有価証券報告書-第15期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/09/29 16:03
【資料】
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【項目】
85項目

有報資料

本項における将来に関する事項については、本書提出日時点において入手可能な情報に基づき、合理的であると当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、以下に掲げる「テクノプロ・グループ・ビジョン」の実現を通じて、持続的に成長し、中長期的な企業価値を向上させることを経営の基本方針としています。
「テクノプロ・グループ・ビジョン」
我々テクノプロ・グループは、
1.エンジニア一人ひとりに誠実に向き合い、夢の実現をサポートするパートナーです。
2.専門性の高い技術者集団として、グローバルに事業を展開するお客さまの研究・開発・設計を様々なソリューションで支援します。
3.エンジニアが業界をまたがって活躍できる環境をつくることで、変化を続ける市場に柔軟に対応できる産業構造の実現に貢献します。
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(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上収益、営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益の中長期的な成長を重視しております。また、当社の売上収益と営業利益の大半を占めるR&Dアウトソーシング事業・施工管理アウトソーシング事業の売上収益の構成要素である、総在籍技術者数、稼働率及び技術者一人当たり売上を重要なKPIとして管理しています。加えて、先行的投資を伴う領域(M&Aや技術者育成等)については、価値の創造の観点から、ROIC(投下資本利益率)を重視しています。
(3)外部環境
2020年の新型コロナウイルス感染症の世界規模への拡大は、一時帰休を強いられる技術者数の増加や在宅勤務による営業活動の制約、顧客による技術者の採用や派遣受入の鈍化、及び研究開発プロジェクトの縮小や延期といった形で、当社グループ業績にマイナスの影響を及ぼし始めました。R&Dアウトソーシング事業及び施工管理アウトソーシング事業では、機械、電気・電子領域等における需要減退に起因する売上の棄損や待機技術者の増加が見られました。国内その他事業においては、景気変動に敏感である人材紹介事業の需要減退が目立った一方で、技術系教育研修事業においては、緊急事態宣言の解除以降、需要は回復傾向にありました。海外事業は、国により影響が異なります。中国では、2020年4月以降業績が回復に転じており、またシンガポールでは、在宅勤務対応が可能なIT技術者派遣が主力であるため、売上毀損は抑えられました。一方で、イギリスとインドでは、ロックダウンによる売上への悪影響が継続しました。
なお、シンガポールとイギリスの技術者は有期雇用であるため、待機技術者の増加による赤字リスクは限定的です。新型コロナウイルス感染症拡大はしばらく収束せず、顧客需要面の不透明な状況は当面継続すると予測しております。
一方で、中長期的な観点からは、国内においては技術系人材事業への追い風傾向に変化はないと想定しています。構造的な技術者不足問題は解消されず、硬直的な雇用法制に起因する技術者の外部依存は継続する見込みです。また、働き方改革関連法の施行や新型コロナウイルス感染症拡大に伴う景気悪化を背景とした、中小派遣事業者の淘汰の可能性は、当社グループのシェア拡大に寄与すると考えています。R&Dアウトソーシング事業においては、デジタル技術の社会への浸透を背景とし、製品開発のソフト化・製品開発サイクルの短期化・プロジェクト一括での外注化の動きが進み、IT領域を中心に需要は堅調であると予測されます。施工管理アウトソーシング事業においては、東京オリンピックの開催延期による不透明要因はあるものの、需要を牽引する建設投資は、2025年に開催予定の大阪万博等に向けて堅調に推移する見込みですが、建設業界全体での高齢化が進展しつつあるため、技術者不足の状態が継続するものと予測されます。国内その他事業のうち、人材紹介事業においては、人材の供給不足やHRテックを活用した新たなビジネスモデルの台頭が見られ、技術系教育研修事業においては、新しいデジタル技術に対する企業・個人の教育ニーズはより高まると予測しています。一方、国外においては、中長期なグローバル化の進展・労働力人口の減少と高齢化は不可避であると認識しており、海外事業における技術者需要は、特にIT領域において堅調であると予測しています。
(4)会社の経営戦略
新型コロナウイルス感染症の拡大に対して、当社グループでは事業継続を最も重視した経営を迅速に推進いたしました。具体的には、従業員の健康・安全確保と雇用維持を優先し、在宅勤務を推進するとともに、徹底したKPI管理による業績モニタリング強化、新規採用の抑制、技術者の配属確保を重点とした営業施策、コミットメントライン枠の増額による財務余力の確保等を実施いたしました。当面は、慎重な事業運営を基本として業績への悪影響を最小限に留めながら、来るべき景気回復に備えた成長政策の積極的実現に向けて、技術者への教育研修投資等を継続しながら量から質への転換を図りつつ、国内及び世界の経済環境を注視してまいります。
一方、中長期的には、当社の強みである多様な技術領域にまたがる技術者基盤と採用力、多様な産業における大手顧客基盤、教育研修による技術者育成能力を活かし、主力事業であるR&Dアウトソーシング事業・施工管理アウトソーシング事業の成長を促進いたします。加えて、主力事業の競争優位性を梃子に、さらなる持続的な成長を図るため、技術者派遣領域からバリューチェーンを拡大し、国外の技術者や新領域の技術資源を活用することで、企業の技術開発ニーズに対するソリューション提供力を強化いたします。
① R&Dアウトソーシング事業・施工管理アウトソーシング事業
中長期的には、市場が成長し、大手事業者に追い風の環境にあるとみています。一方で、当社においては、技術者一人当たり売上の向上や間接業務効率化等のオペレーション改善を通じて、収益性を高める余地が高いと考えています。従って、多様な採用チャネルの活用と技術者リテンションの取組み強化による技術者数の増加を図るとともに、シフトアップ・チャージアップの推進により、成長と収益性向上を実現いたします。そのためには、技術者育成制度や先端的技術力を有するベンチャーとのアライアンス、有望ITベンダーとのパートナリングといった、外部エコシステムを活用した技術者の高付加価値化が不可欠となります。さらには、情報システム投資によるコアプロセスのIT武装化により、技術者の採用・育成・配属・退職等に係る膨大なデータを蓄積・分析することで、より効果的なビジネスプロセスを実現いたします。
② 国内その他事業
人材紹介事業、技術系教育研修事業ともに、主力事業であるR&Dアウトソーシング事業・施工管理アウトソーシング事業のコアプロセス(採用/育成)の一翼を担う事業であり、事業セグメント間のシナジー創出を強化し、当社グループへの有望技術者の獲得・技術者の高付加価値化へ寄与することが基本方針となります。加えて、人材紹介事業では、独自の技術者・外国人データベースやオフショアオペレーションといった特徴を活かした差別化を志向いたします。また、技術系教育研修事業では、国内50ヵ所超の拠点やオペレーション・コンテンツの標準化といった強みを活かし、デジタル技術領域の育成メニューやe-Learningを充実させ、企業顧客への外販を強化いたします。
③ 海外事業
現状、当社グループの海外拠点は、ローカルベースでのビジネス(現地の技術者を現地の顧客に配属)を主力展開しています。今後は、国内の顧客基盤や技術者資源をより活かし、日系多国籍企業の顧客開拓、外国人技術者の国内活用をさらに推進いたします。加えて、デジタル技術での開発力とコスト競争力強化という観点で海外拠点を拡充し、オフショアリングモデルと新技術領域でのCenter of Excellence拠点の構築を推進することで、コストアービトラージを活かした開発体制の強化及び技術・ノウハウの高度化・国内移転を進めます。
これらの戦略を遂行するにあたり、M&Aを重要な手段と位置付けており、積極的に活用していく方針です。
(5)対処すべき課題
上記を背景に、対処すべき課題として以下の内容に取り組んでまいります。当社グループは、技術を核としたグローバル人材サービス事業に特化しているため、以下の課題は各事業セグメントに共通するものとなりますが、特に、②及び④についてはR&Dアウトソーシング事業・施工管理アウトソーシング事業、⑤及び⑥についてはR&Dアウトソーシング事業・施工管理アウトソーシング事業及び国内その他事業に、主として関連するものになります。
① 新型コロナウイルス感染症拡大と景気後退の長期化への対応
新型コロナウイルス感染症拡大の当社グループへの影響は、国内・海外の景気後退の深さと長さに依存します。当社グループの事業は、多様な産業にまたがる大手顧客を主体とし、技術領域も多岐にわたるという点で、通常の状況下では景気後退に対する耐久性・復元力は強いと認識しています。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は回避しきれず、2020年6月期第4四半期の国内の平均稼働率は昨年対比で3.6pt低下しました。今後景気後退の影響が長引けば、さらなる稼働率低下の可能性もありますが、当社には正規雇用する技術者の雇用を守り、就業機会を確保する社会的責任があり、こうして技術者リソースを維持しておくことは、需要回復局面における再成長速度に寄与します。雇用維持を実現すべく、2020年6月期においては、在宅勤務体制の構築、徹底的なKPI管理、リーンなオペレーション、財務余力の確保等に取り組み、コロナ禍での従業員の健康・安全確保を最優先とする万全の運営体制を確立いたしました。引き続き、ニューノーマルで需要が高まるデジタル技術領域を中心とした技術者育成への投資継続等、量から質への転換を図る一方で、財務健全性や先行的な業績管理等を踏まえながら的確に時機を判断し、中長期的な再成長に向けた投資を実行してまいります。
② 価格改善
2015年
6月期
2016年
6月期
2017年
6月期
2018年
6月期
2019年
6月期
2020年
6月期
技術者一人当たり売上(千円/月)614622626630630630

(㈱テクノプロ及び㈱テクノプロ・コンストラクションの売上高合算/Σ[月末稼働技術者数]により算定。)
当社グループの技術者一人当たり売上は、2018年6月期以降ほぼ横ばいで推移しています。これは、働き方改革関連法の影響による残業時間の削減や多くの新卒技術社員の入社等が要因です。一方で、中長期的な技術者需給動向や同業他社の水準を勘案した場合、当社グループの技術者一人当たり売上は、まだ改善の余地が大きいと判断しています。当社グループでは、技術者に対する教育研修の充実等を通じて付加価値を高めていくことに加えて、チーム配属の強化を進め、契約単価の上昇に継続して取り組んでいます。
特に、今後の日本の技術開発を支え、需要が見込まれるデジタル領域の技術者を拡充し、当社で開発した技術者の市場価格算定モデルを活用することで、技術者の需給状況と技術領域に応じた的確な判断のもと、価格政策を進めます。
また、技術者を同一価格の同一案件に長期間固定させず、技術者のスキル向上に応じた適正価格水準の案件への配属を進める戦略的シフトアップを推進いたします。
③ 高品質技術者の確保と育成
人材の確保は当社グループの成長の礎であり、高品質の技術者をいかに多く獲得し、あるいは在籍技術者のスキルをいかに高めていくかは、重要な経営課題の一つです。技術者採用市場は近年逼迫しており、従来主力のWeb媒体等に加えて、知人紹介や人材紹介会社等の多様な採用チャネルを活用し、高品質技術者の獲得を推進してまいります。
また、中長期的に需要が見込まれるデジタル技術を主体としたターゲット技術領域(AI/データサイエンス、クラウド、サイバーセキュリティ、IOT、マイコン組込制御ソフト、CAE技術、FPGA、再生医療、バイオ医薬品等)における技術者育成を、教育研修基盤と戦略的アライアンスを活用しつつ進めることで、技術者の高付加価値化を図り、また技術者人事制度の充実等を通じて、技術者のリテンションを推進してまいります。
④ IT技術の活用とプラットフォーム化
技術者派遣事業においては、採用母集団の形成、スクリーニングと採用、配属(マッチング)、リテンション、研修、育成・要員計画といったコアプロセスが存在し、IT技術の進展により、各プロセスにおける技術者情報を可視化する仕組みの構築が可能です。この仕組みにより、技術者情報の収集・蓄積・分析をデータサイエンスやAIも活用しつつ充実させることで、採用効率の向上、効果的な人材育成、適正な技術者配属(契約単価向上)等、コアプロセスを強化するための効果的な打ち手が可能となります。この仕組みは、技術者派遣事業にとどめることなく、企業と技術者に対して、人材の獲得・育成等を効果的に実現するための汎用性がある仕組み(プラットフォーム)として発展する可能性を秘めたものであり、長期的な当社グループの成長にとって不可欠なものと認識しています。当社グループでは、これらを実現するための「タレントマネジメントシステム」への投資を積極化しております。
0102010_002.png⑤ 法規制の変化への対応
働き方改革関連法が2019年4月より順次施行されました。同法は、「36協定の上限時間の変更、有給休暇取得義務化等の長時間労働の是正」、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保。いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差解消」等を企業に求めるものであり、当社グループにおいては同法遵守に向けて様々な取組みを行っています。
具体的には、社内システムを使った残業時間の見える化と時間外ガイドラインの運用を推進し、長時間労働の削減を進めるとともに、計画的有給休暇取得を進めています。また、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保に関しては、「同種業務の一般的な労働者の平均賃金と同等以上であることを満たす労使協定による待遇」を当社グループでは選択し、一部賃金体系の見直しを進めています。
⑥ 業務プロセスの向上
当社グループの本社及び事業所の事務業務は、プロセス・ルール・帳票の標準化を進めることにより、効率化できる余地があります。2019年1月に業務改革プロジェクトを発足させ、営業・人事・会計といった当社基幹システムの抜本的な見直しを進め、ワンシステム化・IT共通基盤の強化を目指しています。情報システムへの投資による基幹システムのバージョンアップとともに、内部統制を具備した事務の標準化・効率化を推進し、事務機能の強化を図ることで、事業の拡大・多角化に伴うオペレーティングレバレッジ向上を実現いたします。
⑦ グローバル事業の拡大
国内における人口は2010-2011年をピークに減少期に入り、労働力人口は近年横ばいを維持しておりますが、将来的な減少・高齢化が予測されています。当社グループの事業拡大のためには技術者の継続的な確保が必要ですが、国内での技術者確保は一層困難になると見込んでいます。現地法人の開設やM&Aによる当社グループの海外拠点を活用し、グローバルでの人材の採用を進め、外国籍技術者の確保を進めてまいります。また、日系企業海外拠点に対する技術系人材サービスに加え、デジタル領域を主体にオフショアリング開発サービスの拡大を進め、コスト競争力があるより高度なソリューション提供を推進してまいります。
⑧ M&Aによる事業拡大
技術者派遣業務の成長を加速し、上流から下流に至る開発ソリューションや国外の技術資源を活かしたソリューションへの多角化・高付加価値化を図るうえで、M&Aは有力な手段の一つであると考えています。M&Aにより、当社グループのコンプライアンス、教育研修、情報システム等を含む業務基盤を活かし、ターゲット技術領域の技術者やコンサルタント等の早期拡充、あるいは多様な産業・顧客基盤を活かした迅速な事業拡大を図ることが可能になると認識しています。当社グループでは、現有事業とのシナジーを勘案し、中長期戦略に沿った能動的ソーシング、買収対象候補先に対する厳格な事業性評価、及びROIC等による将来的な価値創造の評価に基づき、M&A戦略を積極的に推進いたします。また、連結子会社化後、専門部隊を主体としたPMI体制による早期のガバナンス強化とグループ会社間連携による事業サポートを推進し、グループ内シナジーの実現を図ってまいります。

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