訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/12/04 15:00
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52項目

有報資料

(1)外部環境
国内の人材派遣市場は、1986年の労働者派遣法施行以来、規制緩和を追い風に拡大して参りましたが、2008年のリーマンショック後の景気悪化により、急速に市場は縮小しました。その後、厚生労働省「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」が2013年8月に発表した報告書では、再度、規制緩和の方向性が示されて現在に至っています。
また、厚生労働省の「労働者派遣事業の事業報告」では、一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の合計としての派遣労働者数は2013年度に至るまで減少傾向となっていますが、当社グループが営む技術者派遣分野(ソフトウェア開発(派遣法施行令にて定められる専門26業務のうち1号)、機械開発(同2号)、研究開発(同13号))の派遣労働者総数は、2010年度を底として回復傾向にあることが示されています。
R&Dアウトソーシング分野においては、「顧客の製品開発サイクルの短期化が進む中、設計・開発・研究業務のアウトソーシングの動きの増加」「プロジェクトごとに請負契約として完全にアウトソーシングする動きの進展」「顧客企業の求める法令遵守体制や管理体制を充足できる上位事業者への集約化」「中長期的な少子化の進展や理工系学生の減少のため、技術者の需給が逼迫した環境の継続」が予測されます。
また、施工管理アウトソーシング分野において需要を牽引する建設投資は、2011年の東日本大震災の復興需要で増加に転じ、2020年に開催予定の東京オリンピックにむけて堅調に推移する見込みです。しかし、建設業界への新卒者入職者数が低水準で推移する一方で、高齢化が進展しつつあるため、引き続き技術者不足の状態が継続するものと予測されます。
(2)対処すべき課題
上記を背景に、対処すべき課題として次の内容に取り組んでまいります。
① 価格改善
当社グループの技術者一人当たり売上は2010年6月期より年率平均1.6%で向上しているものの、改善の余地が大きいと判断しています。そのため、技術者に対する教育研修の充実等を通じて付加価値を高めていくことに加えて、技術者の需給状況を技術領域に応じて的確に判断した上で価格政策を進めてまいります。
2010年6月期2011年6月期2012年6月期2013年6月期2014年6月期
技術者一人当たり売上(千円/月)564575589593601

(国内。主たる子会社の売上高合算/Σ[月末稼働技術者数]により算定。)
また、今後の日本の技術開発を支える戦略技術分野の技術者を拡充、低利益率技術者の契約見直しを進めます。戦略技術分野(組込ソフトウェア、3次元設計技術、CAE技術、インバーター技術、高周波回路技術等)への取組みについては、㈱シーテック(現㈱テクノプロ テクノプロ・デザイン社)においては、過去3ヵ年にて、技術者数と平均契約単価が下記のとおり推移しています。これは、当社グループ国内平均契約単価550千円(月額。2014年6月)を上回っており、引き続き注力すべき課題と位置付けています。
㈱シーテック 戦略技術分野の技術者数と平均契約単価
2012年6月2013年6月2014年6月
技術者数(人)1,5071,6731,827
平均契約単価(千円)570576588

(平均契約単価は、毎年6月時点での契約単価の技術者数による単純平均となります。)
また、技術者を同一価格の同一案件に長期間固定させるのではなく、技術者のスキル向上に応じた適正価格水準の案件への配属を進めることで、当社グループの収益改善だけでなく、技術者の職務満足度を高めてまいります。
特に、R&Dアウトソーシング分野では、2014年7月の当事業分野の法人統合により規模の効果(オーダー情報と技術者情報の共有化等によるマッチングの向上、受託業務や採用の集約化による強化)を発現すると共に、統合前各社の専門技術領域を活かした事業展開を推進することで価格改善を進めます。
② 高品質技術者の確保と育成
人材の確保は当社グループの成長の礎であり、いかに高品質の技術者を獲得していくか、あるいは既存技術者のスキルをいかに高めていくかは重要な課題の一つです。当社グループではWeb媒体や転職雑誌、ハローワーク等を通じた中途採用が技術者獲得の中心でしたが、今後は優秀な新卒者の獲得にも力点を置くとともに、新たな採用チャネルを通じた高品質技術者の獲得を推進してまいります。
また、全国4拠点のラーニングセンターにおいて、顧客との共同研修を含むより実践的な研修プログラムを開発するだけでなく、戦略技術分野の研修強化による、非戦略技術分野に属する技術者の戦略技術分野へのシフトを図ってまいります。更には、技術者人事制度の充実や技術者満足度調査等を通じて、技術者としてのキャリアアップを促進してまいります。
③ ブランド力の強化
前述の2つの課題に対応していく上でも、「テクノプロ」ブランドの知名度向上は重要な課題です。従前、当社グループでは各事業会社が各々の会社名で独自の事業運営を実施していましたが、2013年11月に「テクノプロ」ブランドへの統一を実施し、ブランド投資を進めてまいりました。当社グループとしては継続的にブランド投資と各種媒体への露出を積極化し、顧客と技術者双方への「テクノプロ」ブランドの浸透を図り、営業力と採用力の強化を進めてまいります。
0202010_001.png
④ 法規制の変化への対応
2013年8月の厚生労働省「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」の報告書においては、以下の点において労働者派遣事業についての規制緩和の方針が明確となっています。
・特定労働者派遣事業には有期雇用を反復更新している者も含まれており、それらの者の雇用が必ずしも安定していない状況を踏まえ、特定労働者派遣事業は、全ての派遣労働者を無期雇用する派遣元に限定することが適当
・政令26業務(*1)の該当有無判断は難しく、規制廃止も含めて議論
上記の労働者派遣法改正の方向性が実現した場合、当社事業領域においては、将来的に特定労働者派遣事業者の淘汰・大手事業者への集約化が進み、また特定労働者派遣事業者において派遣期間に制限を設けない職種の拡大が進むと想定しています。従って、無期雇用者が大半(95%)を占める当社R&Dアウトソーシング分野にとっては、競争環境が緩和されるとともに、既存事業領域の法的安定性の高まりや新規領域への参入機会創出等の追い風が生まれることが期待されます。
また、2012年10月に施行された改正労働者派遣法においては、グループ内派遣8割規制が導入され、グループ企業において関係派遣先へ派遣出来る割合が80%以下に制限されました。今後、当該規制に対する大手企業の動きは本格化するものと思われ、当社グループにとっては事業提携やM&A等による成長機会が生まれると考えています。
当社グループでは、これらの法規制の変化に機動的に対応し、成長を実現してまいります。
(*1)政令26業務とは、「その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」又は「その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務」として、派遣法施行令第4条第1項並びに第5条で定められた業務であり、派遣可能期間の制限がありません。一方で、自由化業務とは、期間制限を受けない業務及び労働者派遣が禁止されている業務以外の業務のことをいいます。期間は派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について原則1年間と定められています(過半数労働組合等の意見を聴いた上で3年間まで延長可能です)。
⑤ 請負・受託業務の強化
設計・開発・研究業務のアウトソーシングの動きが増加しつつある中、当社グループではこの顧客ニーズに対応し、機械・電気・IT分野を中心に、派遣だけではなく請負・受託形態による人材サービスの提供を積極化しています。請負・受託業務は派遣業務と顧客が共通しており、顧客側の人員・設備状況や予算状況等が、契約形態を決定する要因となります。また、派遣業務と技術領域もほぼ共通していることから、当社グループの技術者は派遣・請負・受託業務のいずれにも従事することが可能です。
当該分野は高いリターンが見込まれる一方で、納期遅れや原価増のリスクも存在します。従って、請負・受託業務においては、プロジェクトの進捗・コスト・リスク管理を厳格に進め、また高稼働率を維持することで、安定的な収益基盤を構築することが重要となります。当社では、収益性を維持しつつ、当連結会計年度で売上収益全体の11%を占める請負・受託業務のビジネス規模を更に拡大してまいります。
⑥ アジア事業の拡充
当社グループでは2002年より中国において人材ビジネスを展開してまいりましたが、2012年の尖閣問題を契機として業績は悪化いたしました。その後、事業再構築を進め、善誠科技発展(上海)有限公司、善誠科技発展(大連)有限公司、善誠科技発展(合肥)有限公司、上海誠友人材諮詢有限公司の4法人で利益を確保できる体制に持ち直しつつあります。今後、日本企業の設計・開発のアジアへのグローバル展開は更に進むと考えられ、当社グループとしては中間持株会社であるTechnoPro Asia Limitedを拠点として、中国拠点の拡大そして中国以外のアジア地域への進出も検討しています。
アジア事業の拡充は新たな収益源獲得の機会であると共に、国内顧客へのソリューション拡充に資すると考えており、グローバルな人材紹介や海外への開発オフショアリングサービスの提供を積極的に促進してまいります。
⑦ M&Aによる事業拡大
請負・受託業務やアジア事業を拡大していく上での有力なオプションの一つはM&Aであると考えております。当社グループのコンプライアンス、情報システム等を含む業務基盤を活かし、戦略技術分野の技術者の拡充のため、あるいは多様な産業・顧客基盤を活かした事業拡大を図る上でも、M&Aは有力な手段です。当社グループでは、現有事業とのシナジーを勘案し、買収対象候補先に対する厳格な事業性評価に基づきM&A戦略を推進し、成長を図ってまいります。

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