有価証券報告書-第10期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

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2021/05/27 16:49
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
社会全体のデジタル化が進む中、ソーシャルメディアは社会基盤として定着し、マーケティングやリクルーティングなど、企業活動の重要な役割を担っています。インターネット広告費は、前年に引き続きプラス成長を継続しており(電通「2020年日本の広告費」)、人々のデジタルとの接触量は増加の一途をたどっています。デジタル上を流通する情報が人々の意思決定を左右するため、それらを把握し、適切な情報発信を行うといった企業活動は、デジタル化が進む社会においてますます重要になっていきます。
このような環境下、当社グループは「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在になること」というビジョンを掲げ、リスクの解決だけではなく、デジタル化によって起きるさまざまな社会課題に取り組んできました。その一環として、当連結会計年度においては警備セキュリティ業界や、地方自治体のデジタルトランスフォーメーションを進めてまいりました。警備業界においては日本国内の警備員の半数以上が50歳を超えている(警察庁「令和元年における警備業の概況」)など、高齢化等の問題に直面しています。地方においては、東京一極集中などによる過疎化や空き家問題などの課題があります。健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会の実現に向け、そうした社会課題に取り組んでまいります。
(a) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ370,408千円増加し、2,433,602千円となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、1,546,925千円となり、前連結会計年度末に比べ31,819千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が257,997千円減少した一方で、受取手形及び売掛金が148,328千円増加し、未収還付法人税等が34,637千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、886,362千円となり、前連結会計年度末に比べ402,450千円増加いたしました。これは主にのれんが264,629千円増加し、投資有価証券が110,648千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ799,897千円増加し、1,159,590千円となりました。
このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ124,621千円増加し、465,982千円となりました。これは主に1年返済予定の長期借入金が90,356千円増加し、オフィス再編費用引当金が98,013千円増加した一方で、未払法人税等が61,581千円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ675,276千円増加し、693,608千円となりました。これは長期借入金が675,276千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ429,488千円減少し、1,274,012千円となりました。これは主に新株発行による資本金45,002千円、資本剰余金45,002千円の増加、新株予約権の発行による12,000千円増加の一方で、親会社株主に帰属する当期純損失529,517千円等によるものであります。
(b) 経営成績
当連結会計年度においては、ソーシャルリスクに関わるモニタリングやコンサルティングを主力サービスとして、企業内部のログデータ分析サービス、顧客確認サービス等、多様化するリスク要因と様々な業界の顧客需要に対応するサービスを組み合わせて提供することに注力しました。また、「伝統的な警備業とデジタルテクノロジーを融合させ、デジタル新時代の新たな警備業を創出し、経済発展と社会的課題の解決を両立する」というビジョンのもと設立した子会社、㈱エルテスセキュリティインテリジェンスは、2020年12月に大手電鉄会社を始めとした強固な顧客基盤を持ち、鉄道関連工事における列車監視業務を中心に、雑踏・交通誘導、常駐保安警備を提供する㈱アサヒ安全業務社を完全子会社化し、セキュリティDX領域へ本格進出することといたしました。さらに、2020年12月に㈱JAPANDXを設立し、企業や地方自治体に対しDXを推進し、「総合デジタルソリューション企業」として、本格展開するための足掛かりをつくりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,989,725千円(前年同期比1.3%増)となりました。営業損失はデジタルリスクモニタリングのAI化を進めるとともに、新規サービスの開発、人材採用および育成に費用を投下し、333,625千円(前年同期は186,550千円の利益)となりました。経常損失は、投資事業組合運用損等を計上し、357,618千円(前年同期は174,704千円の利益)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は新しい働き方への変革を加速させるためのオフィス再編費用や投資有価証券評価損を計上し529,517千円の損失(前年同期は86,277千円の利益)となりました。
(c) セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(デジタルリスク事業)
デジタルリスク事業は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上の様々なソーシャルメディアに起因するリスクに関連するソーシャルリスクサービスと企業内のログデータ等多種多様なデータを統合的に分析する内部脅威検知サービスから構成されております。
ソーシャルリスクサービスについては、新型コロナウイルス感染症に関する風評懸念などによる需要増は一部見られたものの、緊急事態宣言前後における経済活動の停滞による新規受注の減少や、サービス業などが外出自粛による企業活動の停滞に対応するためのコスト削減などの影響による解約の増加により、売上高が減少いたしました。
内部脅威検知サービスについては、「働き方改革」やテレワーク普及を追い風に、国内大手企業から中小企業まで幅広くニーズが増大しましたが、カウンターパートとする情報システム部門の繁忙による営業活動の停滞により、受注数は伸び悩みました。一方で、提供体制を強化するための人材採用を行い、AIリスク管理プラットフォームの提供を開始するなどサービスの拡充を進めています。
これらの結果、売上高は1,745,253千円(前年同期比6.5%減)となり、営業利益は342,369千円(前年同期比47.3%減)となりました。
(AIセキュリティ事業)
AIセキュリティ事業は、リアルな警備事業を運営しつつ、その課題解決のためにAIやIoTを組み合わせた警備・セキュリティ業界のDXを推進しております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で工事やイベントの警備の受注が減少傾向にある中でも、人材採用等を積極的に実施し、従来型の人的警備で発生する課題や問題点を発見し、それを解決するためのサービス開発に投資いたしました。2020年12月には、㈱アサヒ安全業務社とその完全子会社である㈱S&T OUTCOMESが連結子会社となりました。
この結果、売上高は203,194千円(前年同期比185.9%増)となり、営業損益は50,594千円の損失(前年同期は17,248千円の損失)となりました。
(DX推進事業)
DX推進事業は、地方自治体等の行政や企業のDX化を推進し、DX人材の育成や、自治体と企業のマッチングなども手掛けます。
エストニア企業との連携による、分散型データベース技術及び本人認証技術導入支援を継続して取り組む一方、2020年12月に㈱JAPANDXを設立し、デジタル・ガバメント領域に本格的に進出することといたしました。
この結果、売上高は43,586千円(前年同期比40.5%増)となり、営業損益は101,678千円の損失(前年同期は27,582千円の損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ302,042千円減少し、1,021,008千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、412,443千円(前年同期は、217,157千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失506,591千円、減価償却費62,362千円、投資有価証券評価損50,674千円、オフィス再編費用の増加額98,013千円、売上債権の増加額30,704千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、457,728千円(前年同期は、91,143千円の使用)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出323,076千円、投資有価証券の取得による支出133,899千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、568,101千円(前年同期は、583千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入600,000千円、長期借入金の返済による支出25,506千円、新株予約権の発行による収入12,000千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(b) 受注実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメント名の名称販売高(千円)前年同期比(%)
デジタルリスク事業1,745,253△6.5
AIセキュリティ事業200,885200.2
DX推進事業43,58640.5
合計1,989,7251.3

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、次の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、連結財務諸表作成時に入手可能な情報等を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が少なくとも一定期間継続しつつも緩やかに回復するとの仮定のもと、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の分析
経営成績の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績等の概要」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、新規事業への事業投資や投資有価証券の取得であります。
現状、これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入れによって調達しておりますが、必要に応じて、増資や社債発行等により柔軟に対応することとしております。
(3) 経営戦略の現状と見通し
当社グループの事業に関連する市場においては、新型コロナウイルス感染症による顧客の投資優先度の見直しや活動制限等の影響が続くものの、昨年との比較では改善の兆しもみられます。特に、ポストコロナを見込んで、社会全体でセキュリティ意識やデジタル化に関心が高まっており、利便性と両立する安心安全に関する需要が顕在的、潜在的に増大していると考えられます。中核事業が立脚するインターネット市場においても、コロナ禍での新しい経済活動の拡大や新しい生活様式の定着を背景に、デジタル化施策が注目されており、市場は堅調な回復傾向にあるものと考えております。
このような経営環境の中、当社グループは中期経営計画「The Road To 2024」を策定し、中長期的な企業価値の向上を目指しております。中核事業であるデジタルリスク事業においては、価値訴求による差別化を図り、プロダクト型のビジネスモデルにより顧客基盤と収益基盤の増大に注力しております。また、次代の中核事業とすべくグループ全体でAIセキュリティ事業の規模を拡大するとともに、デジタル化を推進し警備業界へプロダクト展開を図っております。加えて、スーパーシティ構想へのアプローチ強化等、自治体及び企業のDXを支援し、堅守速攻の総合デジタルソリューション企業として、DX推進事業を将来の中核事業とすべく基礎作りを行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、市場及び顧客動向を慎重に見極めながら事業活動や計画の適時見直しを実施し進めますが、ワクチン普及の進捗やオリンピック等大規模イベントの開催状況など、長期化に対する懸念や企業活動の更なる制約等が与える影響は不透明であり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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