有価証券報告書-第15期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/09/29 16:03
【資料】
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【項目】
85項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループの企業活動の目的は、当社グループ企業理念に基づき経営の基本方針及び戦略を立案し、当社グループ各社及びその役職員が一丸となってその戦略を推進することで、持続的成長を通じた企業価値及び株主共同の利益の向上を実現し、国内外の産業の発展と社会の繁栄に寄与することにあります。
<当社グループ企業理念 「テクノプロ・グループ・ビジョン」>我々テクノプロ・グループは、
1)エンジニア一人ひとりに誠実に向き合い、夢の実現をサポートするパートナーです。
2)専門性の高い技術者集団として、グローバルに事業を展開するお客さまの研究・開発・設計を様々なソリューションで支援します。
3)エンジニアが業界をまたがって活躍できる環境をつくることで、変化を続ける市場に柔軟に対応できる産業構造の実現に貢献します。
持株会社としての当社は、当社グループが社会的役割を全うするために、当社グループ全般の戦略企画機能、経営管理機能を主体的に担うとともに、上場企業たる当社において株主から負託を受けた取締役会を中心とした企業統治体制を構築し、当社グループの経営の自己規律と説明責任を十分に機能させてまいります。
当社は、常に最良のコーポレート・ガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組むべく、「テクノプロ・グループ コーポレートガバナンス・ガイドライン」を策定・運用しています。株主の権利を尊重し、意思決定の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレート・ガバナンスの要諦であるとの考えに基づいて、統治機能や内部統制体制の充実を図っております。
② 会社の機関の内容
当社は、会社法に基づく機関として、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を設置しています。当社の本書提出日現在における企業統治体制の模式図、及び各機関の概要は、以下のとおりです。
0104010_001.png(注)取締役会の議長は代表取締役社長、監査役会の議長は社内監査役、指名報酬諮問委員会の委員長(議長)は独立社外監査役、独立役員会議の議長は筆頭独立社外取締役としています。
イ.取締役会
取締役会は代表取締役社長の西尾保示を議長として、社内取締役5名(西尾保示、嶋岡学、浅井功一郎、八木毅之、萩原利仁)、社外取締役3名(渡部恒弘、山田和彦、坂本春生)の取締役8名で構成されています。毎月1回の定時取締役会の他、必要に応じ臨時取締役会を開催しています。経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の基本方針等の重要な業務執行の決定、重大なリスクの評価及び対応策の策定、経営陣の指名や報酬の決定等を通じて、最善の意思決定を行っています。
また、監査役は取締役会に出席し、必要に応じて意見陳述を行っています。
ロ.監査役会
当社は監査役会制度を採用しており、常勤監査役の斑目仁が議長として、社内監査役1名(斑目仁)、社外監査役3名(髙尾光俊、三神明、田邊るみ子)の監査役4名で構成されています。毎月1回の定例監査役会の他、必要に応じ臨時監査役会を開催し、監査方針や監査に関する重要事項について協議しております。
ハ.指名報酬諮問委員会(必要に応じて随時開催)
指名報酬諮問委員会は、社外監査役の髙尾光俊を委員長として、社外取締役2名(渡部恒弘、山田和彦)及び社外監査役1名(髙尾光俊)の計3名で構成されています。当社及び当社子会社の取締役・監査役・執行役員の指名・報酬に関して審議を行い、取締役会に対して意見具申・答申・助言・勧告を行っています。
ニ.独立役員会議(原則半期に1回開催)
独立役員会議は、社外取締役の渡部恒弘を議長として、社外取締役3名(渡部恒弘、山田和彦、坂本春生)、社外監査役3名(髙尾光俊、三神明、田邊るみ子)の計6名で構成されています。独立役員の活用を促すコーポレートガバナンス・コードの要請に応えるとともに、中長期の収益性向上に資するガバナンスの強化を図るための取組みとして、独立社外取締役及び独立社外監査役同士の情報交換、認識共有、意見交換等を促進し、統治機能のさらなる充実を図っています。
ホ.執行役員制度
当社は、戦略的意思決定・監督機能を取締役の役割とする一方、日常的な業務執行の権限・責任を執行役員に与えることで、双方の機能を強化することを狙いとして、執行役員制度を導入しており、14名の執行役員(取締役の兼任を含む)がその職務を担っています。
ヘ.グループ経営会議(原則毎週開催)
グループ経営会議は、代表取締役社長の西尾保示を議長として、業務執行取締役、執行役員、当社子会社代表取締役等で構成されています。業務執行における重要事項の協議・審議、当社及び当社子会社の業績状況の進捗管理、及びグループ全体として必要な情報共有、緊密な連携並びに機動的な戦略調整を行うための機関として、設置・運用しています。また、重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するため、常勤監査役が出席し、必要に応じて意見を述べております。
ト.CSR委員会(原則四半期に1回開催)
CSR委員会は、代表取締役社長の西尾保示を委員長として、当社グループの取締役及び執行役員等で構成されています。企業グループとしての社会的責任を果たすために設置され、リスク管理・コンプライアンス・情報セキュリティ・社会貢献等について審議を行い、当社及び当社子会社へ報告を行っています。
チ.財務報告リスク管理委員会(原則半期に1回開催)
財務報告リスク管理委員会は、管理担当取締役の萩原利仁を委員長として、当社グループの取締役及び執行役員等で構成されています。金融商品取引法及び財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準に基づき、財務報告に係る内部統制を全社的なレベル及び業務プロセスのレベルにおいて機能させることを目的として、毎年のリスク評価を実施し、財務報告に係る内部統制システムの構築及び運営に係る重要事項を決定しています。
③ 内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況
当社は、会社法第362条第4項第6号並びに会社法施行規則第100条第1項及び第3項に基づき、「業務の適正を確保するための体制」として、「内部統制システムに関する基本方針」を以下のとおり定め、運用しております。
1. 内部統制体制
・当社は純粋持株会社であり、当社グループ全体の戦略企画機能と経営支援機能を担っている。従って、当社の内部統制システムに関する基本方針は、当社に加えて、当社の子会社(以下「グループ会社」といい、当社を含め「当社グループ」と総称する)を対象範囲としている。
・当社は、自ら以下の内部統制体制を整備・運用するとともに、グループ会社に対して、法令その他に照らして合理的な範囲で、以下の内部統制体制を整備・運用せしめる。
1-1. 経営執行体制
・当社取締役会は、当社グループの統制環境(ビジョン、中期経営計画、人事等)を決定し、当社グループの業績・内部統制状況を把握し、当社グループの取締役の職務執行が効率的かつ適正に行われているかを監督する。
・当社は執行役員制度を導入し、日常的な業務執行の権限を執行役員に付与することで、当社取締役の役割を当社グループの戦略的意思決定・監督機能に集中させ、業務執行の効率性向上と業務執行の監督機能の強化を図る。
・当社執行役員を中心にグループ会社の取締役を兼務することを原則とし、当社執行役員等で構成されるグループ経営会議にて、当社グループの経営全般に関する基本方針及び重要事項を審議する。
・グループ会社管理規程に基づき、当社における承認事項及び当社に対する報告事項等を明確に区別し、グループ会社を管理する。
・当社グループの役職員は、各社取締役会の定める業務分掌規程、職務権限規程、決裁に関する基準等に基づき、重要性に応じた意思決定ルールに従うことで、意思決定の迅速化及び効率的な職務執行を実現する。
・当社は、当社グループの業務効率化と内部統制の確保を目的に、グループ会社に対し、経理・財務・人事・法務・情報システム等の機能をシェアード・サービスとして提供する。
1-2. 内部監査体制
・当社内部監査部は、内部監査規程等に則り、当社グループの内部統制の整備・運用状況を検証し、その改善に向けて助言・提言を行う。
・内部監査の独立性・客観性を担保するため、当社内部監査部は当社代表取締役社長直轄の組織とする。
・各年度の当社グループに対する内部監査方針・内部監査計画は、当社代表取締役社長の承認を得て、当社取締役会に報告するものとする。
・当社内部監査部は、監査役会との緊密な連携のもと、効果的かつ実効的な監査役監査に協力する。
1-3. 監査役監査体制
・当社監査役は、グループ会社の監査役監査の実効性及び公正性を高めることを目的に開催される国内グループ会社監査役連絡会等を通じ各グループ会社の監査役と連携し、当社グループの内部統制システムの整備・運用状況を監査する。
・重要なグループ会社の監査役については、当社監査役が兼務することを原則とする。
・当社監査役の職務を専属的に補助する、当社取締役から独立した組織として、監査役室を設け、当社監査役の職務を補助する使用人として適切な人材を配置する。また、当社グループの監査役監査の実効性確保のために、当社グループの取締役は、監査環境の整備に協力する。
・当社監査役室の使用人は、他部署の使用人を兼務せず、当社監査役以外の者からの指揮命令を受けない。また、当該使用人の人事異動、人事考課、賞罰等の人事関連事項については、当社監査役会の同意を要する。
・当社は、重要な会議・委員会への出席、主要な決裁書類その他重要書類の回付、当社内部監査部からの定期報告、内部通報に関する情報の共有、当社グループの役職員からの報告等、当社グループの監査役が直接情報を収集することが可能な体制を確立する。
・当社は、当社グループの役職員が、当社グループの監査役への報告又は内部通報により不利益な取扱いを受けない旨を、社内規程上明示的に定め、周知徹底する。
・当社監査役の監査費用は、年度予算を設けるとともに、職務の執行に必要でないことを証明できる場合を除き、当社が負担する。
1-4. 情報保存管理体制
・上記の内部統制体制の運用に関する情報を適切に保存・活用できる体制を、当社グループ全体として確立する。
・株主総会議事録、取締役会議事録その他法令に基づく文書を適切に作成、保存する。
・重要な会議における意思決定に係る情報、重要な決裁に係る情報並びに取締役の職務執行に係る情報は、文書管理規程及び文書保存規則に従って、文書又は電磁的媒体に記録、保存又は廃棄される。
・これらの文書は電子化し、そのデータベース化を図り、当該各文書等の存否及び保存状況を素早く検索・閲覧できる体制を構築する。
2. 各種内部統制
・前項の内部統制体制に基づき、当社グループ全体として、以下の事項に係る内部統制を強化する。
2-1. リスク管理に係る内部統制
・当社グループの役職員は、明文化された職務執行に関する権限及び責任に基づき、当該権限及び責任の範囲内で職務を執行し、当該職務に伴う損失の危険(以下「リスク」という)を管理する。
・リスク管理規程及び関連する各種規程を制定し、想定されるリスクに応じた有事の際の情報伝達と緊急体制を整備するとともに、有事が発生した場合には、当該規程に従い迅速かつ適切に対応する。
・リスク管理上のモニタリング制度を確立し、当社グループ全体のリスク情報を当社にタイムリーに集約し、迅速かつ効果的に対応する。
・当社グループの役職員に対して、リスク管理に関する教育・研修を継続的に実施する。
・当社取締役会は、毎年、職務執行に関するリスクの特定、並びに対応するリスク管理体制についての見直しを実施する。また、多種多様な定量・定性リスクに関し、当社グループを一元的に管理する統合リスク管理体制を構築する。
2-2. コンプライアンスに係る内部統制
・関連法令の遵守は、当社グループが労働者派遣事業、有料職業紹介事業、及びその他の事業を遂行するうえでの前提であり、当社グループ全体で法令・定款の厳格な遵守及び企業倫理(以下「コンプライアンス」という)の確立を図る。
・当社のコンプライアンス最高責任者である当社代表取締役社長を委員長とし、当社グループの取締役及び執行役員等で構成されるCSR委員会を設置し、コンプライアンス体制の企画・運営等に関する重要事項を審議する。
・テクノプロ・グループ企業行動規範を制定し、当社グループの役職員に遵守を求めるとともに、コンプライアンスの教育・研修を継続的に実施する。
・コンプライアンス規程を制定・運用することで、コンプライアンス体制の整備及び問題点の把握と改善を図る。
・内部通報制度(社内通報窓口に加え、経営陣から独立した外部機関による通報窓口も設置)を導入し、当社グループの役職員に周知し、コンプライアンス違反行為の未然防止並びに早期発見及び迅速かつ効果的な対応を図るとともに、コンプライアンスに関する役職員の声を経営に反映させる。
・コンプライアンス違反等の行為が発見された場合には、コンプライアンス規程、内部通報制度運用規程等に従って、外部専門家と協力する等、適正な対応に努める。また、コンプライアンス違反等の行為者及びこれを知りつつ隠匿した者に対する処分規定を整備・運用する。
2-3. 財務報告に係る内部統制
・財務報告の信頼性を確保すべく、金融商品取引法その他関連する法令に基づき、財務報告に係る内部統制を全社的なレベル及び業務プロセスのレベルにおいて機能させる。
・当社グループにおける財務報告に係る内部統制機能を強化することを目的として設置される財務報告リスク管理委員会が毎年のリスク評価を実施し、財務報告に係る内部統制システムの構築及び運営に関る重要意思決定の役割と責任を担う。
2-4. 情報システム・情報セキュリティに係る内部統制
・当社グループの役職員は、顧客の研究開発等の機密情報、採用応募者及び当社グループの役職員に係る個人情報等を取得する可能性がある点を鑑み、厳格な情報セキュリティ管理体制を確立する。
・情報システム・情報セキュリティに関する各種規程を整備・運用し、当社グループの役職員への教育研修等を通じて、情報及び情報機器の適正な取扱いを浸透させる。
・ネットワークセキュリティ等のインフラ面を強化することで、データ損失や漏洩への対策を推進する。
④ 責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等である者を除く。)及び監査役は、会社法第427条第1項及び当社定款の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該取締役(業務執行取締役等である者を除く。)又は監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
⑤ 取締役の定数
当社の取締役の定数は3名以上20名以内とする旨を定款で定めております。
⑥ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、「議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議によって選任する。」旨定款に定めています。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めています。
⑦ 取締役及び監査役の責任免除
当社は、「取締役及び監査役(取締役又は監査役であった者を含む。)の会社法第423条第1項の責任につき、善意かつ重大な過失がない場合は、取締役会の決議をもって、法令に定める限度額の範囲内で、その責任を免除することができる。」旨定款で定めています。
⑧ 定款の定めにより取締役会で決議できる株主総会決議事項
イ.中間配当の決議要件
当社は、「取締役会の決議によって、毎年12月31日を基準日として中間配当を行うことができる。」旨定款で定めています。これは株主に対する利益還元を機動的に行う事を目的としているものです。
ロ.自己株式取得の決議要件
当社は、会社法第165条第2項の定めに従い、「取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる。」旨定款で定めています。これは機動的な資本政策により、資本効率の向上と株主に対する利益還元を可能とするためです。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、「会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う。」旨定款で定めています。これは株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を目的とするものであります。