有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/11/20 15:00
【資料】
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【項目】
118項目
(1)経営成績等の状況の概要
第7期事業年度及び第8期第3四半期累計期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第7期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,008,209千円となり、前事業年度末に比べ361,577千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金346,900千円、貯蔵品30,583千円の減少によるものであります。
また、当第事業年度末における固定資産は8,474千円となりました。
この結果、資産合計は1,016,683千円となり、前事業年度末に比べ360,332千円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は85,960千円となり、前事業年度末に比べ125,148千円減少いたしました。これは主に、未払金15,618千円、前受金105,743千円の減少によるものであります。
この結果、負債合計は85,960千円となり、前事業年度末に比べ125,148千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は930,723千円となり、前事業年度末に比べ235,183千円減少いたしました。これは、当期純損失235,183千円の計上に伴う利益剰余金の減少によるものであります。
この結果、自己資本比率は91.6%(前事業年度末は84.7%)となりました。
第8期第3四半期累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産は2,180,762千円となり、前事業年度末に比べ1,172,552千円増加いたしました。これは主に、前渡金が12,887千円減少したものの、第三者割当増資による資金調達により、現金及び預金が1,192,604千円増加したことによるものであります。
また、当第3四半期会計期間末における固定資産は5,742千円となりました。
この結果、資産合計は2,186,505千円となり、前事業年度末に比べ1,169,821千円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は73,821千円となり、前事業年度末に比べ12,139千円減少いたしました。これは主に、前受金が14,756千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は73,821千円となり、前事業年度末に比べ12,139千円減少いたしました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は2,112,683千円となり、前事業年度末に比べ1,181,960千円増加いたしました。これは主に、第三者割当増資による資本金等の増加1,507,400千円によるものであります。また、四半期純損失325,440千円の計上に伴い、利益剰余金が減少しております。
② 経営成績の状況
第7期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、10月に消費税増税が実施されたものの、通期では内需にも支えられ実質プラスで推移いたしました。一方、EUを含む海外経済の不確実性や米中発の通商政策等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社は、機能性ペプチドの多様な機能に着目した研究開発を進めるとともに、医薬品、化粧品等、広範な分野での事業展開に取り組んでまいりました。
機能性ペプチドSR-0379については、導出先である塩野義製薬株式会社により皮膚潰瘍を対象疾患とした第Ⅱ相臨床試験が実施され、当事業年度において終了いたしました。
抗体誘導ペプチドFPP003については、2019年4月にオーストラリアにて乾癬を対象疾患とした第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験を開始いたしました。これまでに被験者の組み入れを進めております。また、強直性脊椎炎を対象疾患とした開発については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受け、前臨床試験を実施いたしました。
抗体誘導ペプチドFPP004については、2019年8月より花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)を対象疾患とした前臨床試験を開始いたしました。
疼痛領域の抗体誘導ペプチドについては、2019年2月に塩野義製薬株式会社との間で共同研究契約を締結いたしました。同社の疼痛領域に関するノウハウと当社のペプチド創薬に関するノウハウを生かし、新規開発化合物の創出に向けて探索研究を進めております。
当事業年度において、塩野義製薬株式会社の開発マイルストーン、大日本住友製薬株式会社の開発マイルストーン及び株式会社メディパルホールディングスの開発支援金を事業収益に計上しました。
以上の結果、当事業年度の業績につきましては、事業収益は301,417千円(前事業年度比15.3%減)、営業損失は285,739千円(前事業年度は14,413千円の営業損失)、経常損失は232,293千円(前事業年度は8,744千円の経常損失)、当期純損失は235,183千円(前事業年度は11,937千円の当期純損失)となりました。なお、事業費用の総額は587,156千円(前事業年度比58.6%増)であり、そのうち事業原価は11,391千円(前事業年度比121.0%増)、研究開発費は401,866千円(前事業年度比106.4%増)、その他の販売費及び一般管理費は173,898千円(前事業年度比2.1%増)となりました。
なお、当社は医薬品等の研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの情報は記載しておりません。
第8期第3四半期累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界経済への深刻な影響が続く中、日本経済においては段階的な経済活動の再開による持ち直しの動きもみられるものの、依然として先行きが不透明な状況となっております。
このような環境の中、当社は、機能性ペプチドの多様な機能に着目した研究開発を進めるとともに、医薬品、化粧品等、広範な分野での事業展開に取り組んでまいりました。
機能性ペプチドSR-0379については、前事業年度において皮膚潰瘍(褥瘡(じょくそう)及び糖尿病性潰瘍)を対象疾患とした第Ⅱ相臨床試験を終了し、当第3四半期累計期間においては、第Ⅲ相臨床試験の準備を進めました。
抗体誘導ペプチドFPP003については、前事業年度にオーストラリアにて乾癬を対象疾患とした第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験を開始し、引き続き被験者の組み入れを進めております。また、強直性脊椎炎を対象疾患とした開発については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受け、前臨床試験を実施いたしました。
抗体誘導ペプチドFPP004については、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)を対象疾患とした前臨床試験を実施いたしました。
抗体誘導ペプチドについては、大阪大学との共同研究により様々な疾患に対する抗体誘導ペプチドの探索研究を行いました。疼痛領域については、塩野義製薬株式会社との間で共同研究を継続しております。
また、当第3四半期累計期間において、機能性ペプチドの譲渡により、事業収益2,032千円を計上いたしました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の業績は、事業収益2,032千円、営業損失384,557千円、経常損失323,302千円、四半期純損失325,440千円となりました。なお、事業費用の総額は386,589千円であり、そのうち事業原価は698千円、研究開発費は251,555千円、その他の販売費及び一般管理費は134,335千円となりました。
なお、当社は医薬品等の研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの情報は記載しておりません。
③ キャッシュ・フローの状況
第7期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税引前当期純損失232,293千円を計上したこと等により、前事業年度末に比べ346,900千円減少し、当事業年度末には892,406千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は345,895千円(前事業年度は11,736千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失232,293千円の計上及び前受金105,743千円の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,005千円(前事業年度は2,134千円の支出)となりました。これは、千里オフィスの新設に伴う間仕切り工事の実施等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増減はありません。(前事業年度は459,247千円の収入)
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社は研究開発を主体としており、受注生産を行っておりませんので、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績
当社は医薬品等の研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの情報は記載しておりません。第7期事業年度及び第8期第3四半期累計期間の販売実績は以下のとおりであります。
セグメントの名称第7期事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
第8期第3四半期累計期間
(自 2020年1月1日
至 2020年9月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
医薬品等の研究開発事業301,41784.72,032

(注)1.最近2事業年度及び第8期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第6期事業年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
第7期事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
第8期第3四半期累計期間
(自 2020年1月1日
至 2020年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
塩野義製薬㈱200,00056.2100,00033.2
㈱メディパルホールディングス100,00028.1100,00033.2
大日本住友製薬㈱50,00014.1100,00033.2
㈱SMV JAPAN1,56076.8
アリスタヘルスアンドニュートリションサイエンス㈱2,1630.61,4170.447223.2

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「② 経営成績の状況」に記載しております。
また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要は、医薬品等の創出のための研究開発費や販売費及び一般管理費等の事業費用であり、これら事業上必要な資金は手許資金で賄う方針ですが、事業収益から得られる資金だけでなく、株式市場から必要な資金の獲得や補助金等を活用して資金を調達しております。また、資金の流動性については、資金効率を考慮しながら、現金及び現金同等物でにおいて確保を図っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」及び「注記事項(追加情報)」に記載しております。