有価証券届出書(新規公開時)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
第10期連結会計年度及び第11期第1四半期連結累計期間の当社並びに当社グループの主たる子会社である日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営成績並びに財政状態及びキャッシュ・フローの状況(ただし、キャッシュ・フローの分析については第10期連結会計年度のみ)の分析は、以下のとおりであります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
第10期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当連結会計年度の経常収益は、民営化以降、減少が続いている厳しい環境であり、かんぽ生命保険の責任準備金戻入額の減少等により前期比981,284百万円減の14,258,842百万円となりました。一方、経常費用は、かんぽ生命保険の保険金等支払金の減少等により、前期比993,504百万円減の13,143,018百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前期比12,220百万円増の1,115,823百万円、特別利益、特別損失(保険業法の価格変動準備金繰入等)、契約者配当準備金繰入額等を加減した当期純利益は前期比3,610百万円増の482,682百万円となりました。
なお、セグメント別の状況は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の当社並びに当社グループの主たる子会社である日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営成績(いずれも単体)の分析は、以下のとおりであります。
平成27年3月期の決算の概要 (単位:百万円)
(注) 1.営業収益、営業費用及び営業利益の計数及び前期比は、日本郵政(単体)及び日本郵便(単体)のみ記載しております。これは、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の科目が、銀行法施行規則及び保険業法施行規則に準拠しているためであります。
2.日本郵便(単体)の計数は、表中の郵便・物流事業と金融窓口事業の合算から、内部取引を調整して算定したものであります。
3.表中の主要各社の損益は、当社並びに当社グループの主たる子会社である日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の個別財務諸表に基づき記載しているため「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の注記事項(セグメント情報等)とは異なります。
当社における当事業年度の営業収益は、関係会社受取配当金の減少等により前期比21,069百万円減の251,919百万円となりました。一方、営業費用は、前期比22,254百万円減の104,731百万円となりました。
以上の結果、営業利益は、前期比1,184百万円増の147,187百万円となり、経常利益は、前期比1,461百万円増の149,298百万円となりました。
当期純利益は、連結納税による法人税等の影響等の要因により、前期比23,908百万円減の131,181百万円となりました。
① 日本郵便(郵便・物流事業)
日本郵便の郵便・物流事業における当事業年度の営業収益は、郵便物数の減少による収益の減少が続く中(引受郵便物の総取扱物数前期比2.1%減)、ゆうパック(物数前期比13.2%増)・ゆうメール(物数前期比1.1%増)の中小口営業の取り組みやEMS(国際スピード郵便)の増加(物数前期比29.9%増)により、前期比46,266百万円増の1,823,902百万円となりました。一方、営業費用は、人件費単価の上昇・物数増加に伴う国際郵送料等の経費及び次世代情報端末(パソコン)の全国展開などの投資に伴う費用が増加した結果、前期比66,040百万円増の1,834,221百万円となりました。
以上の結果、前期比19,773百万円減となる10,319百万円の営業損失となりました。
② 日本郵便(金融窓口事業)
日本郵便の金融窓口事業において、郵便物の減少や保険保有契約件数の減少などが継続する中、郵便窓口業務を含め、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険のグループ各社からの受託手数料は、前期比9,983百万円減の1,140,696百万円と減少傾向が続いているものの、不動産事業の推進や提携金融サービスの拡充などにより、当事業年度の営業収益は、前期比515百万円増の1,184,044百万円となりました。一方、営業費用は、業務量の増減に合わせた人員配置を行うなどの人件費、経費の効率的な使用に努めたものの、次世代情報端末(パソコン)の全国展開などの投資に伴う費用が増加した結果、前期比17,091百万円増の1,163,074百万円となりました。
以上の結果、前期比16,576百万円減の20,969百万円の営業利益となりました。
③ ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行における当事業年度の経常収益は、収益源の多様化が寄与し、前期比1,781百万円増の2,078,179百万円となりました。一方、経常費用は、前期比2,613百万円減の1,508,689百万円となりました。このうち営業経費は、消費税率引き上げの影響もあり、前期比18,638百万円増の1,113,654百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前期比4,394百万円増の569,489百万円、当期純利益は、前期比14,769百万円増の369,434百万円となりました。
④ かんぽ生命保険
かんぽ生命保険における当事業年度の経常収益は、個人保険の新契約件数は増加したものの責任準備金戻入額が減少したこと等により前期比1,064,688百万円減の10,169,236百万円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が減少したこと等により前期比1,094,351百万円減の9,676,067百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前期比29,663百万円増の493,169百万円となりました。経常利益に、特別損益、契約者配当準備金繰入額及び法人税等を差し引いた当期純利益は、前期比18,329百万円増の81,758百万円となりました。
第11期第1四半期連結累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年6月30日)
当第1四半期連結累計期間の経常収益は、かんぽ生命保険の保険料等収入、責任準備金戻入額、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の有価証券利息配当金などを中心に3,446,514百万円となりました。一方、経常費用は、かんぽ生命保険の保険金等支払金などを中心に3,203,810百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、242,704百万円、経常利益に、固定資産売却等による特別利益、保険業法の価格変動準備金繰入等による特別損失、契約者配当準備金繰入額等を加減した親会社株主に帰属する四半期純利益は142,639百万円となりました。
なお、セグメント別の状況は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間の当社並びに当社グループの主たる子会社である日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営成績(いずれも単体)の分析は、以下のとおりであります。
平成28年3月期第1四半期の決算の概要 (単位:百万円)
(注) 1.営業収益、営業費用及び営業利益の計数は、日本郵政(単体)及び日本郵便(単体)のみ記載しております。これは、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の科目が、銀行法施行規則及び保険業法施行規則に準拠しているためであります。
2.日本郵便(単体)の計数は、表中の郵便・物流事業と金融窓口事業の合算から、内部取引を調整して算定したものであります。
3.日本郵政(連結)の「四半期純利益」は、「親会社株主に帰属する四半期純利益」の数値を記載しております。
4.表中の主要各社の損益は、当社並びに当社グループの主たる子会社である日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の個別財務諸表に基づき記載しているため「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の四半期連結財務諸表に係る注記事項(セグメント情報等)とは異なります。
当社における当第1四半期累計期間の営業収益は、関係会社受取配当金を中心に233,392百万円となりました。一方、営業費用は19,242百万円となりました。
以上の結果、営業利益は214,150百万円となり、経常利益は214,718百万円となりました。
四半期純利益は、連結納税による法人税等の影響等の要因により、216,355百万円となりました。
① 日本郵便(郵便・物流事業)
日本郵便の郵便・物流事業における当第1四半期累計期間の営業収益は、郵便物数が増加するとともに(引受郵便物の総取扱物数前年同期比1.0%増)、ゆうパック(物数前年同期比10.4%増)・ゆうメール(物数前年同期比3.7%増)やEMSの増加(物数前期比49.7%増)などにより、437,478百万円となりました。
一方、営業費用は、取扱物数増による期間雇用社員賃金等の人件費や国際郵送料等の集配委託費用の増加、雇用情勢による人件費単価の上昇等のコストの増加等により、445,203百万円となりました。
以上の結果、7,725百万円の営業損失となりました。
② 日本郵便(金融窓口事業)
日本郵便の金融窓口事業における当第1四半期累計期間の営業収益は、貯金残高や投資信託の販売の増加等による金融受託業務の手数料の増加や、提携金融サービスの拡充などによる収入の増加により、302,892百万円となりました。
一方、営業費用は、これらの営業活動に伴う人件費の増加などにより286,261百万円となりました。
以上の結果、16,631百万円の営業利益となりました。
③ ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行における当第1四半期累計期間の経常収益は、貯金残高は郵便局との連携による営業推進態勢の強化により178,121,883百万円となり、金利リスク等を適切にコントロールしながら収益源の多様化、収益の安定的確保に努めているものの、歴史的な低金利が継続する厳しい経営環境下で資金利益が減少したことなどから、482,708百万円となりました。
一方、経常費用は預金保険料率の引下げの影響等により、368,819百万円となりました。このうち、資金調達費用は93,217百万円、営業経費は266,971百万円となりました。
以上の結果、経常利益は113,888百万円、四半期純利益は79,270百万円となりました。
④ かんぽ生命保険
かんぽ生命保険における当第1四半期累計期間の経常収益は、日本郵便との連携強化などにより個人保険57万7千件、金額1,720,176百万円、個人年金保険2万件、金額72,201百万円の新契約を獲得するなどの結果、2,473,122百万円となりました。
一方、経常費用は、保険金等支払金は2,210,799百万円、責任準備金等繰入額は232百万円、資産運用費用は2,427百万円などを主因に2,365,513百万円となりました。
以上の結果、経常利益は107,609百万円、四半期純利益は23,244百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
第10期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
① 資産の部
資産の部合計は、前連結会計年度末比3,603,354百万円増の295,849,794百万円となりました。
主な要因は、現金預け金14,412,038百万円の増、銀行業及び生命保険業における債券貸借取引支払保証金1,059,982百万円の増並びに金銭の信託1,425,950百万円の増の一方、銀行業及び生命保険業等における有価証券13,029,174百万円の減によるものです。
② 負債の部
負債の部合計は、前連結会計年度末比1,690,442百万円増の280,548,232百万円となりました。
主な要因は、銀行業及び生命保険業における債券貸借取引受入担保金2,857,923百万円の増並びに貯金405,216百万円の増の一方、生命保険業における責任準備金2,632,889百万円の減によるものです。
③ 純資産の部
純資産の部合計は、前連結会計年度末比1,912,911百万円増の15,301,561百万円となりました。
主な要因は、その他有価証券評価差額金1,638,797百万円の増によるものです。
第11期第1四半期連結累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年6月30日)
① 資産の部
資産の部合計は、前連結会計年度末比1,541,607百万円増の297,391,401百万円となりました。
主な要因は、現金預け金1,103,791百万円の増、のれん535,447百万円の増、銀行業及び生命保険業における金銭の信託312,125百万円の増の一方、銀行業及び生命保険業等における有価証券623,174百万円の減によるものです。
② 負債の部
負債の部合計は、前連結会計年度末比1,441,169百万円増の281,989,402百万円となりました。
主な要因は、銀行業における貯金1,370,720百万円の増並びに銀行業及び生命保険業における債券貸借取引受入担保金1,348,486百万円の増の一方、生命保険業における責任準備金752,841百万円の減によるものです。
③ 純資産の部
純資産の部合計は、前連結会計年度末比100,437百万円増の15,401,998百万円となりました。
主な要因は、利益剰余金92,662百万円の増によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況 」に記載のとおりであります。
(4) 経営者の問題意識と今後の方針
当社は、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営の基本方針の策定及び実施の確保並びに株主としての権利の行使を行うとともに、グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1カ所に集約したほうが効率的な実施が見込まれる間接業務を事業子会社等から受託して実施することにより事業子会社等の業務を支援するほか、病院及び宿泊施設の運営等を行うことにより、郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。
また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献できるよう努めていくことを基本として会社経営を行っていきます。なお、その業務の運営に当たっては、日本郵政株式会社法第5条第1項に規定される、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を果たしてまいります。
当社グループの企業価値向上を目指し、子会社の収益力強化策や更なる経営効率化等が着実に進展するようグループ運営を行い、当社グループ各社が抱える経営課題については、持株会社として、各社と連携を深めながら、必要な支援を行い、その解消に努めます。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
第10期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当連結会計年度の経常収益は、民営化以降、減少が続いている厳しい環境であり、かんぽ生命保険の責任準備金戻入額の減少等により前期比981,284百万円減の14,258,842百万円となりました。一方、経常費用は、かんぽ生命保険の保険金等支払金の減少等により、前期比993,504百万円減の13,143,018百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前期比12,220百万円増の1,115,823百万円、特別利益、特別損失(保険業法の価格変動準備金繰入等)、契約者配当準備金繰入額等を加減した当期純利益は前期比3,610百万円増の482,682百万円となりました。
なお、セグメント別の状況は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の当社並びに当社グループの主たる子会社である日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営成績(いずれも単体)の分析は、以下のとおりであります。
平成27年3月期の決算の概要 (単位:百万円)
科目 | 日本郵政 (連結) | |||||||
日本郵政 (単体) | 日本郵便 | ゆうちょ 銀行 | かんぽ 生命保険 (単体) | |||||
(単体) | 郵便・物流事業 | 金融窓口事業 | ||||||
経常収益 (営業収益) | 14,258,842 | 255,370 (251,919) | 2,840,398 (2,819,144) | 1,835,722 (1,823,902) | 1,193,477 (1,184,044) | 2,078,179 | 10,169,236 | |
前期比 | △981,284 | △20,949 (△21,069) | 47,991 (45,186) | 43,434 (46,266) | △11,028 (515) | 1,781 | △1,064,688 | |
経常費用 (営業費用) | 13,143,018 | 106,071 (104,731) | 2,818,388 (2,808,494) | 1,837,590 (1,834,221) | 1,169,599 (1,163,074) | 1,508,689 | 9,676,067 | |
前期比 | △993,504 | △22,410 (△22,254) | 78,513 (81,536) | 59,182 (66,040) | 3,746 (17,091) | △2,613 | △1,094,351 | |
経常利益 又は経常 損失(△) (営業利益 又は営業 損失(△)) | 1,115,823 | 149,298 (147,187) | 22,010 (10,650) | △1,868 (△10,319) | 23,878 (20,969) | 569,489 | 493,169 | |
前期比 | 12,220 | 1,461 (1,184) | △30,522 (△36,349) | △15,747 (△19,773) | △14,775 (△16,576) | 4,394 | 29,663 | |
当期純利益 | 482,682 | 131,181 | 15,423 | ― | ― | 369,434 | 81,758 | |
前期比 | 3,610 | △23,908 | △17,487 | ― | ― | 14,769 | 18,329 |
(注) 1.営業収益、営業費用及び営業利益の計数及び前期比は、日本郵政(単体)及び日本郵便(単体)のみ記載しております。これは、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の科目が、銀行法施行規則及び保険業法施行規則に準拠しているためであります。
2.日本郵便(単体)の計数は、表中の郵便・物流事業と金融窓口事業の合算から、内部取引を調整して算定したものであります。
3.表中の主要各社の損益は、当社並びに当社グループの主たる子会社である日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の個別財務諸表に基づき記載しているため「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の注記事項(セグメント情報等)とは異なります。
当社における当事業年度の営業収益は、関係会社受取配当金の減少等により前期比21,069百万円減の251,919百万円となりました。一方、営業費用は、前期比22,254百万円減の104,731百万円となりました。
以上の結果、営業利益は、前期比1,184百万円増の147,187百万円となり、経常利益は、前期比1,461百万円増の149,298百万円となりました。
当期純利益は、連結納税による法人税等の影響等の要因により、前期比23,908百万円減の131,181百万円となりました。
① 日本郵便(郵便・物流事業)
日本郵便の郵便・物流事業における当事業年度の営業収益は、郵便物数の減少による収益の減少が続く中(引受郵便物の総取扱物数前期比2.1%減)、ゆうパック(物数前期比13.2%増)・ゆうメール(物数前期比1.1%増)の中小口営業の取り組みやEMS(国際スピード郵便)の増加(物数前期比29.9%増)により、前期比46,266百万円増の1,823,902百万円となりました。一方、営業費用は、人件費単価の上昇・物数増加に伴う国際郵送料等の経費及び次世代情報端末(パソコン)の全国展開などの投資に伴う費用が増加した結果、前期比66,040百万円増の1,834,221百万円となりました。
以上の結果、前期比19,773百万円減となる10,319百万円の営業損失となりました。
② 日本郵便(金融窓口事業)
日本郵便の金融窓口事業において、郵便物の減少や保険保有契約件数の減少などが継続する中、郵便窓口業務を含め、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険のグループ各社からの受託手数料は、前期比9,983百万円減の1,140,696百万円と減少傾向が続いているものの、不動産事業の推進や提携金融サービスの拡充などにより、当事業年度の営業収益は、前期比515百万円増の1,184,044百万円となりました。一方、営業費用は、業務量の増減に合わせた人員配置を行うなどの人件費、経費の効率的な使用に努めたものの、次世代情報端末(パソコン)の全国展開などの投資に伴う費用が増加した結果、前期比17,091百万円増の1,163,074百万円となりました。
以上の結果、前期比16,576百万円減の20,969百万円の営業利益となりました。
③ ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行における当事業年度の経常収益は、収益源の多様化が寄与し、前期比1,781百万円増の2,078,179百万円となりました。一方、経常費用は、前期比2,613百万円減の1,508,689百万円となりました。このうち営業経費は、消費税率引き上げの影響もあり、前期比18,638百万円増の1,113,654百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前期比4,394百万円増の569,489百万円、当期純利益は、前期比14,769百万円増の369,434百万円となりました。
④ かんぽ生命保険
かんぽ生命保険における当事業年度の経常収益は、個人保険の新契約件数は増加したものの責任準備金戻入額が減少したこと等により前期比1,064,688百万円減の10,169,236百万円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が減少したこと等により前期比1,094,351百万円減の9,676,067百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前期比29,663百万円増の493,169百万円となりました。経常利益に、特別損益、契約者配当準備金繰入額及び法人税等を差し引いた当期純利益は、前期比18,329百万円増の81,758百万円となりました。
第11期第1四半期連結累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年6月30日)
当第1四半期連結累計期間の経常収益は、かんぽ生命保険の保険料等収入、責任準備金戻入額、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の有価証券利息配当金などを中心に3,446,514百万円となりました。一方、経常費用は、かんぽ生命保険の保険金等支払金などを中心に3,203,810百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、242,704百万円、経常利益に、固定資産売却等による特別利益、保険業法の価格変動準備金繰入等による特別損失、契約者配当準備金繰入額等を加減した親会社株主に帰属する四半期純利益は142,639百万円となりました。
なお、セグメント別の状況は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間の当社並びに当社グループの主たる子会社である日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営成績(いずれも単体)の分析は、以下のとおりであります。
平成28年3月期第1四半期の決算の概要 (単位:百万円)
科目 | 日本郵政 (連結) | ||||||
日本郵政 (単体) | 日本郵便 | ゆうちょ 銀行 | かんぽ 生命保険 (単体) | ||||
(単体) | 郵便・物流事業 | 金融窓口事業 | |||||
経常収益 (営業収益) | 3,446,514 | 234,289 (233,392) | 701,464 (695,291) | ― (437,478) | ― (302,892) | 482,708 | 2,473,122 |
経常費用 (営業費用) | 3,203,810 | 19,570 (19,242) | 688,839 (686,709) | ― (445,203) | ― (286,261) | 368,819 | 2,365,513 |
経常利益 又は経常 損失(△) (営業利益 又は営業 損失(△)) | 242,704 | 214,718 (214,150) | 12,625 (8,581) | ― (△7,725) | ― (16,631) | 113,888 | 107,609 |
四半期純 利益 | 142,639 | 216,355 | 31,273 | ― | ― | 79,270 | 23,244 |
(注) 1.営業収益、営業費用及び営業利益の計数は、日本郵政(単体)及び日本郵便(単体)のみ記載しております。これは、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の科目が、銀行法施行規則及び保険業法施行規則に準拠しているためであります。
2.日本郵便(単体)の計数は、表中の郵便・物流事業と金融窓口事業の合算から、内部取引を調整して算定したものであります。
3.日本郵政(連結)の「四半期純利益」は、「親会社株主に帰属する四半期純利益」の数値を記載しております。
4.表中の主要各社の損益は、当社並びに当社グループの主たる子会社である日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の個別財務諸表に基づき記載しているため「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の四半期連結財務諸表に係る注記事項(セグメント情報等)とは異なります。
当社における当第1四半期累計期間の営業収益は、関係会社受取配当金を中心に233,392百万円となりました。一方、営業費用は19,242百万円となりました。
以上の結果、営業利益は214,150百万円となり、経常利益は214,718百万円となりました。
四半期純利益は、連結納税による法人税等の影響等の要因により、216,355百万円となりました。
① 日本郵便(郵便・物流事業)
日本郵便の郵便・物流事業における当第1四半期累計期間の営業収益は、郵便物数が増加するとともに(引受郵便物の総取扱物数前年同期比1.0%増)、ゆうパック(物数前年同期比10.4%増)・ゆうメール(物数前年同期比3.7%増)やEMSの増加(物数前期比49.7%増)などにより、437,478百万円となりました。
一方、営業費用は、取扱物数増による期間雇用社員賃金等の人件費や国際郵送料等の集配委託費用の増加、雇用情勢による人件費単価の上昇等のコストの増加等により、445,203百万円となりました。
以上の結果、7,725百万円の営業損失となりました。
② 日本郵便(金融窓口事業)
日本郵便の金融窓口事業における当第1四半期累計期間の営業収益は、貯金残高や投資信託の販売の増加等による金融受託業務の手数料の増加や、提携金融サービスの拡充などによる収入の増加により、302,892百万円となりました。
一方、営業費用は、これらの営業活動に伴う人件費の増加などにより286,261百万円となりました。
以上の結果、16,631百万円の営業利益となりました。
③ ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行における当第1四半期累計期間の経常収益は、貯金残高は郵便局との連携による営業推進態勢の強化により178,121,883百万円となり、金利リスク等を適切にコントロールしながら収益源の多様化、収益の安定的確保に努めているものの、歴史的な低金利が継続する厳しい経営環境下で資金利益が減少したことなどから、482,708百万円となりました。
一方、経常費用は預金保険料率の引下げの影響等により、368,819百万円となりました。このうち、資金調達費用は93,217百万円、営業経費は266,971百万円となりました。
以上の結果、経常利益は113,888百万円、四半期純利益は79,270百万円となりました。
④ かんぽ生命保険
かんぽ生命保険における当第1四半期累計期間の経常収益は、日本郵便との連携強化などにより個人保険57万7千件、金額1,720,176百万円、個人年金保険2万件、金額72,201百万円の新契約を獲得するなどの結果、2,473,122百万円となりました。
一方、経常費用は、保険金等支払金は2,210,799百万円、責任準備金等繰入額は232百万円、資産運用費用は2,427百万円などを主因に2,365,513百万円となりました。
以上の結果、経常利益は107,609百万円、四半期純利益は23,244百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
第10期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
① 資産の部
資産の部合計は、前連結会計年度末比3,603,354百万円増の295,849,794百万円となりました。
主な要因は、現金預け金14,412,038百万円の増、銀行業及び生命保険業における債券貸借取引支払保証金1,059,982百万円の増並びに金銭の信託1,425,950百万円の増の一方、銀行業及び生命保険業等における有価証券13,029,174百万円の減によるものです。
② 負債の部
負債の部合計は、前連結会計年度末比1,690,442百万円増の280,548,232百万円となりました。
主な要因は、銀行業及び生命保険業における債券貸借取引受入担保金2,857,923百万円の増並びに貯金405,216百万円の増の一方、生命保険業における責任準備金2,632,889百万円の減によるものです。
③ 純資産の部
純資産の部合計は、前連結会計年度末比1,912,911百万円増の15,301,561百万円となりました。
主な要因は、その他有価証券評価差額金1,638,797百万円の増によるものです。
第11期第1四半期連結累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年6月30日)
① 資産の部
資産の部合計は、前連結会計年度末比1,541,607百万円増の297,391,401百万円となりました。
主な要因は、現金預け金1,103,791百万円の増、のれん535,447百万円の増、銀行業及び生命保険業における金銭の信託312,125百万円の増の一方、銀行業及び生命保険業等における有価証券623,174百万円の減によるものです。
② 負債の部
負債の部合計は、前連結会計年度末比1,441,169百万円増の281,989,402百万円となりました。
主な要因は、銀行業における貯金1,370,720百万円の増並びに銀行業及び生命保険業における債券貸借取引受入担保金1,348,486百万円の増の一方、生命保険業における責任準備金752,841百万円の減によるものです。
③ 純資産の部
純資産の部合計は、前連結会計年度末比100,437百万円増の15,401,998百万円となりました。
主な要因は、利益剰余金92,662百万円の増によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況 」に記載のとおりであります。
(4) 経営者の問題意識と今後の方針
当社は、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営の基本方針の策定及び実施の確保並びに株主としての権利の行使を行うとともに、グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1カ所に集約したほうが効率的な実施が見込まれる間接業務を事業子会社等から受託して実施することにより事業子会社等の業務を支援するほか、病院及び宿泊施設の運営等を行うことにより、郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。
また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献できるよう努めていくことを基本として会社経営を行っていきます。なお、その業務の運営に当たっては、日本郵政株式会社法第5条第1項に規定される、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を果たしてまいります。
当社グループの企業価値向上を目指し、子会社の収益力強化策や更なる経営効率化等が着実に進展するようグループ運営を行い、当社グループ各社が抱える経営課題については、持株会社として、各社と連携を深めながら、必要な支援を行い、その解消に努めます。