有価証券報告書-第19期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 13:29
【資料】
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【項目】
72項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 国や地方自治体の施策による影響について
我が国の施策としてICTを活用した教育の情報化が推進されていることにより、当社の商品・製品が属する市場規模は今後拡大していくことが予想されます。
しかしながら、国の施策が変更された場合には市場の成長が鈍化し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、学校に対する売上高は、導入先の性質上、獲得された予算規模や予算執行状況に大きく影響を受ける可能性があります。
(2) ICT分野における新技術への対応による影響について
当社は、ICT関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、ICT分野における新技術や新サービスは激しく変化しております。これらの変化に対応するため、当社では、積極的に研究開発を行い、新技術への対応を行っております。
しかしながら、研究開発の遅延した場合や、優秀な開発人材の確保が順当に行えなかった場合には、技術革新に適切に対応できない可能性があります。その結果、当社の製品開発能力の低下を招き、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 少子化による影響について
当社の主たる市場は、学校教育をICTでサポートする「学校教育ICT市場」であります。そのため、少子化によって長期的には当社製品の利用者が減少する可能性があります。ただし、今後、我が国のICTを活用した教育の情報化推進施策や、少子化に直面した教育機関が質の高い教育を提供するため積極的な情報化投資を推進することが見込まれるため、当面は「学校教育ICT市場」の市場規模は拡大していくものと考えております。
しかしながら、少子化の影響が想定以上に大きく、当社製品の利用者が予想以上に減少し、教育機関の情報化投資が減少した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) CALL/PC教室システムの市場動向による影響について
当社は学校教育ICT市場向けに多様な製品を提供しておりますが、平成28年3月期において、「CaLaboEX」「CaLaboLX」「S300-AV」等、CALL/PC教室システム市場向けの関連製品群の売上高が全社売上高の約3割を占めております。当社では、同市場が安定的に推移することを見込んでおりますが、急激な環境変化に対応すべく、CALL/PC教室システム市場以外への取組みの強化にも努めております。
しかしながら、CALL/PC教室システム市場が急激に縮小していった場合や、当社製品の市場競争力が低下し、他の製品への切り替えが行えない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) ソフトウエアに関する影響について
当社では、自社開発製品のほか、他社からOEM供給を受けているソフトウエアの販売も行っており、主として文教市場でニーズの高いセキュリティ関連製品を、国内外の他のソフトウエアメーカーから調達し、販売代理店を通じてエンドユーザーである学校等に販売しております。
OEM製品については、OEMメーカーと長期安定的な関係を築きながら、安定的な調達を行っておりますが、何らかの事情により、取引が継続できなくなった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) ハードウエアに関する影響について
当社は、画像転送システム、無線LAN最適化ソリューション等のハードウエアについては、国内外の他のハードウエアメーカーからのOEM供給を受けて販売することを主流としておりますが、当社が提供するハードウエアは、特殊な製造技術を必要とするものではなく、一般的な製造技術で生産可能であり、基本的な設計等については自社で管理していることから、万一供給元であるメーカーの倒産等によって製品供給が困難となった場合であっても、他のメーカーへの切り替えは可能であると考えております。
しかしながら、代替先との契約に長期間を要した場合や、相手国における政治経済情勢の悪化、輸出入及び外資の規制、予期しない法令の変更、テロ・戦争、その他の要因による社会的混乱等があった場合には、当社が提供するハードウエアの供給に影響を及ぼすことも考えられ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 業績の季節的変動による影響について
当社の四半期における業績は、第2四半期及び第4四半期において、売上高及び営業利益が偏重する傾向にあります。
これは、第2四半期については主力商品・製品の導入先である学校が長期の休みに入る時期に導入案件が増加すること、第4四半期については導入先の年度予算の執行等の関係により販売代理店を通じた受注が増加することによるものであります。
当社は、当該季節的要因を踏まえた販売計画を策定し、受注の増加が見込まれる時期の売上の確保に努めておりますが、何らかの事情により当該期間の受注が計画通りに獲得できなかった場合や、当社が導入機器の設置まで行う受注形態で決算月である3月に予定されていた検収が翌期以降に遅れる場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
上半期下半期通期
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
売上高(千円)227,514541,772769,286208,307750,166958,4731,727,760
構成比(%)13.2%31.4%44.5%12.1%43.4%55.5%100.0%
営業利益又は
営業損失(△)(千円)
△69,263132,54763,283△65,777188,205122,427185,711
構成比(%)34.1%65.9%100.0%

(注) 第1四半期及び第2四半期の会計期間の数値については、太陽有限責任監査法人の四半期レビューを受けておりません。
(8) 販売代理店政策による影響について
当社は、販売代理店制度を採用しており、当社の営業部門が、主にエンドユーザーである先生、学生や児童生徒のニーズの収集や教育システム導入の提案を行っている一方で、当社の商品・製品の大部分は販売代理店を経由して利用者に販売されております。そのため、主要販売代理店の販売状況や経営環境の変化によって、当社の売上高が大きく変動する可能性があります。
当社は、主要販売代理店と良好な業務関係の維持に努め、当社の商品・製品の販売拡大に努めておりますが、これらの代理店は他社の競合商品・製品も取り扱っており、主要販売代理店の方針により当社の商品・製品の取り扱いが縮小された場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 入札制度による影響について
当社は、販売代理店制度を採用しており、当社の商品・製品の大部分は販売代理店を経由して利用者に販売されておりますが、当社の商品・製品は、大学、地方自治体や教育委員会等の機関が作成した「機器仕様書・仕様書」に基づく設備・ICT機器・教材の入札公告(一般競争入札、指名競争入札等)に、販売代理店が入札・応募し、落札することで、利用者である教育機関に導入される流れとなっており、事業の特性上、入札結果が当社以外の要因に左右される性格を有しております。そのため、何らかの要因によって入札の不調、遅延等が起こった場合や、当社が想定するような入札結果が得られなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 自然災害等による影響について
地震、台風、津波等の自然災害、火災、各種感染症の拡大等が発生した場合、当社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の主要な事業拠点である首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、自然災害等が発生した場合に備え、体制を整備しておりますが、自然災害等による人的、物的損害が甚大である場合は、事業の継続そのものが不可能になる可能性があります。
(11) 製品の不良による影響について
当社は、主要な製品・デジタル教材については社内で開発を行っており、新製品のリリースに当たっては、開発部門と異なる部門が検証を十分に行い、開発・品質管理体制の強化を図っております。また、リリース後に発見されたバグ等については、迅速に対応しており、大きな問題が生じたことはありません。
しかしながら、ソフトウエア開発はその性質上、プログラム等に生じたバグを完全に排除することは難しく、万が一にも重大なバグが生じた場合、製品を利用することができない可能性があります。
こうした事態が生じた場合、教育現場での混乱や当社製品の信用力の低下を招き、結果的に、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、取引先やエンドユーザーからの損害賠償の訴訟等が提起され、不測の損害が生じる可能性もあります。
(12) 知的財産権にまつわる影響について
当社が提供する製品及びサービスに対して、これまで知的財産権にまつわる侵害訴訟等を提起されたことはありません。当社は、第三者の知的財産を侵害しないよう日頃より注意を払っておりますが、当社が認識していない範囲で第三者の知的財産権を侵害し、損害賠償や対価の支払い等を請求された場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償の訴訟等が提起され、不測の損害が生じる可能性もあります。
また、第三者が当社の製品を模倣する等により当社の知的財産を侵害するような場合においては、売上の減少等により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 小規模組織であることについて
本書提出日現在における当社組織は、取締役5名(うち非常勤取締役1名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、従業員数60名(臨時雇用者を除く)であり、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制となっております。このため、業容の拡大に応じた人員を確保できず業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退職した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 経営陣への依存について
当社代表取締役川居睦をはじめとする経営陣は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できなくなった場合、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社では過度に経営陣に依存しない経営体制を構築すべく、組織規模の拡大に応じた権限移譲を進めるとともに、役員及び幹部社員による情報の共有化等を通じて経営組織の強化を図っております。
しかしながら、現時点で何らかの理由により、主要経営陣の業務遂行が困難となった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 優秀な人材の確保や育成について
教育の情報化推進ニーズに応えるため、高度な専門知識を有する優秀な技術者を安定的に確保する必要があります。当社では、必要な技術の習得や開発ノウハウを蓄積するなど、計画的な技術者の育成に努めております。
しかしながら、IT業界における慢性的な人材不足等により、当社が必要とする時期に必要な技術者を十分に確保できなかった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 個人情報流出による影響について
当社は、「個人情報の保護に関する法律」における「個人情報取扱事業者」に該当することから、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制の構築・維持の一環として、平成22年11月12日からプライバシーマーク(第10823718(03)号)を取得し、個人情報の適切な取り扱いに努めております。
しかしながら、何らかの原因により個人情報が漏えいした場合には、当社への信頼が損なわれ企業イメージの低下を招くなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償の訴訟等が提起され、不測の損害が生じる可能性もあります。
(17) システムダウン及び情報セキュリティに係るリスクについて
当社のクラウド型教材配信システムである「CHIeru.net」は、インターネット環境が十分に整備されていることを前提に運営しております。また、外部のデータセンター運営会社と協力し、運営に必要なコンピュータネットワーク等について情報セキュリティの強化を推進しております。しかし、インターネット環境が何らかの理由で阻害されたり、従業員・パートナー事業者の過誤、コンピュータシステムの瑕疵、自然災害、コンピュータウイルス、ネットワークへの不正侵入、アクセス増加等の一時的な過負荷等に基づき、重要データの漏えい、コンピュータープログラムの不正改ざん、システムダウン等が発生する可能性があります。
こうした事態が生じた場合、当社の教材をWEB上で利用しているユーザーはサービスを利用することができなくなり、当社の信用力の低下を招き、結果として、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) ソフトウエアの資産計上に伴う費用化による影響について
当社は「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会 平成10年3月13日)に従い、研究開発費の一部について、適切に資産計上及び減価償却を行っており、無形固定資産(ソフトウエア、ソフトウエア仮勘定の合計)は、平成26年3月期末81,071千円、平成27年3月期末133,438千円、平成28年3月期末217,731千円となっています。
今後、研究開発の結果として資産計上されるソフトウエアが増加した場合には、それに伴う減価償却費も増加することとなり、当社の将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 法的規制による影響について
現時点で、今後の当社の事業そのものを規制対象とする法的規制はないものと認識しておりますが、IT業界の変革は激しく、状況に応じては、今後新たな法令等の整備が行われる可能性があり、その内容によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(20) 配当政策について
当社は会社設立以来、企業体質の強化及び継続的な商品開発に備えた資金の確保を優先し、株主に対する配当を実施しておりません。当社は、事業の拡大過程にあり、内部留保の充実を重視する方針であります。
しかしながら、株主への利益還元については、当社の重要な経営課題と認識しており、今後財政状態及び経営成績を勘案しつつ、配当の実施を検討する所存であります。
(21) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合、当社の株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
本書提出日の前月末現在におけるこれらの新株予約権による潜在株式数は123,900株であり、発行済株式総数1,846,800株の6.7%に相当しております。
(22) 資金使途について
平成28年3月に実施した公募増資等による資金調達の使途につきましては、研究開発資金及び販売目的ソフトウエア開発資金に充当する予定であります。しかしながら、変化する経営環境に柔軟に対応するため、現時点での計画以外の使途にも使用される可能性があります。また、当初の計画通りに資金が使用された場合においても、計画通りの効果が達成できない可能性があります。