有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 9:41
【資料】
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【項目】
146項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営環境等
① 経営方針
当社は「グローバルな競争社会で成長発展していくために、常に将来を見通し、大胆に変化していく。」を経営方針としております。いまや鶏卵といえども国内情勢だけを見て経営判断できる時代ではなくなったと認識しております。国内、国外の動向を把握し、常に10年後の近未来を予測し、過去、現在の仕事のやり方に固執することなく積極的かつ大胆に変化していく事が肝要です。
② 経営環境
鶏卵業界におきましては、前連結会計年度から続く鶏卵生産量増大により当連結会計年度上半期においては鶏卵相場が前連結会計年度をさらに下回る水準で推移しましたが、下半期になり生産量減少からようやく相場は反転、今年4月までは前年を上回る相場水準となりました。しかしながら新型コロナウイルス感染症の影響を受け今年4月以降相場は急落、5月に入り前年を下回る水準となっております。今後の相場動向は感染症終息状況に大きく左右されると思われますが、感染の第2波等の拡大がなければ、業務用需要の回復とともに、今年後半には相場は徐々に上昇するものと予想しております。この様な状況下当社としましては、当社としての競争優位の源泉となっている末端小売店への直接販売や高度な品質管理を武器に本州での販売強化を図ってまいります。
(2)経営戦略等
① 事業領域の地理的拡大
当社グループの持続的成長には、事業領域の地理的拡大が必要です。当社は2014年には岩手県にある株式会社第一ポートリーファームの買収を行い、前連結会計年度は宮城県に農場買収、GP工場建設、営業支店の開設を行いました。今後は買収した農場の生産能力を引き上げるなどして、南東北、関東圏への販路、販売量の拡大を実行してまいります。
② 相場に左右されない収益体質の構築
鶏卵は相場商品であり、このため当社収益も相場動向に左右されやすい収益構造になりがちです。当社は相場に左右されない収益体質構築のため、販売価格が比較的安定し、相場の影響を受けにくい「付加価値卵」(各種栄養成分を強化した卵、アニマルウェルフェアを意識した卵)の開発、拡販に注力してまいります。
③ 農場生産成績向上による鶏卵生産コストの引き下げ
生産コストの引き下げはメーカーでもある当社にとって永遠の取り組み課題です。最新技術を導入した鶏舎への建替え、飼料成分・飼育環境の改良、徹底した防疫対策を通じ、鶏卵生産成績の向上とコスト削減に取り組んでまいります。
④ 品質管理の徹底
当社の北海道内の5GP工場及び岩手県のはまなすGP工場では、既に食の安全の世界的認証であるFSSC22000を取得しております。
また、2018年3月には株式会社第一ポートリーファームの2農場で、同年12月には当社の札幌・千歳の2農場で、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる認証であるJGAPを取得いたしました。
本年度は、宮城県の多賀城GP工場でFSSC22000の取得に挑戦します。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの事業は製品の定価販売が可能な製造業と異なり、製品たる鶏卵、原料である飼料ともその価格が相場に大きく左右されます。このため売上高総利益率等の指標を計画や経営上の目標とすることはかえって経営の本質を見誤る危険性を含んでいるため、事業計画上これらの指標に目標を設定しておりません。代わりに各事業ごとの事業成績目標の達成状況を判断するため、産卵率、平均卵重、飼料要求率(卵を産むためにどれだけの餌が必要かを示す指標)、一人一時間当たり製造量(パック詰め等作業)、相場差(販売単価と鶏卵相場の価格差)等の生産・製造・販売に関連する指標を当社では重視しており、結果として売上高総利益率の改善につながるような事業活動を行っております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 宮城県の拠点整備と販売の拡大
当社戦略の柱となる事業領域の地理的拡大の達成の鍵を握るのは、昨年1月に買収した宮城県栗原市の吉目木農場での生産拡大及びここで生産される卵の南東北、関東市場における拡販です。農場においては既に鶏舎の建て替えも進んでおり、今後4年かけて古い鶏舎を一新し、飼育羽数も20万羽から50万羽に拡大する予定です。また販売では近隣スーパーへの売り込みも実績を挙げつつありますが、今後はこれを関東市場にまで拡大してまいります。
② 人材の確保
上記事業領域の地理的拡大の達成のためには有能な人材の確保が不可欠ですが、急速に進む少子高齢化の中で若く優秀な人材を確保することは年々難しくなってきております。当社は生産、製造、営業、管理の4部門において従来型の新卒定期採用のみならず、中途採用、キャリア採用など、より柔軟な採用、雇用形態を通じ優秀な人材の確保を図ってまいります。
③ 生産成績の向上
戦略の一つである鶏卵コストの引き下げのためには農場成績をより向上させることが絶対条件となります。比較的基盤整備が完了している道内農場においては飼育管理をより徹底することで成績の向上を図ってまいります。 東北の3農場においては既に2農場(はまなす、盛岡)では新鶏舎への建て替えが9割程度完了し、農場成績が大幅に改善しました。宮城県吉目木農場も鶏舎立替とともに成績が大きく改善していくものと期待しております。
④ SDGs、アニマルウェルフェアへの取組
地球の温暖化など環境問題が先鋭化する現代においては、企業の取組課題としてSDGs(持続可能な開発目標)、さらに畜産事業に携わるものとしてアニマルウェルフェアは避けて通れない課題です。当社は農場で発生する鶏糞を発酵肥料として農地還元を図ることで循環型社会形成の一助を担ってまいります。また北海道及び東北の農場において平飼鶏舎を導入するなどアニマルウェルフェアにも積極的に取り組んでまいります。アニマルウェルフェアを意識した鶏卵製品の市場への投入はまた相場に左右されにくい当社収益構造の構築という戦略を支える大切な手段ともなっています。

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