訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2014/09/18 15:00
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研究開発活動

第7期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当社が属するサイバー・セキュリティの分野は、過去に積み上げられた技術情報が少ないほか、技術革新により技術の陳腐化が著しく早くなっております。このような状況のもと、IT社会を取り巻く脅威に対抗するためには、ITセキュリティベンダーは常に最新技術の維持・獲得が求められております。
当社の研究開発体制は、最新技術や脆弱性検査などを基礎研究レベルで研究する専任部署を設置し、市場ニーズをつかみ、それに応える製品を開発する、マーケティングに類するニーズ型研究開発のみならず、自らニーズを掘り起こす、イノベーションに類するシーズ型研究開発を行なっております。研究成果は、当社製品及びサービスへ反映する他、一部を国際カンファレンスなどを通じて世界に向けて情報発信するなど、日本から国内外問わずITセキュリティに貢献していくための活動をしております。
当事業年度の主な研究開発活動は以下のとおりです。なお、当社はサイバー・セキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
1.NFC技術のセキュリティ
NFC (Near Field Communication)は、10センチ程度の近距離の無線通信技術であり、国内ではSuica (通信規格はFelica)などで普及しています。NFCは特にスマートフォンの普及とともに利用が拡大すると考えられ、国内でもすでに一部のAndroid端末に搭載されています。本研究開発は、NFCの規格及び実際にNFC搭載デバイス及び関連サービスを調査、分析することで具体的な脅威の実証を行なうものです。また、実証された脅威に対してその対策手法を提案、試作するものです。
2.Tizen アプリ自動解析
TizenはLinux Foundationにより主導されるオープンソースのモバイル向けOSです。Android同様Tizenにおいても、マルウェアやroot化といった問題が発生すると考えられるため、それらを事前に検知する仕組みは有用であると考えられ、また、アプリケーションのセキュリティ上の問題点を自動的に認識する仕組みも有用です。
本研究開発は、Tizenアプリケーションを対象に静的解析、動的解析を行ない情報を得ることを第一目的としています。その後、それらの情報をもとにマルウェア判定を行なうことができるか、またはセキュリティ上の問題点を見つけることができるか、といった応用方法を検討するものです。
3.車載ネットワークセキュリティの現状
従来から自動車には電子デバイスが多く利用されており、それらはネットワークで接続され、情報を交換し自動車を制御しています。近年、自動車のネットワークへのスマートフォンやインターネットとの接続が進みつつあることで従来にはなかった脅威が出てきています。
本研究開発は、自動車ネットワークのセキュリティのこれまでの動向と今後予測される脅威についてまとめるものです。
当社ではこの他にも製品やセキュリティサービスに研究開発活動を通じて得た技術・知見を活用し、製品及びサービスの品質向上につなげております。
以上の結果、当事業年度における研究開発費の総額は、44,704千円となりました。
第8期第1四半期累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年6月30日)
当第1四半期累計期間における研究開発の主な内容は、標的型攻撃対策製品FFR yaraiの検知エンジン強化に係る研究開発、コンシューマー向け製品に係る研究開発等を実施し、支出した研究開発費の金額は、12,702千円であります。