援用・作業支援用の各分野を対象とするHAL®及びAIを搭載した搬送ロボットやクリーニングロボットの製品化を実現し、更なる高機能化を推進しております。また、病気を未然に防ぐための、手のひらサイズの動脈硬度・心電計であるバイタルセンサーなどの開発を行っています。当社グループは、製品ラインナップの早期拡充に向けて、新製品の開発を推進するとともに、現場ユーザーと協力して実運用フィールドからのフィードバックを図り、更なる高機能化に取り組んでまいります。
⑧ 経営管理体制の強化及び人材の育成
当社グループは、グローバル展開に対応するための経営管理体制の強化及び次世代の人材育成を進める必要があります。当社グループは、内部統制システムの強化が重要な課題と考えており、今後の事業拡大に合わせて、充分な経営管理体制を維持強化すべく、高度で幅広い専門知識や経験を有する次世代の人材の育成を進めてまいります。
出典
※1.Espicom Business Intelligence, “The World Markets Fact Book 2013”
※2.内閣府「平成28年度版 高齢社会白書」
※3.厚生労働省「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」

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