訂正有価証券報告書-第17期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2018/02/19 16:00
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日)における我が国経済は、平成28年10月~12月期の実質GDP成長率がプラス0.3%(年率換算1.4%)となり、四半期連続でプラス成長、緩やかではありますが回復基調が続きました。
当社グループが属するITサービス市場におきましては平成28年度も好調な市場環境を維持しております。特に、人工知能を活用した関連産業における国内市場規模の推計金額は、平成27年の3兆7,450億円から、平成32年には23兆638億円と、年率換算で43.8%の伸びが見込まれています(※1)。また、平成28年の訪日外客数は過去最高の2,403万9千人(※2)となり、海外から日本に訪れる観光需要を積極的に取り込む施策が、官公庁・地方自治体・事業会社問わず数多く見られます。(※1 出典:EY総合研究所株式会社 ※2 出典:日本政府観光局)
こうした中、当社グループは当連結会計年度において、「AI研究開発投資」を積極的に推進してまいりました。その成果として、複数の分野において実用化を実現しております。ファイナンシャルの分野では、ビッグデータファンドの運用にAI技術を活用することで、平成29年の初頭にかけては、東証株価指数(TOPIX)を大きく上回る運用実績を実現しました。AI技術を活用した人工知能による文章生成にも取り組んでおり、平成28年秋には中部経済新聞社の70周年記念企画への寄稿を行いました。その結果、当社AI技術により自動生成された執筆記事は100を超すメディアに掲載されるなど、当社のAI技術による自動記事生成は高い評価を得ております。
その他積極展開した分野として、「海外SNS分析事業」への取り組みがあります。海外SNS分析事業においては、日本政府観光局をはじめとする官公庁や、地方公共団体からの案件を受注し、大幅に売上を伸ばすことができました。また、海外に進出(アウトバウンド)する製造業・流通小売業への支援を加速することを目的とした海外拠点の整備を進めており、平成28年6月にはその1カ国目としてグループ会社のソリッドインテリジェンス株式会社がマレーシアのクアラルンプール事務所を開設し、海外での活動を強化しております。
また、従来から提供しているソーシャルメディアマーケティングなどの既存の事業も、年間を通じて好調な受注状況であり、来期も安定的な売上増加を見込める状況です
以上の結果、当連結会計年度の売上高は593百万円(前年同期比35.0%増)、営業利益79百万円(同176.9%増)、経常利益71百万円(同95.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益36百万円(同38.9%増)となりました。
サービスごとの内容は次のとおりであります。
①SaaS事業
SaaS事業におきましては、ソーシャルメディア分析ツール「Insight Intelligence」、書き込みアラートサービス「Insight Checker」、テキストマイニングツール「Easy Mining」、事故・災害情報検知サービス「Social Hazard Signage」及び不適切投稿監視サービス「Social Monitor」などのラインナップを擁しております。ソーシャルメディアに対する企画ニーズの拡大に合わせ、提供製品を拡大してまいりました。
当連結会計年度においては、契約数の増加及び解約が一定程度ありました。この結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ1百万円増加し、146百万円(同1.0%増)となりました。
②ソリューション事業
ソリューション事業におきましては、顧客が持つ「自社内ビッグデータ」を基に、当社グループに蓄積されている「ソーシャル・ビッグデータ」を組み合わせ、前述のSaaSサービス技術を活用したセミオーダー型システム開発を行うものです。一般商社向けに商品やサービスを提供する大手メーカー、サービス提供会社、広告会社・PR会社、コンサルティング会社等の広報部、宣伝部、コンサルティング部、営業戦略部、経営戦略部、リスク担当部などを対象顧客として、自社内に保有するデータを有効活用したいというニーズに応えるサービスです。
また、株式会社共同通信イメージズとの資本業務提携を契機に、報道機関へのソリューション事業展開を進めております。
当連結会計年度においては、ソーシャルビッグデータに加え、自社内ビッグデータを活用したいと考える多くの企業からの引き合いが増加した結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ54百万円増加し、209百万円(同34.8%増)となりました。
③リサーチコンサルティング事業
リサーチコンサルティング事業におきましては、SaaSで提供するサービスだけでは自社の要望を可視化できない顧客に対し、商品やプロモーションに対する口コミの専門家分析や、消費者と企業のつながり度を高めるソリューションを提供するものであります。ビッグデータの活用を経営課題としはじめた、大企業をはじめとする多くの企業からの引き合いが増えている現状があります。
また、企業間取引にビッグデータを活用したいと考えるニーズへの対応にも取り組んでおります。情報サービスベンダー向けに、Web上のデータクローリング技術を活用した新しい企業データベース構築支援の提供を行っております。これらの取り組みにより、これまでのBtoC企業に加え、BtoB企業への販路拡大も図ってまいりました。
この結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ98百万円増加し、237百万円(同70.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加3百万円等により、前連結会計年度末と比較して1百万円増加し、当連結会計年度末には719百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、153百万円(前年同期は1百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益50百万円の計上、減価償却費の計上58百万円、未払金の増加11百万円の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は、175百万円(前年同期は102百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出81百万円、投資有価証券の取得による支出42百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、20百万円(前年同期は19百万円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入7百万円、非支配株主からの払込による収入11百万円によるものであります。