有価証券報告書-第8期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/28 13:51
【資料】
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【項目】
145項目

対処すべき課題

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループはミッションに「どこにもないふつう」を掲げています。
従来の業界の常識に囚われないアプローチで、今まで「ふつうでなかった」を明日「ふつう」にすることで、新しいニーズ、新しい顧客層を生み出し、社会に貢献する企業を目指します。
また、構造改革の一助となることによって、社会的コストの低減化も目指します。
(2) 経営戦略等
当社グループのミッション「どこにもないふつう」、を生み出す鍵は「新しいサービスビジネス」の実現です。新しいサービスビジネスで必要な事は「標準化」であり、このことでサービスの均一化、オペレーションのローコスト化を目指し、サービスビジネスの強化につなげます。
2024年3月期を第二創業期と位置付けVision「THE NEXT STANDARD.」を掲げ、新しいサービスビジネスの定着、拡大で従来のフロービジネス主体からストックビジネスへの展開を目指していきます。
現在、ITセグメント、暮らしセグメントでサービスビジネスの提供を開始しています。
ITセグメントでは、流通小売業を中心としてRedx(リデックス)クラウドサービスの提供を開始しています。
特長として、
現場視点で業務のシンプル化を図り圧倒的に容易な操作性の実現で「標準化」の導入を推進
消費者視点で店舗(リアル)でもネット(ECサイト)でも全てクラウド環境を使っていることで
消費者の要望に合わせた対応をスピードを持って可能にできる
顧客経営視点で店舗システムもネットシステムも全てクラウド環境を使うことでシステムの追加、改善を容易とする
標準化・共同化を適用することで「導入・維持コスト」の圧倒的低減化の実現
市場環境/規則の変化に合わせた「業務」をクラウドサービス内で標準として提供することで改修コストの低減化の実現
OS等のバージョンアップで従来発生していたソフトウェア(S/W)の「保守切れ」の考え方をなくし「システムの積み上げ」を可能にする
このことで将来に向けて「システム負債」からの脱却を目指す

暮らしセグメントでは、コロナ禍で開始した、Hotelを「レジデンス」として捉え新しいメディア「hotelpass」を使い集客することで、一定の定着を見たことを受け「ライフワークレジデンス」として不動産購入、サブリース等で拡張を始めています。会員化(goodroomメンバーズ)を含めて「新しい暮らし方」のニーズを生み出しサブスクリプション型サービスとして拡大することを目指します。
合わせて、シェアオフィス「goodoffice」でワークラウンジを付加しています。このことで「新しい暮らし方」と「新しい働き方」の連携で新しい付加価値を生み出すことも目指していきます。
(3) 経営環境
新型コロナウイルス感染症は、2023年5月に第5類感染症への変更もあり終息に向かっており、行動制限が緩和されたことを背景に、景気は緩やかな回復傾向にあります。しかしながら、世界的な金融引き締め等を背景とした海外景気の下振れや、円安の進行を一因とする物価上昇、供給面での制約等の下振れリスクおよび金融資本市場の変動等もあり、将来の見通しが不透明な状況が続いております。
このような経済環境のもと、当社グループは新規サービスビジネスの強化を図り、フロービジネス主体からストックビジネス主体への転換を進めながら、時代のニーズを的確に捉え、事業活動を展開していく事が重要と考えております。
ITセグメント
企業のIT予算は2010年以降で最高値とIT投資意欲が活発な状況にあります(注)1。また、IT人材の不足は今後も継続する見通しとなっております。
このような環境の中、ユーザー企業のシステム課題の真の解決、内製化含むDX推進の支援を展開することが重要と考えております。
暮らしセグメント
不動産物件における新規着工件数は減少トレンドをたどっていく一方、空き家率は高まっていくと見込まれます。リフォーム市場は7兆円規模で堅調に推移(注)2していく事に加え、ライフスタイルに大きな変化(新しい暮らし方・働き方)が起きており、新規着工件数の減少に伴い既存ストックを活用するリノベーションのニーズは高まっていくと考えております。
このような環境の中、リノベーションビジネスの拡大とそれに連動した運営ビジネスの拡大を通じて新しい暮らし方・働き方の拡大を図り、事業間の連携を行いながら「どこにもないふつう」の暮らしを実現するベースをサービスビジネスとして提供することが重要と考えております。
(注)1 出典:一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書2023」
2 出典:株式会社野村総合研究所「2030年の住宅市場」
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業上の課題
a ITセグメント
・新規事業の展開
当社グループが得意としている流通小売業界において、実店舗とネットを融合して顧客体験を抜本的に変えるニーズが顕著となっております。これまでに培った流通小売業における知見を活かして、Redxを中心とした流通小売業のDXを推進するサービス開発を推進します。標準化内容の精度向上と推進が事業上の重要な課題です。
・既存事業の強化
金融ビジネス、流通小売ビジネス及びそこから生まれる物販ビジネスが中心ですが、従来の請負開発からRedxを中心とした自社プロダクト及びサービス開発への転換及び従来のSEサービスビジネスから顧客内での保守及び内製化支援等を中心としたビジネスへの転換を推進し、物販を維持・保守サービスビジネスへの転換、拡大を目指します。
b 暮らしセグメント
・新規事業の展開
「つくる=リノベーション」「貸す=不動産仲介、メディア」「運営する=オペレーション」を一気通貫で行い、事業創出していくことが求められます。これらを包含し、それに加え「サブスくらし(旧:hotelpass)」及び「goodoffice」の事業拡大を通じた「新しい暮らし方・働き方」の実現をサービスビジネスとして拡大することを目指します。
・既存事業の強化
リノベーションビジネスの質を担保したまま量の確保が課題です。このため「TOMOS」「goodroom」のブランドを活用した引き合い獲得に加えて、法人営業を強化し大型案件を獲得することで拡大を目指します。
あわせてリノベーションのコスト削減を目的とした仕様、工法、体制、及びプロセスの改善に取組み、コスト削減と営業体制の強化を図り業績向上につなげてまいります。
② 人材の確保及び育成
新規事業の推進と既存事業の強化を実現するために、事業経営ができる人材の確保が重点課題であり、キャリア採用を推進しています。今後においてもさらに強化してまいります。
一方、この数年新規採用した150名以上の新卒社員等を中心とした社員の育成も同様に重要であり、ミッション・責任の範囲の更なる明確化と合わせて育成・評価を実行してまいります。
③ SDGsに関する取組みについて
当社グループではグループ事業を通じて「働き方改革」「リノベーション」「ロングライフデザイン」に関連して「SDGs17の目標」に対する取組みを下記のとおり推進しております。
「働き方改革」として“働きがいも経済成長も”“技術革新の基盤作り”をITセグメント、暮らしセグメントそれぞれが連携して推進しています。
「リノベーション」として“住み続けられるまちづくり”及び“パートナーシップで目標達成”を、また「ロングライフデザイン」として“住み続けられるまちづくり”及び“つくる責任とつかう責任”を推進しています。
グループ全体としては“質の高い教育”及び“不平等をなくす”を推進いたします。