有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 17:00
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【項目】
107項目

有報資料

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1)経営方針
当社は、パーパス「アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新する。」のもと、プリント基板のEコマースサイト「P板.com(ピーバンドットコム)」の運営を中心に事業を展開しております。このパーパスを実現するため、以下の行動規範及び行動指針を掲げております。
・企業パーパス(Purpose)
「アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新する。」
・行動規範(Code of Conduct)
「ワクワクするチャレンジを選ぶ。」
・5つの行動指針(Credo)
「アイデア、どんどん発信しよう!」
積極的に提案をして、よりよい会社にしていこう
「たゆまぬ探究心で、形にしよう!」
諦めず、粘り強く物事の本質を見極めよう
「学び続け、成長し続け!」
継続的な学習で、自己を豊かにしよう
「失敗はステップ、恐れず飛び込もう!」
失敗を恐れずチャレンジし、成功への糧にしよう
「ハートフルな話し方、心地よい聴き方!」
気持ちのいいコミュニケーションで、よりよい関係を築こう
(2)経営戦略
持続的な事業成長を実現するためには、短期的な事業環境への対応にとどまらず、社会や産業構造の長期的な変化を捉えた戦略的経営が必要であると考えております。
当社は、2026年6月22日に、2027年3月期から2029年3月期までを対象とする中期経営計画ローリングを公表いたしました。当該計画では、2026年3月期において確認した収益構造の改善を起点に、2027年3月期を将来成長に向けた再投資・基盤整備の年度と位置づけ、2028年3月期以降にその成果を売上・利益成長として回収することを目指しております。
また、売上高の拡大に加え、売上総利益及び当期純利益の成長を重視し、持続的な企業価値向上につなげてまいります。
当社は、プリント基板Eコマース「P板.com」を中核としつつ、基板製造を起点に、部品実装、電子部品調達、在庫管理、実装連携、設計情報・製造データの活用へとサービス領域を拡張し、顧客の開発・試作・製品化プロセス全体を支援するプラットフォームへの進化を目指してまいります。
①基本方針
当社の中期的な基本方針は、以下のとおりです。
P板.comの収益力をさらに高めるとともに、GUGEN Hubを第二の成長エンジンとして育成し、基板ECを基軸としながら、電子製造プロセス全体を支援するプラットフォームへ進化する。
当社は、これまでP板.comを通じて、プリント基板の設計・製造・部品実装をWeb上でワンストップ提供してまいりました。今後は、基板製造を起点に、部品実装、電子部品調達、在庫管理、実装連携、設計・評価データの活用へとサービス領域を拡張し、顧客の開発・試作・製品化プロセス全体を支援してまいります。
特に、GUGEN Hubについては、電子部品調達、在庫管理、実装連携を担う新たな成長ドメインとして位置づけ、P板.comとのクロスセルを通じた利用単価向上と、中期的な収益化を目指してまいります。
②重点戦略
戦略1:P板.comの深化と収益性向上
P板.comは、当社の中核サービスであり、今後も安定的な成長の基盤です。既存のプリント基板製造に加え、部品実装、電子部品調達、筐体、ハーネス、メタルマスク等の周辺サービスを組み合わせることで、顧客の開発・試作工程をより広く支援してまいります。
また、製造受注を起点として、実装、部品調達、周辺サービスへと利用領域を広げるクロスセル構造を強化し、顧客単価の向上と収益性改善を図ってまいります。特に、半導体、自動車・モビリティ、FA・ロボット等の成長分野における中堅・大手企業の先行開発・試作ニーズを取り込み、試作から製品化・小ロット量産へつなげる支援体制を強化してまいります。
戦略2:GUGEN Hubを第二の成長エンジンへ
GUGEN Hubは、電子部品調達、在庫管理、実装連携、製造データ管理を担う新たな成長ドメインです。
短期的には、P板.comとの連携により、部品調達・在庫管理・実装連携の利用拡大を図ってまいります。中期的には、API連携、在庫管理機能、プロジェクト管理機能等の高度化を通じて、継続利用型の収益機会の拡大を目指してまいります。
戦略3:システム基盤刷新による拡張性・利便性の向上
当社は、P板.comの顧客画面及び管理画面を含むシステム基盤の全面刷新を進めてまいります。
これにより、顧客にとってはより分かりやすく、使いやすい発注体験を提供するとともに、社内業務の効率化、商社経由・EDI等の多様な商流への対応、グループ単位での利用管理などを可能にしてまいります。
システム基盤刷新は、P板.com単体の利便性向上にとどまらず、GUGEN Hub、部品調達、実装連携、海外展開等を支える共通基盤として、今後の成長を支える重要な投資であると認識しております。
戦略4:サプライチェーン改革による売上総利益率の改善
当社は、仕入先の見直し、調達条件の最適化、物流機能の改善、品質起点での不良削減等を通じて、構造的な収益性改善を進めてまいります。
また、サプライチェーン改革により得られる改善効果を、システム、人材、GUGEN Hub、海外展開等へ再投資することで、短期的な収益性の確保と中長期的な成長基盤の構築を両立してまいります。
戦略5:海外展開による新たな成長機会の創出
当社は、国内で培ってきたプリント基板Eコマースの運営ノウハウ、サプライチェーンネットワーク、品質管理体制を活かし、海外市場への展開にも取り組んでおります。
当面は、タイ市場を中心に、基板製造に加えて電子部品実装まで含めた「基板+実装」のワンストップ提案を進めてまいります。タイ王国向けプリント基板通販サイト「p-ban Thailand」を通じて、現地パートナーとの連携を進め、ASEAN地域における顧客基盤の拡大と新たな成長機会の創出を目指してまいります。
戦略6:人材投資・組織能力の強化
当社は、P板.comの深化、GUGEN Hubの育成、システム基盤刷新、海外展開等を推進するため、必要な専門人材の採用・育成を進めてまいります。
システム開発、データ解析、営業、カスタマーサクセス、プロダクト企画、ハードウェア開発支援等の領域において人材を強化し、少人数で効率的に運営するECモデルの強みを維持しながら、成長領域に必要な組織能力を高めてまいります。
③資本コスト及び株価を意識した経営
当社は、資本コストを常に意識した投資判断と経営資源の最適配分を徹底することで、資本効率の向上と持続的な成長を実現してまいります。
また、安定的かつ継続的な株主還元、M&Aを含む成長機会の検討、コーポレートガバナンスの強化、積極的なIR活動を通じた株主・投資家との対話を推進することで、企業価値及び株主価値の向上を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、事業活動の成果を示す売上高、売上総利益、当期純利益成長率、売上総利益率、ROE等を重要な経営指標としております。
特に、2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画ローリングにおいては、売上高、売上総利益及び当期純利益の継続的な成長を重視しております。2026年3月期実績から2029年3月期計画までの3年間において、売上高は2,311百万円から3,001百万円へ、売上総利益は873百万円から1,217百万円へ、当期純利益は106百万円から184百万円へ拡大させる計画です。
また、売上総利益率及び資本効率の改善を主要な指標として管理してまいります。なお、GUGEN Hubについては、P板.comとの連携による部品調達、在庫管理、実装連携等の利用拡大を重点施策として位置づけ、サービス利用状況やクロスセルの進捗を継続的に確認してまいります。
これらの指標及び施策の進捗管理を通じて、短期的な利益成長だけでなく、P板.comの収益性向上、GUGEN Hubを含む周辺サービスの拡充、成長投資の成果、資本効率の改善を継続的にモニタリングし、持続的な企業価値向上を図ってまいります。
(4)経営環境及び財務上の対処すべき課題等
当社を取り巻く市場環境は、半導体、自動車・モビリティ、FA・ロボット等の成長分野における研究開発・試作需要の拡大や、生成AIを活用した設計・開発支援ニーズの高まりなど、中長期的な成長機会が引き続き存在しております。一方で、為替変動、通商政策の影響、地政学リスク、サプライチェーンの不確実性、さらにはAIを活用したサイバー攻撃の巧妙化など、慎重かつ機動的な対応が求められる局面も継続しております。
こうした環境のもと、当社は、2026年6月22日に公表した中期経営計画ローリングに基づき、持続的な成長と収益性の向上を両立させるため、経済環境や競争環境の変化、AIの急速な発展に対応した事業基盤の強化を進めてまいります。
当社は、パーパスである「アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新する。」のもと、まずはエレクトロニクス・エンジニアの開発プロセスにおける“あたりまえ”を革新し、その先に、誰もがアイデアさえあればモノを具現化できる世界の実現を目指しております。
その実現に向け、2027年3月期は2028年3月期以降の成長回収に向けた重要な再投資・基盤整備の年度と位置づけ、当社の中核サービスである「P板.com」を中心としたシステム基盤の全面刷新、調達・物流・品質を含むサプライチェーン改革、GUGEN Hubを通じた支援領域の拡張、ならびにAI・開発支援サービスの高度化を重点的な経営課題として取り組んでまいります。
①中核サービスの深化とシステム基盤の全面刷新
当社の基幹サービスである「P板.com」においては、試作市場を主戦場としつつ、製品化・小ロット量産までを視野に入れた顧客支援の強化を進めてまいります。
今後の成長に向けては、顧客が求める利便性、処理速度、情報管理水準が一段と高度化していることを踏まえ、既存システムの部分的な改修にとどまらず、P板.comサイトの顧客画面及び管理画面を含むシステム基盤の全面刷新を進めてまいります。これにより、注文フロー、社内業務システム、受発注管理等を抜本的に見直し、より使いやすく、柔軟で拡張性の高いサービス基盤への進化を図ります。
また、創業以来培ってきたWebシステムによる自動化の仕組みに加え、営業担当者による人的アプローチを組み合わせた顧客対応体制を強化し、顧客ニーズに即した提案力の向上を図ってまいります。あわせて、UI/UXの改善、リアルタイム見積機能の強化、電子部品調達プロセスの効率化などを通じて、顧客利便性のさらなる向上に取り組んでまいります。
さらに、顧客情報や設計・購買データをより安全に管理するため、情報管理体制及びセキュリティ水準の向上にも努めてまいります。これらの取り組みにより、お客様及び提携基板メーカーの双方にとって、より価値の高いプラットフォームの構築を進めてまいります。
②サプライチェーン改革とGUGEN Hubを通じた支援領域の拡張
当社は、海外事業推進室の設置等を通じて海外展開を進める中で、国内外の調達先や物流網との接点を広げてまいりました。一方で、為替変動、通商政策、地政学リスク等の外部環境の変化を踏まえると、調達・物流・品質を含むサプライチェーン全体を、より効率的かつ強固なものへ見直していくことが重要な課題であると認識しております。
この認識のもと、仕入先の見直し、調達条件の最適化、物流機能の改善、品質起点での不良削減等を通じて、サプライチェーン改革を推進し、構造的な収益力の強化を図ってまいります。また、これらの取り組みによって生み出される改善効果を、システム開発、人材採用、プロダクト強化等の将来投資へ再投入することで、中長期的な成長基盤の強化につなげてまいります。
「GUGEN Hub」においては、部品調達のオンライン化、在庫管理、実装連携を一体化し、研究開発に携わるハードウェア開発者が開発に集中できる環境の整備を進めてまいります。今後は、UI/UXの刷新、外部パートナーとの連携による部品検索・調達機能の強化、在庫共有・注文機能の拡充等を通じて、利用拡大と継続利用の促進を図ってまいります。
短期的には、P板.comとのクロスセル強化や部品販売マージンの拡大により利用単価の向上を図り、中期的には、在庫サービスや管理機能の高度化を通じて、継続利用型の収益機会の拡大を推進してまいります。
③ AI・開発支援サービスによる高付加価値領域の拡大
当社は、プリント基板Eコマースを中核サービスとしながら、顧客の開発プロセス全体を支援する高付加価値サービスの拡充を重要な成長課題と位置づけております。
R&D領域においては、「gene」を起点とした開発支援サービスの拡大に加え、AIブロック図自動生成サービス、AIハードウェア設計ツール、ローカルLLMナレッジ基盤、AIガーバーチェックアシスト等の開発を進め、設計支援から試作・評価までを支えるサービスの高度化に取り組んでまいります。AIハードウェア設計ツールとGUGEN Hubとの連携により、自然言語入力を起点とした回路図・部品表作成の高度化を進めるとともに、AIを活用した品質向上、業務効率化、顧客支援力の強化を図ってまいります。
また、ローム株式会社とのオンデバイスAI「Solist-AI™」関連のエコシステム連携や、TOPPANホールディングス株式会社との次世代センサー評価用モジュール開発等の取り組みを通じて、先端領域における研究開発支援サービスの拡大を図ってまいります。
さらに、これらの取り組みを支える社内体制として、プロダクト横断で企画・開発を推進する体制を構築しております。あわせて、開発・営業・管理各部門での人材採用・育成を進めるとともに、営業、マーケティング、データ解析の各部門が連携し、重点領域を対象とした集客、提案、受注プロセスの高度化を進めてまいります。
当社は、これらの経営課題に着実に取り組むことで、顧客提供価値の向上、収益基盤の強化、新たな成長機会の創出を図り、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

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