有価証券報告書-第20期(平成29年5月1日-平成30年4月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策の動向や東アジアの地政学的なリスク等の懸念材料はあるものの、5年目を迎えた政府及び日銀主導の経済・金融政策の継続を背景に、企業収益の回復や設備投資の拡大、雇用環境の改善が一段と進み、緩やかな回復基調で推移しました。また、平成30年4月に経済産業省が発表した「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、平成29年における日本国内のEC市場規模は、前年比9.1%増の16兆5,054億円となるなど、当社グループが属するEC市場についても、着実な成長が続いております。
このような経営環境のもと当社グループは、モバイル(スマートフォン及び携帯電話)アクセサリーの販売について、依然としてSNSでも好評を博しテレビ番組等でも取り上げられるなど、スマートフォンケースとしては認知度が高い「iFace」シリーズや、女性向けの新ブランド「salisty」、様々な人気キャラクターを活用したモバイルアクセサリー等、個性的な自社企画商品を継続的にリリースし販売拡大に積極的に注力いたしました。また、自社開発のEC自動化プラットフォーム「ネクストエンジン」について、アパレル通販サイトとの連携を強化するアプリや、トランザクションレンディングサービスや地方銀行とのデータ連携等、プラットフォーム化のメリットを最大限に活用したサービスを展開したことに加え、EC事業者の最強パートナーへの進化を目的として、EC事業者向けコンサルティング事業会社を子会社化するなど、持続的な成長に向けた事業展開を推し進めました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は9,376,509千円(前連結会計年度比10.3%増)、営業利益は1,379,874千円(同24.7%増)、経常利益は1,266,966千円(同20.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は872,778千円(同25.4%増)となりました。
セグメントごとの状況は次のとおりであります。
a. コマース事業
上期については、小売、卸販売とも、引き続き「iFace」シリーズを中心とした自社企画商品の販売が好調に推移いたしました。下期については、「iPhoneⅩ」向け商品の卸販売が一時的に弱含んだものの、「iPhone6S」等の旧モデル向け商品が小売を中心に底堅く推移いたしました。
また1月には、オンラインモール「楽天市場」に出店している「スマホケースのHamee楽天市場店」が、4万店以上の店舗の中から選出される「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」のスマートフォン・タブレット・周辺機器ジャンル大賞を受賞(3年連続7度目)するなど、市場において大きな存在感を示すことができました。
この結果、コマース事業の売上高は8,120,350千円(前連結会計年度比8.5%増)、営業利益は1,780,811千円(同31.9%増)となりました。
b. プラットフォーム事業
アパレル通販サイトとの連携強化、トランザクションレンディングサービスとの連携等Fintech分野への進出など、ネクストエンジンをプラットフォーム化したメリットを活用したサービスを展開し、引き続きネクストエンジンの付加価値向上に努めたほか、サポート体制の充実やパートナー企業による初期設定代行サービスの活用等の各種施策を行い、契約増加を図りました。これにより、総契約数3,095社(OEM除く、前連結会計年度末比453社増)、利用店舗数23,852店(同3,584店増)、利用店舗の取引総額4,924億円(同1,164億円増)、受注処理件数68百万件(同14百万件増、いずれも自社調べ)となりました。
この結果、プラットフォーム事業の売上高は1,238,113千円(前連結会計年度比21.6%増)と順調に伸長いたしましたが、総契約数5,000社の早期達成に向けてサポート兼営業人員の増員や、サーバー等インフラへの投資を積極的に行ったため、営業利益は399,067千円(同2.6%増)となりました。
c. その他
コマース事業、プラットフォーム事業のいずれにも明確に分類できない新たなサービスに係るものであり、ネクストエンジンのメイン機能に紐づかないEC事業者向けのサービス等が含まれます。当連結会計年度の売上高は18,045千円、セグメント損益(営業損益)は先行投資フェーズであるため△70,094千円となりました。
d. 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ532,021千円増加し、4,105,606千円(前年度比14.9%増)となりました。この主な要因は、現金及び預金の増加371,043千円、たな卸資産の増加34,038千円、その他の増加73,508千円等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ273,875千円増加し、936,669千円(同41.3%増)となりました。この主な要因は、本社移転に伴う有形固定資産の増加167,252千円、のれん、ソフトウエア等無形固定資産の増加215,092千円、関係会社株式の減少154,144千円等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ173,070千円減少し、1,234,687千円(同12.3%減)となりました。この主な要因は、買掛金が158,814千円増加した一方で返済に伴う短期借入金の減少300,000千円、未払法人税等の減少55,328千円等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ134,660千円増加し、210,712千円(同177.1%増)となりました。この主な要因は、長期借入金の増加136,105千円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ840,582千円増加し、3,596,876千円(同30.5%増)となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加779,976千円、新株予約権の増加70,448千円等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ371,043千円増加し、1,695,117千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,245,597千円(前連結会計年度は575,890千円の収入)でありました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,259,020千円、減価償却費247,379千円、仕入債務の増加148,714千円、株式報酬費用70,448千円等の収入要因に対し、法人税等の支払い505,468千円等の支出要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は673,834千円(前連結会計年度は433,283千円の支出)でありました。これは主に、子会社株式の取得210,298千円、有形固定資産の取得285,266千円、無形固定資産の取得152,077千円等の要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は230,067千円(前連結会計年度は69,078千円の支出)でありました。これは、長期借入金の増加240,000千円の収入要因に対し、短期借入金の返済300,000千円、長期借入金の約定返済110,087千円、配当金の支払い70,761千円等の支出要因があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループのコマース事業においては、商品企画及び仕入に特化しているため、またプラットフォーム事業における主たる業務は、EC事業者向けサービスの開発、提供、導入後のサポートであり、生産実績を把握することは困難であるため、記載を省略しております。
b. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年5月1日 至 平成30年4月30日) | |
| 仕入高(千円) | 前年同期比(%) | |
| コマース事業 | 4,070,399 | 95.6 |
| プラットフォーム事業 | - | - |
| その他 | - | - |
| 合計 | 4,070,399 | 95.6 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注状況
当社グループのコマース事業においては受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。またプラットフォーム事業においては、ユーザーのシステム内における受注件数に応じた従量課金制の手数料収入が主であるため、受注残高は発生しません。そのため、受注状況には重要性がなく、記載を省略しております。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年5月1日 至 平成30年4月30日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| コマース事業 | 8,120,350 | 108.5 |
| プラットフォーム事業 | 1,238,113 | 121.6 |
| その他 | 18,045 | - |
| 合計 | 9,376,509 | 110.3 |
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要の主なものは、コマース事業における卸販売の拡大に伴い発生する商品仕入資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用支払いに充当するための資金であります。設備投資資金の主なものは、プラットフォーム事業における主要なサービスであるネクストエンジンの機能向上に資するための開発、ソフトウエア等無形固定資産への投資資金であります。また、この他企業買収等、企業価値向上に資する投資に関する資金需要が発生いたします。
当該資金需要のうち運転資金につきましては、取引銀行5行との間で総額10億円の当座貸越枠を設定しており、必要に応じて機動的な資金調達が可能な体制を整えております。また、投資資金につきましては、案件ごとに、手持ち資金の状況を勘案しながら、長期借入金により資金調達を行っております。
なお、企業買収について、今後多額の買収資金が必要となるような案件が発生した場合、資本効率やコスト等のバランスと、株主利益への影響を十分に勘案したうえで、資本市場での調達、金融機関からの調達の双方を慎重に検討のうえ資金調達を実施してまいります。