有価証券報告書-第47期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 15:29
【資料】
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【項目】
127項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、以下の経営理念のもと、長年培ってきた開発力・技術力を基盤として、優れた品質の製品を安定供給することにより、顧客満足度の向上を図るとともに、取引先・協力会社・地域社会・投資家の皆様方と従業員からの信頼と期待に応えられる企業を目指しております。
[経営理念]
努力、活力、創造力
全員営業、全員製造、全員参加の経営をもって、ものづくりのエキスパート集団となり、夢ある未来を共に育てる。
① お客様、協力会社との共栄のために
② 従業員とその家族の幸せのために
③ 社会と地球環境への貢献のために
(2)目標とする経営指標
当社グループが目標とする主要な経営指標は、高収益体質を目指し、売上高営業利益率及び営業利益額の成長率としております。将来的には、運転資本の圧縮と合わせ営業キャッシュ・フローの拡大を図り、その範囲内で成長のための投資を実現することで、資本効率を着実に向上させていく所存です。常に付加価値の高い製品・サービスが提供できるよう営業利益率の向上に努めるとともに、営業利益の絶対額を高めるべく事業規模を拡大していくことで、企業価値の最大化を図ってまいります。
(3)中長期的な経営戦略等
当社グループは「現場的研究開発型企業」として、社会に役立つ技術開発に努めております。今後目指す成長戦略としましては、「エネルギー分野」「環境分野」「医療分野」を事業領域の3本の柱として、新しい事業の創造・展開を志向し、持続的成長と企業価値の向上に努めていきたいと考えております。
戦略の概要は以下のとおりとなっております。
① 「エネルギー分野」
電子材料スライス周辺事業におけるシリコンウエハのスライス加工手法がダイヤモンドワイヤを必要とする「固定砥粒方式」への技術転換が加速していることを背景に、今後も収益力強化を図っていく。
② 「環境分野」
シリコンウエハ加工時に出る廃シリコン材などを活用し、単なるリサイクル材料として再生するのではなく、新しい高付加価値素材に進化させる開発を推進し、早期事業化を図っていく。
③ 「医療分野」
創薬のプロセスにおいて、化学反応条件の最適化及び開発期間の短縮を目的として、自律型自動合成装置の開発に着手しており、将来的には付加価値の高い化合物合成の受託事業を早期に立ち上げていく。
④ グループ全事業の総点検実施による収益力強化を図っていく。
(4)会社の対処すべき課題
中国をはじめとする新興国の経済成長の鈍化を端緒とする世界経済の減速懸念、さらには、米国新政権による経済政策の転換等により、実体経済への影響も取り沙汰されるようになり、当社グループを取り巻く経営環境は、依然として不透明な状況であります。一方で、太陽電池等のエネルギー・環境関連分野の社会的重要性は高まっており、当社グループの担うべき役割もますます重要なものになっていくと考えております。
当社グループは事業環境の変化に柔軟に対応し、事業基盤を一層拡大していくため、以下の課題に取り組んでまいります。
① 研究開発力の強化
当社グループ各事業の持続的発展のためには、技術競争力に裏打ちされた様々な研究開発が必須であります。この研究開発力を基にしてスピーディな社会に役立つ製品開発を推し進め、「エネルギー」「環境」「医療」を事業領域の3本の柱として、次世代技術の研究開発をさらに進めてまいります。
② 生産力の強化
当社グループの属する市場は日々変化しております。こうした市場環境の変化に柔軟に対応した製品を常に供給できる生産体制の構築を進めてまいります。また、製造工程における生産技術の革新などにより、更なる生産能力の増強を図ってまいります。
③ 品質の向上
製品品質の向上と顧客満足度の向上を保証する品質管理体制の強化を継続するとともに、当社グループ各部門の連携をより強化することで、当社グループ全体の品質レベルを向上してまいります。
④ 新しい販路及び取引先の拡大
当社グループは、これまで特定の取引先との取引の依存度が高い状態にありましたが、当該状況を解消すべく取引先の増加に取り組んでまいりました。その結果、一定の成果を得るに至りましたが、更なる基盤の構築に向けて、既存取引先との取引拡大に加え、新しい販路の開拓等、様々な取引先増加に向けた施策を実行してまいります。
⑤ 営業力の強化
日々変化する市場環境に対応するために、適切な判断と迅速な行動を兼ね備えた営業力を強化してまいります。今後、アジア諸国を中心とした海外市場で大きな需要が見込まれることから、海外での営業力の強化にも努めてまいります。
⑥ 収益力の強化
収益力の強化のためには、各種コストの低減が重要課題の一つと認識し、最適な調達体制・生産体制を構築する必要があります。また、生産技術力の向上による生産効率の良い生産体制を構築し、各種コストの低減に取り組んでまいります。
⑦ 人材確保・育成
現在、当社グループの保有する熟練した生産技術を次の世代に確実に継承するだけでなく、今後の当社グループの事業の中核を担う人材の確保と育成が急務であると考えております。それに合わせて、従業員の実績を適切に評価できる人事評価体制を整備し、経営環境の変化に対応できる人材教育体制の構築に取り組んでまいります。
⑧ 財務基盤の強化
当社グループは、事業の拡大に際して、設備投資資金を主として金融機関からの借入により調達してまいりましたので、有利子負債依存度が高い状態にあります。このため、経営基盤の強化を図るため、財務体質の改善が急務であると認識しており、有利子負債の圧縮と自己資本比率の向上に努めることで、より健全性の高い経営を目指してまいります。
⑨ 内部管理体制の強化
当社グループは、会社法、金融商品取引法及びその他法令を遵守するコンプライアンス体制を継続して強化していくとともに、内部牽制が機能する管理体制を構築することで、株主や取引先など、全てのステークホルダーの信頼に耐えうる組織を目指してまいります。