訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2016/04/11 15:01
【資料】
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【項目】
83項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
第11期事業年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
(資産の部)
当事業年度末における資産の合計は、前事業年度末に比べ12,250千円増加し、427,384千円となりました。流動資産に関しては、主に売上高の増加による現金及び預金並びに売掛金の増加により15,103千円増加し、414,398千円となりました。固定資産に関しては、ソフトウェアの増加を減価償却累計額の増加が上回ったことにより2,852千円減少し、12,985千円となりました。
(負債の部)
当事業年度末における負債の合計は、前事業年度末に比べ39,589千円減少し、215,097千円となりました。これは主に外注費が減少したことによる買掛金の減少等によるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産の合計は前事業年度末に比べ51,839千円増加し、212,286千円となりました。これは当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであります。
第12期第3四半期累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年12月31日)
(資産の部)
当第3四半期会計期間末における資産の合計は、前事業年度末に比べ161,710千円増加し、589,095千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加126,546千円、売掛金の増加21,609千円によるものであります。
(負債の部)
当第3四半期会計期間末における負債の合計は、前事業年度末に比べ41,222千円増加し、256,319千円となりました。これは主に、買掛金の増加13,396千円、未払法人税等の増加27,771千円によるものであります。
(純資産の部)
当第3四半期会計期間末における純資産の合計は、前事業年度末に比べ120,488千円増加し、332,775千円となり
ました。これは四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであります。
(3)経営成績の分析
第11期事業年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
(売上高)
当事業年度における売上高は945,346千円(前年同期比4.5%増)となりました。
ビジネス・ウェブアプリケーション事業の売上高は、前事業年度の大型案件の反動減から505,752千円(前年同期比7.5%減)となりましたが、ソーシャル・ウェブメディア事業の売上高は、「キャリコネ」の運営を行うワークプレイス・メディアサービス、人材紹介を行うリクルーティング・サービスともに好調に推移し、439,594千円(前年同期比22.6%増)となりました。
(売上総利益)
当事業年度における売上総利益は512,250千円(前年同期比31.7%増)となりました。従業員の増加に伴い人員が増加した一方、ビジネス・ウェブアプリケーション事業において外注費の圧縮等、案件の採算が改善し、売上原価は433,096千円(前年同期比16.1%減)となりました。
(営業利益)
当事業年度における営業利益は79,737千円(前年同期比1.9%増)となりました。販売費及び一般管理費は、従業員の増加に伴う人件費の増加、ソーシャル・ウェブメディア事業における広告宣伝費の増加により432,513千円(前年同期比39.1%増)となりましたが、売上総利益の増加額がこれを上回りました。
(経常利益)
当事業年度における経常利益はキャリアアップに係る助成金収入等の営業外収入844千円があり、80,581千円(前年同期比3.0%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度における当期純利益は受取損害賠償金等の特別利益2,102千円があり、51,839千円(前年同期比4.4%増)となりました。
第12期第3四半期累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年12月31日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は865,099千円となりました。ソーシャル・ウェブメディア事業の売上高が前事業年度から引き続き好調に推移し449,396千円となりました。ビジネス・ウェブアプリケーション事業は、既存顧客の追加開発の要件に対応することに加え、新規取引先の開拓を中心とした営業活動にも注力し415,702千円となりました。
(売上総利益)
当第3四半期累計期間における売上総利益は528,790千円となりました。
(営業利益)
当第3四半期累計期間における営業利益は188,683千円となりました。
(経常利益)
当第3四半期累計期間における経常利益はキャリアアップに係る助成金収入等の営業外収入524千円があり189,207千円となりました。
(当期純利益)
当第3四半期累計期間における四半期純利益は120,488千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
第11期事業年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末から8,506千円増加し、208,007千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは4,105千円の収入(前事業年度は122,828千円の収入)となりました。この主な要因は、資金減少要因として、売上債権の増加14,148千円、仕入債務の減少84,806千円、資金増加要因として、未払消費税等の増加16,390千円及び税引前当期純利益82,684千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは4,401千円の収入(前事業年度は16,062千円の支出)となりました。この主な要因は、敷金及び保証金の返還による収入6,661千円、ソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出1,124千円、通信機器等の有形固定資産の取得による支出1,105千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により使用した資金はありません。
(5)経営戦略の現状と見通し
① ソーシャル・ウェブメディア事業
当事業におきましては、「キャリコネ」を通じて求職者の就職・転職情報に対するリテラシーの向上、企業自身が自社の評判や評価を意識することを促進し、労働環境の改善や労働者との対話の推進に役立つことを事業ミッションとしております。
今後も、「キャリコネ」を中心に、ユーザーの利便性の向上、継続的なコンテンツ拡充、及び認知度向上のためのインターネット広告の強化を行い、会員数とサイト利用機会の増加を目指します。
また、求人情報掲載件数を増加させるために営業体制を強化し、顧客基盤の拡大と収益の向上を図ります。また、「キャリコネ」とリクルーティング・サービスが提供する人材紹介サービスとの連携を図りながら事業を展開してまいります。
② ビジネス・ウェブアプリケーション事業
当事業におきましては、クラウド技術を活用することによって、企業のワークスタイル革新と業務生産性の向上を支援しております。サービスデリバリ・サポートについては、継続的に顧客企業の業務用ソフトウェアにおけるクラウド移行案件に注力し、社内に技術を蓄積するとともに、成果物の標準化を図り、生産性の向上と収益性の改善を図っていく方針であります。プロダクト・ディベロップメントについては、「Salesforce」環境、「Talend」環境、及び「NetSuite」環境で動作する自社製業務用ソフトウェアのラインナップを強化し、業界固有の機能要件に応えていく方針であります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、ソーシャル・ウェブメディア事業とビジネス・ウェブアプリケーション事業の2つの事業を営んでおり、これらの事業が「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のそれぞれの課題に対処し拡大していくことが、当社の更なる成長と発展を遂げるために必要であると認識しております。
ソーシャル・ウェブメディア事業では、「キャリコネ」プラットフォーム上のサービス機能の充実を図ることで「キャリコネ」の訪問者数、登録者数を増加させるとともに、会員の個人情報等の情報管理体制の強化を行うことで、持続的で健全な成長を目指してまいります。
ビジネス・ウェブアプリケーション事業では、サービスデリバリ・サポートでの受託開発案件でノウハウを蓄積し、ソフトウェア・モジュール単位での開発による生産性の向上、利益率の改善を目指してまいります。併せて、Salesforce.com社等の提携先ソフトウェア企業との協業を強化し、プロダクト・ディベロップメントにおける自社開発ソフトウェアの販売にも力を入れてまいります。