有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/05/23 15:00
【資料】
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【項目】
104項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営理念・指針・ビジョン
当社グループの経営理念は「ヤシマキザイは、鉄道・交通ビジネスに強い専門商社として、限りの無い成長を目指します」、「ヤシマキザイは、人材育成を通して、会社の成長を社員と分かち合います」、「ヤシマキザイは、法令を遵守し、良き企業市民として社会に貢献します」 としております。
また経営指針として「変革と行動 Change & Action」、経営ビジョンとして「永続的に発展し続けることを目指す」、「鉄道専門商社としてのステータスをより一層高める」を掲げております。
これらを経営の中心として、中期的には以下の方針、戦略を実現してまいります。
(2) 基本方針
当社グループは中期的な基本方針として以下の方針を定めております。
「安定的経営基盤の強化・効率化」
「鉄道分野の事業領域拡大、ソリューションサービスの提供」
「グローバル対応強化、海外展開加速」
「成長投資促進」
これらの方針に基づき、当社グループの事業環境を踏まえて対処すべき課題等に取り組んでまいります。
(3) 経営環境
わが国経済は、雇用環境の改善や設備投資の増加など緩やかな回復基調で推移しております。当社グループを取り巻く環境につきましては、主要鉄道各社運輸事業の収益・利益が当連結会計年度において前期比増となる等、相応の底堅さを見せています。
このような状況の中、鉄道・交通ビジネスに強い専門商社として事業拡大に取組んでおります。しかしながら、中国国内の高速車両の製造が予測より低迷したこと等が大きく経営成績に影響を与えました。
このような状況を踏まえ、当社グループでは継続的な成長の実現及び収益力強化のため、対処すべき課題等に取り組んでまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置付け、ROE5%の達成を目標としております。
(5) 対処すべき課題等
① 当社グループ経営基盤である「鉄道分野」への一層の注力を図り、業務効率化や専門性の向上に努める。
国内鉄道市場の全体傾向は成熟傾向にありますが、一定程度の市場はあるものと捉えております。当社グループはこれまでは鉄道市場において鉄道車両をメイン分野としてまいりましたが、設備や保線等の分野に展開余地があると考えております。また鉄道業界において国際規格への対応の動きがあり、これは既存の商権に対して脅威となる面がありますが、他方では機会にもなるものと考えております。さらに国内の経年車両を海外に譲渡する動きが近年増えております。譲渡を得た海外の国では車両基地の整備に伴う検査設備等の設備や、車両の補修部品等の購入を行う必要があります。これらを課題ととらえるとともに、これらのニーズに対して当社グループとしても商機と捉え、受注獲得を目指します。
② 「公営・民間鉄道」関連の受注拡大を目指すとともに、鉄道分野における新分野・新商材の開拓・開発を進める。
当社グループは創業時より現在のJR各社(旧国鉄)との取引高が多く、相対的にJR各社との取引高比率は高い反面、公営・民間鉄道事業者との取引高は相対的に高くありませんでした。このことを課題としており、既存の対応分野以外や新たな商材の開拓や開発を進めることで、「公民鉄」各社に対する受注拡大を図るとともに、上述の新分野や新商材の開拓や開発を、JR各社や関連業界にも展開を目指します。
③ 海外市場、特に東南アジア・欧州(イギリス・イタリア)を注力先として、部門間の連携を図り商圏の拡大を目指す。
新たな鉄道インフラの整備を始めとして、海外では鉄道市場の拡大が見込まれています。当社グループはそれら海外の中で特に東南アジア圏を注力先としております。また欧州においてはイギリスとイタリアを注力先としております。これらを課題ととらえるとともに、これらの注力先に対して、当社グループでは従来海外の案件対応を行っていた部門に限らず、グループ内の各部門が連携して知見の向上や対応にあたることで、各取引先との連携強化や受注の拡大に繋げてまいります。
④ グローバルな人材投資・新規商材開発を積極的に行い、状況に応じて現地パートナー会社と連携して海外展開を目指す。
海外市場を商圏とする、また海外の製品を取り扱うことは今後一層増えるものと捉えております。そのための人材を育成するため教育や採用等、人材への投資を行ってまいります。新規商材開発においては国内外を問わず及び鉄道分野のみに限らず、積極的に行ってまいります。また海外市場案件の対応においては、すべて当社グループ内のリソースで行うことは難しい面があります。これらを課題ととらえ、そのために状況に応じて信頼できる現地のパートナーを確保して、連携を図っていく必要があると考えております。
⑤ コーポレートガバナンス体制の整備
法令遵守は多方面に渡って対応を図っていく必要性が年々高まっています。このことを課題としており当社グループでは「各種規程に基づく適切な権限移譲と明確なレポートラインの確立」、「コンプライアンス・リスク管理委員会によるリスク管理体制の強化」、「監査等委員会・内部監査によるコーポレートガバナンスの強化」、「J-SOX対応による管理及び業務フロー整備を通じた適時開示可能な体制構築」などを行い、コーポレートガバナンス体制の整備、強化に努めてまいります。
⑥ 内部統制に係る体制の整備
当社グループでは金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制に関する要件を満たす必要があり、事業運営及び資産管理に必要で効果的な内部統制システム、コンプライアンス機能の整備は極めて重要であり課題であると認識しております。その課題に対処するため、内部統制に係る体制の整備、強化に取り組んでまいります。