有価証券報告書-第45期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、組込みソフトウエア技術をコアコンピタンスとしてグループを拡大・発展させるため、2011年11月に経営理念としての『eSOL Spirit』を制定しております。

(2)当社グループの現状の認識について
当社グループの主たる事業の1つである組込みソフトウエア事業が対象とする組込み市場の規模は、公的機関による調査が近年行われておりませんが、政府が掲げる「日本再興戦略2016(2016年6月2日発表)」にも組込みソフトウエアの重要性が謳われており、またコネクテッドカーや自動運転などによる一層の自動車の電子化や、今後の産業革新の大きなテーマであるIoT技術の浸透に従って、その市場規模と重要性は益々増大していくと思われます。
他方のセンシングソリューション事業は、従来ハム・食肉や冷食メーカや卸小売りなど事前発注を行わない商習慣市場に対して車載プリンタを、また倉庫業などに対して常温/耐環境ハンディターミナルを提供してまいりました。車載プリンタの実質的な競合他社は認識しておりません。しかしながら、顧客市場の成熟化や流通システムの再編成などにより、この市場は衰退期を迎えていると判断しております。今後は、耐環境技術など既存技術を活かしつつ、組込みソフトウエア事業とのシナジーを見込みながら、放牧や農業、水産業など、コンピュータ化の遅れている分野に各種センサによるIoTシステムを提案し、成長させる必要があると考えております。
(3)当面の事業上及び財務上の対処すべき課題の内容
当社グループが当面対処すべき課題の内容として、以下の点を認識しております。
① 組込みソフトウエア事業の拡大
組込みソフトウエア事業は当社グループを支える基幹事業で、主にソフトウエア製商品にかかる開発ライセンス、ロイヤリティ及び保守ライセンスの販売と、エンジニアリングサービスの2つのビジネスから構成されております。ソフトウエア製商品はエンジニアの数に依存しない、利益率の高いビジネスのため、このビジネスを成長させることは当社グループの収益性向上のために重要であります。一方でソフトウエア製品を開発・維持するには、新製品のための研究開発投資とリビジョンアップとよばれる既存製品に対する投資が必要となります。エンジニアリングサービスは、当社グループにおける組込みソフトウエア事業の売上高の約8割を占めるビジネスであり、10年以上の取引の長い顧客層をもっていることから、経営の安定化をはかる上で非常に重要です。また、ソフトウエア製商品の販売は新規のエンジニアリングサービスに結びつくことが期待されます。この相互関係が当社グループを特徴づける部分でもあり、これらの成長が当社グループの事業規模拡大の上で非常に重要であります。
当社グループでは自動車関連の売上高が近年では伸びてきております。昨今、自動車の電子化は著しく、今後もIoTシステムの一環として拡大を続けていくと思われますので、当社では最も重要な市場と考えております。また、近年はAI技術が注目されており、同技術は自動車関連市場で、より安全で快適な自動車の開発には不可欠なものであります。自動車のような即応性が求められる組込み機器では、クラウド側ではなく、エッジと呼ばれるデバイス=組込み機器、もしくはデバイスに近い部分でAI技術を実現する必要があります。当社もこのような技術の研究を進めていく必要があります。
近年は、コネクテッドをキーワードとしたMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス Mobilityas a Service)という言葉も現れており、今後の拡大が見込まれております。自動車もMaaSのプラットフォームの一つとして注目されており、当社グループは、MaaSのクラウド側とエッジ側双方で利用できる製品及びサービスの研究を進めてまいります。
さらに、成長のさらなるスピードアップのために、自動車関連の売上高の伸長とともに、他の市場への売上拡大も必要であります。当社グループの強みである、省電力と高速処理を同時に実現できるマルチコア/メニーコア/並列処理技術※に向いている、ロボットや医療などの画像処理関連の市場などへの応用と事業の拡大を推進してまいります。また国内市場とともに、海外市場の拡大も注力すべきと考えております。
※マルチコア:複数のCPUが1つの半導体に搭載されたもの
メニーコア:マルチコア以上にCPUの数を増やしたもの
並列処理:マルチ/メニーコア上で動作するプログラム
② 組込みソフトウエアエンジニアの確保・育成と生産性の向上
組込みソフトウエア事業での最大のビジネスはエンジニアリングサービスであります。このビジネス拡大のためには開発エンジニアの数の拡大が求められますが、ソフトウエア業界に限らず、様々な業界で人材採用難が語られており、パートナー企業の開拓も厳しいのが実情であります。2018年にマザーズ市場へ上場、さらに2019年には東証第一部へ市場変更をはたし、人材採用にとって大きなプラス要因でありますが、同時に採用活動中の学生や従業員にとって、魅力的な待遇を整備していく事も重要と考えております。これについては給与面だけでなく多様化する労働形態に応じて柔軟に対応していく必要があると考えております。同時にパートナー企業の開拓も今以上に注力いたします。
古くから言われることではありますが、企業の力は結局人材の力であります。採用した人員の能力をできるだけ早期に向上させ、付加価値の高い人員に育て上げていく事が必要であります。
③ センシングソリューション事業における既存市場からの出口戦略
1991年に開始した車載プリンタの販売は、加工食品市場、乳製品市場の成熟化、ロジスティクスのセンター納品化、EDI(Electric Data Interchange)の浸透、販売ルートの統廃合などにより、すでに衰退期を迎えていると考えております。しかしながら、旧来からの営業方法を変えることができない顧客が今後も存在すると考えております。ピーク時には年間1,000台以上の車載プリンタを販売しましたが、今後は200~300台前後の小規模の市場として今後もしばらくの間は継続すると予想しております。そのため新規投資は避けながら残存利益の回収に努めてまいります。
④ センシングソリューション事業における新規市場の開拓
車載プリンタに替わる新たな市場を開拓いたします。自動販売機など、まだコンピュータによるスマート化が遅れている市場や、農業や水産業などICT(情報通信技術)が採用されていない市場に、各種のセンサと既存事業のなかで獲得した耐環境技術を応用し、IoTソリューションを提供いたします。このため耐環境技術を応用した新たなデバイスの開発も視野に入れております。
(1)経営方針
当社は、組込みソフトウエア技術をコアコンピタンスとしてグループを拡大・発展させるため、2011年11月に経営理念としての『eSOL Spirit』を制定しております。

(2)当社グループの現状の認識について
当社グループの主たる事業の1つである組込みソフトウエア事業が対象とする組込み市場の規模は、公的機関による調査が近年行われておりませんが、政府が掲げる「日本再興戦略2016(2016年6月2日発表)」にも組込みソフトウエアの重要性が謳われており、またコネクテッドカーや自動運転などによる一層の自動車の電子化や、今後の産業革新の大きなテーマであるIoT技術の浸透に従って、その市場規模と重要性は益々増大していくと思われます。
他方のセンシングソリューション事業は、従来ハム・食肉や冷食メーカや卸小売りなど事前発注を行わない商習慣市場に対して車載プリンタを、また倉庫業などに対して常温/耐環境ハンディターミナルを提供してまいりました。車載プリンタの実質的な競合他社は認識しておりません。しかしながら、顧客市場の成熟化や流通システムの再編成などにより、この市場は衰退期を迎えていると判断しております。今後は、耐環境技術など既存技術を活かしつつ、組込みソフトウエア事業とのシナジーを見込みながら、放牧や農業、水産業など、コンピュータ化の遅れている分野に各種センサによるIoTシステムを提案し、成長させる必要があると考えております。
(3)当面の事業上及び財務上の対処すべき課題の内容
当社グループが当面対処すべき課題の内容として、以下の点を認識しております。
① 組込みソフトウエア事業の拡大
組込みソフトウエア事業は当社グループを支える基幹事業で、主にソフトウエア製商品にかかる開発ライセンス、ロイヤリティ及び保守ライセンスの販売と、エンジニアリングサービスの2つのビジネスから構成されております。ソフトウエア製商品はエンジニアの数に依存しない、利益率の高いビジネスのため、このビジネスを成長させることは当社グループの収益性向上のために重要であります。一方でソフトウエア製品を開発・維持するには、新製品のための研究開発投資とリビジョンアップとよばれる既存製品に対する投資が必要となります。エンジニアリングサービスは、当社グループにおける組込みソフトウエア事業の売上高の約8割を占めるビジネスであり、10年以上の取引の長い顧客層をもっていることから、経営の安定化をはかる上で非常に重要です。また、ソフトウエア製商品の販売は新規のエンジニアリングサービスに結びつくことが期待されます。この相互関係が当社グループを特徴づける部分でもあり、これらの成長が当社グループの事業規模拡大の上で非常に重要であります。
当社グループでは自動車関連の売上高が近年では伸びてきております。昨今、自動車の電子化は著しく、今後もIoTシステムの一環として拡大を続けていくと思われますので、当社では最も重要な市場と考えております。また、近年はAI技術が注目されており、同技術は自動車関連市場で、より安全で快適な自動車の開発には不可欠なものであります。自動車のような即応性が求められる組込み機器では、クラウド側ではなく、エッジと呼ばれるデバイス=組込み機器、もしくはデバイスに近い部分でAI技術を実現する必要があります。当社もこのような技術の研究を進めていく必要があります。
近年は、コネクテッドをキーワードとしたMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス Mobilityas a Service)という言葉も現れており、今後の拡大が見込まれております。自動車もMaaSのプラットフォームの一つとして注目されており、当社グループは、MaaSのクラウド側とエッジ側双方で利用できる製品及びサービスの研究を進めてまいります。
さらに、成長のさらなるスピードアップのために、自動車関連の売上高の伸長とともに、他の市場への売上拡大も必要であります。当社グループの強みである、省電力と高速処理を同時に実現できるマルチコア/メニーコア/並列処理技術※に向いている、ロボットや医療などの画像処理関連の市場などへの応用と事業の拡大を推進してまいります。また国内市場とともに、海外市場の拡大も注力すべきと考えております。
※マルチコア:複数のCPUが1つの半導体に搭載されたもの
メニーコア:マルチコア以上にCPUの数を増やしたもの
並列処理:マルチ/メニーコア上で動作するプログラム
② 組込みソフトウエアエンジニアの確保・育成と生産性の向上
組込みソフトウエア事業での最大のビジネスはエンジニアリングサービスであります。このビジネス拡大のためには開発エンジニアの数の拡大が求められますが、ソフトウエア業界に限らず、様々な業界で人材採用難が語られており、パートナー企業の開拓も厳しいのが実情であります。2018年にマザーズ市場へ上場、さらに2019年には東証第一部へ市場変更をはたし、人材採用にとって大きなプラス要因でありますが、同時に採用活動中の学生や従業員にとって、魅力的な待遇を整備していく事も重要と考えております。これについては給与面だけでなく多様化する労働形態に応じて柔軟に対応していく必要があると考えております。同時にパートナー企業の開拓も今以上に注力いたします。
古くから言われることではありますが、企業の力は結局人材の力であります。採用した人員の能力をできるだけ早期に向上させ、付加価値の高い人員に育て上げていく事が必要であります。
③ センシングソリューション事業における既存市場からの出口戦略
1991年に開始した車載プリンタの販売は、加工食品市場、乳製品市場の成熟化、ロジスティクスのセンター納品化、EDI(Electric Data Interchange)の浸透、販売ルートの統廃合などにより、すでに衰退期を迎えていると考えております。しかしながら、旧来からの営業方法を変えることができない顧客が今後も存在すると考えております。ピーク時には年間1,000台以上の車載プリンタを販売しましたが、今後は200~300台前後の小規模の市場として今後もしばらくの間は継続すると予想しております。そのため新規投資は避けながら残存利益の回収に努めてまいります。
④ センシングソリューション事業における新規市場の開拓
車載プリンタに替わる新たな市場を開拓いたします。自動販売機など、まだコンピュータによるスマート化が遅れている市場や、農業や水産業などICT(情報通信技術)が採用されていない市場に、各種のセンサと既存事業のなかで獲得した耐環境技術を応用し、IoTソリューションを提供いたします。このため耐環境技術を応用した新たなデバイスの開発も視野に入れております。