有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)戦略
当社は、社会課題に向き合い、事業を通じてよりよい社会の実現に貢献するため、持続可能な事業運営を重視しており、12項目のマテリアリティを特定しております。また、それぞれのマテリアリティに内包される、リスク、機会、対応を以下のように整理しております。
当社は、社会課題に向き合い、事業を通じてよりよい社会の実現に貢献するため、持続可能な事業運営を重視しており、12項目のマテリアリティを特定しております。また、それぞれのマテリアリティに内包される、リスク、機会、対応を以下のように整理しております。
| マテリアリティ | リスク | 機会 | 対応 |
| (共有要素) | ・各マテリアリティへの対応不備による罰則、行政指導、社会的批判及びステークホルダーからの信頼低下、企業価値の毀損 | ・各マテリアリティへの適切な対応による社会的評価、ステークホルダーからの信頼及び企業価値の向上 | ・各マテリアリティに則した適切な対応によるリスク、機会の管理と開示 |
| ①気候変動に対する責任とプロダクトを通じた脱炭素化への貢献 | ・気候変動及び温室効果ガス排出に対する対応・開示の遅れによる、国内外の投資家・顧客・社会からの信頼低下 ・排出実態や削減努力が十分に可視化されないことによる、環境配慮企業としての評価低下及び企業価値の毀損 ・AI実装の加速等に伴う、Scope3を含む温室効果ガス排出量の急増リスク ・社内における環境保全意識の不足や法令遵守の不備に起因し、環境配慮を重視する顧客や市場の期待に応えられないことで、企業ブランドが毀損し、販売機会や市場競争力の低下を招くリスク。 | ・気候変動対策及び温室効果ガス排出量管理への積極的な取り組みと高度な情報開示による、国内外ステークホルダーからの信頼・評価の向上 ・排出実態の把握・削減の推進を通じた、環境配慮型企業としてのブランド価値及び資本市場での競争優位性の強化 ・主要プロダクトによる紙削減効果等を通じ、自社の電力消費を上回る社会全体のGHG削減への貢献を定量的に示すことによる、環境価値を付加した高付加価値ソリューションとしての再定義 ・高い環境意識の醸成と、関連法令の厳格な遵守の徹底により、国内外の市場・投資家から評価を獲得し、事業及び投資機会を拡大させる機会。 | ・環境方針の開示と継続的な見直し、更新によるリスク、機会の識別、評価、管理 ・環境配慮型機能を意識したプロダクト開発の推進 ・プロダクトによる環境貢献効果の定量可視化とステークホルダーへの情報提供 |
| ②人的資本の育成と従業員エンゲージメント | ・成長機会の不足による能力開発の停滞、エンゲージメント低下 ・キャリアビジョンの不明瞭な状態によるエンゲージメント低下 ・評価制度への不信感によるエンゲージメント低下 | ・潤沢な成長機会による能力開発の加速、エンゲージメント向上 ・キャリアビジョンの確立によるエンゲージメント向上 ・評価制度への信頼によるエンゲージメント向上 | ・ラクスリーダーシッププリンシプル(RLP)の浸透による能力開発の加速 ・キャリアアンケートの実施及び上長を通じた配置の調整 ・評価制度の適正運用とフィードバックスキル強化を通じた、評価フィードバックの納得度向上 |
| ③労働環境と待遇の健全性への社会的関心の高まり | ・長時間労働や休暇取得不足による心身の健康被害と生産性低下 ・ワークライフバランス欠如による人財流出 ・労働時間・処遇格差による係争リスク、エンゲージメント低下 ・「働きづらい会社」認識による採用力低下 ・待遇改善のスピードが他社に劣ることで、コア人財が流出し、採用・代替コスト増大 | ・健康経営の推進による心身の健康被害抑制と生産性改善 ・ワークライフバランス配慮による人財定着 ・適切な労働時間・処遇管理で係争回避、エンゲージメント向上 ・「働きやすい会社」認識による採用力向上 ・継続的な待遇改善を含む就業環境の整備を通じた低離職率の実現による採用・教育コストの抑制と知見の蓄積 | ・労働安全衛生方針の開示と継続的な見直し、更新によるリスク、機会の識別、評価、管理 ・衛生委員会による職場環境改善 ・ラクスマイル制度(注3)の導入 ・計画有給休暇管理による利用促進 ・産育休前後の面談による制度説明 ・柔軟な勤務制度導入と活用促進 ・外部認証の取得 |
| ④人権意識及び多様性、公平性、包摂性への社会的関心の高まり | ・多様性欠如による意思決定の硬直化 ・公平性欠如によるハラスメント発生、人財流出 ・多様性欠如による採用競争力低下 | ・多様な人財の受容による創造性、課題解決力向上 ・公平性のある応対を通じたエンゲージメント向上、人財の定着 ・多様性に対する企業理解による採用競争力向上 | ・人権方針、DEI方針の開示と継続的な見直し、更新によるリスク、機会の識別、評価、管理 ・ラクスリーダーシッププリンシプル(RLP)の浸透による公平なマネジメント体制構築 ・内部通報制度、相談体制の整備と適切運用 ・バイアスの除去に配慮した採用活動 |
| ⑤法令遵守・倫理リスクの顕在化 | ・組織内不正やハラスメントの発生による訴訟リスクと経営の不安定化 ・不誠実な企業文化の蔓延による従業員エンゲージメントの低下 ・内部統制の不備に起因する意思決定の遅延と経営判断の誤り ・海外展開や新規取引拡大に伴う各国規制への対応遅延 ・投資加速に伴い、買収先のコンプライアンス基準が当社水準に達していないことに起因するブランド毀損リスク | ・コンプライアンス違反や不正行為の未然防止及び早期把握による経営の安定性向上 ・誠実で透明性の高い企業文化の定着を通じたエンゲージメントの向上 ・適切な内部統制に基づく迅速な意思決定とリスクの抑制 ・各国規制リスクの適切な把握、対応による海外展開や取引拡大の安全性確保 ・自社のガバナンス・コンプライアンス基準を買収先へ迅速に適用し、経営基盤を平準化することで、対象企業の社会的信頼性と事業継続性を高め、グループ全体の非連続な成長と企業価値向上を加速させる機会 | ・コンプライアンス方針の開示と継続的な見直し、更新によるリスク、機会の識別、評価、管理 ・腐敗防止方針の開示と継続的な見直し、更新によるリスク、機会の識別、評価、管理 ・反社会的勢力排除に関する基本方針の開示と継続的な見直し、更新によるリスク、機会の識別、評価、管理 ・内部通報制度の整備及び匿名性、報復防止の仕組みの運用 ・法令遵守、倫理に関連した研修の定期実施 ・内部統制に関連する組織体の適切な運用 |
| ⑥情報開示・説明責任への要求高度化 | ・ステークホルダーとの対話不足による経営課題に対する認識の遅れ ・非財務情報の認識不足による社内意識改革や経営改善の遅れ ・サステナビリティ開示の不整備による長期志向の投資家からの関心低下 | ・ステークホルダーとの建設的対話による経営課題に対する適切な認識獲得 ・非財務情報の可視化を通じた社内意識改革や経営改善の加速 ・サステナビリティ開示の充実による本質的な企業価値の訴求 | ・ディスクロージャーポリシーの開示と継続的な見直し、更新によるリスク、機会の識別、評価、管理 ・ステークホルダーとの対話を前提としたマテリアリティレビューの実施 ・サステナビリティレポートの継続開示と高度化 ・国際的な開示フレームワークとの整合と開示の高度化 ・経営者自らによるアカウンタビリティの推進 |
| ⑦自然災害、感染症、システム障害等による事業継続リスクの顕在化 | ・自然災害、感染症、システム障害等による機能停止、対応と復旧の遅れによる被害及び社会的影響の拡大 ・BCP(事業継続計画)の未整備や定期訓練の不足に起因する初動遅延、顧客影響と人的被害の拡大、企業信頼性の失墜 ・脆弱なクラウド基盤、バックアップ体制による、クラウド型サービス提供の不安定化 ・サプライヤー、外部委託先の稼働停止に伴うサービス提供の停止、遅延 | ・自然災害、感染症、システム障害等における機能停止の回避、早期対応と復旧による被害及び社会的影響の抑制 ・BCPの整備と定期訓練に基づく迅速な初動対応による顧客影響と人的被害の抑制、企業信頼性の向上 ・強靭なクラウド基盤及びバックアップ体制による、安定的なクラウド型サービスの提供 ・サプライチェーン全体のリスクマネジメント向上を通じた安定的なサービス提供 | ・BCPの策定と定期的な見直し ・緊急対応訓練の実施、継続的な教育活動 ・安否確認システム、緊急連絡体制の整備 ・リモートでの業務継続環境の整備 ・クラウド基盤やサーバーの冗長化及びバックアップ体制の強化 ・サプライヤー、外部委託先のBCP整備状況の確認と連携強化 |
| ⑧情報セキュリティとサイバー攻撃に関するリスクの高まり | ・脆弱なシステム構成や運用管理により、サービス停止やインシデントが発生 ・インシデント発生によるステークホルダーからの信頼低下 ・セキュリティ要件未達により、官公庁・大企業との契約機会を喪失 ・社内におけるセキュリティ知見の蓄積不足による、人的・技術的対応力の低下 ・サイバー攻撃手法高度化への対応遅れによるセキュリティ体制の陳腐化 | ・多層防御や脆弱性管理の強化によるサービスの可用性、安定性向上 ・高いセキュリティ基準の実装によるステークホルダーからの信頼向上 ・官公庁・大手企業など、セキュリティ要件の高い顧客層との取引機会拡大 ・セキュリティ分野の社内ノウハウ強化による人財育成、事業拡張の基盤形成 ・サイバー攻撃への対応力蓄積を活用した事業展開や競争力向上 | ・ISMS認証の維持更新 ・標的型攻撃メール訓練の実施 ・情報セキュリティ基本方針の開示と継続的な見直し、更新によるリスク、機会の識別、評価、管理 ・情報セキュリティに関連する組織体の適切な運用 ・全従業員を対象とした定期研修の実施 ・利用する外部サービスまで含めた安全状況確認の実施 |
| ⑨プライバシーと個人情報保護に関するリスクの高まり | ・個人情報の管理ミス、誤送信など不適切な運用による情報漏洩 ・プライバシー保護体制の不備や不透明な運用によるステークホルダーからの信頼低下 ・個人情報管理体制の不備により、官公庁・大企業との契約機会を喪失 ・教育不足に起因する従業員による不適切な個人情報の取り扱いと信用喪失 ・プライバシーに関する苦情対応体制の不備による対応の遅れ ・個人情報の取り扱いを委託している外部サービスにおける管理不備による影響拡大 | ・情報管理ルールの整備と実行を通じた情報漏洩の回避及び発生時の影響最小化 ・プライバシー保護体制の透明性確保によるステークホルダーからの信頼向上 ・官公庁・大企業など、個人情報保護要件の厳しい顧客層との取引機会の拡大 ・適切な社内教育による個人情報の取り扱い精度向上とリスク低減 ・プライバシーに関する苦情対応体制の整備による初動の迅速化と信頼確保 ・外部サービスの安全性評価を通じたリスク回避と安心なサービス提供体制の構築 | ・プライバシーマークの維持更新 ・個人情報保護方針の開示と継続的な見直し、更新によるリスク、機会の識別、評価、管理 ・個人情報保護に関連する組織体の適切な運用 ・全従業員を対象とした定期研修の実施 ・プライバシーに関する問い合わせ、苦情対応窓口の整備 ・利用する外部サービスまで含めた安全状況確認の実施 |
| ⑩地方部におけるDX化の遅れとデジタル格差 | ・DX化未対応層への訴求不足による市場開拓機会の損失 ・初期導入、定着フェーズにおける支援体制の脆弱さによる解約率上昇、顧客満足度低下 ・ブランド想起率、プロダクト認知の不足による事業展開の遅れ ・拠点開設に伴うコスト増加に対し、期待される生産性が確保できず、グループ全体の収益性及び投資対効果が低下するリスク | ・DX化未対応層への訴求による市場開拓機会の獲得 ・初期導入、定着フェーズにおける支援体制充実による解約率低下、顧客満足度向上 ・ブランド想起率、プロダクト認知の向上による事業展開の加速 ・地方金融機関や自治体との連携強化を通じた効率的な市場参入により、未開拓の中小企業層を早期に確保し、シェアを拡大することで長期的かつ安定的な収益基盤とスケールメリットを享受する機会 | ・中小企業が導入しやすいプロダクト設計の推進 ・プロダクトごとに対応した専門性の高いカスタマーサクセス体制の整備 ・費用対効果を意識した積極的なプロモーション活動の推進 |
| ⑪資本コストや株価を意識した経営への要請 | ・資本効率の低下、市場期待未達による企業価値毀損 ・市場信認低下による資金調達コストの上昇 | ・市場期待を上回る資本効率改善による企業価値向上 ・市場信認向上による資金調達コストの低下 | ・資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の継続的な見直し ・資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた施策の継続 ・株主還元方針の継続的な見直しと開示 |
| ⑫AI活用による新たな事業機会とリスクへの関心の高まり | ・AI技術の進化スピードへの対応遅れによる製品競争力の低下及び売上喪失 ・AI活用に伴う著作権侵害、バイアス、プライバシー侵害等の法的、倫理的リスクの顕在化 ・AIスキルを持つ高度人財の育成、獲得遅れに伴う組織力と競争力の低下 ・AIの誤用やハルシネーションに起因する生産性低下 ・AI利用環境の整備遅れに伴う、生産性改善の阻害 | ・「AI×クラウド」による顧客体験向上と付加価値創出による製品競争力の強化及び売上拡大 ・AIガイドラインの周知徹底による法的、倫理的リスクの回避と信頼獲得 ・AIスキルを持つ高度人財の育成、獲得に伴う組織力と競争力の向上 ・AI実装によるIT習熟度に依存しない生産性向上 ・先進的なAI利用環境整備に伴う、生産性の向上 | ・各プロダクトへのAI機能実装推進によるARPU向上、解約防止に伴う、LTVの引き上げ ・CAIO(最高AI責任者)を中心としたAIガバナンス体制の構築とAIガイドラインの策定 ・独自のAI活用e-Learningプログラムを完備することによる高いリテラシーの維持 ・全社的なAI利用の啓発と推進 ・誤用やハルシネーションのリスクを前提とした機能実装の推進 ・全従業員を対象としたAI利用環境の整備と利用促進 |