有価証券報告書-第4期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)

【提出】
2019/05/31 9:01
【資料】
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【項目】
68項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、提出日現在にて、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
① 企業理念
「識学を広める事で人々の持つ可能性を最大化する」という企業理念のもと、識学を一日でも早く一人でも多くの人に伝え、さまざまな組織の生産性の向上に寄与します。
② 中長期ビジョン
組織に属する人々が、迷いなく活躍できる組織を増やします。「会社を経営するなら、組織を運営するなら、『識学』を当然知っておかないといけないという位置づけにしていくこと」をテーマに掲げ、当社の企業理念の実現を目指してまいります。
③ 経営の基本方針
イ.識学に対する理解・共感を促し、社会的信用を増大する
ロ.顧客の組織運営の課題・ニーズに対応する組織改革マネジメントコンサルティング企業となる
ハ.公器としてふさわしい行動を行う企業となる
(2) 経営戦略等
上記の中長期ビジョン達成のためには、当社の経営の基本方針を踏まえつつ、「新たに導入する組織を増やすこと」及び「導入した組織に浸透させること」が重要であると考えております。そのため、以下に掲げる経営重点テーマの達成に向けて全力で取り組んでおります。
① 識学について正しく・広く認知される仕組みの構築
② 提携戦略も含めた効率的かつスピード感のあるエリア展開
③ 提供するサービス品質の維持・向上
④ 顧客ニーズや組織課題を解決するためのサービスの開発・拡充
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
企業理念及び経営戦略等の実現性を表す客観的な指標として、契約企業数を指標としております。
(4) 経営環境
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
(5) 対処すべき課題
① 識学について正しく・広く認知される仕組みの構築
イ.知名度向上のための広告施策展開
識学に対する知名度を上げていくためには、経営者に識学の存在そのものをダイレクトに届けることと、そのメッセージ性が重要であります。そのため、当社は経営者が空き時間で活用するSNSを媒介に、経営者が陥りがちな誤った組織運営について、その弊害の解説を行う広告展開を行っております。今後は、これまでの取組に加え、地方エリア、オフライン戦略の充実強化を目的に動画活用等新たな広告施策を行い、顧客からの問い合わせ件数、効率、アポ率及び成約率の適正化を図ってまいります。
ロ.講師人材の確保
外部の方に識学を正しく理解頂くためには、理論を正確に理解し、顧客に解説できる講師が必須であるため、優秀な人材の獲得が重要であります。当社は、現在組織運営そのものを識学に基づいて行い、役割と権限の明確化により権限内であらゆることに挑戦できる環境と、成果が報酬に反映される明確な評価制度を構築し、優秀な人材がさらなる成長感を求めて入社する環境を整えております。今後は本制度の改善と運用の徹底により、人材の内発的動機が自然発生する状態にしつつ、人材紹介会社等を通じた採用活動により、人員計画の達成を図ってまいります。
ハ.講師育成の仕組み化
当社では、入社から講師認定の獲得までの期間は講師育成の期間とし、マニュアル・FAQ・動画確認・OJT・ロールプレイング等の手段を用いて、その学びの時間に集中させる仕組みを構築しております。現在は平均3ヶ月ほどの期間で入社後講師認定されておりますが、今後はそのノウハウをさらに高めることで育成リードタイムの短縮に取り組んでまいります。
ニ.社会性獲得を目的とした識学の活用
識学は人の意識構造を研究した独自の理論であるため、学生や社会人のスポーツチーム、学校の教育コミュニティ、さらには家庭まで、さまざまな集団で発生する課題に対して解決策を提供することが可能であると考えております。これらの集団で識学を実践し、実績を積み上げることが、当社の更なる社会性獲得の手段としても有効であると考えているため、これらの集団に対する識学の提供についても取り組んでまいります。
② 販売経路や機会の多様化・拡大
当社は、当社の潜在的な見込顧客とネットワークを有する法人と提携し、顧客紹介の代理店を増やしております。また、当社ではパートナー制度を導入しております。当該制度では、パートナー契約の締結を基本とし、当該パートナー企業の役職員が識学の講師となり、最終的にはパートナー企業単独で識学サービスを提供します。さらには、M&Aや事業承継等に代表される組織文化や風土が変革される前後においても、識学の活用は有効であるため、当該分野にネットワークを有する法人との連携も視野に入れた需要の取込施策も検討してまいります。これらの施策は、当社単独では効率的な開拓ができないエリアや業界に識学を普及させる手段として有効であると考えており、これにより経路別契約数の多様化を図ってまいります。
③ 提供するサービス品質の維持・向上
識学講師の品質が、顧客組織への浸透にとってキーとなります。そのため、一度認定された講師であっても月に1度の品質確認テストを受験し、一定基準を下回った場合には、再学習するという仕組みを構築しております。また、当該品質確認テストは、コンサルティング現場で発生した実際のFAQや隣接部門が習得した新たなノウハウで横展開できそうなものから出題されるため、講師品質の向上にも寄与する取組となっております。また今後は、サービス品質のみならず、識学社員としての品質向上を目的に、マナーや行動規範についてもチェックします。
④ 顧客ニーズや組織課題を解決するためのサービスの開発・拡充
これまでの当社提供サービスは、経営者向けのマンツーマントレーニングが大きな比率を占めておりましたが、顧客から、「より下位の層にも教えてほしい」「自分自身のマネジメントをチェックしてほしい」「継続的に学習したい」との要望を頂き、各層別のトレーニングや継続的に学び続ける機会の提供となるサービスを拡充しております。特に、プラットフォームサービスについては、上記のようなご要望に低単価で対応するツールであり、当社としても定期的な顧客接点機会の創出、人的稼働が不要で継続的な役務提供ができるサービスであります。さらには、識学未導入企業様の幹部層・管理職からの要望に対応すべく、各層毎にクラス分けされたスクール形式での識学の提供についても検討してまいります。
今後も市場で起こっていることと真摯に向き合い、リピート率及び顧客満足度の向上につながるよう、サービス開発・拡充を図ってまいります。
⑤ 経営管理体制の強化
当社は、現状、小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。今後、持続的な成長を図っていくためには、事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しており、株主様、ステークホルダーの皆様に信頼される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取組みが不可欠であると考えております。そのため、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくとともに、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいります。