有価証券報告書-第14期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 14:23
【資料】
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【項目】
101項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
近年、コンピュータ・システムを取り巻く脅威はさらに多様化・複雑化し、かつ急速に変化しています。多様化する情報漏えい、増え続ける標的型攻撃などにより、既存のリスク管理プロセスだけでは十分な対応を取る事が難しくなりつつあります。的確なリスク管理を実現するためには、日々発生する新たなセキュリティ脅威に対抗するための迅速かつ正確な情報収集能力、分析能力、問題解決能力といった、強力かつ包括的なセキュリティリサーチ能力が求められます。当社は「世界トップレベルのセキュリティ・リサーチ・チームを作り、コンピュータ社会の健全な運営に寄与する」を経営理念とし、広範なセキュリティコア技術とリサーチ能力のバックグラウンドを軸に、さまざまな角度でお客様のセキュリティリスク管理を強力に支援します。
(2)目標とする経営指標
当社は従来の技術では防御が難しい脅威が増大している状況で、これに有効に作用する当社製品を早く、多くのユーザーにお届けすべきと考えています。また、究極的にはすべてのコンピュータ・システムへ当社製品を導入し、ユーザーは安心して利用できる環境とすることを目標としています。上記より、当社ではセキュリティ・プロダクトの契約ライセンス数及びPC稼働台数に対する当社製品の導入割合を重視しています。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
社会システムのネットワーク化が進む近年において、コンピュータ・システムを取り巻く脅威は多様化しており、システムを攻撃されることにより甚大な被害を及ぼす傾向が強まっております。これらの脅威からコンピュータ・システムを守り、安定した運用を実現するためには、常に最新かつ最適なセキュリティ体制を構築することが望まれます。なお、新型コロナウイルス感染症の流行による影響につきましては、事態の収束に時間を要する場合、営業活動の遅れや景気減退に伴うIT投資の減速が想定されます。当社といたしましては、販売パートナーと緊密に連携し、市場環境を注視しながら今後の事業運営に取り組んでまいります。また、当社の経営環境における影響としましては、当社は当感染症の拡大以前より全社的にリモートワーク制度を導入しており、サイバー・セキュリティの研究開発活動の継続に影響はありませんでした。市場環境についても、顧客におけるサイバー・セキュリティへの投資意欲は減少しておらず、経営環境への影響は僅少なものとなっております。このような状況を踏まえ、当社は以下の事項を中長期的な経営戦略として、事業を推進してまいります。
(研究開発戦略)
当社は、サイバー・セキュリティ領域での技術研究から生まれる新しい研究成果により、他に類を見ない高い付加価値と高い市場競争力を持つ製品・サービスを開発・提供してまいります。また、サイバー攻撃技術の研究をベースにトレンドを予測し、プロアクティブな対策技術の開発に取り組むことで、将来予想される脅威に先回りする形で対策製品・サービスを提供できる体制を構築していきます。
(セキュリティ・プロダクト戦略)
研究開発により獲得した新技術及び脅威情報、蓄積したノウハウを製品開発に反映してまいります。これにより、これまでにない斬新なコンピュータ・セキュリティ製品を提供し、サイバー攻撃からコンピュータ・システムを守ることで、コンピュータ社会の健全な運営に寄与してまいります。
(セキュリティ・サービス戦略)
当社のセキュリティ・サービスは、当社の技術レベルを示すことによるブランドの確立を目的とし、技術的に付加価値の高いプロジェクトに特化しております。これにより、ユーザーからの当社製品・サービスに対する信頼を獲得するとともに、ノウハウを蓄積し、製品の拡販につなげてまいります。
(4)対処すべき課題
(研究開発)
IT技術が日々進歩する中、同時にコンピュータ・システムに対する新しい脅威が発生しております。また、サイバー・セキュリティ市場においては、情報漏洩等の被害発生が市場ニーズの発生契機となるケースが多数あります。当社では、このような後手の対応ではなく、被害発生前に予防することができる製品・サービスの提供が重要な課題であると考えており、すでに市場ニーズの存在する製品・サービスを開発するニーズ型の研究開発と併せて、市場ニーズを予測し、掘り起こすシーズ型の研究開発を行っております。今後においても、セキュリティ技術は常に進歩していることから、当社は最新技術の獲得のための研究開発の強化に取り組んでまいります。
(人材育成)
当社が今後成長するに当たり、優秀な技術者を中心とした人材の確保と育成は重要な課題となっております。当社は従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、優秀な人材の採用と併せて、技術者を育成することにより全体の技術レベルの底上げに取り組んでまいります。
(セキュリティリテラシー)
当社製品・サービスの拡販には、ユーザーがコンピュータ・システムを取り巻く脅威の内容及びそれに対するセキュリティ対策の必要性を正しく理解していただくことが重要であると考えています。当社は、通常の営業活動のほか、世間に広く流通する製品等の脆弱性や、その対策などの研究成果の一部をカンファレンスや新聞・雑誌・WEB媒体などを通じて広く情報提供することにより、ユーザーに脅威を周知し、それらに応じた適切な対策の導入を促す活動に取り組んでおります。
(ブランディング)
セキュリティ製品・サービスはその性質上、顧客において効果を実感する機会が多くないため、当社製品・サービスの拡販には、当社及び製品・サービスの性能に対する信頼性の確保が課題となっております。信頼性の確保には、導入事例の紹介や実際にマルウェアによる攻撃から当社製品がコンピュータ・システムを防御するデモンストレーションの実施、講演や各種媒体への広告宣伝等を通じて当社製品・サービスの有用性を訴求することが有効と考えております。また、Black Hat※等のカンファレンスにて最新のセキュリティ技術を発表することで当社の技術力を示すなど、当社の認知度・信頼性向上のための活動強化に取り組んでおります。
(海外展開)
世界の情報セキュリティ市場における日本のシェアは約10%前後に過ぎず、多くを海外市場が占めております。また、コンピュータ・セキュリティは、その製品技術の内容は世界共通であることから、海外市場への製品供給のハードルは高くなく、海外市場への製品供給は、当社の成長戦略上、重要な事項となっております。
(コンシューマー市場での拡販)
ランサムウェアやオンラインバンキングの不正送金といった個人を標的とするサイバー攻撃が拡大を続けているなか、既存のセキュリティ対策は高度化するサイバー脅威を前に効果が薄れてきており、有効な製品の普及はほとんど進んでいない状況となっております。また、個人向けのセキュリティ市場規模はICTの発達やモバイル端末の増加により拡大しており、当社は個人向け製品の拡販に取り組んでおります。
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