訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/09/18 15:00
【資料】
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【項目】
80項目

対処すべき課題

(研究開発)
IT技術が日々進歩する中、同時にコンピュータ・システムに対する新しい脅威が発生しております。また、サイバー・セキュリティ市場においては、情報漏洩等の被害発生が市場ニーズの発生契機となるケースが多数あります。当社では、このような後手の対応ではなく、被害発生前に予防することができる製品・サービスの提供が重要な課題であると考えており、すでに市場ニーズの存在する製品・サービスを開発するニーズ型の研究開発と合わせて、市場ニーズを予測し、掘り起こすシーズ型の研究開発を行なっております。今後においても、セキュリティ技術は常に進歩していることから、当社は最新技術の獲得のための研究開発の強化に取り組んでまいります。
(人材育成)
当社が今後成長するにあたり、優秀な技術者を中心とした人材の確保と育成は重要な課題となっております。当社は従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、優秀な人材の採用と合わせて、技術者を育成することにより全体の技術レベルの底上げに取り組んでまいります。
(セキュリティリテラシー)
当社製品・サービスの拡販には、ユーザーがコンピュータ・システムを取り巻く脅威の内容及びそれに対するセキュリティ対策の必要性を正しく理解していただくことが重要であると考えています。当社は、通常の営業活動の他、世間に広く流通する製品等の脆弱性や、その対策などの研究成果の一部をカンファレンスや新聞・雑誌・WEB媒体などを通じて広く情報提供することにより、ユーザーに脅威を周知し、それらに応じた適切な対策の導入を促す活動に取り組んでおります。
(ブランディング)
セキュリティ製品・サービスはその性質上、顧客において効果を実感する機会が多くないため、当社製品・サービスの拡販には、当社及び製品・サービスの性能に対する信頼性の確保が課題となっております。信頼性の確保には、導入事例の紹介や実際にマルウェアによる攻撃から当社製品がコンピュータ・システムを防御するデモンストレーションの実施、講演や各種媒体への広告宣伝等を通じて当社製品・サービスの有用性を訴求することが有効と考えております。また、カンファレンス等(Black Hat USA/Japan※1、RSA Conference※2、CanSecWest※3等)にて最新のセキュリティ技術を発表することで当社の技術力を示すなど、当社の認知度・信頼性向上のための活動強化に取り組んでおります。
(海外展開)
経済産業省委託調査 平成23年度企業・個人の情報セキュリティ対策促進事業 (情報セキュリティ市場調査) 調査報告書によると、2010年のコンピュータ・セキュリティ市場における、金額ベースの日本のシェアは12.3%に過ぎず、多くを海外市場が占めております。また、コンピュータ・セキュリティは、その製品技術の内容は世界共通であることから、海外市場への製品供給のハードルは高くなく、海外市場への製品供給は、当社の成長戦略上、重要な事項となっております。
(コンシューマー市場への展開)
現在、当社では官公庁及び企業を対象に製品及びサービスを提供していますが、当社の企業理念でもあるコンピュータ社会の健全な運営に寄与するためには、個人ユーザーに対しても製品を提供し、コンピュータ・システムを取り巻く様々な脅威から守ることが必要と考えております。
以上より、当社は個人用PC向け製品及びAndroid端末向け製品の開発、保守サポートや販路など体制の構築に取り組んでおります。
※1Black Hat世界各国の企業や政府、教育機関等からのリーダーが一堂に会し、最先端のセキュリティ情報を発表する世界最大規模の国際セキュリティカンファレンス。
2RSA Conference米国EMCのRSA部門がホスト役を務める情報セキュリティの総合カンファレンス。IT技術や標準規格、実装、法規格、政策、セキュリティ脅威など、あらゆる方面から情報セキュリティを扱う最先端のセキュリティ専門カンファレンス及び展示会。
3CanSecWestカナダdragostech.com inc.主催の国際セキュリティカンファレンス。日本ではPacSecという名前で開催されている。