有価証券報告書-第22期(令和1年5月1日-令和2年4月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済および日本経済は、米中通商問題や英国のEU離脱問題等により先行き不透明感が拡大するなか緩やかな回復基調で推移してまいりました。しかし昨年10月からの消費税増税の影響がまさに表面化するという矢先に発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響は、世界経済に深刻な打撃を与え、現時点においてその収束時期や影響範囲を見通すことは極めて困難な状況にあります。そのため、感染収束時期の長期化や事態の深刻化、それによる世界経済の動向によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する状況下において、事業を継続させるべく様々な取組みを行っております。具体的には、経営の安定性を図るための手元流動性の確保、在宅勤務の実施、国内外への出張及び渡航規制の強化、感染防止策の周知徹底、国内外のネットワークを通じた各地動向の把握など、状況に応じた施策を講じております。引き続き、当社グループ社員、ステークホルダーの皆さまの安全を最優先として、当社グループとしての社会的責務を全うすべく、政府の方針・行動計画・要請に基づいた感染予防・感染拡大防止に取り組むと同時に、事業の成長に努めてまいります。
このような経営環境のもと、モバイル(スマートフォン及び携帯電話)アクセサリーの販売について、強化ガラスを活用した透明なiFaceシリーズ「iFace Reflection」が引き続き市場のニーズを捉えてコマース事業全体を牽引したほか、2019年9月に発売された新型iPhone向け商品も好調を維持しております。また、女性向けモバイルアクセサリーブランド「salisty(サリスティ)」における新色展開や、様々な人気キャラクターを活用したモバイルアクセサリー等、個性的な自社企画商品を継続的にリリースし販売拡大に積極的に注力いたしました。加えて、グローバルに展開できるプロダクトの創出と製造原価の低減を目的として、韓国連結子会社が主要仕入先の1社から製品製造事業(ブランド企画・デザイン企画人材含む)の譲受を実施し、グローバルな商品供給拠点としての地歩を固めるなど、中期経営計画に基づいた戦略を推進いたしました。
自社開発のクラウド(SaaS)型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」については、中期経営計画達成に向け、運営基盤強化のための各種施策を実施いたしました。サービスレベルの維持向上と自社リソースの有効活用を図る目的で、2019年4月期より取り組んでいるコールセンター業務の移管に加え、サービスの信頼性や安全性を向上させるための機能強化も積極的に行いました。また、ロジザード株式会社が提供するクラウド型倉庫管理システム「ロジザードZERO」との完全自動連携を実現する等、幅広いパートナーとの協業により引き続きプラットフォームとしての付加価値向上に努めました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,325,198千円(前連結会計年度比9.9%増)、営業利益は1,744,951千円(同50.0%増)、経常利益は1,756,964千円(同49.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,069,422千円(同30.2%増)となりました。
参考指標として、成長投資を加味した収益力の指標であるEBITDAによる前年同期対比を以下に記載いたします。
(単位:千円)
セグメントごとの状況は次のとおりであります。
a. コマース事業
「iFace Reflection」シリーズに加え、定番である「iFace First Class」シリーズも国内小売、卸販売共に堅調に推移しました。これは、2019年9月発売のiPhone11シリーズ向け及び値下げの動きが強まった旧型iPhoneシリーズ向けの双方において、「iFace」シリーズの需要が高まったことに起因しております。特に国内卸販売において、大手携帯キャリアショップ向けの販売が伸長いたしました。また本年1月には、高い商品力と店舗運営能力等が評価された結果、オンラインモール「楽天市場」に出店している「スマホケースのHamee楽天市場店」が、4万店以上の店舗の中から選出される「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2019」のスマートフォン・タブレット・周辺機器ジャンル大賞を受賞(通算8度目)するなど、市場において大きな存在感を示すことができました。第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症の影響について、国内卸販売においては、顧客の実店舗への来店客減少の影響が懸念されたものの、安定した商品供給力が評価され、既存取引先からの引き合いが強まるなど3月までは好調に推移いたしましたが、緊急事態宣言の発出を受け営業自粛をする顧客が増加したことにより4月は受注が減速し、前年同四半期に対して78,040千円の減収となりました。一方、国内小売においては、日常生活の変容による「巣ごもり消費」の顕著化やEC利用への「デジタルシフト」等、消費行動の変化による市場拡大の影響が見られたことから、国内卸販売の落ち込みをカバーし前年同四半期に対して247,926千円の増収となりました。
海外においては、2019年10月にHamee Globalが製品製造事業の譲受を実施いたしました。これによりコマース事業における商品供給力の向上や原価低減効果に加え、グローバル向けプロダクト創出を具現化させるための体制が整いました。なお、今後の当社グループのグローバル展開における同社の重要性を考慮した結果、2020年4月に同社の商号を「Hamee Korea Co.,Ltd.」から「Hamee Global Inc.」へ変更いたしました。米国においては雑貨の販売が引き続き好調に推移した小売が前年同期の実績を上回った一方で、前期大型受注を獲得した卸販売は、その反動で減収となりました。
海外に比べ利益率の高い国内販売が大幅に伸長したことで事業全体の利益の伸びが牽引された結果、コマース事業の売上高は9,208,911千円(前連結会計年度比7.8%増)、営業利益は2,198,200千円(同34.2%増)となりました。
b. プラットフォーム事業
自社開発のクラウド(SaaS)型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」については、在庫管理ソフト「ロジクラ」、ECサイト制作プラットフォーム「Shopify」、「楽天スーパーロジスティクス」等との各種連携強化など、プラットフォーム化のメリットを活用して幅広いパートナーとの協業を推進し、プラットフォームとしての付加価値向上に努めました。また、競合他社のサービス終了に伴うネクストエンジンへの乗り換え機会を着実に捉え、契約数の伸長を果たすなど、契約社数の拡大にも尽力いたしました。
第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症の影響について、コマース事業同様、日常生活の変容による「巣ごもり消費」の顕著化やEC利用への「デジタルシフト」等、消費行動の変化による市場拡大の影響により、ネクストエンジン顧客企業の受注処理件数も増加する流れにあることから、当該トランザクションに紐づく従量課金制としているネクストエンジンの売上も好調に推移するなど、負の影響は見られませんでした。また、このような環境下で、EC事業への進出を希望する企業への支援、既にEC事業へ進出している企業に対する各種サービスやツール導入支援を目的として、パートナー企業が提供する支援策をとりまとめ、EC業界全体の発展に注力いたしました。これらの活動の結果、総契約数は3,997社(前連結会計年度末比375社増)、利用店舗数30,835店(同2,829店増、いずれも自社調べ)となりました。
なお、EC事業者向け販売支援コンサルティングを提供するHameeコンサルティング株式会社について、EC事業者へのさらなるサポートを目的として、楽天市場とYahoo!ショッピングの運営支援ツール「EC Forward」を無料で提供するなど、事業成長に向けて新規顧客の獲得に注力している一方で、事業成長の実現に不可欠なコンサルタントの拡充に伴う採用費用及び労務費並びに教育費などの人材投資とのれん償却費の影響により、営業利益が抑制される状況が続いております。
これらの結果、プラットフォーム事業の売上高は1,855,457千円(前連結会計年度比7.7%増)、営業利益は585,726千円(同10.9%増)となりました。
c. その他
コマース事業、プラットフォーム事業のいずれにも明確に分類できない新たなサービスに係るものであり、ふるさと納税支援サービスやネクストエンジンのメイン機能に紐づかないEC事業者向けのサービス、スマートフォンを持たないお子様のための音声メッセージロボット「Hamic BEAR」、2020年3月にオープンしたエシカルネットショップ「RUKAMO」等が含まれます。特にふるさと納税支援サービスは、市場(寄付額)の拡大、パートナーとの連携強化、更に巣ごもり需要もあり大幅に売上、営業利益ともに伸長いたしました。
当連結会計年度の売上高は268,236千円(前連結会計年度比635.5%増)、セグメント損益(営業損益)は先行投資フェーズであるため△179,200千円(前連結会計年度は161,837千円の営業損失)となりました。
d. 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,885,076千円増加し、6,258,748千円(前年度比43.1%増)となりました。この主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大への対策として、経営の安定性を図るため、金融機関からの借入金により手許流動性を厚くした結果、現金及び預金が1,792,984千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ450,649千円増加し、1,837,777千円(同32.5%増)となりました。この主な要因は、Hamee Globalによる不動産の取得等により建設仮勘定が296,956千万円増加したこと、同社が製造事業を譲受したこと等によりのれんが155,789千円増加したこと、同社によるモバイルアクセサリーブランドの減損処理により顧客関連資産が86,936千円減少したこと、および繰延税金資産が69,153千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,764,217千円増加し、3,146,051千円(同127.7%増)となりました。この主な要因は、経営の安定性を図るため、金融機関からの借入金により手許流動性を厚くした結果、短期借入金が1,300,000千円増加したこと、韓国連結子会社による製造事業譲受における条件付取得対価が合理的に決定可能となったこと等により未払金が326,251千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ64,286千円減少し、126,108千円(同33.8%減)となりました。この主な要因は、長期借入金の減少48,036千円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ635,794千円増加し、4,824,365千円(同15.2%増)となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加964,282千円、また2020年4月1日から同年5月31日まで行った株主還元策としての自己株式の取得等による自己株式の増加187,070千円等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,792,984千円増加し、3,453,297千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,934,338千円(前連結会計年度は650,806千円の収入)でありました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,582,472千円、減価償却費332,336千円、減損損失175,238千円、のれん償却額149,539千円等の収入要因に対し、法人税等の支払い324,648円等の支出要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,019,906千円(前連結会計年度は670,508千円の支出)でありました。これは主に、有形固定資産の取得494,105千円、無形固定資産の取得155,336千円、事業譲受による支出394,081円等の要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は932,631千円(前連結会計年度は7,222千円の支出)でありました。これは、短期借入金の増加1,300,000千円の収入要因に対し、長期借入金の返済60,506千円、自己株式の取得による支出205,079千円、配当金の支払い103,530千円等の支出要因があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループのコマース事業においては、商品企画及び仕入に特化しているため、またプラットフォーム事業における主たる業務は、EC事業者向けサービスの開発、提供、導入後のサポートであり、生産実績を把握することは困難であるため、記載を省略しております。
b. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注状況
当社グループのコマース事業においては受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。またプラットフォーム事業においては、ユーザーのシステム内における受注件数に応じた従量課金制の手数料収入が主であるため、受注残高は発生しません。そのため、受注状況には重要性がなく、記載を省略しております。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の調整額にはセグメント間の内部売上収益が含まれております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 4、会計方針に関する事項」に記載しておりますが、特に以下の連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
固定資産については、対象事業の収益性が低下し、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損を行う可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の拡大による会計上の見積り及び仮定への影響については、「1連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要の主なものは、コマース事業における卸販売の拡大に伴い発生する商品仕入資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用支払いに充当するための資金であります。設備投資資金の主なものは、プラットフォーム事業における主要なサービスであるネクストエンジンの機能向上に資するための開発、ソフトウェア等無形固定資産への投資資金、この他企業買収等、企業価値向上に資する投資に関する資金需要がございます。
当該資金需要のうち運転資金につきましては、取引銀行6行との間で当座貸越枠を総額1,800,000千円(対前連結会計年度末比750,000千円増)と、新型コロナウイルス感染症拡大への対策として手許流動性を高めております。また、投資資金につきましては、案件ごとに、手持ち資金の状況を勘案しながら、長期借入金により資金調達を行っております。
なお、企業買収について、今後多額の買収資金が必要となるような案件が発生した場合、資本効率やコスト等のバランスと、株主利益への影響を十分に勘案したうえで、資本市場での調達、金融機関からの調達の双方を慎重に検討のうえ資金調達を実施してまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済および日本経済は、米中通商問題や英国のEU離脱問題等により先行き不透明感が拡大するなか緩やかな回復基調で推移してまいりました。しかし昨年10月からの消費税増税の影響がまさに表面化するという矢先に発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響は、世界経済に深刻な打撃を与え、現時点においてその収束時期や影響範囲を見通すことは極めて困難な状況にあります。そのため、感染収束時期の長期化や事態の深刻化、それによる世界経済の動向によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する状況下において、事業を継続させるべく様々な取組みを行っております。具体的には、経営の安定性を図るための手元流動性の確保、在宅勤務の実施、国内外への出張及び渡航規制の強化、感染防止策の周知徹底、国内外のネットワークを通じた各地動向の把握など、状況に応じた施策を講じております。引き続き、当社グループ社員、ステークホルダーの皆さまの安全を最優先として、当社グループとしての社会的責務を全うすべく、政府の方針・行動計画・要請に基づいた感染予防・感染拡大防止に取り組むと同時に、事業の成長に努めてまいります。
このような経営環境のもと、モバイル(スマートフォン及び携帯電話)アクセサリーの販売について、強化ガラスを活用した透明なiFaceシリーズ「iFace Reflection」が引き続き市場のニーズを捉えてコマース事業全体を牽引したほか、2019年9月に発売された新型iPhone向け商品も好調を維持しております。また、女性向けモバイルアクセサリーブランド「salisty(サリスティ)」における新色展開や、様々な人気キャラクターを活用したモバイルアクセサリー等、個性的な自社企画商品を継続的にリリースし販売拡大に積極的に注力いたしました。加えて、グローバルに展開できるプロダクトの創出と製造原価の低減を目的として、韓国連結子会社が主要仕入先の1社から製品製造事業(ブランド企画・デザイン企画人材含む)の譲受を実施し、グローバルな商品供給拠点としての地歩を固めるなど、中期経営計画に基づいた戦略を推進いたしました。
自社開発のクラウド(SaaS)型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」については、中期経営計画達成に向け、運営基盤強化のための各種施策を実施いたしました。サービスレベルの維持向上と自社リソースの有効活用を図る目的で、2019年4月期より取り組んでいるコールセンター業務の移管に加え、サービスの信頼性や安全性を向上させるための機能強化も積極的に行いました。また、ロジザード株式会社が提供するクラウド型倉庫管理システム「ロジザードZERO」との完全自動連携を実現する等、幅広いパートナーとの協業により引き続きプラットフォームとしての付加価値向上に努めました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,325,198千円(前連結会計年度比9.9%増)、営業利益は1,744,951千円(同50.0%増)、経常利益は1,756,964千円(同49.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,069,422千円(同30.2%増)となりました。
参考指標として、成長投資を加味した収益力の指標であるEBITDAによる前年同期対比を以下に記載いたします。
(単位:千円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前年同期 増減額 | 対前年同期 増減率 | ||
| 税金等調整前当期純利益 | 1,179,325 | 1,582,472 | 403,146 | 34.2% | |
| 支払利息 | 2,078 | 3,326 | 1,247 | 60.0% | |
| 減価償却費 | 361,450 | 481,875 | 120,424 | 33.3% | |
| EBITDA | 1,542,855 | 2,067,674 | 524,818 | 34.0% | |
| 研究開発費 | 120,649 | 192,061 | 71,411 | 59.2% | |
セグメントごとの状況は次のとおりであります。
a. コマース事業
「iFace Reflection」シリーズに加え、定番である「iFace First Class」シリーズも国内小売、卸販売共に堅調に推移しました。これは、2019年9月発売のiPhone11シリーズ向け及び値下げの動きが強まった旧型iPhoneシリーズ向けの双方において、「iFace」シリーズの需要が高まったことに起因しております。特に国内卸販売において、大手携帯キャリアショップ向けの販売が伸長いたしました。また本年1月には、高い商品力と店舗運営能力等が評価された結果、オンラインモール「楽天市場」に出店している「スマホケースのHamee楽天市場店」が、4万店以上の店舗の中から選出される「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2019」のスマートフォン・タブレット・周辺機器ジャンル大賞を受賞(通算8度目)するなど、市場において大きな存在感を示すことができました。第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症の影響について、国内卸販売においては、顧客の実店舗への来店客減少の影響が懸念されたものの、安定した商品供給力が評価され、既存取引先からの引き合いが強まるなど3月までは好調に推移いたしましたが、緊急事態宣言の発出を受け営業自粛をする顧客が増加したことにより4月は受注が減速し、前年同四半期に対して78,040千円の減収となりました。一方、国内小売においては、日常生活の変容による「巣ごもり消費」の顕著化やEC利用への「デジタルシフト」等、消費行動の変化による市場拡大の影響が見られたことから、国内卸販売の落ち込みをカバーし前年同四半期に対して247,926千円の増収となりました。
海外においては、2019年10月にHamee Globalが製品製造事業の譲受を実施いたしました。これによりコマース事業における商品供給力の向上や原価低減効果に加え、グローバル向けプロダクト創出を具現化させるための体制が整いました。なお、今後の当社グループのグローバル展開における同社の重要性を考慮した結果、2020年4月に同社の商号を「Hamee Korea Co.,Ltd.」から「Hamee Global Inc.」へ変更いたしました。米国においては雑貨の販売が引き続き好調に推移した小売が前年同期の実績を上回った一方で、前期大型受注を獲得した卸販売は、その反動で減収となりました。
海外に比べ利益率の高い国内販売が大幅に伸長したことで事業全体の利益の伸びが牽引された結果、コマース事業の売上高は9,208,911千円(前連結会計年度比7.8%増)、営業利益は2,198,200千円(同34.2%増)となりました。
b. プラットフォーム事業
自社開発のクラウド(SaaS)型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」については、在庫管理ソフト「ロジクラ」、ECサイト制作プラットフォーム「Shopify」、「楽天スーパーロジスティクス」等との各種連携強化など、プラットフォーム化のメリットを活用して幅広いパートナーとの協業を推進し、プラットフォームとしての付加価値向上に努めました。また、競合他社のサービス終了に伴うネクストエンジンへの乗り換え機会を着実に捉え、契約数の伸長を果たすなど、契約社数の拡大にも尽力いたしました。
第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症の影響について、コマース事業同様、日常生活の変容による「巣ごもり消費」の顕著化やEC利用への「デジタルシフト」等、消費行動の変化による市場拡大の影響により、ネクストエンジン顧客企業の受注処理件数も増加する流れにあることから、当該トランザクションに紐づく従量課金制としているネクストエンジンの売上も好調に推移するなど、負の影響は見られませんでした。また、このような環境下で、EC事業への進出を希望する企業への支援、既にEC事業へ進出している企業に対する各種サービスやツール導入支援を目的として、パートナー企業が提供する支援策をとりまとめ、EC業界全体の発展に注力いたしました。これらの活動の結果、総契約数は3,997社(前連結会計年度末比375社増)、利用店舗数30,835店(同2,829店増、いずれも自社調べ)となりました。
なお、EC事業者向け販売支援コンサルティングを提供するHameeコンサルティング株式会社について、EC事業者へのさらなるサポートを目的として、楽天市場とYahoo!ショッピングの運営支援ツール「EC Forward」を無料で提供するなど、事業成長に向けて新規顧客の獲得に注力している一方で、事業成長の実現に不可欠なコンサルタントの拡充に伴う採用費用及び労務費並びに教育費などの人材投資とのれん償却費の影響により、営業利益が抑制される状況が続いております。
これらの結果、プラットフォーム事業の売上高は1,855,457千円(前連結会計年度比7.7%増)、営業利益は585,726千円(同10.9%増)となりました。
c. その他
コマース事業、プラットフォーム事業のいずれにも明確に分類できない新たなサービスに係るものであり、ふるさと納税支援サービスやネクストエンジンのメイン機能に紐づかないEC事業者向けのサービス、スマートフォンを持たないお子様のための音声メッセージロボット「Hamic BEAR」、2020年3月にオープンしたエシカルネットショップ「RUKAMO」等が含まれます。特にふるさと納税支援サービスは、市場(寄付額)の拡大、パートナーとの連携強化、更に巣ごもり需要もあり大幅に売上、営業利益ともに伸長いたしました。
当連結会計年度の売上高は268,236千円(前連結会計年度比635.5%増)、セグメント損益(営業損益)は先行投資フェーズであるため△179,200千円(前連結会計年度は161,837千円の営業損失)となりました。
d. 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,885,076千円増加し、6,258,748千円(前年度比43.1%増)となりました。この主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大への対策として、経営の安定性を図るため、金融機関からの借入金により手許流動性を厚くした結果、現金及び預金が1,792,984千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ450,649千円増加し、1,837,777千円(同32.5%増)となりました。この主な要因は、Hamee Globalによる不動産の取得等により建設仮勘定が296,956千万円増加したこと、同社が製造事業を譲受したこと等によりのれんが155,789千円増加したこと、同社によるモバイルアクセサリーブランドの減損処理により顧客関連資産が86,936千円減少したこと、および繰延税金資産が69,153千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,764,217千円増加し、3,146,051千円(同127.7%増)となりました。この主な要因は、経営の安定性を図るため、金融機関からの借入金により手許流動性を厚くした結果、短期借入金が1,300,000千円増加したこと、韓国連結子会社による製造事業譲受における条件付取得対価が合理的に決定可能となったこと等により未払金が326,251千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ64,286千円減少し、126,108千円(同33.8%減)となりました。この主な要因は、長期借入金の減少48,036千円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ635,794千円増加し、4,824,365千円(同15.2%増)となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加964,282千円、また2020年4月1日から同年5月31日まで行った株主還元策としての自己株式の取得等による自己株式の増加187,070千円等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,792,984千円増加し、3,453,297千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,934,338千円(前連結会計年度は650,806千円の収入)でありました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,582,472千円、減価償却費332,336千円、減損損失175,238千円、のれん償却額149,539千円等の収入要因に対し、法人税等の支払い324,648円等の支出要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,019,906千円(前連結会計年度は670,508千円の支出)でありました。これは主に、有形固定資産の取得494,105千円、無形固定資産の取得155,336千円、事業譲受による支出394,081円等の要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は932,631千円(前連結会計年度は7,222千円の支出)でありました。これは、短期借入金の増加1,300,000千円の収入要因に対し、長期借入金の返済60,506千円、自己株式の取得による支出205,079千円、配当金の支払い103,530千円等の支出要因があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループのコマース事業においては、商品企画及び仕入に特化しているため、またプラットフォーム事業における主たる業務は、EC事業者向けサービスの開発、提供、導入後のサポートであり、生産実績を把握することは困難であるため、記載を省略しております。
b. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) | |
| 仕入高(千円) | 前年同期比(%) | |
| コマース事業 | 4,091,791 | 90.4 |
| プラットフォーム事業 | - | - |
| その他 | 17,669 | 48.7 |
| 合計 | 4,109,461 | 90.1 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注状況
当社グループのコマース事業においては受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。またプラットフォーム事業においては、ユーザーのシステム内における受注件数に応じた従量課金制の手数料収入が主であるため、受注残高は発生しません。そのため、受注状況には重要性がなく、記載を省略しております。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| コマース事業 | 9,208,911 | 107.8 |
| プラットフォーム事業 | 1,855,457 | 107.7 |
| その他 | 268,236 | 735.5 |
| 調整額 | △7,407 | - |
| 合計 | 11,325,198 | 109.9 |
(注)上記の調整額にはセグメント間の内部売上収益が含まれております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 4、会計方針に関する事項」に記載しておりますが、特に以下の連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
固定資産については、対象事業の収益性が低下し、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損を行う可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の拡大による会計上の見積り及び仮定への影響については、「1連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要の主なものは、コマース事業における卸販売の拡大に伴い発生する商品仕入資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用支払いに充当するための資金であります。設備投資資金の主なものは、プラットフォーム事業における主要なサービスであるネクストエンジンの機能向上に資するための開発、ソフトウェア等無形固定資産への投資資金、この他企業買収等、企業価値向上に資する投資に関する資金需要がございます。
当該資金需要のうち運転資金につきましては、取引銀行6行との間で当座貸越枠を総額1,800,000千円(対前連結会計年度末比750,000千円増)と、新型コロナウイルス感染症拡大への対策として手許流動性を高めております。また、投資資金につきましては、案件ごとに、手持ち資金の状況を勘案しながら、長期借入金により資金調達を行っております。
なお、企業買収について、今後多額の買収資金が必要となるような案件が発生した場合、資本効率やコスト等のバランスと、株主利益への影響を十分に勘案したうえで、資本市場での調達、金融機関からの調達の双方を慎重に検討のうえ資金調達を実施してまいります。