有価証券報告書-第15期(2025/03/01-2026/02/28)

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2026/05/27 15:14
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2025年3月1日~2026年2月28日)における当社グループを取り巻く経済環境は、底堅い企業収益や継続的な賃上げを背景に雇用・所得環境が改善していく中で、緩やかに回復しております。一方で、不安定な世界情勢を受けた地政学リスクの高まりやアメリカの関税の影響、物価上昇、金融市場の変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。国内のITサービス分野においては、企業の収益性向上・人手不足対策等のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)や、デジタルの活用、生成AIの普及で、市場は成長傾向が継続しております。一方で、特定の企業や組織等を狙ったサイバー攻撃や、デジタル化や働き方の多様化による組織内部からの営業秘密情報の持ち出しなどが後を絶たない状況に対して、企業の情報セキュリティの意識は日々高まっています。さらに、SNSなどのデジタル空間での偽・誤情報拡散、炎上事案の発生に加えて、ディープフェイク等の高度な技術を用いた詐欺手法の巧妙化、生成AI利用に伴う新たなリスクや法規制・コンプライアンスへの対応など、当社グループのニーズは益々高まっております。
(a) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ250,459千円減少し、7,133,433千円となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、4,332,080千円となり、前連結会計年度末に比べ264,536千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が690,922千円減少、受取手形、売掛金及び契約資産が348,723千円増加及び販売用不動産が539,485千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、2,801,082千円となり、前連結会計年度末に比べ515,268千円減少いたしました。これは主にソフトウエアが87,033千円減少、のれんが269,133千円減少、繰延税金資産が91,885千円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ260,248千円減少し、5,254,813千円となりました。
このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ293,683千円増加し、3,372,969千円となりました。これは主に買掛金が128,339千円増加、未払法人税等が102,656千円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ553,932千円減少し、1,881,844千円となりました。これは主に長期借入金が440,667千円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,788千円増加し、1,878,619千円となりました。これは主に資本金が47,274千円増加、資本剰余金が90,981千円増加、親会社株主に帰属する当期純損失が168,487千円、その他有価証券評価差額金が35,934千円増加したこと等によるものであります。
(b) 経営成績
当連結会計年度の連結業績において、当社は「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」をミッションに掲げ、セキュリティ対策の需要の高まりに伴い注目を集める内部不正対策や、守りの生成AI領域における新規事業「AIガバナンス」の推進など、当社の独自性・優位性が高いデジタルリスク事業をグループのコア事業として位置づけ、事業を展開してまいりました。また、企業価値向上に向けて、事業ポートフォリオ戦略の見直しや経営リソースの最適化などにも推進し、2026年1月にはDX推進事業のカーブアウト検討開始を発表いたしました。
一方で、当社連結子会社の株式会社JAPANDXが保有するソフトウエア資産について、同社のカーブアウト検討に伴い、今後の事業計画の見直しを慎重に検討した結果、特別損失(減損損失)を計上することとしました。さらに、AIセキュリティ事業とスマートシティ事業においても、不採算事業の整理を行った結果、株式会社AIKのソフトウエア資産と株式会社イーリアルティの固定資産の一部において、特別損失(減損損失)を計上することとしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は8,958,812千円(前年同期比22.4%増)となり、EBITDAは923,070千円(前年同期比51.6%増)、営業利益は431,439千円(前年同期比362.3%増)、経常利益は346,972千円(前年同期比404.0%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は168,487千円(前年同期は860,379千円の損失)となりました。
(注) 当社グループの業績の有用な比較情報として、EBITDAを開示しております。EBITDAは、税引前当期純損益から利息及び非現金支出項目(減価償却費及び償却費等)の影響を除外しております。EBITDAの計算式は以下のとおりです。
・EBITDA=税引前当期純損益+支払利息+減価償却費及び償却費等の非現金支出項目
(c) セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、各セグメントをより実態に即した費用負担で管理するために、全社費用の一部をデジタルリスク事業の費用に変更して記載しております。また、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(デジタルリスク事業)
コア事業であるデジタルリスク事業は、健全なデジタルテクノロジーの発展支援を目的に、SNS上のリスク対策サービスに加え、ログプロファイリング(ログデータをもとに、ユーザーの行動意図を分析・推測して不審な行為を抽出する手法)により、営業秘密の持ち出しなどの内部不正対策を支援しています。
昨今の転職市場の拡大、テレワークなど働き方の多様化、経済安全保障リスクの高まりを背景に、内部からの情報持ち出しリスクが高まっています。こうした中で、IT資産管理ツールによるログ管理にとどまり、膨大なログデータを前に適切に活用しきれていない、リスク感度の高い大手製造業、金融機関を中心に国産の内部脅威検知サービスとして、幅広い業種において、内部不正対策サービスの導入が進んでおります。
さらに、社会全体で生成AIの利用が著しく進む中、SNSリスク対策サービスの知見や実績を活かして、生成AIのガバナンス対策の新サービスをリリースするなど、社会変化に伴う新たなリスク対策ニーズへ対応してまいりました。
以上の結果、売上高は2,744,542千円(前年同期比9.2%増)、セグメント利益は991,901千円(前年同期比7.7%増)となりました。
(AIセキュリティ事業)
AIセキュリティ事業は、警備DXで新時代の安全保障をつくることを目指して、フィジカルな警備保障サービスを運営しつつ、運営の中で生じる課題解決のためのDXソリューションの開発・提供で警備業界のDX化に取り組んでいます。
警備DX領域は、警備会社と依頼者の警備受発注マッチングプラットフォーム「AIKorder」とそれらが持つ警備会社のネットワークを活用した大型イベントの警備案件を包括的にサポートするコンシェルジュサービスの提供が積み上がりつつあります。また、警備保障サービスにおいては、日本国内の大型イベントの警備需要も取り込んだことで、AIセキュリティ事業の売上高・営業利益は計画を上回りました。その他、来期以降の成長も見据え、横浜拠点の立ち上げも進めてまいりました。
以上の結果、売上高は2,222,880千円(前年同期比37.1%増)、セグメント利益は38,516千円(前年同期は40,959千円のセグメント損失)となりました。
(DX推進事業)
DX推進事業は、デジタルを活用した人に優しい社会への変革を目指して、主に地方自治体を対象とした行政の住民サービスのデジタル化支援を行う自治体DX領域、並びにSESとラボ型開発のハイブリッドで事業会社のDX支援を行う事業会社DX領域の二つを事業領域の柱として取り組んでいます。
事業会社DX領域は、株式会社GloLingのSES月間稼働人月が増加するなど、堅調に推移しております。一方で、第4四半期偏重の業績となっていた自治体DX領域は、大型取引が無事に売上計上され、大きく業績を回復しました。通期では黒字の着地となりましたが、下期偏重、大型案件偏重のビジネスモデルの与える企業価値への影響は依然大きいと判断しており、2026年1月に公表したDX推進事業のカーブアウトの検討を進めております。
以上の結果、売上高は2,067,955千円(前年同期比14.6%増)、セグメント利益は26,621千円(前年同期比162.9%増)となりました。
(スマートシティ事業)
スマートシティ事業は、スマートな街づくりで地方創生に貢献することを目的に、プロパティ・マネジメント事業のデジタル化から着手し、そのデジタル化の領域をビル・施設、そして地域に広げることを目指しています。
安定的な収益確保を目的に、プロパティ・マネジメント事業の管理物件数増加を目指した不動産売買専任チームの活動量増加で、第4四半期連結会計期間に3件の不動産売買実績を積み上げ、セグメント利益に貢献しました。引き続き、プロパティ・マネジメント事業の業務の自動化等を推進し、さらなる収益性の向上にも取り組んでまいります。
以上の結果、売上高は2,052,317千円(前年同期比38.3%増)、セグメント利益は11,781千円(前年同期は110,361千円のセグメント損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ697,722千円減少し、1,814,115千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、14,927千円(前年同期は、587,694千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益88,168千円、減価償却費194,952千円、減損損失274,679千円、のれん償却額307,233千円、売上債権の増加312,627千円、未払金の減少135,205千円、及び販売用不動産の増加539,485千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、310,083千円(前年同期は、570,563千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出28,341千円、無形固定資産の取得による支出200,311千円、投資有価証券の取得による支出27,809千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出38,200千円により減少する一方、投資有価証券の売却による収入48,151千円等により増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、372,710千円(前年同期は、938,547千円の獲得)となりました。これは、短期借入金の純増加額158,003千円、長期借入れによる収入820,000千円、非支配株主からの払込みによる収入60,470千円等により増加する一方、長期借入金の返済による支出1,477,996千円等により減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(b) 受注実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメント名の名称販売高(千円)前年同期比(%)
デジタルリスク事業2,733,8519.1
AIセキュリティ事業2,212,83636.8
DX推進事業1,962,57314.6
スマートシティ事業2,049,55138.4
合計8,958,81222.4

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、次の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の分析
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、デジタルセキュリティ事業の成長投資であります。
現状、これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入れによって調達しておりますが、必要に応じて、増資や社債発行等により柔軟に対応することとしております。
(3) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」をミッションに掲げ、テクノロジーの発展によって生じる新たなリスク対策を講じるデジタルリスク事業を中心に事業を展開してまいりました。
2025年12月には、セキュリティ対策の需要の高まりに伴い注目を集める内部不正対策や、広がる生成AIに対応したAIガバナンスの対策支援など、当社の独自性・優位性が高いデジタルリスク事業をグループのコア事業とした成長戦略を描くことに加えて、ポートフォリオの見直しを注力施策とした経営方針のアップデートを発表いたしました。この方針転換は、2025年5月に公表した3ヵ年経営計画(2026年2月期~2028年2月期)の内容を見直すものであり、副社長で経営戦略本部長の伊藤を中心に、時価総額200億円を見据えた企業価値向上の実現のため、アクティビストや機関投資家が求める視点で、新たな経営方針を定めました。
その後、2026年1月には、DX推進事業のカーブアウト(事業売却)検討開始を公表し、ポートフォリオの見直しを着実に前へ進めながら、収益性高いデジタルリスク・セキュリティ領域への経営リソースの集中と、セキュリティ銘柄へのリブランディングを進めてまいりました。2029年2月期は、この経営方針を踏襲しつつ、営業利益率12%、営業利益900百万円、自己資本比率40%以上の達成を掲げております。
また、2027年2月期の業績予想は、売上高8,500百万円(前年比5.1%減)、営業利益460百万円(前年比6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益100百万円(前年比268百万円増)としております。売上高の減少は、DX推進事業のカーブアウトを想定したものであり、コア事業であるデジタルセキュリティセグメント(旧:デジタルリスク事業)は、5%を超える売上高成長を想定しております。一方で、営業利益に関しては、DX推進事業のカーブアウトによる前年比での△26百万円の営業利益減少、オフィス移転による一時費用60百万円の影響を受けながらも、5%以上の成長を計画しております。
なお、2026年4月27日にDX推進事業のJAPANDX社等の売却決定で、一定の特別損失を計上する見込みですが、GloLing社・プレイネクストラボ社売却で、今期中に同等以上の特別利益計上を見込んでおります。それらを勘案し、一連のカーブアウトを通算して最終損益への影響がない想定で、2027年2月期の業績予想を策定しています。その他、2026年4月27日公表の「3ヵ年経営計画」において、セグメント区分の変更を実施しております。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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