有価証券報告書-第7期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 12:00
【資料】
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【項目】
148項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「不易流行」を経営理念とし、変化を恐れずに挑戦をし続け、ネット時代の新たなビジネスモデルとなる“世界に類のないコンテンツプラットフォーム”を確立することを目指しております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度を含む3か年の中期経営方針において、基幹事業の規模拡大、ESG/SDGsを意識した経営、収益力の向上により、2023年3月期に売上高2,400億円、営業利益160億円、EBITDA250億円を達成することを経営目標として掲げております。※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
(3)経営環境
当社グループの事業領域におけるマーケット環境について見渡しますと、紙の出版市場の縮小傾向は直近では緩やかとなり、地方や郊外の書店での売上増加傾向も見られます。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、映画館の休館や席数制限並びにイベントの中止を余儀なくされる状況がある一方で、コンテンツへの需要は世界的に高まっており、コンテンツライブラリ自体も再評価され、さらにはオンラインゲームやオンラインライブといったコンテンツを中心に他者とつながる楽しみ方も広がってきております。そうした事業環境の変化を踏まえ、IP創出力をさらに高めていくことが重要と考えております。
当社ではかねてより進めてきたDX(Digital Transformation)やABW(Activity Based Working)等の働き方改革により、スタジオ等の設備事業や商業施設運営事業を除いては在宅勤務比率を高めながら効率的な事業運営を進めております。今後も環境変化を迅速に捉えながら事業のデジタルシフトをさらに進め、グローバル・メディアミックスを推進することで、IP価値の最大化と継続的な業績拡大に努めてまいります。
なお、当社グループは2020年10月1日に、事業の意思決定スピード向上のため6事業本部からなる事業本部制を廃止しミッション別の13グループに再編、各グループをCO(チーフオフィサー)が管掌する体制へと移行しました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
事業別の状況及び課題は以下のとおりであります。
[出版事業]
引き続き強力なIPの創出に努め、メディアミックス戦略の強化と返品率のさらなる改善を推進いたします。
IP創出においては、新人作家の育成を行うとともに、投稿数とユーザー数の伸長が続く小説投稿サイト「カクヨム」や「魔法のiらんど」等を通じたネット投稿原作の創作支援を加速し、原作発掘の強化に取り組んでおります。また編集作業のデジタル化を継続的に進めており、市場の変化をいち早く捉えて商品化する機動的な体制を整えております。
同時に、営業力を活かしたきめ細かなマーケティングにより、生産部数の最適化とそれによる返品部数の最少化を進め、収益の最大化を目指してまいります。
2022年3月期より順次稼働予定の製造・物流一体の最新鋭工場につきましては、小ロット適時製造と適時配送を実現することで、製造コストの削減や更なる返品率の改善を行い、業界が直面している物流問題にも対処しながら、中長期的に収益力を向上させてまいります。
雑誌では、Webメディアを取り込んだビジネスモデルの転換を進めており、ページビュー増加による広告収入の増加やSNSプロモーションによる本誌実売率向上がみられます。メディアのデジタル化をさらに進めるとともにこれまで培ってきたノウハウやリソースを活かしながら、収益力の向上に取り組んでまいります。
電子書籍では、電子書籍配信プラットフォーム「BOOK☆WALKER」において様々なキャンペーン施策やオリジナル特典等、独自の付加価値戦略を展開し収益を伸ばしていくとともに、2021年4月にグループ入りした北米出版社J-Novel Club LLCを起点とするテキスト系コンテンツの海外向け配信の強化や、縦スクロール漫画を始めとするコミック系コンテンツのグローバル新市場の開拓も行ってまいります。
また、YouTubeやPodcast等の動画配信や音声配信を活用したプロモーションや、外部サイトへのコンテンツ配信やdマガジン等の他プラットフォームとの連携、並びに電子書籍のサブスクリプションサービスを推進することで、電子書籍の様々な楽しみ方を世界中の読者に提案してまいります。
[映像事業]
映像では、映画やアニメを中心に、引き続き原作保有の強みを生かしメディアミックスを推進いたします。また、アニメの制作機能を確保し良質な作品をラインナップすることで、国内及び海外市場における権利販売や伸長している映像配信事業に注力し、引き続き収益を伸ばしてまいります。また、映像製作・配給におきましては、グローバルなネット配信市場の伸長に対応し国外との共同製作事業を推進するとともに、コロナ禍後の視聴態様変化を見据えた配信と配給の新たな枠組を検討してまいります。
[ゲーム事業]
ゲームでは、当社グループが開発したシリーズタイトルや、他社からの受託開発、及び優良コンテンツを保有する他社とのソフト企画・開発等を引き続き行うとともに、アニメ発のスマートフォンゲームをパートナー企業と強化し、PCやスマートフォン、据置機等の各種デバイスに向けた新作ゲームをリリースいたします。
[Webサービス事業]
Webサービス事業では、斬新なアイデアや高いネットワーク技術力による他にはない魅力あるサービス・コンテンツを提供いたします。
ポータルでは、「niconico」における“選択と集中”の加速による収益構造の改善と、「ニコニコチャンネル」におけるコンテンツの拡充によるチャンネル有料会員数の増加を図ってまいります。
ライブでは、2021年4月24日から5月1日にかけて日本最大級のユーザー主体のネット発イベント「ニコニコネット超会議」をオンラインで開催し、ネットの総来場者数が昨年を上回る1,796万人超となりました。リアルイベントについては未だ今後の開催が見通せない状況ではありますが、新しいイベントの在り方や楽しみ方を提案してまいります。
モバイルでは、音楽配信サービスの「dwango.jp(ドワンゴジェイピー)」のコストコントロールを行い、高い利益率を維持しながら継続的な利益創出ができるように取り組んでまいります。
[その他事業]
その他事業では、教育事業においてインターネットによる通信制高校であるN高等学校及び新設のS高等学校の生徒数増加に伴い、両校等への教育コンテンツ提供事業が成長しており、今後もより付加価値の高いコンテンツを提供することで収益拡大を目指してまいります。
また、2020年11月6日にグランドオープンした角川武蔵野ミュージアム、アニメホテル、イベント、飲食などの商業施設を展開するところざわサクラタウンについては、新型コロナウイルス感染症対策に適切に取り組みながら、収益化を目指してまいります。
財務面では、健全なバランスシートを維持しつつ事業運営に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することが重要な課題だと考えています。事業特性に応じたリスク管理を強化するとともに、グローバルな事業環境の急変や金融・資本市場の混乱などへの備えとして銀行融資枠(コミットメントライン)の整備等を進め、不測の事態が生じても各事業における資金需要に確実かつ機動的に対応できる体制を整えてまいります。

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