有価証券報告書-第4期(平成29年9月1日-平成30年8月31日)

【提出】
2018/11/29 16:31
【資料】
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【項目】
74項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「日常の中に&を届ける」をミッションとし、人々の生活にとって+になるようなサービス、事業の創出に取り組んでおります。特に生活必需品として急速に普及台数が増えているスマートフォン関連事業を軸として展開することで、より日常に影響を与えるサービス、事業の創出が可能であると判断し、人々の暮らしに&を届け続けていくfactoryとして様々なサービス・アプリケーションに真摯に取り組んでまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な成長と企業価値の向上のため、収益力を高めるとともに、経営の効率化を図ってまいります。売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでまいります。
(3) 経営戦略及び対処すべき課題
スマートフォンを取り巻く環境は、目まぐるしく変化しており、スマートフォンそのものが単なるデバイスとしての枠を超えてきております。このような環境の中、当社は、2014年9月の創業以来、Smartphone APP事業を中核に、新規事業にも取り組み、事業規模を成長させ、収益拡大を実現してまいりました。これは、UI/UXデザインの構築力という強みを有していることが要因であると考えております。
当社が現在展開しているSmartphone APP事業及びIoT事業は、いずれもスマートフォンでアプリやデバイスを操作することで得られる体験を価値としてサービス提供するものであり、その操作性及び得られる便益、経験、すなわち、UI/UXの設計によって、サービスの価値が決まるものと考えております。そして、UI/UXデザインの構築力は、ユーザー目線に立って、相手の求めていることを推測し、実現して提供する力であることから、アプリやデバイス開発におけるUI/UXに限定されるものではなく、ビジネスの構築においても応用することが可能であります。また、創業以来、Smartphone APP事業を軸にしながら複数の事業を行って、異なる事業においても活用できるノウハウを共有する土壌を築いてきたことによって、ビジネスの構築力を向上させてまいりました。その結果、当社は、これまでに培ったビジネス構築力によって、様々なパートナー企業と連携してビジネスを構築することで、サービス提供を実現し、新規に取り組んだ事業であっても黒字化を達成してまいりました。
当社は、今後においてもこれまで培ったUI/UXデザイン及びビジネス構築力を基盤に、Smartphone APP事業に集中して、収益基盤の安定化と拡大化に取り組む一方で、IoT事業をはじめとした新規事業へ投資、育成することで、新たな収益基盤の確立に取り組み、企業価値の最大化を図ってまいります。そして、常に新しいビジネスにチャレンジし、体系的なビジネスモデルとして確立していく会社を目指します。
そのため、当社は、対処すべき課題を以下のように考えております。
① 収益基盤の確立及び安定化
当社は「最強シリーズ」「マンガアプリ」などスマートフォンアプリの開発及び「&AND HOSTEL」を皮切りに「&IoT」を活用したIoTサービスの提供を行っておりますが、スマートフォンアプリ市場は厳しい競争環境が続いており、またIoT関連市場においては成長性及び市場拡大を見込んだ新規参入企業の増加が大きな課題となっております。そのため、当社では、Smartphone APP事業を中心とした既存の収益基盤の拡大に加えて、IoT事業をはじめとする新規事業によって新たな収益源を確保することが、経営上重要な課題であると認識しております。具体的に、当社では以下の方針に基づき、対応を進めております。
(a) Smartphone APP事業の収益拡大
Smartphone APP事業では、既存アプリの収益向上及び新規アプリのリリースによる収益拡大を並行して行ってまいります。当社は、現在、「最強シリーズ」等のゲーム攻略マルチプレイパートナー募集掲示板アプリ及びマンガアプリをサービス提供しておりますが、ゲーム攻略アプリは、その性質上、ゲームタイトルそのものの人気や動向の影響を受けやすく、ゲームタイトルへ依存するものであります。そのため、当社は、ゲーム攻略アプリの収益向上及び新規のリリースに努めつつも、リスク分散を図るため、マンガアプリの収益拡大にリソースを集中させることで、ゲーム攻略アプリの収益基盤とは別に、早期にマンガアプリの収益基盤を確立、拡大させる方針であります。
ゲーム攻略アプリにおいては、既存の「最強シリーズ」に加え、ソーシャルゲーム本体と連動した公式の攻略アプリの展開を図り、新たなマネタイズ手法による収益の拡大を図ってまいります。
マンガアプリにおいては、広告宣伝の拡大や小説や動画などマンガ以外のコンテンツの投入によるMAUの増加と、新規のマンガコンテンツを継続的に投入することによりARPUを向上させ、「マンガUP!」「マンガPark」の収益の拡大を図ってまいります。また、出版社との継続的な関係性を構築することで、新たなマンガアプリのパートナー獲得に繋げてまいります。さらに、マンガアプリで獲得したユーザー基盤を活用し、マンガに特化したアドネットワーク事業「COMIAD(コミアド)」を開始し、攻略・マンガに続く事業の柱を目指し、展開してまいります。
(b) IoT事業のIoTサービス展開
IoT事業では、IoTの普及に寄与すべく、プラットフォームアプリ「&IoT」をベースとしたIoTサービスの提供を推進してまいります。
当社では、「&IoT」を活用して、様々なIoTデバイスを備えたIoT空間が楽しめるスマートホステル「&AND HOSTEL」を展開しており、その店舗数を拡大することによって収益向上を図ってまいります。
また、当社は、将来的に「&IoT」と連携させて、宿泊業務全体のICT化を実現する宿泊施設向けのシステム開発にも注力しており、宿泊予約管理システム「innto」、宿泊施設向けタブレットサービス「tabii」のサービス提供を行っております。客室でのIoTデバイスの一元的管理を可能とする「&IoT」、宿泊管理システム「innto」及び宿泊客に対するタブレットサービス「tabii」が、将来連携することで、宿泊客によるタブレットを通じたIoTデバイスの操作を可能とし、宿泊予約時から宿泊中のサービス提供までの一連の宿泊業務がICT化され、運営上、人が介在する業務を軽減し、省リソース、業務効率化を実現いたします。また、タブレットを通じて個々の宿泊客が操作したIoTデバイスから得られるビッグデータを解析することで、宿泊客の属性に応じた嗜好を把握し、宿泊客ごとに最適なホスピタリティを提供するという価値の創造も可能になります。更にその先の未来では、当社が提供するコンテンツや情報の利用傾向をビッグデータとして解析することで、宿泊客の属性に応じたサービス提供にとどまらず、精緻にターゲティングされたマーケティング・ビジネスへの展開を図ってまいります。
当社は、当該システムサービスの提供を通じて、より高度なマーケティング・ソリューションの構築及び新たなビジネスモデルの創出を目指しております。
そして、宿泊領域へのIoTサービスの提供を通じて獲得した、IoT技術に関するノウハウやパートナー企業等と構築したリレーションを活用して、住宅領域やヘルスケア領域へのサービス提供を更に推進し、IoTを活用した将来のライフスタイルの提示、実現に取り組むことで、新たな収益源の確保を図ってまいります。
② 組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の強化
当社は、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、従業員のモチベーションを引き出す目標管理制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、人格、当社の企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、様々な分野で活躍できる優秀な人材の採用に取り組んでまいります。組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを引き続き継続していく方針であります。
当社は、持続的企業価値向上と透明性の高い健全な経営を実現することを経営の最重要課題の一つとして位置づけ、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、社内教育を行ってまいります。また、BA Unit Managerを委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置して、コンプライアンス上の重要な問題を審議し、その結果を代表取締役社長(経営に重要な影響を与えると認められる事項については、取締役会)に報告する体制を採っており、これを適切に運用することによりコンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図っていく方針であります。
③ システム基盤の強化
当社は、インターネットやスマートフォンアプリをApple Inc.のスマートフォン「iPhone」・タブレット端末「iPad」などのiOS搭載端末向け、及びGoogle Inc.のAndroid搭載端末向けに展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。
そのため、各種ウェブサイトやアプリを運営する上では、ユーザー数増加に伴う負荷分散やユーザー満足度の向上を目的とした新規サービス・機能の開発等に備え、システム開発投資を継続的に行っていくことが必要となります。当社は、その重要性に鑑み、今後においてもシステム基盤の強化への取り組みを継続していく方針であります。
④ 技術革新への対応
当社は、先端的なテクノロジーを基盤にした新規サービスや新たなインターネット端末等の技術革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上の重要な要素であると認識しております。各々の技術革新の普及の進展を見ながら、柔軟な対応を図っていく方針であります。