有価証券報告書-第13期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/09/28 16:00
【資料】
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【項目】
68項目
文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において、当社が判断したものであります。
(1) 経営成績
当事業年度におけるわが国の経済は、企業部門の改善が家計部門に広がり、経済の好循環が進展する中で穏やかに回復しております。
先行きについては、海外経済の回復が続く下で、各種政策の効果もあいまって、雇用・所得環境がさらに改善し、個人消費や設備投資といった民需を中心とした景気回復が期待されます。先行きのリスクとしては、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があります。
当社が関連するAI(人工知能)ビジネスの国内市場は、2021年度には1.1兆円、2030年度には2兆250億円まで拡大するとの予測もあり、今後も大きな成長が期待されております。
(出典:富士キメラ総研「2018 人工知能ビジネス総調査」2018年1月12日)
このような環境のなかで、当社は、パーソナライズ・エンジン「デクワス」をコアとする各サービスを提供し、顧客企業のインターネットを介したマーケティング活動支援に取り組んでまいりました。
当事業年度は、既存サービス分野における安定受注と採算性の向上に取り組むと同時にリニューアルを推進して参りました。また、新規サービス分野における企画・開発を積極的に推進するとともに、新規サービスの受注拡大につとめて参りました。
新規サービス分野としては、画像解析エンジンによるビジュアルコマースサービスの「デクワス.VISION」の推進に注力いたしました。「デクワス.VISION」は、AIによって、ユーザーが閲覧中の商品と、「イメージが近い商品」を探し出して提案するレコメンデーションサービスです。クルーズ株式会社が運営する大手ファッションサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」や、株式会社三陽商会の直営ファッション通販サイト「SANYO iStore(サンヨー・アイストア)」などに当サービスが提供され、高い評価を得ております。
また、ファッションAIアプリ「PASHALY(パシャリィ)」については、機能を追加して刷新するとともに、ファッション通販の大手ショッピングモール「Rakuten BRAND AVENUE(楽天ブランドアベニュー)」など提携サイトの拡大を進めました。自分好みのデザインをずらりと並べて理想の一品を見つけられるショッピング体験を提供することを目指してまいります。
既存サービス分野では、「デクワス.RECO」等の利益を確保できるプロダクトについて、継続受注に注力いたしました。
「デクワス.AD」についてはリニューアルを実施し、簡単にターゲティング広告を配信できる「デクワス.AD スタートパック」を、リリースいたしました。これまでは、行動ターゲティング広告を開始するためには、広告主のサイトにCookie(ウェブブラウザを特定するID)を同期するための仕掛けを準備することが必要でした。新しい「デクワス.AD」では、当社のレコメンド技術と高速な機械学習技術により、そのような準備をしなくてもターゲティング広告を開始できるようになり、導入準備にかかる時間を短縮することができるようになったため、配信実績が堅調に積み上がっております。
さらに、既存サービス分野における競争激化による失注や価格下落を避けるため、顧客の課題解決力を高めることによって収益を獲得する販売手法(ソリューションビジネス)への移行を進めたことにより、当事業年度において大型案件の売上を計上することが出来ました。
コスト面では、上記新規サービス分野へ計画通り先行投資しつつも、前事業年度に引き続き、効果的な人員配置による労務費の削減等、全社的なコスト抑制の取り組みを継続いたしました。
以上の結果、当事業年度における売上高は638,233千円(前期比105.3%)、営業損失は106,382千円(前事業年度は営業損失157,256千円)、経常損失は106,826千円(前事業年度は経常損失158,469千円)、当期純損失は120,924千円(前事業年度は当期純損失250,197千円)となりました。
当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。サービス別の状況は、次のとおりであります。なお、オムニチャネルマーケティングサービスは、想定したほど事業が拡大しなかったため、パーソナライズ・レコメンドサービスに統合し、新たに当社が注力しているソリューションビジネスをパーソナライズ・アドサービスから独立したサービスとして区分致しました。
① パーソナライズ・レコメンドサービス
パーソナライズ・レコメンドサービスについては、他社のレコメンデーションサービスとの競争に加え、マーケティングオートメーションツール(マーケティング業務を簡素化・自動化するツール)のようにレコメンデーションサービスを含んだ広範な機能を有するマーケティングサービスとの競争も激化したことから、当初計画の想定ほどには推移いたしませんでした。
この結果、売上高は126,998千円となりました。
② パーソナライズ・アドサービス
パーソナライズ・アドサービスについては、一部の事業で当初計画通りに進捗しない案件があったため、売上高は想定したほど拡大しませんでしたが、安定した顧客基盤を確保しており、売上は順調に推移しました。
この結果、売上高は430,660千円となりました。
③ ソリューションビジネス
ソリューションビジネスについては、「デクワス.RECO」等の利益を確保できるプロダクトについて、SIerと連携して販路の拡大に注力するとともに、競争激化による失注や価格下落を避けるため、顧客の課題解決力を高めることによって収益を獲得する販売手法(ソリューションビジネス)への移行を行うための体制整備が前事業年度で完了いたしました。当事業年度は、必要に応じた支援策を提供することで、顧客ニーズの掘り起しに注力いたしました。
この結果、売上高は80,574千円となりました。
(売上高)
当事業年度の売上高は638,233千円となり、前事業年度に比べ32,181千円増加しました。これは、前事業年度において、パーソナライズ・アドサービスを中心とした低採算案件の整理が完了したことによるものであります。
(売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上原価は499,632千円となり、前事業年度に比べ83,651千円増加しました。これは主に売上高の減少に伴い、広告枠の仕入れ費用が減少したことによるものであります。
この結果、売上総利益は138,601千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は244,984千円となり、前事業年度に比べ102,343千円減少しました。これは主に、計画的な人工知能への積極投資に係る研究開発費の増加によるものであります。
この結果、営業損失は106,382千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損益)
当事業年度の営業外収益は219千円となりました。これは主に外国特許出願費用助成金によるものであります。また、営業外費用は663千円となり、主に貸倒引当金繰入額によるものであります。
この結果、経常損失は106,826千円となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純損益)
当事業年度の特別損失は13,148千円となりました。これは、固定資産の減損損失によるものであります。また法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は950千円となり、これらの結果、当期純損失は120,924千円となりました。
(2) 財政状態
(流動資産)
事業年度末における流動資産は前事業年度末より78,686千円減少し、632,549千円となりました。その主な増加および減少の内訳は、現金及び預金の減少112,571千円、売掛金の増加31,341千円によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は前事業年度末より1,211千円増加し、20,207千円となりました。その主な内訳は、長期前払費用の増加1,221千円によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は前事業年度末より15,751千円増加し、84,066千円となりました。その主な増加および減少の内訳は、買掛金の増加23,094千円、未払費用の減少9,647千円によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は前事業年度末より46千円増加し、6,169千円となりました。その内訳は、資産除去債務の増加46千円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は前事業年度末より93,272円減少し、562,521千円となりました。その主な増加および減少の内訳は、資本金の増加9,328千円、資本剰余金の増加9,328千円、利益剰余金の減少120,924千円、新株予約権の増加8,994千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、112,583千円減少の458,483千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は117,735千円(前事業年度は121,012千円の支出)となりました。主な増加要因は、仕入債務の増加額23,094千円、減損損失13,148千円によるもの、主な減少要因は、税引前当期純損失119,974千円、売上債権の増加額31,341千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、12,788千円(前事業年度は25,298千円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出13,148千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、17,939千円(前事業年度は6,863千円の収入)となりました。主な要因は、株式の発行による収入18,657千円によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
② 受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。なお、当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
サービス区分別当事業年度
(自 平成29年7月1日
至 平成30年6月30日)
前年同期比
(%)
パーソナライズ・レコメンドサービス(千円)126,998△21.8
パーソナライズ・アドサービス(千円)430,66013.5
ソリューションビジネス(千円)80,57425.3
合計638,2335.3

(注) 1.前事業年度における「オムニチャネルマーケティングサービス」は、当事業年度より「パーソナライズ・レコメンドサービス」に統合し、また「ソリューションビジネス」を前事業年度における「パーソナライズ・アドサービス」から独立したサービスとして区分致しました。これに伴い、前年同期比につきましては、当事業年度の区分に従い前事業年度を組み替えた数値により算出しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前事業年度
(自 平成28年7月1日
至 平成29年6月30日)
当事業年度
(自 平成29年7月1日
至 平成30年6月30日)
金額 (千円)割合 (%)金額 (千円)割合 (%)
㈱リクルート232,16838.3279,36243.8

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
(6) 利益配分に関する基本方針
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けており、将来の企業成長と経営基盤の強化のための内部留保を確保しつつ、株主に継続的に配当を行うことを基本方針としております。しかしながら、当社は成長過程にあり、株主への長期的な利益還元のためには、財務体質の強化と事業拡大のための投資等が当面の優先事項と捉え、現在、配当は実施しておりません。現時点において、配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

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