有価証券報告書-第9期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
我が国のインターネット市場においては、ソーシャルメディアの利用が社会基盤として定着しており、マーケティングやプロモーション、リクルーティングなど、企業がソーシャルメディアを事業に活用する重要性は益々高まっております。従業員の不適切投稿のみならず、消費者の行動を把握し、炎上を防止し、適切な情報発信を行うといったソーシャルメディアにおけるリスクマネジメントは、デジタル化が進む社会におけるブランド戦略と密接に関わり、ブランドセーフティの考えの高まりとともに、経営全体における重要性が高まっております。インターネット広告費は、引き続き二桁成長でテレビメディア広告費を上回って首位となり(電通「2019年日本の広告費」)、2020年3月より「第5世代移動通信システム(5G)」の商用化も開始され通信環境の改善が進むこと等により、引き続き市場成長が継続するものと予想されます。
一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のためテレワークが急速に普及するなど、デジタルトランスフォーメーションも進む中、ソーシャルメディアに関するリスクに限らず、情報漏洩など新たなリスクに対するマネジメントが重要になっております。
このような環境下、当社グループは「次々と現れる新たなデジタルリスクに立ち向かい、デジタルリスクを解決すること」をミッションとして、リスク検知に特化したビッグデータ解析技術を基にソリューションを提供し、デジタルリスクの盾として、社会的課題の解決に取り組んでおります。
(a) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ231,646千円増加し、2,063,194千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ137,790千円増加し、359,692千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ93,855千円増加し、1,703,501千円となりました。
(b) 経営成績
当連結会計年度においては、ソーシャルリスクに関わるモニタリングやコンサルティングを主力サービスとして、企業内部のログデータ分析サービス、顧客確認サービス等、多様化するリスク要因と様々な業界の顧客需要に対応するサービスを組み合わせて提供することに注力しました。また、エストニア企業と連携して、分散型データベース技術および本人認証技術導入支援を開始するなど、事業領域の拡大と将来の収益基盤の構築に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,963,995千円(前年同期比18.6%増)となりました。営業利益はデジタルリスクモニタリングのAI化を進めるとともに、新規サービスの開発、人材採用および育成に費用を投下し、186,550千円(前年同期比378.7%増)となりました。経常利益は、投資事業組合運用損等を計上し、174,704千円(前年同期比431.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は投資有価証券評価損を計上し、86,277千円の利益(前年同期は63,552千円の損失)となりました。
(c) セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(デジタルリスク事業)
デジタルリスク事業は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上の様々なソーシャルメディアに起因するリスクに関連するソーシャルリスクサービスと企業内のログデータ等多種多様なデータを統合的に分析する内部脅威検知サービス等から構成されております。
ソーシャルリスクサービスについては、従業員の不適切投稿が社会的問題となったことなど多様化するリスクを背景に契約数を増やし、それらに対応した分析ノウハウを蓄積することで競争力強化を図りました。首都圏以外の地域においてもWeb上でのリスク認識が増してきていることから、関西地方を中心とした中堅中小企業へのサービス提供を拡大するため、2019年9月に風評被害対策及びWebマーケティングを行う株式会社エフエーアイの株式を取得し、子会社といたしました。また、推進しているサービスのクラウドへの移行も順調に行われ、収益性の改善を図っております。
内部脅威検知サービスについては、セキュリティインシデントの多発や「働き方改革」を追い風に、国内大手企業から中小企業まで幅広くニーズが増大しております。これに合わせて提供体制を強化するための人材採用を行い、統合型リスク管理プラットフォームの提供を開始するなどサービスの拡充を進めています。
これらの結果、売上高は1,866,059千円(前年同期比13.4%増)となり、セグメント利益は650,205千円(前年同期比6.6%増)となりました。
(その他)
その他につきましては、主にリスク情報分析と危機対応支援を行うAIセキュリティ事業とその他周辺ソリューションを含んで構成されております。
これらの事業においては、一部サービスの提供を開始しておりますが、引き続き開発段階であり、人材関連費を含め、積極的な費用投下を行っております。
この結果、売上高は97,935千円(前年同期比798.4%増)となり、セグメント損失は44,831千円(前年同期は47,211千円の損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ125,430千円増加し、1,323,050千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、217,157千円(前年同期は、143,776千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益148,256千円の計上、非資金項目である減価償却費32,751千円及び投資有価証券評価損26,448千円、未払金の増加額56,611千円により資金が増加し、売上債権の増加額22,620千円により資金が減少したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、91,143千円(前年同期は、219,714千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出13,483千円、投資有価証券の取得による支出62,256千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、583千円(前年同期は、44,737千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入30,000千円、長期借入金の返済による支出35,847千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入5,400千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(b) 受注実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名の名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| デジタルリスク事業 | 1,866,059 | 13.4 |
| その他 | 97,935 | 798.4 |
| 合計 | 1,963,995 | 18.6 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、次の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ231,646千円増加し、2,063,194千円となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、1,578,744千円となり、前連結会計年度末に比べ175,550千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が125,430千円増加し、受取手形及び売掛金が31,734千円増加したことによるものであります。
固定資産は、483,912千円となり、前連結会計年度末に比べ56,318千円増加いたしました。これは主にのれんが20,475千円増加し、投資有価証券が29,825千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ137,790千円増加し、359,692千円となりました。
このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ131,965千円増加し、341,360千円となりました。これは主に未払金が59,307千円増加し、未払法人税等が32,947千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ5,825千円増加し、18,332千円となりました。これは長期借入金が5,825千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ93,855千円増加し、1,703,501千円となりました。これは主に新株予約権の行使による出資5,400千円、親会社株主に帰属する当期純利益86,277千円等によるものであります。
(b) 経営成績
当連結会計年度においては、ソーシャルリスクに関わるモニタリングやコンサルティングを主力サービスとして、企業内部のログデータ分析サービス、顧客確認サービス等、多様化するリスク要因と様々な業界の顧客需要に対応するサービスを組み合わせて提供することに注力しました。また、エストニア企業と連携して、分散型データベース技術および本人認証技術導入支援を開始するなど、事業領域の拡大と将来の収益基盤の構築に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,963,995千円(前年同期比18.6%増)となりました。営業利益はデジタルリスクモニタリングのAI化を進めるとともに、新規サービスの開発、人材採用および育成に費用を投下し、186,550千円(前年同期比378.7%増)となりました。経常利益は、投資事業組合運用損等を計上し、174,704千円(前年同期比431.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は投資有価証券評価損を計上し、86,277千円の利益(前年同期は63,552千円の損失)となりました。
(c) セグメントごとの経営成績等
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
デジタルリスク事業は、売上高は1,866,059千円(前年同期比13.4%増)となり、セグメント利益は650,205千円(前年同期比6.6%増)、セグメント資産396,402千円(前年同期比21.7%増)となりました。
その他は、売上高は97,935千円(前年同期比798.4%増)となり、セグメント損失は44,831千円(前年同期は47,211千円の損失)、セグメント資産44,348千円(前年同期比377.8%増)となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、新規事業への事業投資や投資有価証券の取得であります。
現状、これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入れによって調達しておりますが、必要に応じて、増資や社債発行等により柔軟に対応することとしております。
(5) 経営戦略の現状と見通し
デジタル化が進む社会において、新たなデジタルリスクの発生が見込まれており、ビッグデータ解析を活用した統合型リスク管理プラットフォームの提供をはじめ、積極的な技術投資を実行し、顧客のデジタルトランスフォーメーションを推進するためのサービス拡充を図っております。
主力のソーシャルリスクサービスにおいては、新型コロナウイルス感染症に関連して高まるリスクマネジメント需要を事業機会と捉え、企業規模を問わずに、地方市場を含めた顧客層の拡大に努め、市場シェアの更なる拡大により、収益機会の増大を図っております。
また、テレワーク等によりオンライン化が進むことに対応し、ビッグデータ解析やインターネット関連への技術投資やパートナー企業との連携により、サービス提供のデジタル化を推進し付加価値の高いサービスを提供し、取引の継続性を高めるとともに、機動的な事業展開を図ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の全世界における感染拡大の影響により、世界各国で外出制限などの措置が行われており、現時点では感染拡大の収束が見通せない状況にあります。
当社グループにおいては、在宅勤務体制への移行期による活動量の若干の低下がみられるものの、現状において、新型コロナウイルス感染症による事業推進上の大きな影響はないものと考えております。ただし、長期化に対する懸念や企業活動の更なる制約等が、今後の企業のデジタルトランスフォーメーションに与える影響は不透明であり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。