有価証券報告書-第19期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/19 15:30
【資料】
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【項目】
236項目
(4) 戦略
当行グループは、4つの重点課題(マテリアリティ)を経営戦略と連動させるサステナビリティ経営により、事業活動を通じて社会課題の解決を図る取組みを進めております。
重点課題
(マテリアリティ)
課題解決に向けた
主な取組み
・郵便局ネットワークを通じたサービス提供、デジタルサービス利用のサポート(デジタルディバイドへの対応)
・安心・安全を最優先に、すべてのお客さまが利用しやすいデジタル・リモートサービスの拡充
・小口取引のお客さまを中心とした、新NISA等の資産形成サポート
・地域金融機関等との「共創プラットフォーム」の実現
・「ゆうちょらしいGP業務」を通じた地域経済の活性化と新たな企業価値創造への挑戦
・多様な枠組みを通じた地域への資金循環
・TCFD提言に沿った取組強化
・GHG排出量削減、ペーパーレス化の推進
・ESG投融資の推進
・「成長を促す」×「能力を引き出す」×「多様性を活かす」を軸とする人的資本経営の推進
・取締役会の更なる実効性向上

重点課題(マテリアリティ)のうち、「日本全国あまねく誰にでも『安心・安全』な金融サービスを提供」及び「地域経済発展への貢献」への取組みについては、前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営戦略、対処すべき課題等」及び後記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 事業の概況」に記載しております。
① 気候変動への取組み
当行グループは、環境・社会及び企業活動にも大きな影響を及ぼす気候変動等への対応を経営上の重要課題の一つと認識し、2019年4月にTCFD提言(注1)への賛同を表明しました。以降、ペーパーレス化推進等を含めた各種取組みを経営戦略に組み込み、パリ協定の目標に整合的となるよう対応の高度化を進めております。
気候変動を始めとする環境課題に対しては、環境に配慮した事業活動に努めるため、「ゆうちょ銀行環境方針」を制定しております。また、パリ協定の目標に沿い、2050年までに自社及び投融資ポートフォリオのGHG(温室効果ガス)排出量のネットゼロ達成を目指す「ゆうちょ銀行 GHG排出量ネットゼロ宣言」を2022年3月に公表、2023年3月に脱炭素に向けたロードマップを公開しております。自社排出量・投融資ポートフォリオ排出量の削減に向けた取組みのほか、脱炭素を後押しするファイナンスとして、ESGテーマ型投融資(注2)の推進や、石炭火力発電所の建設を使途とするプロジェクトファイナンスについては残高ゼロを継続することを掲げております。また、各種目標の引き上げ・新規設定等により、定期的にロードマップの見直しをしております(目標KPIについては、後記「(6) 指標と目標」をご参照ください。)。
更に、TCFD提言の内容を踏まえ、気候変動関連のリスクと機会の特定や、気候変動関連のリスクが、経営戦略や投融資ポートフォリオ等に及ぼす影響を把握するためのシナリオ分析、炭素関連資産に対する貸出エクスポージャーのモニタリング等を実施しており、気候変動関連のリスクと機会が事業に与える実際の影響と潜在的な影響について分析・開示しております。特に、物理的リスク(当行グループが全国に設置・保有しているATM・窓口端末機等の設備への影響)及び移行リスク(法規制等による投資先企業の炭素コスト増加が投資先企業の収益に与える影響)について、定性・定量的なシナリオ分析を実施・開示しております。
また、気候変動や生物多様性等の環境問題、人権侵害等の社会問題に適切に対応するために、「ESG投融資方針」を制定し、投融資先の環境や社会への配慮状況を確認するとともに、グリーンボンド/ローンへの投融資等、ESGテーマ型投融資の推進を通じて、社会全体のGHG排出量削減の取組みを後押ししております(目標KPIについては、後記「(6) 指標と目標」をご参照ください。)。同方針については、機関投資家として気候変動に対する社会的責任を果たすため、内容の更なる充実を検討してまいります。
(注) 1.気候変動に関する企業情報開示の充実を目的とする国際的な提言
2.ESG債(グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド、トランジションボンド等)、再生可能エネルギーセクター向け与信、地域活性化ファンド等
<脱炭素へのロードマップ>
② 人的資本経営の推進
当行グループは、競争力・価値創造の「源泉」かつ「財産」である人財を最重要資本の一つと捉え、パーパス・経営理念・ミッションと連動した人的資本強化に対する取組みを行っております。具体的には、「人事戦略の基本的考え方」を定め、「成長を促す」×「能力を引き出す」×「多様性を活かす」という3つの柱の掛け算を通じて、当行グループを多様な人財が活躍する「いきいき・わくわく」に満ちた会社にすることを目指しております(目標KPIについては、後記「(6) 指標と目標」をご参照ください。)。

(a) 「成長を促す<意欲・知識・経験の向上>」
当行グループは、中期経営計画のスローガンである「信頼を深め、金融革新に挑戦」というチャレンジ精神を醸成するために、社員一人ひとりの自律的な成長の促進に取り組んでおります。具体的には、①キャリアデザイン研修の実施やキャリアデザインガイドブックの策定等による「キャリア開拓意欲の醸成」、②キャリアチャレンジ制度を通じた「キャリア選択機会の提供」、③DX(注3)研修や他企業への派遣等の専門知識の向上に係る「学習機会の提供」により、キャリア形成支援や専門性向上等に取り組んでおります。

また、中期経営計画に掲げる3つのビジネス戦略を強力に推進するため、外部人財の積極的採用、社内人財の育成に注力しております。
「リテールビジネス」の推進に向けては、リアルとデジタルの融合や新たなビジネスの創出等の実現に向け、デジタルリテラシー、DXの基本知識の習得から始まり、データ分析、デジタル思考などレベルに応じた研修等を通じたDX人財の育成に注力しております。
「マーケットビジネス」の推進に向けては、2016年4月からプロフェッショナル職制度を導入・適用し、多様な経歴・スキルを有する人財を採用・確保するとともに、そのノウハウを蓄積・継承・深化させることで、社内人財の育成に努め、プロフェッショナル職への内部登用者数も年々増やしております。その他にも、2024年10月から市場運用リスク管理・ALMの分野において、高度専門管理職制度を導入し、特に高度かつ専門的な知識を有する人財の拡大に努めております。
「Σビジネス」の推進に向けては、研修やキャリアチャレンジ制度を通じた社内での育成に加え、協業企業等(GP(注4)等)へ出向者を派遣し、新たな知見や実務経験を得ることで、当該ビジネスの中核を担う人財の育成に力を入れて取り組んでおります。
(注) 3.デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略。デジタル技術を活用し、ビジネスや生活を変革する取組み
4.General Partnerの略。案件選定、投資判断等を行うファンドの運営主体
(b) 「能力を引き出す<能力発揮に向けた環境整備>」
当行グループは、社員が培った知識・経験を最大限発揮するためには、社員一人ひとりが自分らしく健康でいきいきと働くことができる仕組みや環境の整備が必要不可欠であると考えております。そのために、①人財ポートフォリオの可視化による「適所適財の人財配置の取組み」、②テレワーク環境の拡充、フルフレックスの導入等による「柔軟な働き方の取組み」、③生活習慣病の予防・改善に向けた保健指導、メンタルヘルスケア等の健康保持・増進施策の充実を通じた「健康経営の取組み」、④各種研修による社員の人権意識の醸成、社内外の相談窓口設置等による「ハラスメント根絶の取組み」等に注力しております。
加えて、社員一人ひとりの意識と組織の抱える課題を測定・把握するため、エンゲージメント調査を実施し、改善取組みにつなげることで、社員の働きがい・やりがいの向上に取り組んでおります。更に、iDeCo、従業員持株会、財形貯蓄等の福利厚生制度の充実と浸透に加え、資産形成セミナーの開催等を通じて価値創造の担い手である社員自身の資産形成支援に向けたファイナンシャル・ウェルネスの向上にも取り組んでおります。
(c) 「多様性を活かす<多様性の尊重>」
当行グループは、お客さまを始めとする様々なステークホルダーのニーズに対応するため、多様性に富んだ人財確保が不可欠と考えております。社員一人ひとりの多様な価値観を尊重し、組織の力とする文化を構築することを目指し、ダイバーシティ・マネジメントを推進しております。
具体的には、「女性活躍」、「男女育児休業取得」、「障がい者雇用」に関する目標KPIを設定して取組みを強化しております。加えて、同性パートナーであっても、扶養手当や介護休業等の適用及び社宅への入居等ができる制度を整備する等、「性の多様性への対応」も進めております。
また、社員の4割強を女性社員が占める当行において、「女性活躍」の一層の推進は、経営やサービスに多様な視点を取り入れる観点から、極めて重要な課題と捉えております。そのため、2026年4月までに女性管理者数比率20%達成の目標を掲げ、①上司・社内の意識改革、②女性リーダーの育成、③活躍支援・環境整備に取り組んでおります。

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